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( ^ω^)死人のようです

1 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 01:03:02.54 ID:E+6HYbv80
前スレ
URL http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1282323469/
dat  http://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/146033

−前回のあらすじ−
内藤は死にました。
でも死人(しびと)というものになって仲間に出会いました。
モララーさんはいい人だなあと思ったら敵でした。

以上。

2 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 01:05:53.58 ID:E+6HYbv80
二話 −潭潭−



( ・∀・)「それで、君たちまた遊ぶだけ遊んで帰ってきたの?」

('、`*川「……すみません」

 蛍光灯の明かりの元、コンクリートの壁に囲まれた部屋で、
彼らは先の襲撃事件について問責(もんせき)を受けていた。
窓は覗けども澱んだ藍色に阻まれて外が窺えない。
時刻も昼を過ぎた頃だというのに、陽の光一筋さえも差し込まぬのだ。
それは決して窓が特殊なわけではない。
窓の外が、決して地図に載っているような場所ではないのだ。

 言うなればここはモララーを中心とする死人の町。
この建物から半径約二キロメートル程度の範囲すべてが知られずの土地。
陽の目を見ることの無い、地下に眠る文字通り死人の町。
とは言え、そこにいる人数といえば微々たるものだ。
なにせこの土地自体が既存のものを借りただけなのだ。
しかし土地の意思は確実にモララーに受け継がれている。
少なくともモララー自身はそう考えていたし、それを裏付けるものもある。

3 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 01:08:43.53 ID:E+6HYbv80
( ・∀・)「ふう……まあ君たちは余興みたいなものだし、期待はしてないよ」

 ただ、今はまだ時期として未熟であるのだ。
彼はそれを承知で、彼女らになんら罰を加えることも無いのだ。

从 ゚∀从「俺はヒートが居なきゃちゃんと言われたとおりに出来たし」

ノパ听)「役立たずはよくそういう言い訳するよな」

从 ゚∀从「……なんだよ」

ノパ听)「なんだよ」

('、`*川「いい加減にしなさい」

 二人もさすがに先の失敗を負い目に感じているのか、叱責されると素直に閉口した。

(,,゚Д゚)「モララー、暇」

 そこへ断りも無しに一人の小柄な少年がやってきた。
ベージュのウインドブレーカーに身を包み、
両手をそのポケットに入れながらぶっきらぼうにモララーに話しかけた。

( ・∀・)「今はまだ準備期間だよ、ギコ。もう少し、ね」

(,,゚Д゚)「フン、早くジョルジュの奴ぶっ殺してえなぁ」

 ギコと呼ばれた少年は舌打ちをするとその場で地面を蹴った。
一際大袈裟にガムを吐き棄てると、ボサボサの頭を掻き毟った。

4 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 01:11:35.76 ID:E+6HYbv80
( ・∀・)「元メンバーに酷い言い草だね。
      君はあんなにジョルジュにべったりだったのに」

(,,゚Д゚)「……。なんかやることねーの?」

( ・∀・)「そうだなー。じゃあ例の女性、偵察してきてよ」

(,,゚Д゚)「偵察?」

( ・∀・)「そう、偵察。くれぐれも荒々しいことはしないように。
      もし不安なら、つー、あるいはシューでも連れて行っていいよ」

(,,゚Д゚)「あんなの連れてけるかよ。あー、暇くせーな」

 つまらなそうにそう吐き捨てると、ギコはペニサスの方を睨みつけた。

(,,゚Д゚)「変なこと考えて手抜いてんじゃねーぞ」

 自分よりもいくつも年上のペニサスにそう言い放つと、
フードを被り、背を向けてその場を後にした。

ノパ听)「くそっ、あいつペニサスさんになんて口利いてやがんだ」

 いつもなら口よりも先に手が出るヒートだったが、今は陰口を叩くことしかできなかった。
 そこには自分自身の失敗の負い目もあったが、
なによりギコとヒートではその能力差が著しいというのが大きかった。

5 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 01:15:02.70 ID:E+6HYbv80
('、`*川「モララー、本当にジョルジュを殺すの?」

( ・∀・)「なんで?」

 そう聞き返すモララーは大きく目を開き、弓なりに口元を曲げた。
形容するならば笑顔だが、それは決して愉快な時に見せる表情ではなかった。

('、`*川「あなた、ジョルジュを気に入ってるんでしょ?」

 その問に表情を崩すことなく、モララーはペニサスに歩み寄る。
そしてネクタイの結び目を弄(いじ)りながら、空いた手をペニサスの肩に乗せ、
顔をぐっと近づけた。

( ・∀・)「そうさ。僕はジョルジュが大好きだ。
      あれほどの男はそうそう居ない。
      彼の話をするだけで機嫌が良くなるくらいだ」

('、`*川「私も同感ね」

( ・∀・)「でもさ、だから何?」

 さらにモララーの表情が固くなった。
笑顔はさらに作り物のようになり、目はとうに笑っていない。

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/22(日) 01:16:19.79 ID:qZH+h0Xj0
まってたぞー!支援だ!


