2ちゃんねる ★スマホ版★ ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50  

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

あの作品のキャラがルイズに召喚されました part297

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/10(日) 16:00:03.49 ID:O1IVNP+i
もしゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。

(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part296
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1308476470/l50

まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/


     _             ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃 ` ヽ  .   ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
    l lf小从} l /    ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'     ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   ヽ_/ィヘ_)〜′    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
             ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!


     _
     〃  ^ヽ      ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
    J{  ハ从{_,    ・クロス元が18禁作品でも、SSの内容が非18禁なら本スレでいいわよ、でも
    ノルノー゚ノjし     内容が18禁ならエロパロ板ゼロ魔スレで投下してね?
   /く{ {丈} }つ    ・クロス元がTYPE-MOON作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   l く/_jlム! |     ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
   レ-ヘじフ〜l      ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。



.   ,ィ =个=、      ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
   〈_/´ ̄ `ヽ      ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
    { {_jイ」/j」j〉     ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
    ヽl| ゚ヮ゚ノj|      ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
   ⊂j{不}lつ      ・次スレは>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
   く7 {_}ハ>      ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
    ‘ーrtァー’     ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
               姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
              ・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
              SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
              レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。

2 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/10(日) 16:52:33.92 ID:9KdS4p9K
2

3 :null:2011/07/10(日) 18:34:13.68 ID:E4gIYk3I



4 :ウルトラ5番目の使い魔  ◆213pT8BiCc :2011/07/10(日) 19:39:30.14 ID:NZ3PtnWp
皆さんこんにちは、先週はご心配おかけしてすいませんでした。
ウルトラ5番目の使い魔、50話投稿開始します。忍法帖もなんとか回復しましたので、さるさん回避もいつもどおりに、10分後にはじめますのでよろしくお願いいたします。

5 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/10(日) 19:45:37.58 ID:5JXhyxFG
ウルトラ待機

6 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/10(日) 19:47:07.34 ID:9YEaBtQ3
待っていたぜ!ウルトラの人!!

7 :ウルトラ5番目の使い魔 50話 (1/13) ◆213pT8BiCc :2011/07/10(日) 19:51:37.43 ID:NZ3PtnWp
 第五十話
 退場者と入場者
 
 宇宙魔人 チャリジャ 登場
 
 
 晴天の夜空に満天の星々が輝き、青い半月が地上を柔らかく照らし出している。
 耳をすませば、どこからか虫の鳴く声が細く聞こえてきて、夜が決して無音の死の時間ではないということを教えてくれる。
「この空の果てで、悪魔が蘇ってるなんてとても信じられねえよな」
 才人はぽつりと、宿屋の窓から空を見上げてつぶやいた。
 アーハンブラ城からティファニアを助け出し、ビダーシャルと別れてから二日ほど。彼らはへき地の小さな宿場町で宿を借りていた。
 振り向いて部屋の中を見ると、ルイズが薄汚れた毛布をかぶってすやすやと眠っているのが目に映る。両隣の
部屋では、エレオノールとルクシャナ、ロングビルとティファニアがそれぞれ同じように寝息を立てているだろう。
 思い返せば、この旅が始まったときには、エレオノールが仮にも貴族のわたしがこんなダニやノミの巣みたいな
汚いところで眠れないわと、さんざん文句を言っていて、なだめるのに苦労した。だが、わからなくもない、ルイズも
あちこち泊まり歩き始めたころは似たようなものだったし、自分だってハルケギニアに来るまでは、よそに泊まると
いえば修学旅行の旅館くらいしか経験がなかった。
 自分で言うのもなんだが、適応力は人よりかなりあるほうだと思っている。ルイズの使い魔になってすぐのとき、
寝床がないからといってあてがわれたわら束に、数日で愛着まで持てるようになったのは我ながらすごいと思う。
誰にも自慢できることではないけれど……
 とはいえ、もう旅慣れてしまった自分たちに比べたらエレオノールもよくがんばったほうだろう。ごねはしたけれど、
連日の疲れが数日で抵抗の意思すら削ぐ中で、それでも帰らずに最後は野宿までできるようになった。
 そして、最後はそれぞれの力を合わせてティファニアを救い出し、ジョゼフの用意した刺客も倒すことができた。
 
 これが子供向けのおとぎ話か何かであれば、めでたしめでたしとなっているころだろう。
 きっと、今ごろはつらかったけどいい思い出になったなと、夢に見て楽しむことができたかもしれない。
 しかし、そうはならずに、才人たちの心境は旅立つ前よりも、はるかに危機感に満ちていた。
 
「ヤプールが、とうとう復活しやがった。しかも、おれたちが手を出しようのないエルフの土地で」
 美しい星空を見ているというのに、才人は奥歯をぎりりと噛み締めた。
 
 二日前、エルフの竜騎兵が命がけで伝えてくれた知らせは、ティファニアの救出成功に沸いていた才人たちに冷水を浴びせた。
 異次元人ヤプールの復活。その攻撃を受けて、エルフの本国艦隊の一個艦隊が壊滅。水軍も大損害を受けて、大敗したという。

8 :ウルトラ5番目の使い魔 50話 (2/13) ◆213pT8BiCc :2011/07/10(日) 19:54:01.78 ID:NZ3PtnWp
 青天の霹靂というには凶事に過ぎる知らせに、ビダーシャルやルクシャナが驚愕したのはいうまでもない。
 一方で、才人たちにとっては恐れていたことがついにやってきたという感じで、ショックは受けたが驚きはさほどではなかった。
 しかし、ヤプールの復活自体は、ほぼ確定事項だったが、その場所が才人たちの予想を超えており、さらに大きな問題があった。
 占領されたのは、サハラの洋上の群島『竜の巣』。ほとんどのエルフにとって、そこは地図上の地名のひとつに
過ぎない忘れられた土地だった。だが、エルフの最高意思決定機関『評議会』の議長から命を受けてきた竜騎兵は、
その土地のことを『シャイターンの門』と呼んで、ビダーシャルのみならずルクシャナをも驚かせた。
「叔父さま、シャイターンの門って! まさか」
「そのまさかだ。なんということだ……これは、大変なことになったぞ」
 二人のエルフは深刻な様相を見せ、それをルイズやエレオノールは見逃さなかった。
「あなたたち、今『シャイターンの門』って言ったわね。そこって、わたしたちがいう『聖地』でしょ。そこにヤプールが現れたっていうの!」
「ぬっ。それは、お前たちには知る必要がないことだ」
「関係おおありよ。ヤプールは私たちの世界の侵略を企んでるのよ。いずれ、間違いなくやつはハルケギニアも攻撃してくるわ」
「ルイズの言うとおりね。それにしても、まさか先にエルフの国に現れるとは思ってもみなかったわ。それに、
これまで、『聖地』がエルフの国のどこにあるのかは謎だったけど、まさか海の上だったとは盲点だったわね」
 してやったりと睨むエレオノールに、ビダーシャルは苦虫をかんだような不快感を覚えたが、顔には出さなかった。
 だが、ルイズやエレオノールは無言で逃げるのは許さないとばかりに睨んでくる。彼は、蛮人にこのことを明かすのは
本来大罪であるのだが、もうほぼ推測されているだろうとして、あきらめることにした。
「……仕方がないな。確かに、お前たちのいう『聖地』、われらにとっての『シャイターンの門』は海上にある。
ただし、このことは我らのなかでも最重要機密事項に指定されているので、一般の者には『竜の巣』とだけ教えてある。
しかし……わざわざタブーを犯してまでその名を伝言させるとは、テュリューク統領も相当あせっているらしいな」
 ただシャイターンの門に異変があったと伝えるなら、竜の巣の正体を知っているビダーシャルならば「竜の巣で
異変が起きた」だけですむはずだ。それを秘密が漏洩することを承知で伝言に入れるとは、危機の重大さを強調
したかったからか。それとも、なにか別にもくろみがあったのか……ビダーシャルは、旧知の仲であるエルフの
最高指導者の人を食った顔を思い浮かべた。
 
 使者のエルフは、ビダーシャルに伝言を語り終えると、そこで気力が尽きたのか沈むように気を失ってしまっている。
 彼は、ヤプールの呼び出した二大怪獣によって壊滅した第一艦隊の生き残りだという。ときおりうわ言を言いつつ
うなされているのは、あの戦いのことを夢に見ているからなのか。しかし、生きて帰れただけ、彼は相当に幸運だったと
いえるだろう。

9 :ウルトラ5番目の使い魔 50話 (3/13) ◆213pT8BiCc :2011/07/10(日) 19:55:37.09 ID:NZ3PtnWp
 もっとも、彼と彼の愛竜ともに奇跡的に無傷で生還したおかげで、テュリューク統領の執務室に呼ばれたのは不運で
あったかもしれない。そして、労をねぎらうのもそこそこに、老エルフは彼に彼を呼んだ理由を説明した。
「よく来てくれたのう。さっそくじゃが、評議会の連中が大慌てで、わしもすぐに行かねばならんので手短に話そうかい。
君は先日の、『竜の巣』での会戦の生存者じゃのう? おおまかなことは報告書を読んだが、どうじゃった。実際に
体験してみた敵の感想は」
「はっ、我らの力がまったく通じず。悪夢としか、いいようがないものでした……」
「そうか、ヤプール……と、そやつは名乗ったそうじゃな。わしも調べてみたが、そやつはここ最近、蛮人世界を
荒らしている正体不明の侵略者だという。それがついにサハラにも手を伸ばしてきたということのようじゃ。それにしても、
我らの力も通じず、精霊すら陥れるとは恐ろしい……だが、ほとんどの者は知らぬが、ヤプールはただ『竜の巣』を
占領しただけではなく、もっと恐ろしいことをもくろんでいるのに違いない」
「もっと、恐ろしいことですか?」
「うむ、君を呼んだのはそのことで特別な任務を与えたいためじゃ。ただし、これからわしが語る秘密を他言しないと誓約し、
なおかつ大変な危険もともなう。そのため君に拒否権を与える。これはわしの個人的な要望じゃ。拒否しても、君の軍歴に
支障は残らんし、逆に成功しても功績にはならん。どちらかといえば命令というよりは頼みじゃ、どうかな?」
「いえ! 統領ご自身のたっての頼みがくだらないことのはずはありません。私もサハラを守る戦士の一員、喜んで
誓約し、任務を請け負わせていただきます」
 そうして、テュリュークは彼にエルフの秘密を教えた。すなわち、『竜の巣』にこそ『シャイターンの門』はあり、敵がそこを
占領したのはそれを狙っているからとして間違いないこと。そのために、蛮人世界に調査におもむいているビダーシャルを、
すぐに連れ戻してほしいということを。
 