7 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 01:18:26.82 ID:E+6HYbv80
( ・∀・)「関係ないよね? どれだけの好漢(こうかん)でも罪は消えない。
      好漢は好漢であり、罪は罪だ。
      僕は相変わらず彼が好きだし、彼の犯した罪が憎い」

('、`*川「彼が好きなら、彼を失いたくないとは思わないの?」

( ・∀・)「思うよ」

 ゆっくりと手を離し、モララーはペニサスに背を向けた。

( ・∀・)「彼が死んだら僕は泣くだろうね。
      一日、いや、三日は立ち直れないかな」

('、`*川「それでも彼を許せないのね」

( ・∀・)「僕が許せないのは罪さ。
      君たちはよく感情だのなんだのと色々なものを混ぜては難しく考え、
      挙句の果てには訳の分からない決断をする。
      これは僕のモラル。彼を好きな僕と、罪を憎むモラルの話さ」

('、`*川「もし私が彼と同じ道を選んだなら?」

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/22(日) 01:19:51.06 ID:4zYkKVCAO
しし

9 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 01:21:30.91 ID:E+6HYbv80
 一瞬の間。
発言の重みが、この場を押しつぶそうとする。
目を見開きペニサスを見るハインとヒート。
それを黙殺しモララーの背中をジッと見つめるペニサス。
やがてモララーは、ゆっくりと振り返り言った。

( ・∀・)「ギコが、すごく怒るだろうね」

 笑顔。
先ほどよりは人間味のある、しかし紛う事なき作り笑顔。
そしてモララーはそれ以上言葉を重ねることなく、
部屋を後にした。

 その様子をジッと見ていたハインとヒートが、
モララーが居なくなると同時に同じ質問を投げかけた。

从 ゚∀从「ペニサスさん、辞めるんッスか?」

ノパ听)「俺たちのこと、見捨てるんですか?」

 それに対しペニサスは無言。
考え込んだまま、何も無い空間を見つめている。

10 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 01:23:44.62 ID:E+6HYbv80
从;゚∀从「お、俺、ペニサスさんがイヤだってんならもうコイツとケンカしません」

ノハ;゚听)「俺だって! 言われたことはちゃんとやります!」

从;゚∀从「次はちゃんとあいつら叩きのめしますから!」

ノハ;゚听)「俺も死ぬ気でやります!」

 二人の必死の懇願にようやくペニサスが頬の筋肉を緩めた。

('、`*川「そういうことじゃないの。でも、ありがとう」

 言ってペニサスは二人をまとめて軽く抱きしめた。
そうして照れ笑いを浮かべる二人を見て微笑むと、再び表情を引き締めた。

('、`*川「私は私の為に生きるの。
     別に誰かを想って感傷的になってるわけじゃないから」

11 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 01:26:44.89 ID:E+6HYbv80
从 ゚∀从「俺はペニサスさんの為に生きます!」

ノパ听)「俺も!」

从 ゚∀从「パクんなよ」

ノパ听)「は? 先に考えてたの俺だし」

从 ゚∀从「おーおー、おチビちゃんは言うこともガキだねえ」

ノパ听)「うるせーよハゲ」

从 ゚∀从「は? どこをどー見たらハゲなんだ? ん、コラ」

ノパ听)「じゃあ今すぐハゲにしてやんよコラ」

 ヒートの髪の毛が徐々に逆立ち、辺りに小さな破裂音が聞こえ始める。
それに応えるように眉間にシワを寄せて笑うハイン。
その体を蔓(つる)の様に青白い光の線が巻きついていく。

('、`;*川「ふう……もう止めるのも飽きたわ」

 そう言うとペニサスは睨みあう二人の頭を掴み、激突させた。

曝ク;>∀从
         「「痛っ!」」
繁ハ;><)

('、`*川「あんたらホントいい加減にしてね」

12 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 01:29:28.26 ID:E+6HYbv80
从;゚∀从「……ガツンと来ました。ガツンと」

ノハ;凵G)「痛い……血出たかも。骨も折れたかも」

 両手で額を押さえてしゃがみ込み、
ヒートは恨めしげに潤んだ目でハインを睨みつける。

从 ゚∀从「お前は大袈裟なんだよ」

 その視線に応えるようにハインもしゃがみ額を押さえているヒートの両手をどかすと、
その部位をじっと見つめ、手の先で軽く叩いた。

从 ゚∀从「はい、余裕。血なんて出てねーよ」

ノハ;凵G)「本当かー? くそー、お前石頭なんだよ」

 既に二人からは戦う意思が消え失せていた。
それを確認するとペニサスは一人、部屋の外へ歩き出した。

从 ゚∀从「ペニサスさん。どっか行くんスか? なら俺も付いていきますよ」

('、`*川「ごめんね。ちょっと一人で行きたいの。今夜、現地で会いましょう」

 ジョルジュたちとの再戦は今夜行う取り決めだった。
それを反故にして攻めに行こうと言う意見がハインやヒートから上がったが、
ペニサスはそれを断固として拒否した。

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/22(日) 01:31:06.97 ID:4zYkKVCAO
支援