「了解いたしました。しかし、なぜわたくしのようなものにそんな任務を? 呼び戻すだけならば、ガーゴイルによる通信でも
なんでもあるではないですか」
「いいや、敵の力をじかに体験した君の話だからこそ信憑性があるのじゃよ。それに、シャイターンの門を襲った敵は、
我々が懸念していたシャイターンの末裔ではない、まったく別の敵じゃ。我々は正直、この敵に関してなにも知らんが、
蛮人世界を見て回った彼ならば、なにかを掴んでいるかもしれぬ。間接的な方法では、間に合わないかもしれないんじゃ」
 
 そうして、彼は危険を承知で砂漠を横断する道を選んだ。しかし、統領直々の極秘任務ということではやりたち、若さと
竜の力にまかせての強硬な横断は無謀にすぎた。砂漠を越えられただけでも奇跡、さらに力尽きたところにビダーシャルが
いたとは、奇跡を超えて超越的な意思の存在を信じたくなったとしても無理はない。

10 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/10(日) 19:56:48.62 ID:f9EPyGPY
よし支援だ

11 :ウルトラ5番目の使い魔 50話 (4/13) ◆213pT8BiCc :2011/07/10(日) 19:56:51.12 ID:NZ3PtnWp
「まったく無茶をする。しかし、おかげでサハラの危機をいち早く知ることができた。礼をいうぞ」
 ビダーシャルは、木の根元で濡れタオルで頭を冷やしながら眠っている彼に、ねぎらいの言葉をかけた。
 竜のほうは、砂漠の熱気から解放されるとたくましく息を吹き返した。これから、ビダーシャルは彼とともにこの竜に乗り、
船のある場所へと急ぐことになる。しかし、その前にルイズやエレオノールは、ビダーシャルからシャイターンの門について
可能な限り聞き出そうとした。
 だが当然のことながら、シャイターンの門に関してはいくら直接手を下すのを諦めたとはいえ、人間に教えることを彼は拒否した。
「まだ、お前たちを完全に信用しきったわけではない。この中の一人からでも、シャイターンの門の秘密が漏れたならば、
それ幸いにサハラへの侵攻をもくろむ人間が出てこないとも限らんからな」
「う……」
 それを言われるとぐぅのねも出なかった。どんな世界にも馬鹿者はいるものだ。世界が危機にあることもわきまえず、
己の独善でエルフに戦端を開こうとする愚か者にそんなことが知れ渡れば、せっかくかかりだした二つの種族の
架け橋が崩されてしまうことは間違いない。かといって、ルイズたちは、ほぼ一方的にビダーシャルから情報を得ようと
していたわけだから、強く言う材料を持ち合わせていなかった。
 けれど、ヤプールがそのシャイターンの門に、なんらかの理由を持って現れたのならば、どうしてもある程度のことは
知っておきたい。しかし彼を説得する方法が見つからないまま、立ち去ろうとする彼を見送りかけていたとき、才人が
彼を呼び止めた。
「ちょっと待てよ。じゃあ交換条件ならどうだ? あんた、ヤプールのことを知りたいんだろう。教えてやるから、代わりに
ルイズたちにシャイターンの門とかいうやつのことを教えてくれよ」
「なに!? なぜ、お前がそんなことを知っているのだ?」
 ビダーシャルは、竜に乗ろうとしていた手を下ろして振り返った。彼としては、サハラを襲った敵の情報は本国に
帰る上でぜひともほしい情報であったから当然だ。しかし、ヤプールに関してはビダーシャル自身も滞在中に調べは
したものの、超獣と呼ばれる巨大生物をどこからともなく送り込んでくること以外、ほとんどなにもわからなかった。
それを、教えてやると言われて、関心を持たないわけはない。
 才人は、ビダーシャルが食いついたことにほっとすると、彼の質問に答えた。
「おれはルイズの召喚魔法で異世界から来たんだ。ヤプールってやつは、元々はおれたちの世界で暴れていた侵略者なのさ」
 そう言うと、才人は信用を得るためにビダーシャルにGUYSメモリーディスプレイを手渡した。その精巧なメカニックに、
ビダーシャルは息を呑んで見入り、ルクシャナやエレオノールが関心を持って触りたがるが、後でと言って抑えた。
 ただ、ルイズは才人の耳元で「秘密をそんな簡単にばらしちゃっていいの?」と、ささやいてくる。しかし才人は「もう、
なりふりを構っているようなときじゃないだろ」と、リスクを負うことは覚悟だと返した。秘密を聞き出すためには、こちらも
ある程度の見返りは必要だ。

12 :ウルトラ5番目の使い魔 50話 (5/13) ◆213pT8BiCc :2011/07/10(日) 19:58:24.07 ID:NZ3PtnWp
 ビダーシャルは才人にメモリーディスプレイを返すと、数秒悩んだ後に言った。
「わかった。ただし、話すのはお前が先だ。それで、信憑性を量る」
「疑り深い人だな。まあいいや、かいつまんで話すと……」
 才人は、かっこうをつけて咳払いをすると、自分の知っているヤプールについてのすべてを語った。
 異次元人ヤプール、その正体は、生物の邪悪な心の集合体である。やつは、優れた技術で怪獣と他の生物を
合成して、生物兵器である超獣を作り出して、地球を攻撃してきた。
 人間側もこれを迎え撃ち、エースをはじめとするウルトラ兄弟の力も借りて、ついにヤプールを撃破することに成功する。
 しかし、ヤプールはマイナスエネルギーの集合体という性質上、完全に滅ぼすことはできなかった。
 パワーアップして何度も復活を続けるヤプールと、地球人やウルトラ一族との戦いは延々と続いた。
 その長さは、ウルトラマンAからメビウスの時代にいたるまでの、実に三十年以上にも及ぶ。
 むろん、常に現れ続けたわけではなく、なりを潜めていた期間はある。しかし、人間の知らないところでもヤプールの
暗躍は続いていた。タロウに倒されてから力を溜め続けたヤプールは、二十年ほど前に究極超獣Uキラーザウルスとして
復活を果たし、以来ウルトラ四兄弟の手で封印されてきたから、実質ヤプールは二十年近く生き続けていたことになる。
 その間にも、ひたすら人間とウルトラ兄弟への恨みを積み重ねてきたヤプールの怨念の深さは計り知れない。
「少し待て、それではヤプールが恨みを抱いているのはお前たちの世界ではないか。なぜ我々が狙われねばならない?」
「ヤプールは悪のエネルギーの集合体だって言っただろ。奴にとっては、自分以外のすべての生命体が侵略の
対象に過ぎないのさ」
 才人はビダーシャルに、侵略そのものを目的としているという、生き物の常識を真逆にしたような存在こそが
ヤプールだと説明した。サイモン星人など、地球以外にもヤプールに滅ぼされた惑星が存在することはTACの
時代から確認されている。
 奴らは自らを、暗黒より生まれすべてを闇に返すものと名乗る。命あるものを光とするならば、ヤプールは闇の存在、
すなわち反生命と呼んでも過言ではないのだ。
 だからこそ、ヤプールを捨てておくことは全宇宙の破滅をも意味する。そのため、蘇るたびにウルトラマンたちは
全力でヤプールを倒してきた。それでもヤプールはあきらめずに蘇り、今度は別世界からの侵略をもくろんだのだ。
 それらのことをメモリーディスプレイも使いながら説明し終えると、彼はようやく納得したようにうなずいてくれた。
「にわかには信じがたい話だが、言っていることには筋が通っている。その話が本当だとすると、我々は、恐ろしい相手に
目を付けられてしまったようだな。このことは、すぐにでも本国に報告する必要がありそうだ。もし、逆上して総攻撃でも
かけたならば大変なことになってしまう」
 才人はほっとした。この世界の人間からしたならば、信憑性どころか正気を疑われても仕方ない話だったが、
ビダーシャルは信用してくれた。やはり、話の前に直接ウルトラマンAの戦いを見ていたのが大きいだろう。論より証拠、
百聞は一見にしかずというのは、世界を問わずに通用する真理らしい。

13 :ウルトラ5番目の使い魔 50話 (6/13) ◆213pT8BiCc :2011/07/10(日) 19:59:27.58 ID:NZ3PtnWp
 それからビダーシャルは、ルクシャナから一冊のノートを受け取った。それは、アカデミーに回収されたメカギラスや
ホタルンガなどの怪獣・超獣の調査結果を彼女がまとめたもので、これも評議会を説得する重要な材料になるだろう。
ただ、一部の阿呆どもはそうもいかないかもしれないが、犠牲を少しでも減らせるにこしたことはない。
「がんばって説得してくれよ。ヤプールはいずれ、エルフや人間どころか世界中のあらゆる生き物を滅ぼす気だぜ。
じゃあ、今度はあんたが約束を守る番だ」
「ああ、約束は守ろう。しかし、蛮人にこれを教えたことが知れれば、私も立派な民族反逆者だな」
 どことなく達観した様子ながら、ビダーシャルは約束を守ってくれた。ただし、どこに耳があるのかはわからないので、
ティファニアやロングビルには明かさずに、ルイズと才人とエレオノールに限定され、メモをとることも禁じられた。もっとも、
才人やルイズが聞いても大方はちんぷんかんぷんなので、詳しいことはエレオノールが後でまとめて教えてくれることになった。
 けれど、漠然とだがヤプールがシャイターンの門を狙った理由かもしれない情報を得ることができた。
 