14 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 01:32:03.89 ID:E+6HYbv80
从 ゚∀从「……分かりました」

('、`*川「それから」

 思い出したようにペニサスが何事かを付け加えようとした。
が、急に何かが喉に詰まったように言葉は続かず、無言のままペニサスは目を一度伏せ、

('、`*川「今夜はしっかり戦うこと」

そう言って部屋を後にした。

ノパ听)「おー……やっと痛くなくなってきた。
     ん? 痛くなくなくなって? 痛くなくなくなく……なく?」

从 ゚∀从「ヒート。今日の戦いはちょっとマジで行こうぜ」

 声のトーンを落としたハインが、ヒートの方を見ないでそう呟いた。

ノパ听)「俺はいつもマジだけどな」

从 ゚∀从「いや、マジのマジで」

ノパ听)「ガチか」

从 ゚∀从「ああ」

ノパ听)「そっか。ガチか」

 二人はそれきりしばらく黙り込むと、
溜息を吐いたりその場で軽く跳ねたりして、来るべき今夜の戦いに思いを馳せた。

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/22(日) 01:32:40.89 ID:ExsXfA1u0
支援

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/22(日) 01:33:00.55 ID:3ZYgaA7IO
好漢という単語に反応した俺は間違いなく水滸伝スキー支援

17 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 01:35:09.70 ID:E+6HYbv80
 彼女らはモララーグループでは一番の新人で対死人の実戦経験は過去三回しか無く、
また、そのいずれもが途中で横槍が入り中途終了している。

 そしてまた、このグループで人を殺したことが無いのも、彼女ら二人だけであった。





('、`*川「もしもし? ジョルジュ?」

('、`*川「こんな時までふざけないで」

('、`*川「うん。うん。そうね」

('、`*川「あのね、少し話があるの。そう、二人で」

('、`*川「……ありがとう。じゃあ今からあのお店で。うん」





18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/22(日) 01:36:36.14 ID:fOMjL8pzO
死人きたか支援


19 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 01:36:55.81 ID:E+6HYbv80
三話 −意義−



 ジョルジュが死人になったのは今から一年前のことだった。
死因は轢死(れきし)。
夜中に酒気帯び運転の大型トラックに轢(ひ)かれたことに因る。

 ドライバーは一旦車外へ降りたものの、
左肩から斜めに右腕含む腰までが潰れた遺体を見て、
恐怖心から遺体を放置し、すぐに轢いた車でその場を去った。

 しかしドライバーが検挙されることはなかった。
なぜなら目覚めたジョルジュは絶命どころか外傷一つなかったからである。
 死人として目を覚ましたジョルジュは五体満足の状態であり、
彼はその後数日の間、嫌な夢を見たと思いながら、
いつも通りの生活を行っていた

 そんな彼の生活を一転させたのがモララーだった。

( ・∀・)「失礼。もしや君は一度死んでないかい?」
  _
( ゚∀゚)「あ、俺宗教とか興味ないんで。じゃ」

 ジョルジュから見たモララーの第一印象は、『スーツ姿の胡散臭い兄ちゃん』 だった。
 いきなり見ず知らずの他人に死んだだのなんだのと言われれば、
誰だって関わりたくないと思うものだ。

 初めてあった日に交わした言葉はこれだけであった。
しかしモララーは諦めなかった。

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/22(日) 01:36:58.69 ID:ExsXfA1u0
乙!

21 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 01:40:33.83 ID:E+6HYbv80
( ・∀・)「あ、こんにちは」
  _
( ゚∀゚)「お前、こんな所で待ち伏せか」

( ・∀・)「ええ、この前会ったので。待っていれば会えるかなと」
  _
( ゚∀゚)「前も言ったように、俺は宗教にも興味は無いし、
     なんか買ってやる金も持ってないぞ」

( ・∀・)「君、最近身の回りで変なことは起きてませんか?」
  _
( ゚∀゚)「起きてない。じゃあな」

 まったくモララーを相手する気配の無いジョルジュであったが、
完全に無視をするほどの図太さも持ち合わせては居なかった。
そうして適当な返事のみで過ごしていた日が、
一つ、また一つと重なるごとに、徐々にその言葉に何か引っかかるものを感じるようなった。

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/22(日) 01:41:07.89 ID:Cdxuv3v/0
支援

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/22(日) 01:42:08.65 ID:hVdd/oY3O
おっ昨日のやつか

24 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 01:43:16.29 ID:E+6HYbv80
 そして四日目。
ジョルジュはついにモララーの話を聴いてみることにしたのだ。