”大厄災のあらゆる惨劇はシャイターンの門の向こう側からやってきたという。悪魔どもは、その門からありとあらゆる
害悪を呼び出して世界を汚し、最後は自らも滅んだと、我々のなかでもごく一部のものには言い伝えられてきた。
現在でも、シャイターンの門の周辺では用途不明な道具が発見されることが多々ある。それらは、現在でもわずかながら
活動を続けているシャイターンの門から吐き出されたものらしい”
  
 災厄を呼び出す門。それだけでもヤプールが狙う理由は十分に思えるが、自らが作り出す超獣に絶対の自信を
持っているヤプールから考えると、それだけでは納得できない。門というからには、どこかにつながっているのだろうが、
そのどこかとはどこか? 虚無の担い手の召喚術は、次元をも超えて人間を呼び寄せる効果を持っている。となると、
その門にはそれ以上の効果があると推測するべきだろう。
 『異次元人』が、『門』を手に入れる。単語のつながりだけでも、悪寒がひしひしとする。
 そのほかの情報は、トリステインに帰ったあとでエレオノールがまとめるのを待たねばならないが、少なくともいい予感はしない。
 話を終えると、ビダーシャルは竜で急いで帰還していった。
 
 あれから二日。彼はもうサハラに到着しただろうか? エルフたちが無茶な行動に出ないように抑えてくれているだろうか。
「まったく。ろくでもない遺産を残すと子孫が苦労するんだぜ」
 才人は、自分がこの星の人間でもないくせに、天国のブリミルにむかって悪態をついた。
 よい親は子供の成長のために良い田畑を残さないというが、いらない遺産を子孫に押し付ける先祖はなんだろうか。
 地球でも、東西冷戦時代に作られた星の数ほどの原水爆が、平和の障害として残っている。まともな使い道など皆無で、
解体するにも莫大な労力と費用が必要な、最悪のゴミを押し付けられた子孫はいい迷惑である。

14 :ウルトラ5番目の使い魔 50話 (7/13) ◆213pT8BiCc :2011/07/10(日) 20:00:28.00 ID:NZ3PtnWp
 そのとき、いつのまに起きたのかルイズが後ろから話しかけてきた。
「ずいぶんと始祖ブリミルに言いたい放題言ってくれるわね。異端審問にかけるわよ」
「ルイズ、起きてたのか?」
「あんたが深刻な声でぶつぶつ言ってるから目が覚めてね。まあ気持ちはわかるけど……なんか、一気に大変なことに
なってきたものね」
 ルイズも憂鬱な表情で、才人の隣から夜空を見上げた。青い月の光がルイズの桃色の髪に当たって、不思議な光沢と
なって輝いている。才人は少しのあいだ、その神秘的な美しさに見とれた。
「きれいだな」
 そう口にできればいいなと才人は思った。好きな女の子への褒め言葉も軽く出てこないとは、まったくいくじなしというか。
でも、頭の中では言えるのだが、どうしても口にできない言葉というものはあるものだ。本当に、よくこんな自分を好きに
なってくれる女の子がいてくれたものだとつくづく思う。
 ただ、言えば言ったで照れて怒るだろう。才人は柄にもない考えはやめて、真面目な話をすることにした。
「また、戦いが始まるな」
「わかりきってることを言わなくてもいいわよ。こうなることは、とっくの昔に覚悟してたでしょ。いまさらおじけづいた?」
 毅然として言うルイズに、才人は「ああ……」と、ややあいまいに答えた。むろん、中途半端な態度はルイズに嫌悪され、
彼女の才人を見る目が厳しくなる。
 だが、才人はむしろルイズがうらやましかった。いつでも肝が据わっていて、男の自分以上にたのもしく見える。
やっぱり、地球で安全に育ったおれとはできが違うと、自分がずっと小さく思える。
 けれど、ルイズもけして才人を見下しているわけではない。ため息をつくと、ぽつりとつぶやいた。
「世界の心配するのもいいけど、少しはわたしのことも気にかけなさいよ……なんて、どうしてわたしって、世界が
大変だってときに自分のことしか考えられないのかしらね」
「ん? なにか言ったか?」
「なにも! あんたはいつまでもかっこ悪いままねって愚痴ってただけよ」
 結局、どちらもどちらなのだった。自分にないものを相手に見て、なくていい劣等感を覚えてしまう。長所と短所、美点と
汚点というのは、実は似たようなものなのである。
 しかし、そうしたことをすべて悟るには十六・七歳は若すぎる。世界というものがとても複雑で、数え切れないほどの
矛盾を抱えていることを理解するには、もっと遠くまで歩き続けなくてはいけないだろう。そして、男と女が本当の意味で
互いのことを理解しあうには、それこそ二人とも白髪になるくらいまで必要かもしれない。
 でも、それでいいのだ。自分の子供の考えていることがわからなくて悩む親があたりまえにいるのだから、赤の他人の
考えていることなどわからなくて当然。むしろ、相手のことがわからないからこそ、気遣いや心配も生まれてくるというものだ。
 まだまだ大人と呼ぶには程遠い二人は、形容しがたいもどかしさをごまかすように話を続けた。
「まあ、エルフのことは別としても、意気揚々と帰るはずが、むしろ行きより気が重いぜ」

15 :ウルトラ5番目の使い魔 50話 (8/13) ◆213pT8BiCc :2011/07/10(日) 20:01:30.03 ID:NZ3PtnWp
「そうね。帰ってから、ティファニアの住む場所も探さなきゃいけないし、姫さまにはお祝いの席に凶報を届けなきゃ
いけないし。お母さまには怒られるだろうし……はぁ」
「心配事と考えなきゃいけないことが多すぎて、気がめいってくるな」
 そのほかにも帰ってからやることが山のようにあると、二人はそろってため息をついた。その中でも、とりあえずの課題は
ティファニアの帰ってからの処遇だ。ただ、これが相当に難題であった。
「ともかく、テファはしばらくトリステインに残ってもらうしかないよな。ウェストウッドに帰して、またさらわれたじゃシャレにもならねえ」
「それに、子供たちやあの子も、いつまでも森に隠れてるわけにはいかないでしょう。この際、人のいるところで暮らすことに
慣れ始めたほうがいいわ」
「でも、ハーフエルフだってことを人に知られたら危険なんだろう。ロングビルさんはいつまでも仕事を休めないし、その点をどうする?」
 才人が尋ねると、ルイズは指をあごに当てて首を傾ける仕草をとった。
「姫さまに相談するしかないわね。ヴァリエール家が後ろ盾になってもいいけど、いくらわたしの家でも、トリステインでは
一貴族にすぎないから……お話を聞いてくださるといいけど」
「あの姫さまは優しい人だから大丈夫だと思うぜ。でも、正直、助け出した後のことをろくに考えてなかったなあ」
 善は急げで行動したものの、終わったら終わったで頭が痛くなる。しかも、今度は単純ではなく、世の中というものが
相手であるから、まだ世間知らずなルイズや異世界人の才人は正直手も足も出ない。しかし、連れ帰るからには
ティファニアの将来に責任を持たなければならない。
「こんなとき、タバサがいてくれたらなあ」
 才人がおもわずそう愚痴ると、ルイズもすぐにうなずいた。
「そうね。こんなときはタバサの知恵に頼りたいわね」
 自分たちの中で一番の知恵袋のことを思い出して、二人ともほおを緩ませた。
 思えば、ずいぶん前からタバサには助けてもらった思い出がある。いっしょに行動したときは、必ずどこかでタバサの力に
頼っているし、才人が地球に帰るかどうかで二人が迷っていたとき、舌鋒鋭く後押ししてくれたこともある。口数は少ないが、
頭はいいし気はいいし、素性については知らないことが多いが、それはまあどうでもいい。ともかく、早く会いたい。
「おれたちが帰り着くころには、タバサとキュルケも学院に帰ってるかな。お母さん、病気だっていうけど大丈夫かな?」
「きっと大丈夫よ。でも、あまり頼りすぎるわけにもいかないし、わたしたちもがんばらないとね。先行きは……あんまり明るくないけど」
 確実に苦労が待っていると知って気が重くならない人間は少ない。しかし、それも無事に帰りつけたらという前提が
実ってからのことである。今のところは大丈夫だが、いつ来るかわからないジョゼフからの攻撃に身構えておかなければ
必要がある。それで無事帰れたとしたら、虚無の残りの謎を探したり、並行してヤプールのハルケギニアへの攻撃へ
備えなければいけない。まさに、体も頭もいくつあっても足りないことになりそうだ。

16 :ウルトラ5番目の使い魔 50話 (9/13) ◆213pT8BiCc :2011/07/10(日) 20:02:51.44 ID:NZ3PtnWp
 しかし、決して悲観的なことばかりではない。才人には、大きく期待していることがあるのだ。
「異次元ゲートが閉じて、三ヶ月が過ぎた。もうすぐ、GUYSが第二の異次元ゲートを開けるはずだ。そうしたら、
ウルトラ兄弟と力を合わせて、一気にヤプールをやっつけてやる」
 そう、地球でも来るべきヤプールとの決戦に備えて準備を整えているはずだ。同時に、M78星雲でも宇宙警備隊が
出動態勢を整えているに違いない。ヤプールがパワーアップして復活したとしても、蘇ったばかりの今ならば不完全な
部分が必ずあるはずだ。
 その期を逃さず、全力で叩き潰して、やつをこの世界から追い出してやる。そうすれば、またいつか蘇るとしても、
かつてヤプールの復活に何度も関わったというエンペラ星人がすでにいない今なら、長い平和な時間を手に入れることができるだろう。
 メビウスは地球でがんばっているだろうか。あのときに託したガンクルセイダーやガッツブラスターはどうなっただろうか。
 またGUYSの人たちと会えるのが楽しみだ。それに、今度ゲートが開いたときにはいったん地球に帰って、
GUYSクルーの入隊試験を受けさせてもらうことになっている。平和になったあとで、地球とハルケギニアの関係が
どうなるかはわからないが、ふたつの世界を行き来することができるのは地球防衛隊員でなければ禁止されるだろう、
地球に帰ってかつルイズたちと別れないために、GUYSライセンスの受験勉強をしてきたのだから、絶対に落ちるわけにはいかない。
 様々なことを脳裏に浮かべているうちにも、月は天頂から沈み始め、夜はさらにふけていく。
 才人とルイズは、明日にそなえて早く寝なければと思いつつも、今日に限ってやってこない睡魔を待ち焦がれて空を望み続けた。
 