( ・∀・)「こんにちは」
  _
( ゚∀゚)「お前も飽きないな」

( ・∀・)「ええ。君には伝えたいことがあるので」
  _
( ゚∀゚)「俺が死んでるってか」

( ・∀・)「はい」
  _
( ゚∀゚)「じゃあ俺はお化けか」

( ・∀・)「お化けかもしれませんね」
  _
( ゚∀゚)「なんだそれ」

 一笑し、ジョルジュは、やはりこれは価値の無い会話だと思い始めた。
しかしモララーは表情を変えず滔々(とうとう)と語る。

25 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 01:45:52.80 ID:E+6HYbv80
( ・∀・)「少なくとも今、君の体に血は流れていませんよ?」
  _
( ゚∀゚)「じゃあ何が流れてんだ?」

( ・∀・)「一度出してみれば分かりますよ。そうすれば君も死んでいることを納得しやすい」
  _
( ゚∀゚)「……」

( ・∀・)「もちろん、出しすぎたら今度こそ本当に死んでしまいますけれど」
  _
( ゚∀゚)「お前の言っていることが正しかったとして、じゃあそれを知ってるお前はなんなんだ」

( ・∀・)「僕も君と同じく死んでいる者ですよ」
  _
( ゚∀゚)「……」

( ・∀・)「明日も、ここで待ってます」

 その日はジョルジュではなく、モララー自らがその場を立ち去った。
 食いついたと思ったところで自ら身を引く。
そうすることでモララーは見事にジョルジュの心を惹きつけたのだ。

26 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 01:48:56.00 ID:E+6HYbv80
 そしてその晩、ジョルジュはモララーの言葉が頭から離れず、
物は試しにと、針で指先を軽く刺してみることにした。
 銀色の針の先がふっくらとした指の腹に埋まり、プツリ、と皮を突き破る。
やがて指先から滲んだ色は、しかし赤。
  _
( ゚∀゚)「……なんだよ、ドキドキして損したっての」

 溜息を一つ吐き、ジョルジュはティッシュを空いた手に取って傷口を優しく拭った。
まさにその瞬間、持っていたティッシュが突如として炎え上がった。
  _
(;゚∀゚)「え? うわっ、熱っ!」

 火の粉を散らしながら、ティッシュは僅か数秒で燃えカスとなった。
何事かまったく把握出来ないジョルジュは、しばらく茫然とそれを見つめていたが、
やがて何かを思いつき再び傷口を絞った。

 滲み出た赤い液体を今度は拭うことなく、テーブルの上に一滴、ぽたりと落とした。
するとテーブルに落ちた滴(しずく)は瞬く間に音を立てて沸騰し、
焦げ跡だけを残して消え去ってしまった。
  _
( ゚∀゚)「……どゆこと?」

 ものすごく熱い液体だということくらいしか考えられなかったが、
しかしそれならば傷口から出てきた時点で既に熱いことになるし、
更には体中が熱くて堪らないはずである。

27 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 01:52:43.12 ID:E+6HYbv80
  _
( ゚∀゚)「……」

 にわかに信じがたい光景を前にしたジョルジュは、
落ち着きを取り戻そうと自らの胸に手を当て深呼吸をした。
が、却ってその行動が更に彼を混乱させることになる。
  _
( ゚∀゚)「あれ? 俺の心臓……どこ行った?」

 探れども探れども拍動する心臓が見つからない。
まさかと思い手首の脈を測る。
  _
(;゚∀゚)「ねぇぞ、おい」

『失礼。もしや君は一度死んでないかい?』

 脳裏に蘇るのはモララーの言葉と、いつか見た悪夢。
いやそれは既に悪夢ではなくなりつつあった。
むしろ今この瞬間こそが悪夢なのではないかと思いたくなる。
  _
(;゚∀゚)「俺、死んじゃったの?」

 誰に問いかけたわけでもなく、自然と口からそんな言葉が漏れた。
  _
( ゚∀゚)「えー……嘘だろ。嘘、だろ。嘘……」

 矛盾した自分の存在に目眩を感じ始め、
ジョルジュはしばらく同じことを繰り返し呟いていた。

28 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 01:55:06.74 ID:E+6HYbv80
 そうして翌日。
ジョルジュはいつもの場所でモララーと会い、初めて真剣に彼の言葉を受け止めた。

( ・∀・)「それで、納得できました?」
  _
( ゚∀゚)「ああ。半信半疑だけどな。
     ちょっと変なのは間違いないな」

( ・∀・)「今はそれで十分です。
      実は僕が求めているのはその先なんです」
  _
( ゚∀゚)「先?」

( ・∀・)「君や僕のような人はまだ少なく、不確かなのですが、
      恐らく君は生きていた頃には出来なかったことが、
      出来るようになっている筈です」
  _
( ゚∀゚)「出来なかったことって……なんかあったかな」

( ・∀・)「更に言うならば、普通の人には出来ないようなことです」
  _
( ゚∀゚)「超能力みたいなもんか?」

( ・∀・)「ええ、平たく言えば。何か心当たりは?」
  _
( ゚∀゚)「……ねーな」

( ・∀・)「そうですか。でもいずれ分かることです。安心してください」
  _
( ゚∀゚)「んん……ああ」

29 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 01:58:41.78 ID:E+6HYbv80
 この日以来、ジョルジュはモララーと頻繁に連絡を取り合うようになった。
依然生きていた頃と同じ生活を続けていたが、
死んでしまったということを意識するたび日々の行動に空しさを感じることが多くなっていた。