 
 しかし、美しい夜空の下で、邪悪な陰謀をめぐらせているものたちは確実に存在する。
 才人たちのいる辺境から遠く、ガリア王国の首都リュティス。夜更かしな者たちが酒で天国を味わうとき、この国の王は
グラン・トロワのバルコニーで、ひとりワイングラスをもてあそんでいた。
「美しい夜空よ。余が詩人であれば、ここで歌でもかなでるところであるが、余にとっては自然のおりなす芸術も、贅を
尽くした宮殿の造形美も等しく空虚だ。この美酒も、余を酔わすにはいたらん」
 ジョゼフはそうつぶやくと、グラスに満ちた、庶民からすれば金が注がれているにも等しい液体をバルコニーからぶちまけた。
 一陣の風が舞い、飛び散った液体が赤い霧になって消えていく。しかし、数千のルビーが舞い散っていくようなその輝きも、
ジョゼフの表情に変化をもたらすことはなかった。
「ふむ、確かブリミル歴六一八〇年の逸品ものであったかな。父上がご健在であられたころは、シャルルが新しい魔法に
目覚めるたびに、これで祝杯をあげていたっけなあ……しかし、父上の遺品を粗末に扱えば、少しは罪悪感が浮かんでくる
かもと思ったのだが、別になにも感じんなあ。いや、料理を粗末にすることならば、王なら別にめずらしくもないな。ふむ」
 ジョゼフは空のワイングラスを手の中で回しながら、自分のした悪戯のできばえを確認する子供のように、しばらく
独り言にいそしんだ。
「まったくもって、城暮らしというものは最高に退屈だ。これならば、酒場でうさばらしをしている庶人のほうがよほどに
幸福といえようなあ。世の者たちは、なにゆえにこんなつまらない暮らしをすることにあこがれるのだろうか?」

17 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/10(日) 20:03:42.82 ID:+lClaWal
紫煙

18 :ウルトラ5番目の使い魔 50話 (10/13) ◆213pT8BiCc :2011/07/10(日) 20:04:37.43 ID:NZ3PtnWp
 本当に不思議そうにジョゼフはつぶやいた。王の座というものは、余人たちは骨肉の争いの末に手に入れるのが
当たり前のことだと信じているようだが、なってみるとこんなにつまらない身分はほかにない。すべての欲望がかなうとか
幻想にすぎず、制限される自由と強制される政のなんと多いことよ。
 おかげで、毎回の暇つぶしにもいろいろと手間をかけなければならないと、ジョゼフは自分に同情したように苦笑した。
苦笑したとはいっても、彼はガリア王家の血統である群青の髪と端正な美貌を持ち、引き締まった肉体を持つ長身の
美丈夫であるために、そんなしぐさでも絵になった。だが、彼の心は美しさとは異種のものでしめられていた。
「政か……余にとっては庶人の暮らしなどはどうでもよいが、シャルル……もしお前が王であったならば、ガリアをよりよき
国にするために奔走したのであろうな。ああ、もしそうなっていたならば誰にとっても幸せであったろうに、なぜ父上は
お前を跡継ぎに指名しなかったのだろうな?」
 空をあおぎ、ジョゼフは三年前の先王の崩御のときのことを思い出した。あのとき、ジョゼフよりもあらゆる面で優れていた
弟シャルルが次王になるものと、ジョゼフでさえも確信していたし、そのほうがよいと思っていた。しかし、先王が死に際に
ジョゼフを指名したことからすべてが狂った。
「父上、天国とやらから聞いておられますか? あなたの望みどおり、私は王になりましたよ。もちろん、王らしいことも
ちゃんとしております。弟を自らの手にかけ、その妻や娘も痛めつけるなど、まさに王の所業そのものでしょう?」
 死人が返事をすることなどないのはわかっている。が、それでもジョゼフは言わなくては我慢できなかった。あの日、
父は病気でぼけていたのだろう。しかし、その一言がどんな結果をまねいたのかの感想を、父に聞けるものならぜひ
聞きたい。落胆しているか、激怒しているか、後悔しているのか、少なくとも喜んではいるまい。父の顔を想像すると、
ジョゼフはぞくぞくするものを感じた。
「でもね父上、それもあなたの責任なのですよ。ですから、私はあなたの軽はずみな言葉のとおりに王を
やってきました。おおそうだ! よい知らせがあるのですよ。シャルロット、あなたの可愛がっていた孫娘が私の
与えた任務をしくじりましてね。なんとも、仲間に毒をもれという簡単な仕事だったのですが。それで、心が
痛むのですが王としては家臣の信賞必罰には厳しくないといけませんからね。少々おしおきを加えることに
したのです。もしかしたら、父上のもとにゆくことになるかもしれませんが、そのときには昔のようにかわいがってあげてください」
 ジョゼフが、ガリアから脱出しようとする才人たちを放置していたのはそれが理由だった。ジョゼフにとって、
刹那の楽しみが終われば、それに対する興味は即座に失われてしまう。そして今、ジョゼフの関心は虚無にはなかった。
 答えぬ存在に向かって独語し、ジョゼフは髪をかきあげた。前髪の下から現れた瞳には、深い憎しみの光が宿っている。
「では父上、今日はこのへんで失礼いたします。王というものは激務でして、夜も昼も関係ありません。ですが、
父上が私に与えてくれた。”王の責務”を、きちんと果たさないといけませんからね」
 過去の幻影に別れを告げると、ジョゼフは自らの寝室に帰った。
 寝室には明かりはなく、窓から差し込んでくる月光が唯一の照明となっている。しかし、晴天の月は人工の明かりを
必要としないだけの光量を与えてくれている。そうして、ジョゼフは代々の王が腰掛けてきた年代ものの椅子に腰を下ろす。
彼の前には細身の女性が頭を垂れて待っていた。

19 :ウルトラ5番目の使い魔 50話 (11/13) ◆213pT8BiCc :2011/07/10(日) 20:05:56.81 ID:NZ3PtnWp
「ご気分がすぐれませぬか、ジョゼフさま」
「うむ、酒で気を紛らわせようとしたが駄目だな。年は人並みにとっているのだが、どうも酒に酔う楽しみというものは
いまいち理解できぬ。酔えれたなら、少しは退屈もまぎれたろうにな」
「いえ、ジョゼフさまが酔う姿はあまり様になりませぬわ。それよりも、お楽しみの時間がそろそろ始まるようでございます」
 シェフィールドのその言葉に、それまで気の抜けたようすであったジョゼフの顔に、ぱっと生気が蘇った。
「ほう! ようやくやってきたか。待ちかねたぞ」
「はい、まもなく到着するもようです。すでに、仕掛けは完了し、あとはジョゼフさまにご観覧あらせられるのみにございます」
 そうしてシェフィールドは、ジョゼフの前に特別製の遠見の鏡を用意した。これは通常のものよりも映し出せる
距離が長く、最大数百リーグもの遠方のものを映し出すことができる。ただし、映し出したいところにあらかじめ
準備しなくてはいけない上に、扱いが非常に難しいので、シェフィールドにしか使えない代物であった。
「ふむ、まだ映っていないではないか?」
「申し訳ありません。なにぶん、リュティスの魔法アカデミーで失敗作とされたものを引き取ったものですから。
もうしばらくお待ちください。調整に、あと少々かかりますので」
「不便なものだな。しかし、お前のおかげで余はこれまでいろいろと楽しませてもらってきた。これも、お前がいなくては
ガラクタに等しい代物だ。頼りにしておるぞ、余のミューズよ」
「そんな、もったいないお言葉を」
 鏡を操作しているシェフィールドの手が震えるのを、ジョゼフはやや苦笑しながら見守った。
「ところで、例の仕掛けの取り付けには手を焼いたのではないか?」
 準備ができるまでの暇つぶしにと、ジョゼフが尋ねた。
「はっ、なにせ異世界の技術でできたものですし、下手をすれば私まで虜にされてしまいかねない危険な
代物でしたので、細心の注意をはらいました。本来なら、私が直接映像を送りたかったのですが……しかし、
着実に発芽し、成長しているのは確認しました」
「ならばよい。チャリジャ……あの男はなかなか楽しませてくれたが、もういないからな。残った駒は大切に使わねばならん」
 ジョゼフの手元には、ワープロのようなもので印刷された薄い冊子が握られていた。その表紙には、『怪獣カタログ』と、
ガリア語で記されており、チャリジャのサインも書かれている。
 数日前、タバサとロングビルの戦いのあった夜。それが、チャリジャがジョゼフの前に姿を現した最後となった。
 いつものとおりの軽い口調と営業スマイルで現れた白塗りの似非紳士は、宇宙人の姿を現すとうやうやしく礼をした。
そして、いつもどおりに二人の会話ははじまった。
 
「久しぶりだな。どうだ、近頃の景気は?」
「王様のおかげで、こちらでの営業も順調です。この星では、私どもの世界にはいない怪獣が豊富に見つかりますもので、
大いに助かっております。私どもの商品のほうも、お気にめしていただけていますか?」
「ああ、どれも大いに役立て、楽しませてもらっている。だが、お前はそんなことを言いに来たわけではあるまい」

20 :ウルトラ5番目の使い魔 50話 (12/13) ◆213pT8BiCc :2011/07/10(日) 20:07:19.61 ID:NZ3PtnWp
「ええまあ。こちらの世界もそろそろ雲行きが怪しくなってまいりましたので、そろそろ撤退を考えておりまして。でも、
その前にお得意様に閉店セールのご案内に来たしだいであります」
 