 『生きていないのなら、意味が無い』
そんなことすら考え始めていたのだ。

 生きていてこその金。生きていてこその時間。生きていてこその幸福。
その全てに関して死んだ自分が手に入れようとすることの空しさに、
ジョルジュはしばしば苛(さいな)まれていた。
生きるということの延長線上にある死を迎えたことで、
目標を失ったような喪失感が胸の中に広がっているのだ。
  _
( ゚∀゚)「なあ、モララー」

( ・∀・)「なんですか?」
  _
( ゚∀゚)「俺たち、死んだんだよな」

( ・∀・)「はい」
  _
( ゚∀゚)「俺たち、意味あるのかな」

( ・∀・)「それは僕が答えるものではありません」

 しばらくはジョルジュにとって憂鬱な日々が続いた。
その心の隙間を埋めるように、彼は度々モララーに哲学的な問を投げかけた。

しかしモララーがそれに明確に答えることは無く、
またジョルジュの空しさが癒えることも無かった。

30 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 02:01:11.75 ID:E+6HYbv80
 そして一月が経ち、彼は新しい死人と対面する。

( ・∀・)「今日は君に新しい人を紹介するよ」
  _
( ゚∀゚)「新しい人?」

 その言葉とほぼ同時に、
ジョルジュの目の前へセミロングの髪を風に揺らしながら一人の女性が現れた。

('、`*川「初めまして。伊藤です」
  _
( ゚∀゚)「あ、ども。長岡です」

 この頃の彼らは、まだ『ジョルジュ』や『ペニサス』と言う名ではなく、
生きていた頃の名を使っていた。
これらの名は後にモララーにより与えられたものである。
モララー自身の名は、本名なのか定かではない。

( ・∀・)「彼女も僕たちと同じ死人なんだ。仲良くしようね」

('、`*川「……そう、らしいです」

 ロングスカートから覗く細い足首やカーディガンで覆われた華奢な体つきは、
彼女の心中に不安な思いがあることをジョルジュに連想させた。
 勝手な思い込みではあるが、ジョルジュはそこに共感を覚えた。
楽観的なモララーとは違う、悩みを分かち合えるような仲間が出来たことに安堵した。

 そして事実、ペニサスはジョルジュと同じように漠然とした不安を抱えていた。
彼はその心の憂(う)さを、ペニサスと共に過ごすことで徐々に晴らしていった。
死人も悪くない、そう思い始めた頃、彼に転機が訪れた。

31 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 02:04:38.10 ID:E+6HYbv80
 ふとしたすれ違いからモララーと口論になったときの事だ。
怒りを抑えられなくなったジョルジュがモララーに掴みかかり、
殴り飛ばそうと振り上げた拳が、突如肥大したのだ。

 肥大したのは拳だけではなかった。
手首から肘、肩にかけては勿論、左肩から斜めに右下腹部まで、
まるで何かのプロテクターを纏ったかのように肥大していたのだ。

 着ていた衣類は破れ、露(あらわ)になった肌は不健康なまでに浅黒く、
肥大した筋繊維をベースにそれとは異なる形状をもつ硬化した新しい組織が、
ジョルジュの右上半身を覆っていた。

( ・∀・)「君、ついに発現したんだね」
  _
(;゚∀゚)「……おい、どうなってるんだよこれ」

 力の抜けたジョルジュの左手から逃れたモララーは襟を正すと、
いつもよりも柔和な、笑顔にも近い表情でジョルジュに語りかけた。

( ・∀・)「それが君の死人としての力だよ」
  _
(;゚∀゚)「力って……」

 悍(おぞ)ましい。
それがジョルジュの単純な感想だった。
自分の体ながら、それを否定したくなるほどの光景だった。

 そう。『だった』のだ。
ついこの一瞬の間はそう思っていたのだ。
しかし既にその感情は霧散していた。

32 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 02:07:49.58 ID:E+6HYbv80
 右肩、腕に感じる疼(うず)きともどかしさ。
動かさずにはいられない。
気が狂いそうになる歯がゆさ。

 そして拳が衝撃を求め始める。
浮き立った血管を伝って何かが背筋へと辿り着き、交感神経を刺激し始める。
背中が浮くような感覚。
もどかしさは更に募り、拳が砕けてもいいから何かを殴りたい、砕きたいという苛立ちが、
頭の中を駆け巡る。

 やがて脳内では何度も何かを破壊するイメージが繰り返され、
それが破壊衝動に拍車をかけていく。

 そう、何だって破壊できるのだ。
たとえそれが自分の拳であろうと、肩であろうと、気持ちいいに違いない。
苛立ちと快楽が溶け合い、ジョルジュは無意識のうちに唸り声を上げ始めた。
  _
(;゚∀゚)「う……おお……」

( ・∀・)「苦しそうだね。初めてだから刺激が強いのかな?」

 モララーの言葉が引き金となった。
ジョルジュは衝動に負け、しかしそれでも拳はモララーに当たることなく、
すぐ横の壁を殴りつけた。
コンクリート製の壁は、本来なら骨折させていただろう人間の拳を受け、陥没。
間髪入れずいいくつものヒビが入り、拳の上でコンクリートの大きなブロックが崩れ落ちた。

33 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 02:11:00.25 ID:E+6HYbv80
( ・∀・)「……正直予想以上だよ。嬉しいね。ああ、嬉しいね」
  _
(;゚∀゚)「モララー……俺……」

 困惑の表情を浮かべるジョルジュからの二撃目。
拳はモララーの左頬を掠(かす)め、再び壁を殴りつける。
そしてジョルジュは身震いをした。

 自らの拳でコンクリートが音を立てて崩れるのを感じて、
脳内が多量の快楽に侵されたのだ。
当たった瞬間に腕を伝う反作用による直接的快楽。
一つの秩序が保たれていた物質が砕ける視覚的快楽。
それに伴い耳に飛び込む破砕音がもたらす聴覚的快楽。
その全てが全身を駆け巡り、脳内でスパークを起こすほどの快楽を生む。
更に快楽を得たいという欲求がストレスを生じさせ、
そのストレスが衝動を引き起こす。

 三撃目を打つときには、
ジョルジュはモララーを破壊するイメージを思い浮かべていた。
頭蓋を砕く瞬間の快楽。
砕いた後、脳髄を押しつぶす快楽。
その感触の変化、音の変化、残された四肢の動きの変化。
既に欲求は物質的破壊から、精神的な破壊へと次元を上げ、
破壊対象より上位に居るという優越感さえ生まれていた。

 そうして放たれた三撃目。
しかしジョルジュはその一撃の結果を知らない。
気付けば彼は元の姿でベッドに寝ていた。
そこには痛みも快楽も、何も残ってはいなかった。
ただ一言モララーに「ゆっくり休むといい」と言われただけだった。

34 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 02:12:45.83 ID:E+6HYbv80
 それから一週間が経ち、
ジョルジュはペニサスにも力が発現したことを知らされた。
その時彼は新しく人生が始まったのを感じた。

 死してなお動き続けてはいたものの、生きていないことに閉塞感を感じていた。
しかし生きていた頃とは違うとんでもない力。
その時の精神状態は異常だったが、当時の彼にはさして問題であるようには感じなかった。
同じような環境の仲間が居るということが彼の心から不安や戸惑いを打ち消し、
現時点での突出した能力のメリットだけが強く心に残ったのである。

 何が出来るかなどは考えていなかった。
突然目の前が明るくなって道がいくつも伸びていったような、
開放感と高揚感が心を占めていた。

 そして彼はペニサスと共にモララーに呼び出された。

( ・∀・)「まずはおめでとう。君たちもこれで立派な死人だよ」

('、`*川「はあ……」
  _
( ゚∀゚)「おめでとうってどうなのよ」

( ・∀・)「まあまあ。僕なりの喜びの表現だよ」

 モララーはいつにも増して上機嫌で、その表情は心の底からの笑顔のようだった。

( ・∀・)「それでその力についての話なんだけど、僕から一つ提案があるんだ」

35 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 02:14:58.50 ID:E+6HYbv80
  _
( ゚∀゚)「どんな?」

( ・∀・)「僕たちは死人、つまり死んだ人間だよね」
  _
( ゚∀゚)「そうだな」

( ・∀・)「でも普通は死んだら腐るだけで何も出来やしない。
      だから僕たちは、いわば特別な死人なんだ」

( ・∀・)「ところで、世の中には善い人間と悪い人間が居る。
      天網恢恢(てんもうかいかい)、疎(そ)にして漏らさずとは言っても、
      現状として悪人全てが罰せられるわけでもなく、
      直接的にも間接的にも、悪人によって殺された人の数は多い」

( ・∀・)「殺された人たちはさぞかし無念だったと僕は思う。
      なにせ死んでしまえば自分自身ではどうすることも出来ないんだ。
      被害者が黙れば知られることの無い事件は沢山あるだろう」

( ・∀・)「さて、僕たちは何だったろう? そう、死人だったよね。
      死にながらも行動の出来る人間だ。
      だから僕たちの力はさ、無念に死んでいった人たちの為に使うべきだと思うんだ」

( ・∀・)「死人の力は死人の為に。
      死人の無念を代表して悪人を討つために存在していると僕は思うんだ。
      そう、これこそが僕たちの存在意義。使命のようなものだと思うんだ」

 滔々(とうとう)と語っていたモララーは、そこまで言うと再び笑みを浮かべた。
柔らかく暖かい笑み。
しかし眼光は鋭く、その内には冷たい感情が宿っていた。

36 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 02:18:47.12 ID:E+6HYbv80
  _
( ゚∀゚)「……存在意義、か」