 要するに、自分と手を切ると言いに来たチャリジャに、ジョゼフは怒ったりしなかった。むしろ、労苦をねぎらうように声を返した。
「ほお、そろそろ帰るということか。お前にはいろいろ役立ってもらっていたから惜しいものだな」
「申し訳ございません。私としてもこの世界には未練がありますが、物事にはなにごとも引き際というものがありまして。
これをわきまえない商人は、よくて大損、悪くて破産するのです」
「ほほお、道理だな」
 怪獣バイヤーの処世術を、ジョゼフはうなずきながら聞いた。チャリジャが、怪獣バイヤーという危険な仕事をしながら
今まで無事で来られたのは、危険が迫れば即座に身を引くあきらめのよさにあるという。たとえ、苦労をかさねて
手に入れた怪獣でも、倒されてしまったらさっさと逃げるのが、生き残る秘訣なのだそうだ。
「私もこの世界でいろいろと仕入れさせていただき、王様には私どもの商品の実用試験をしていただきまして、本当に
助かっておりました。ですが、そろそろ私の存在に気がつくものも現れ始めた様子。ここらが潮時ということですなあ」
「ははは、言いたいことをずけずけと言うやつよ。だがまあ、お前は言いたいことがあけすけだから話しておもしろいし、
なによりも信用できる。にしても、やりたいだけやられて、気がついたときには元凶のお前はとうに逃げられていたと
知ったら、お前の怪獣で痛めつけられたものたちは怒るであろうな。まあ余も、お前の怪獣は虚無をいぶりだすのに
大いに役立たせてもらった。これ以上を望むのは、ちと欲深いであろうな」
「王様は無欲でいらっしゃいます。しかし私も商人のはしくれ、ひいきのお客様にはサービスさせていただきます。
いくつか新商品のサンプルを持参いたしましたので、お納めください。では」
 そうしてチャリジャは一冊の冊子を残すと、すうっと消えていった。ジョゼフは冊子を手に取ると、ざっと流し読みした。
「ほほお、なかなかいいものが揃っているではないか……ま、道中気をつけていくことだ」
「ありがとうございます。それでは、ご縁がありましたら、また」
 こうして、ハルケギニアで暗躍した怪獣バイヤー・チャリジャは、あっけなくいずこかへ去っていった。
 しかし、ジョゼフの手元にはチャリジャの数々の置き土産が残っている。彼はそれらを、新しいおもちゃを手に入れた
子供のように目を輝かせて検分し、一つの項目に目をつけたのであった。
「これだ。これがちょうどよい! はっはっはは! これならば、シャルロットよ。お前との最後のゲームにはまさにうってつけだ」
 そうして彼はシェフィールドに命じて、”最後のゲーム”のための準備を始めさせた。
 
 それが数日前のこと、そしてゲームの準備が整うのを心待ちにしていたジョゼフは、期待に胸を膨らませて遠見の鏡を
調整しているシェフィールドを見守っている。

21 :ウルトラ5番目の使い魔 50話 (13/13) ◆213pT8BiCc :2011/07/10(日) 20:09:11.91 ID:NZ3PtnWp
 けれども、人間はこれからがというところで邪魔が入るのが常であるらしい。突然、寝室のドアがノックされると
侍従の声が室内に響いた。
「夜分失礼いたします。ロマリアの特命大使と名乗る者が、至急お会いしたいと申しております」
「こんな時間になんだ! 追い返せ!」
 当然のようにジョゼフは怒鳴り返した。が、侍従のおびえたような声が一瞬響いた後に、続けて彼が言った言葉がジョゼフの眉を動かした。
「そ、それが……ジョゼフさまの、ゲームに彩りを与えるお手伝いができると、そう言えば必ずお会いになられるなどと、
そう言っておられますが」
「なに……」
 苛立ちが一瞬で消えて、続いて疑問が湧いてくる。なぜ、ロマリアがそんなことを知っている? もしや、ビダーシャルの
頼みでロマリアの動きを探っていたのを気づいたのか。だが、どうしてこのタイミングで、なにが目的だ。
「おもしろい、会おう。どんな奴だ?」
「それが、恐ろしいほど美々しい少年でして。謁見の間で、待たせておりますが」
「ふふ、ロマリアめ。なにを企んでいるかは知らぬが、余のゲームに加えてもらいたいというか。ミューズよ、すまぬが
少し席を外す。すぐに戻るが、あとを頼むぞ」
「ご心配めされずとも、始まるまでにはまだしばらく時間がございますわ。それよりも、ロマリアがなにを企んでいますか
得体がしれません。お気をつけください」
 シェフィールドが頭を垂れて見送る前で、ジョゼフは肩をいからせながら大股に寝室の扉をくぐっていった。
 
 一方で、動き始めた遠見の鏡には、森の中にたたずむ大きな屋敷と、空のかなたから近づく一頭の青い龍が映り始めていた……
 
 続く

22 :ウルトラ5番目の使い魔 あとがき ◆213pT8BiCc :2011/07/10(日) 20:12:19.82 ID:NZ3PtnWp
今週はここまでです。もしかして忘れられてるかなと思いましたが、応援と支援ありがとうございました。
ここは、嵐の前の静けさといいますか、中休み的な展開にいたしました。
チャリジャがここで退場したことについては、こいつは危険を冒してまで残るタイプではなく、さっさと逃げ出すはしこいやつだと思ったからです。
ただし、ジョゼフのもとにはまだチャリジャの置き土産が残っていますので、このままではすまないでしょう。

それから、新番組ウルトラマン列伝が始まりましたが、年甲斐もなく大興奮してしまいました。
まだまだ現役のメビウスはともかく80がはぶられてしまっていたのは残念でしたが、初代マンとティガの話がピックされていてうれしかったです。
やっぱり何歳になってもヒーローはかっこいいものですね。
次週はヤプールとは別にこの世界を破滅させようと企む、もうひとつの敵との戦いです。

23 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/10(日) 20:34:31.31 ID:dn1pDtfe
乙、面白かった

24 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/10(日) 20:46:54.45 ID:QGrV40YR
ウルトラの人乙

ついに50話到達か…

HDDがお亡くなりになったのがウルトラの人だっけ?

25 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/10(日) 21:48:52.46 ID:AlEbnZPy
乙 来週も期待してます

>>24
確かそう

26 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/10(日) 21:54:10.10 ID:nfROp3P0
ウルトラ乙

50話記念にブラックピグモンとかブラックガヴァドンBが出ると思ったがそんな事はなかったぜ

27 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/11(月) 01:13:59.78 ID:9xbe7a/T
パソコンが壊れると修理にせよ復旧にせよえらい金かかるぜい

28 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/11(月) 01:31:41.59 ID:18DdhMZS
パソコンが動かなかったから、復旧を頼んだらかなり深刻な事になっていて、データを記憶する部分が破損していてデータを取り出すのに20〜30万もかかった。

29 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/11(月) 01:50:07.16 ID:9xbe7a/T
ほんとパソコンって車買える金がかかるからな

「怪獣コンピューターチェック!」「チェックします」
 
ってやってた時代からずいぶんすぎちゃったなあ

30 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/11(月) 02:45:33.44 ID:jQhSVdqE
>>29
そのビデオ持ってる

31 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/11(月) 03:23:01.75 ID:n7ejAMvQ
>>30
おれも持ってる

32 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/11(月) 04:51:25.13 ID:18DdhMZS
>>29 懐かしいな、あのビデオ持ってたわ。 キーボードを叩く音と女性隊員の声がおぼろげながら覚えてるわ。

33 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/11(月) 09:24:21.53 ID:pJBrPy/N
以前にこのスレで大道克己を召喚した作品を書いていた者ですが、
ようやくレンタルで仮面ライダーエターナルを観られたので、
その内容も含めて執筆を再開します
近々、前の続きを投下出来ると思います
と、思ったらPCの方が規制されていたみたいで…
規制が長いので、これが続くならば、もしかすると、別の場所に投稿するかも知れません
取り敢えず、その報告をば

しかし、エターナルは良かった…
ぐっと来た…
この感動を是非届けたいです
では、スレ汚しごめんなさい

34 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/11(月) 19:43:14.94 ID:AROfGvTq
>>33
頑張れー

35 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 00:33:49.70 ID:SUmntQHP
>>32
今じゃ列伝でゼロが進行役やってるから時代は変わるもんだ

36 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 03:29:24.17 ID:yDqPUEOT
名前、かつては力を渇望して悪の道へ進みそうになったというルイズと相性がいいゼロのクロスはいまだなし

37 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 03:51:14.50 ID:C6NoWk8O
良かったな
執筆チャンスだぞ

38 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 09:16:37.08 ID:ksT/YtaS
つまりゼEROの召喚……だと?

39 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 09:20:16.54 ID:hOaAeGL5
黒子ちゃんが可愛いのでだれか書いてください


40 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 09:52:30.12 ID:aIbN1DG4
シンケンジャーの黒子ちゃんに、そんなに魅力を感じてるなんて……。

41 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 10:25:32.70 ID:t2zo6UVD
サムスピの黒子やも知れぬ

42 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 10:29:16.31 ID:gb8BWiHM
黒(奇居)子を召喚で行こうぜ

43 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 10:49:46.67 ID:r8u4VPjE
黒柳……
おっと実在の人物だった

44 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 11:43:04.35 ID:Ys8XpyKS
>>42黒が出てきたら白も出てきそうでイヤだw
聖地にあるのは廟になるぞ

45 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 12:36:14.42 ID:gb8BWiHM
>黒が出てきたら白も出てきそう

駆動「俺には関係のないことだ 帰れ」

46 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 12:36:51.45 ID:yAlu/q+l
グルグルにもクロコっていたな、使いっぱにはちょうどいいかもしれん

47 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 12:47:55.06 ID:41K0UITG
黒子とか、どうやってバスケットを絡めるのかは興味深いな

48 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 12:59:51.39 ID:pU8aHeG3
読み方は指定してないのか


ガウナアアアアアァァァ!!!

49 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 13:20:37.00 ID:t2zo6UVD
>>43
ニードレスのあの人?

50 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 15:30:52.26 ID:cVVJYPTZ
>>43
いつの間にかルイズの部屋の名称が徹子の部屋に改められてるんですねわかります

51 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 16:29:34.90 ID:i/iK3Etb
ブラックスターとブラック指令をよんだら、コルベールに研究されるブラックガロンやいつのまにか学院生に紛れ込んでるブニョ
人形を持ってアカデミーを徘徊するタバサとかになるんだろうか

52 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 16:52:42.39 ID:tFB/BwIA
>>43
小ネタなら多少緩いから実在でも、まぁ良さげな気もする。
モンスターエンジンの例の神々ネタとかあったりするし。

53 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 18:30:13.17 ID:tSa8fz89
>>39
「こ…ここは……ここはどこですの?おねえさまー!」


54 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 18:40:59.49 ID:C4bmOub4
>>53
白井黒子?
瞬間異動の超能力に類似する魔法はゼロ魔に
存在するんだろうか?

55 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 18:44:56.59 ID:KawlyKud
>>54 基本的に物理法則には基づくのが多いから、テレポート系はかなりの異常だと思う。 虚無や強力なマジックアイテムならどうかは知らんけど。

56 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 18:59:24.69 ID:tFB/BwIA
瞬間移動なんぞ、虚無以外でどの系統になるんだ?

57 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 19:00:39.61 ID:73tBomjq
ダルシムを呼べと申したか

58 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 19:38:11.51 ID:UuPFDUfr
>>56
タクティクスオウガなら風系だったような

59 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 19:53:35.48 ID:DuzcMJgL
レイスフィアを起動したら魔法を扱えない人に疫病が広がるのだろうか?
電力皆無だからコールは残念な事になるが

60 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 20:11:11.02 ID:qZ/ixeFa
瞬間移動の能力は一般人相手なら一撃必殺であることをX-MENファーストクラスで知りました

61 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 20:15:21.67 ID:b3+p0k3z
瞬間物質移送機……デスラー戦法か!

62 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 20:20:13.90 ID:Zw0H6WLJ
人間ワープだ、さあどうする、どうするどうする、君ならどうする
もあるよ

63 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 20:38:56.65 ID:q6umkXGq
ダルシムか。ワープが使えて火が出せて、手足が伸びて飯がいらないんだよなぁ
字にするとすげえ化け物だな。あんな昔にカプコンすげえよ

64 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 20:59:57.88 ID:C6NoWk8O
原作読んでないのがこんなに……

65 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 21:01:09.29 ID:lIO9XAWL
そして全国の少年少女達に間違ったヨガの概念を植え付けた存在でもある
でもMMRよりマシ


66 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 21:03:53.99 ID:Zw0H6WLJ
間違ったヨガと言ったらレインボーマンもお忘れなく

67 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 21:11:56.09 ID:yo6BWZ5U
>>54
>>55
原作読めよ……

68 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 22:03:47.82 ID:FYxz25bi
アプトム召喚モノの続きが見たいんだがなあ

69 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 22:07:58.46 ID:Z0sMzF2h
>>55
質量保存の法則完全無視の錬金はドットスペルでしかなく、
コモンスペルのサモンサーバントが余裕で空間の壁を超越しているというのに
どの辺が物理法則に沿ってるのか詳しく教えてくれないか?

70 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 22:09:05.25 ID:X9UqFxYh
>>43
         ('''')
     √ (  ,,,, . )
     ぃ) (  ・ω・) ガコッ !
        ゝ y ノ、,∴・
     ;・¨ .「 {_ン∧_∧¨ ガコッ !
    . :   .と人 Y   ,) ←ギーシュ

こうですね分かります

71 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 22:39:04.41 ID:pqvMlXTZ
ランボー召喚

72 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 22:58:13.38 ID:C6NoWk8O
だからテレポートは原作で登場してるだろうが
突っ込んだ部分を語りたいなら原作読めよ

73 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 23:00:26.44 ID:/swQY8cG
テレポートだったら俺も使えるよ
初めて美容室に行ったとき気がついたら髪カットされて家にいた

74 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 23:29:13.26 ID:ZrgU1ito
なら俺もちょっとした呪文を唱えるだけで使える。

「となりに塀と囲いが出来たってね。へ〜かっこい〜」

これだけで、数秒時間がテレポートする。



75 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 23:36:16.36 ID:O0lSxUj9
>>74
それはテレポートやない
タイムリープや

76 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 23:40:13.25 ID:h7sfmzUA
エターナルフォースブリザードじゃないの?

77 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 23:45:42.95 ID:cVVJYPTZ
キング・クリムゾン!

78 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/12(火) 23:55:43.48 ID:KawlyKud
>>69 物理法則に沿っていると思っているのは、モノを変化させる、燃やす、空気を操る、水の性質を変えるなどといったもの。
物理法則…というかどう考えても神秘以外なにものでもないのは、物理的なレベルで姿を変える鏡とか、虚無のディスペルなどといったもの。
だから、火や水や風を操るくらいならいいけど、テレポートとかはマジックアイテムと同等以上に異常だと思う、という事。

今になって思いだしたが、そういえばデルフの能力でサイトを森まで瞬間移動させたんだった。

79 : 忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/07/13(水) 00:04:06.49 ID:h4t/XW01
>>78
デルフの能力は瞬間移動じゃなくて肉体操作だぞ。
死にかけの才人を無理矢理に猛スピードでダッシュさせただけで。

80 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 00:16:23.80 ID:+BrYN3tv
>>79
アニメ版の設定ですね。
それにしても、原作とアニメの差はよく話題になって数も多いからこの際まとめませんか。
どこどこがこう違うと説明してくだされば、まとめて設定wikiのほうに「原作とアニメ版の設定の違い」と項目を作って登録してもいいですが、いかがでしょう?

81 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 00:19:13.28 ID:xzZaH88i
>>78
それを踏まえてメイジなら誰でも使えるレベルの魔法が既に物理法則無視してるって流れだったと思うんだけど

>>79
ワープしてたってのは多分アニメ版の話

82 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 00:24:22.49 ID:j1JsObyo
>>80 SS読んでてもアニメは見てるが原作は読んでないってのがあるから、設定の違いとかあると助かる。
サーヴァント契約した事でハルケギニア語が喋られたり、言語関係の魔法(爆発したが)を使ったら同じく喋れたり・・・など色々紛らわしい。

83 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 00:42:02.71 ID:+BrYN3tv
具体的には原作に存在しないイベント、モット伯などアニメオリジナルキャラクター
才人がパソコンを持ってこない、アニエスの性格の違いなど、ともかくなんでもいいので、出してくれたらこちらで編集いたします

84 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 00:56:54.18 ID:j1JsObyo
アニメではテファのイベントが大きいね。
生徒フラグが立たなければクルデンホルフ自体が出て来ないし。

85 : 忍法帖【Lv=11,xxxPT】 :2011/07/13(水) 01:01:58.09 ID:p/WXo+zv
>>81
一例として「火のドットスペルは何を燃やして火を出しているの?」ってことでOK?

86 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 01:35:10.60 ID:Zy30zfoi
>>78
テレポートは空間の系に干渉するSFの技術だね。
一応量子力学や素粒子物理学と呼ばれる学問の範囲だし物理学上問題ないはず。
虚無は素粒子を操作して時空間に干渉する魔法が多いからねえ。
その手の魔法はもっと出てくるかも。

87 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 07:40:10.48 ID:gT6cVHc7
>>78
理解出来ん
姿を変える魔法はモノを変化させる魔法と何が違うんだ(有機物の形を変えるか無機物の形を変えるかの違いだけでは?)
惚れ薬だのギアスの魔法だのは物理法則に沿ってるのか?

風や火の魔法が物理法則を無視してないという考え方が既におかしいだろ
まず、燃料も何もないところから炎を発生させる魔法とか
精神力などという訳の分からんモノを消費して運動エネルギーを生み出す魔法がどうして物理法則に沿ってると思うんだ?

88 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 07:59:51.59 ID:yHhGZvge
概ね同意だが物の形を変えるのと土を金属に変えるのはまた違うお話よ
まあ魔法に対して物理法則云々とか言いだす奴はただ物理法則って言いたいだけだろうから真面目に取り合わない方が良いと思う

89 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 08:08:20.84 ID:3Bob+Qjv
実際の物理法則じゃなくて
自分が理解できる物を指してるからな

まぁ取り合えず避難所行け

90 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 08:10:01.17 ID:SF3ihaY0
そしてそろそろ設定スレに行け。

91 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 11:05:06.95 ID:EtUSUERW
馬鹿が賢くなろうとして失敗した感じのがけつを追いかけあってるな

92 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 11:57:48.38 ID:1miDYj01
ハハハハ
「魔」(人智を超えた力)の「法」則なんだから俺らの常識が通用するわけがないじゃないか

93 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 11:59:47.26 ID:LN1HxAiy
原作ではテファは子供たちと暮らしてるけどアニメでは一人暮らし

94 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 15:04:41.13 ID:TouXvQAE
>>43
焼きたてジャぱんから召喚すれば問題なし

95 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 16:21:46.86 ID:EtUSUERW
原作基準だと、凶悪だったり強力だったりするキャラが召喚されて、ロングビルを問答無用で殺害すると少し憐れ


>>92
念のため言っとくけど、魔法ってのは別にそういう意味じゃないぞ

96 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 16:31:18.76 ID:cogxNmAN
中にはおマチさんを仲間にしちゃうのもあるね
手段は色々

97 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 16:57:54.23 ID:fZkn+GBF
>>95
ある意味、王蛇でのマチルダさんが一番悲惨だった
ミラーモンスターに一飲みにされてあっさり退場

98 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 16:58:30.09 ID:SF3ihaY0
たまにはおマチさんに自発的協力をする奴がいてもいい。

99 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 17:57:34.22 ID:XyJ13oz7
必殺仕事人2009から唯一殉職したからくり屋の源太を召喚
自分で思い付いておきながら展開が全く思い付かない
必殺は主水や小五郎以外は基本一人一殺だし源太は武器がからくりのおもちゃだしな

100 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 19:57:29.41 ID:21BoArxN
からくりか
マイナーもいいところだがからくり師蘭剣を……
色々悲惨な目に合う奴が続出しそうだ


マチルダさんの悲惨なオチならゼロテリもかなり

101 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 20:53:37.73 ID:gJSfjfKD
>>98
コラボスペシャル的に、ルイズがコナンを、ティファニアがルパン三世を召喚してとか
おマチさんに手を貸すルパンと、変装したルパンを探すコナン

102 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 21:16:50.33 ID:WPAltCdN
>>99
必殺シリーズなら 死んだキャラはいくらでも居るから、よりどりみどり。

女郎屋で死んだ鉄っつあんを そのまま召喚→ヤッた直後のヌルヌルフリチン!
さて ルイズがどんな反応を示すか?