 そう言ってジョルジュは自分の右腕を見た。
腕に浮いた血管が筋と共にピクリと動いた。
  _
( ゚∀゚)「んでも、どうやって悪人を見つける? それにどうやって悪人って判断するんだ?」

( ・∀・)「君たちにはまだ話していなかったね。僕の死人の力」

 モララーは表情を引き締めると、ポケットから一枚の折り畳まれた紙を取り出した。
そしてそれをジョルジュへと手渡す。
  _
( ゚∀゚)「ん? ……これは」

 そこには丁寧なボールペンの文字で誰かの名前と、
その名前の人物にあてたと思われる恨み言が書かれていた。

( ・∀・)「僕は死人の無念の声を聞くことが出来るんだ」
  _
( ゚∀゚)「じゃあこれはモララーが聞いた声って事なのか」

( ・∀・)「そう。ここ最近では一番聞いた名前だよ。
      そして最も悲惨な被害者の恨み言」

 そこに書かれていた文章は、
読んでいるだけでも気分が悪くなるほどの強い感情を含んでいた。
紙面から滲み出してきそうなほどの怨嗟(えんさ)、絶望の声が、
まるで耳元で囁かれているかのように脳に纏わりついてくる。

37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/22(日) 02:19:29.26 ID:5Yfdjj2nO
支援

38 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 02:21:09.83 ID:E+6HYbv80
( ・∀・)「一つはこの人たちの想いに応えるため。
      二つは新たな被害者を出さないようにするため。
      そして三つは僕たちが生きていく道を見失わないため」

 一度失った命を、同じように亡くなっていった人たちの無念を晴らすために使う。
死人だからこそ、死人の無念の代弁者となる。
今ものうのうと生き驕(おご)る者に、死の世界からの裁きを下す。

 ただモララーの講釈を聴いていたはずのジョルジュだったが、
徐々に感化され始め、胸の内に信念めいたものが湧き始める。
やがて自らが元々その信念を抱いていたかのような錯覚にさえ陥っていった。
  _
( ゚∀゚)「俺たちが死んでいった人の代わりに、こいつらをぶちのめすって訳だな」

( ・∀・)「そう。これは僕たちにしか出来ない。
     言い換えれば、僕たちにはそれが出来る。
     だから、するんだ」
  _
( ゚∀゚)「そうか……俺たち、か」

('、`*川「……あの」

 ここまで無言だったペニサスがようやく口を開いた。
やや興奮気味のジョルジュとは違い、その表情は曇っている。

('、`*川「私たちに、正しい判断が出来るんでしょうか」

39 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 02:24:19.77 ID:E+6HYbv80
( ・∀・)「……どういうこと?」

 一呼吸置いてのモララーの問い。
その間(ま)には、暗にこの流れに水を差したことに対する非難が含まれているように彼女は感じた。

('、`*川「生きている方が悪人だという確かな証拠はあるんでしょうか?
     結果的に誰かが亡くなってしまったとして、
     その原因を生んだ人が必ずしも悪人であるとは限らないと私は思うんです」

 俯(うつむ)き、モララーとは目線を合わせずにペニサスは言った。
それに対しモララーは短く唸ると、
ペニサスの視線を自分へ向けるために短く彼女の名前を呼んだ。
そして目が合ったところでモララーは優しく語り始める。

( ・∀・)「そうだね。
      その人が悪かどうかなんて、僕たちには正しい判断は出来ない。
      でも、たとえ神様が決めたって君にとっては悪人じゃないかもしれない。
      その問いは無意味なんだよ」

('、`*川「無意味だなんて無責任です。
     そもそも微塵の価値も無いような絶対的な悪人なんているんでしょうか?
     いないのなら私たちが何かをすることは、正義とは程遠い気がします」

( ・∀・)「君は賢いんだね。でもそのせいで物事を難しく考えすぎている。
      きっと色々なことに悩むことが多かったりするんじゃない?
      あれこれと考えて決断が鈍ったりすることは無い?
      そして結局は結論も出ず、何をも生み出すことは無い」

('、`*川「どうして私の話になるんですか? 話を逸らさないで下さい」

40 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 02:26:21.80 ID:E+6HYbv80
( ・∀・)「良いかい? 君は賢い。それが故に臆病なんだ。
      間違った判断をすると言う愚かしい行動を、君の賢い頭が許さないんだ。
      だから君は常に慎重に、そして貪欲に判断の基準を求めている。
      しかもそれを他人に求めることが多いんじゃないかな?
      結論が出ない自分の基準を諦め、責任の無い他人の基準を採用する。
      君は本当は弱い心を持っているんだよ」

('、`*#川「いい加減にしてください!
      今は私の話じゃなくて、この行動が正しいかどうかでしょ!」

( ・∀・)「だからさ、それは君が決めればいいんだよ。
      どうして僕に尋ねるのさ」

('、`;*川「そ、それは……
      目の前で道を間違えようとしている人が居たら、
      それを正そうとするのが普通です」

( ・∀・)「じゃあ正しい道は何処に?
      被害者が増えていくのを見守るのが正しい道なのかい?」

('、`*川「それは……そんなのは詭弁で……」

 言葉に詰まり、ペニサスは再び俯いた。
それを見たモララーがしばらく間を置き、そして優しくペニサスに語りかけた。

( ・∀・)「大丈夫。おかしいと思ったらいつだって止められるんだ。
      ここにあるのは僕のモラルなんだ。
      そして君はもう伊藤さんじゃない」

41 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 02:30:05.59 ID:E+6HYbv80
('、`*川「……どういうことですか」

( ・∀・)「君はもう死んだんだ。
      伊藤さんは死んで、悪人を裁くため新しい君が生まれた。
      だから君は生きていた頃のしがらみに縛られる必要は無いんだよ」

('、`*川「新しい私……?」

( ・∀・)「そう。生きていた頃の君は綺麗なままに終了したんだ。
      二回目はもっと単純に、思ったとおりに行動できるようにしたくないかい?
      だって、あれこれ考えるのは疲れるよね?」

 一転して優しく、子供に問いかけるように声色を変え、
モララーはペニサスを説得し始める。

( ・∀・)「この紙に書かれている彼。
      ある人を騙して大金を手に入れ、騙された人は自殺している。
      彼は善人かい? それとも悪人かい?」

 ぐっと何かに耐えるようにしながらペニサスは顔を上げた。

('、`*川「それだけの情報じゃ、彼が悪人かどうかは……」

( ・∀・)「違うよ」

 言いよどむペニサスの眼前に、モララーの顔が近づいた。
怯えたように身を竦ませたペニサスは視線を外そうとするが、
モララーの眼光がそれを許さない。

42 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 02:33:02.11 ID:E+6HYbv80
( ・∀・)「思ったことを言えばいいんだよ。
      彼は善人? それとも悪人?」

('、`*川「……悪人だと思います」

( ・∀・)「そう。それだけのことなんだよ」

 モララーはにっこりと微笑むと顔を遠ざけた。

( ・∀・)「彼には罪がある。
      罪を背負った者は悪人だ。
      そしてそれに相応する罰を受けたとしても、不思議ではない」

('、`*川「はい……」

( ・∀・)「大丈夫。
      間違っていても君は悪くないよ。
      僕が君を導いてあげる」

 左手を胸にあて、モララーはそう言いきった。
それきりペニサスは文句を口にすることは無くなった。

( ・∀・)「そうだ。どうせなら本当に別人になろうか」
  _
( ゚∀゚)「ん? どういうこと?」

43 : ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 02:35:50.06 ID:E+6HYbv80
( ・∀・)「名前だよ。君たちに新しい名前をあげよう。
      そうすれば気持ちの切り替えが上手く出来る。
      えーと、長岡はジョルジュ。伊藤さんはペニサスでどう?」

('、`;*川「ペ、ペニ!? え!?」
  _
( ゚∀゚)「おー! 俺ジョルジュか! オッス俺ジョルジュ!
     なんかテンション上がってきたぞ!」

('、`;*川「い、いや、ちょっと!
      ジョルジュは普通なのにペニサスって何!?」
  _
( ゚∀゚)「いいじゃん、なんかこう……エキセントリックで」

('、`;*川「嫌です!」

( ・∀・)「じゃあこれからよろしく。ジョルジュ、ペニサス」
  _
( ゚∀゚)「おう!」

('、`;*川「いーやー!」

 こうしてモララー率いる死人のグループが結成された。
これが一年ほど前のことである。





44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/22(日) 02:37:32.12 ID:hVdd/oY3O
モララーが愛染さんに見えてきたぜ

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/22(日) 02:43:21.92 ID:E+6HYbv80
早く戦闘シーン入れて盛り上げたいのですが、また朝になりそうなので終了します。
理想としては週一くらいを考えているのですが、遅筆な上にストックが怪しいです。
とりあえず週一ペースになる前にまともな戦闘シーン入れておきたいのですが……
明日投下できるかは、ごめんなさい微妙です。

支援してくださった方ありがとうございました。すごくうれしいです。

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/22(日) 02:47:42.97 ID:hVdd/oY3O

とりあえず夜中に投下するをのやめろww

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/22(日) 02:54:51.58 ID:E+6HYbv80
>>46
夜中はひっそり投下できていいなあ、とw
次回は夕方にします。

48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/22(日) 02:56:05.85 ID:DZmV6Y+OO
>>47
昔なんか書いてた?新人?

49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/22(日) 03:02:33.34 ID:E+6HYbv80
>>48
遠い昔に、少しだけ。
何かは聞かないでください。

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/22(日) 03:05:45.97 ID:DZmV6Y+OO
>>49
そうか



51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/22(日) 04:06:56.12 ID:Jw+XxvP0O
今北
中々上手いな
楽しみにしてるよ♪

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