103 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 22:13:56.34 ID:rzlZcDhe
避難所に投下されるイタ公はおマチさんをヤッちまってたな(性的な意味で)

104 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 22:24:57.88 ID:CxGSFYJM
北斗の拳からケンシロウ召喚。

ワルドがアミバ状態で
「俺は天才だ〜!ひでぶ!」で終了。

105 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 22:30:22.03 ID:9bGOBLLZ
ケンシロウ召還は避難所にあったぞ
やっぱ悪党をぶっ飛ばしていくのは壮快感ある

106 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 22:31:58.51 ID:BSQ2mniw
僕を召喚して魔法少女になってよ

107 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 23:00:48.23 ID:21BoArxN
ギーシュ
「おい。そこの平民。僕の名を言ってみろ!!」

フーケゴーレムはデビルリバース
ジョセフはサウザーかはたまたカイオウか

108 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 23:05:47.14 ID:7xf/VWio
>>106
QBはなぁ……。
あいつはとことんまで自分本位(と言うか目的最優先)で、それだけならまだしもキャラ的に
周りの影響を受けて翻意すると言う可能性が皆無だから話を作りづらいんだよね。


109 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 23:20:23.71 ID:h4t/XW01
「キャラクター」を召喚するんじゃなくて、「魔法少女製造機」を召喚するって感じなのかな。

110 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 23:36:00.07 ID:dTNICKED
>>98
破壊の杖がいわくつきだったら、神風怪盗ジャンヌや怪盗セイントテールあたりがおマチさんの味方してくれるかも

111 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 23:58:58.25 ID:3MNZH+PQ
そこで、さいとうたかをの雲盗り斬平ですよ。

情が深くて、ちょっとドジでスケベな元忍者の怪盗。

問題は、ゴルゴなみのヤリチンてことかな

112 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/14(木) 00:09:08.66 ID:i+PEqnxW
所で前スレが5KB残してさびしそうにしている件

113 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/14(木) 00:31:09.01 ID:Co8Uklwx
ジャギを召喚する。ギーシュとn決闘イベントでギーシュ死亡フラグ。
ギーシュ
「僕はグラモンの4番目の末っ子だけど、戦闘演習の成績では
 兄上達以上なんだよ。悪く思わないでくれ使い魔君。」
ジャギ
「4番目の末っ子・・・。兄上達以上・・・!
 兄より優れた弟などいるものか〜!俺の名前を言ってみろ!」

114 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/14(木) 01:11:49.30 ID:nkLbUTiQ
悪党呼んでギーシュ死亡フラグってのは耳タコだけど、実際に殺害された例は片手で足りるほど
いきなり殺人しちまったら学院にいられなくなるし、のちのテンプレイベントもほぼ壊滅するからな

115 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/14(木) 01:20:43.37 ID:6ENt3uBy
すべてはギーシュの悪運の強さの賜物

116 :ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2011/07/14(木) 01:48:03.88 ID:UJqJkm5Z
お久しぶりです
やだ、ヘイトとか言われちゃった・・・(キュン)
設定や実績的にはかなり上位なのにサイトより強いとおかしいと言われるキャラは珍しいのではなかろうか
でも気持ちはわかります

ともかく、55分頃から投下します

117 :ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2011/07/14(木) 01:56:00.14 ID:UJqJkm5Z
 

 タバサとマチルダを背に乗せたシルフィードは、闇の中をゆっくりと飛翔していた。
 闇と言っても夜の闇どころの話ではなく、まさに一寸先すら見通せないほどの暗闇だ。
 夜明けと共にウェストウッド村を出立した一行は一時間ほどでニューカッスル近郊まで辿り着いた。
 そこから雲海に潜り込む形で大陸の下部へと移動し、ニューカッスル城の直下へと向かう。
 マチルダの話によればそこに城へと通じる穴があるらしいのだが、誰もその手の観測技術や知識を持ち合わせていないので『直下』がどこにあるかがわからない。
 なので一行はこうしてしらみつぶしに飛び回り穴を捜索しているのだ。
 とはいえ、大陸と雲海によって光が阻まれたこの場では人の目はまったくと言っていいほど役に立たない。
 背に乗る二人が魔法の灯をつけていても、1メイル先がようやくおぼろげに見えるかどうかというレベルなのだ。
 タバサは真っ黒い雲を見つめながら、マチルダが風竜が必要と言っていた理由を理解する。
 ここで頼りになるのはシルフィードの――風竜の名の通り、風の流れを読み取って周囲を探る能力だけだった。
 そんな折、背後からゴン、と何かがぶつかる鈍い音と「いでっ」とくぐもった悲鳴が漏れた。
 次いで背後の闇の中から怒号が轟いた。
「こらぁ、シルフィード! てめえわざとやってんだろ! なんでこんなギリギリのトコ飛んでんだよ!!」
 柊だった。
 出発する際シルフィードが柊を背に乗せるのを頑として受け入れなかったため、仕方なく彼だけは箒に乗ってロープで曳航する形になっているのだ。
「……確かに優秀な風竜だね」
 ロープの端を握っていたマチルダが半ば感嘆交じりに言うと、シルフィードが「きゅいっ」と自慢気に声を上げる。
 大陸の岩壁スレスレを飛行しながら、かつシルフィードよりも小さい柊がぶつかるような進路を選んでいる辺りかなり風を感じ取る能力が高いことが窺えた。
 風竜の面目躍如といったところだろうか。
 そんなこんなでシルフィードは(柊を岩壁にぶつけつつ)捜索を行い、ややあって大きな穴を発見した。
 艦艇が進入することを想定してか穴はやや人為的に広げられた感があり、大きさも数百メイルはあるだろうことがわかる。
 穴に進入してあとは上昇する段になりようやく箒に乗った柊がシルフィードの隣に並び、怒りを込めた視線をシルフィードに向けた。
「……お前、アルビオンに来る時のこと根に持ってんだろ」
「ぐるる……」
 するとシルフィードは威嚇するように牙を剥いてきた。
 一緒にマチルダがいるので喋りはしないものの、その視線からは明らかに敵意が篭っているのが見て取れた。
 柊は忌々しげに舌打ちすると、眼を切って上方を見つめた。

 暗闇が次第に晴れていき、やがて大きく開ける。
 そこは天然の鍾乳洞を利用した港だった。
 どこかに出航しているのかそれとももはや存在していないのか、艦艇の姿は見受けられなかったが、岸壁の上には幾人かの作業員らしき人間がいるのが見えた。
 彼等はシルフィード達に気付くと悲鳴を上げ、それが波及するかのように全体に行き渡り我先にと逃げ出し始めてしまう。
 この展開は既に予想済みであるので柊は特に彼等を引きとめようとはせず、シルフィードとそれに乗る二人に手で合図した後一人で岸壁の上へと着陸した。
 それに合わせるように入口から武器を手にした兵士達が殺到した。
 流石にここまで戦い生き抜いてきただけに兵士達は錬度も高く、彼等は一糸乱れぬ動きであっという間に柊を取り囲む。
 ずらりと向けられた槍の穂先を前に、柊は両の手を上げて戦意がない事を示した。



118 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/14(木) 01:57:23.89 ID:i+PEqnxW
支援

119 :ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2011/07/14(木) 01:58:04.55 ID:UJqJkm5Z
 

「何者か!」
 少なくとも現状では荒事に及ぶつもりがないことを察したのか、兵士の一人が誰何の声を上げる。
 人数が多すぎて誰があげた声かはわからず、柊は軽く兵士達を見回してから答えた。
「トリステインの人間だ。あるお方から密命を帯びてここまで来た」
 そう言うと兵士の中の幾人かが僅かに困惑した表情を見せた。おそらく彼等は新兵なのだろう。
 実際、それ以外の大多数の兵士は微塵も緩んだ気配を見せず逆に柊に一歩詰め寄る具合だ。
 まあ現在のアルビオンの情勢から行けばこの反応はやはり当然ではある。
 問題はここからだ。
 柊が上げた手の片方をゆっくりと下げ、懐へと伸ばす。
 途端に兵士達の気配が剣呑さを増し、槍を持つ手に力が篭った。
 彼等(特に新兵達)が先走らないように注意しつつ、柊は努めて緩慢な動作で懐からアンリエッタに書いてもらった親書を取り出す。
 そして記された花押を見せ付けるようにそれを兵士達の前に押し出した。
「これが俺達がトリステインの密使である証だ」
 そこでようやく兵士達全体に僅かながらの動揺が浮かんだが、それでも柊に突きつけられた槍が引かれることはない。
 幾人かが顔を見合わせ「本物か?」などと呟いていると、包囲の一角が割れて一人の男が歩み寄ってきた。
 周囲の兵士達よりも年輪と気配を帯びた壮年のメイジ。マントや衣服の意匠からみると兵士長や衛士に属する人間のようだ。
 彼は腰に差した剣――いや、それを模した軍杖だろう――に手をかけたまま、柊に向かって口を開いた。
「花押はトリステインのものだが、それだけで信用する訳にはいかぬ。中身を改めさせて頂きたい」
 台詞だけは穏便なものであったが、語りかけるそのメイジの空気には有無を言わせぬものがあった。
 しかし柊は物怖じする事もなく首を振る。
「この親書はウェールズ皇太子に直接渡すよう言い遣ってる。アンタに渡すわけにはいかない」
 言うとメイジの眉が僅かに持ち上がり、軍杖にかけた手に力が篭る。
 それを制するように柊は再び懐に手を伸ばし、今度はアンリエッタから預かった水のルビーを取り出した。
 柊はルビーを相手に示した後、それを床に置いてから岸壁ぎりぎりまで下がって距離を取る。
 壮年のメイジは柊の動きを見計らってからゆっくりと歩み寄り水のルビーを拾い上げた。
「……これは?」
「身の証に、と預かってきたものだ。何でも王家に伝わるモノらしい。あんたがわからないなら、わかる奴に見せてくれ」
 手の中のルビーを検分していたメイジに柊がそう言うと、彼はしばしの沈黙の後ようやく手を軍杖から離して兵士達に指示を送った。
 槍が一斉に引かれ包囲の輪が大きく開かれる。
 半分ほどが城内へと戻っていくのを見届けた後、壮年のメイジは柊に向かって声をかけた。
「生憎私では判別がつかぬゆえ、しかるべき方に確認を願おう。それまではこの場で待機して頂きたい」
「それは構わないが……あの二人を下ろしても? 風竜を飛ばせっぱなしってのもちょっと……」
「申し訳ないがそれはできない。その程度で風竜は疲弊などせぬし、疑惑が晴れぬままメイジを二人も上げる訳にはいかん」
「……わかった」
 状況が状況だけに致し方ない所だろう。
 嘆息交じりに柊が答えると壮年のメイジは軽く頷いてから踵を返し場内へと戻っていった。
 ルビーは正真正銘本物なので山は越えたと言ってもいい。
 強いて問題があるとすればそれをあの男が実は貴族派のスパイで、そのまま握り潰され賊として捕らえられる可能性だ。
 しかしここまできたらもう腹を括るしかないだろう。
 柊はシルフィードに乗る二人に声をかけた後、遠巻きにこちらを警戒する兵士達を一瞥して息を吐いた。




120 :ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2011/07/14(木) 02:00:17.75 ID:UJqJkm5Z
 

 それから30分ほどをまんじりと待ち続けていると、先程のメイジが一人の老人を連れて港へと戻ってきた。
 服装から言って兵士ではなく侍従あたりだろうか、その老人は柊の元まで歩み寄ると恭しく膝を折り懐から水のルビーを取り出す。
「紛う事なくトリステインに伝わる水のルビー、確認いたしましてございます。
 彼の国より遠路はるばる……しかもこのような危地に赴いて下さった大使殿に対する非礼をお詫びいたします」
「い、いや。こんな情勢なんだから当然の対応です。だからそんなかしこまる必要は……」
 見れば脇に控えるメイジまで膝を折っており、年上の二人にかしずかれた格好になる柊は慌てて手を振った。
 恭しく差し出された水のルビーを受け取ってから二人に立ち上がるよう促す。
 立ち上がった脇のメイジの指示で空中で待機していたシルフィードがゆっくりと岸壁に着地し、タバサとマチルダが下りてきたのを確認した後柊は改めて老人に向き直った。
「それで、えぇと……」
「パリーと申します」
「パリーさん。それで、俺達はウェールズ皇太子に親書を渡すように言われて来たんですけど、案内してくれますか」
 するとパリーは頭を下げ、申し訳なさそうに言葉を返した。
「殿下は今朝方この港より出航され、城にはおりませぬ。夕刻には戻られる予定なのですが……」
「マジか……」
 ここに来てすれ違いになる事は予想できず、柊は思わず渋面を作って唸ってしまった。
 だが夕方に戻ってくるのはわかっているのだから、後は彼の帰りを待っていればいいだけのことだ。
 しかし次いで放ったパリーの言葉は、柊の想定を更に越えた。
「つきましては、我等が主君たるアルビオン王――ジェームズ陛下より謁見を許されましたゆえ、ご案内いたします」
「……は?」
 さらりと言ってのけたパリーの言葉に、柊は片頬を引きつらせて固まってしまった。
 数十秒の凝固の後、かすれるような声でおずおずと尋ねる。
「いや、わざわざ王様、じゃねえ、国王陛下に謁見を賜るほどの事じゃないんですけど……」
「トリステインからの……そして恐らくはこの国最後となる大使の来訪でございますれば、最大の礼を以って応えるのが相応しかろうと陛下は仰っております」
「……」
 自分達が来たことが何故国王にまで伝わっているのか――と口に出かけたが、声に出す直前でその理由を悟った。
 先程身の証に渡した水のルビー。あれの真贋を確かめられる人物が他にいなかったのだろう。
 ウェールズ王子がこの城にいない事がここにまで響いていたのだ。
 ともあれ、そのような事を一国の王から提示されては断る事などできるはずもない。
 柊は縋るようにして控えていたタバサとマチルダに眼を向けた。
 すると変装のためか学院にいた頃のように眼鏡をかけているマチルダがにっこりととてもいい笑顔を浮かべる。
「わたくしはただの付き添いですから、玉体を拝するなど畏れ多い栄誉を賜るわけにはいきませんわ。風竜の面倒でも見て待っています」
 続いてタバサが口を開きかけたが、それを封殺するように柊は彼女に詰め寄って両肩を掴んで叫んだ。
「頼むタバサ、一緒に来てくれ! 俺にはお前が必要だ!」
「……」
 タバサは今にも土下座しそうな勢いで頭を下げる柊を半眼で見やると、諦めたかのように小さく溜息を吐き出した。
 それを見計らったかのようにパリーは一礼すると、恭しく二人を促す。
「それでは大使殿、こちらへ」


 ※ ※ ※



121 :ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2011/07/14(木) 02:02:43.89 ID:UJqJkm5Z
 

 ……どうしてこうなった。
 柊はくたびれた絨毯が敷かれた床を凝視しながら心の中で呻いた。
 パリーに案内されて二人が訪れたのは城の天守にある広間だった。
 城の規模からいって国王が居城とする事は想定されていなかったらしく、即席で誂えられた謁見の間であるようだ。
 上座に添えられた玉座も質はいいものなのだろうが、仮にも一国の王が座するには些か見栄えがよくないはずだ。
 はず、というのは柊が実際に見たのは入室した折に少し観察した空の玉座だけだったからだ。
「叛徒共の陣営を潜り抜けての来訪、大儀であった」
「……は」
 上座から届くパリーの声に柊は少しだけ上擦った声で返すと、頭を深く垂れる。
 王の御前にあって許しもなく顔を上げる事などできようはずもなく、柊はタバサと共に膝を折り床を凝視したままだ。
 もっともそれはそれで柊には幸運だったのかもしれない。
 何故なら頭を垂れて床を見る柊の顔は、これ以上ないほどの渋面だったからだ。
(……これからどうすりゃいいんだ?)
 形式的に言えば口上か何かを述べるべきなのであろう。
 しかし柊はこのような状況の当事者となった事がない。
 状況だけで言うなら例えば『世界の守護者』として実質ウィザード達を纏める指導者たるアンゼロットと何度も会っているし、
ラース=フェリアでとある事件を解決した際にはその地――フレイス地方を治める炎導王と見えた事もある。
 しかし両者共に質実と言った感じで、こういった形式や格式というものが先立ったものではなかったのだ。
 柊は救いを求めるようにタバサをちらりと横目で見やった。
 しかしタバサは跪いた姿勢のまま微動だにせず、柊の視線にも一切反応しない。
 どうしていいのかわからず柊が固まっていると、上座からくく、とくぐもった笑い声が聞こえた。
「よい。そちらの娘はともかくそなたは貴族でないようだ……無理にとってつけた口上なぞする必要はない」
 聞いたことのない老人の声。おそらくはアルビオン王たるジェームズ一世のものだろう。
 陛下、というパリーの呟きが聞こえたが、ジェームズ王は更に続けた。
「貴族でなくとも太后……いや、今はアンリエッタか? あれに水のルビーを託されるに足る人物というだけで十分じゃ。……面を上げよ」
 言われて柊は内心で大いに安堵の息を吐きつつ、ゆっくりと顔を上げた。
 そして王の姿を見やり……少しだけ驚いた。
 入室時には少し物足りない玉座だと思っていたのだが、その玉座とそれに座する王の姿はそれなりに似合っていたのだ。
 端的に言ってしまって先程述べたアンゼロットや炎導王と比べると、覇気やカリスマと言ったような『王』と感じさせるようなものがほとんど感じられなかった。
 ジェームズ王は柊とタバサの顔を見やった後、呟くように語った。
「して、何やら親書を預かっているとか」
 きた、と柊は思った。
 この謁見に至った経緯からしてここを避けて通る事ができないのは最初からわかっていた。
 なので柊は再び頭を垂れると、努めて恭しく返した。
「無礼を承知で申し上げます。私が預かった親書は、王女殿下よりウェールズ皇太子に直接手渡すように厳命されています。
 これに悖ることは殿下への忠誠に悖るに等しいこと。……ですので、例え陛下と言えどお渡しするわけにはいきません」
 ところどころ言葉が怪しかったが即興なので仕方がない。
 それより懸念すべきは、その言葉と同時に張り詰めたこの場の空気だ。
 即座に手打ちにされても文句は言えない――実際に脇に並んでいる近衛達の反応ははっきりと敵対だった。
 が、当のジェームズ王は憚る事なく大きな笑い声を上げた。
「いや、平民でありながら見事な忠誠である! 我が国にもそなたような若者がもっとおれば、このような醜態をさらす事もなかったかもしれぬな!」
 王はしばしの間笑い続けると、疲れたように大きな息を吐いた後柊を見つめた。



122 :ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2011/07/14(木) 02:04:53.37 ID:UJqJkm5Z
 

「そなたの忠誠は認めよう。しかしながら、朕はウェールズの父であり、主である。
 その朕に見せられぬ書状となれば、遺憾ながら息子と王女殿下に朕に対する含むところを疑わねばならぬ」
「な……い、いや、そんな含むところなんて!」
 予想外の反応に柊は思わず顔を上げてジェームズ王を見やった。
 しかし王は柊の視線を意にも介さず、言葉を続ける。
「肉親の陰謀や争いなど平民でも珍しくはあるまい。貴族ならばなおさらじゃ。ガリアしかり……我がアルビオンもしかり」
「陛下……」
 どこか自虐的に言った王の言葉にパリーがいたたまれないと言った様子で呟いた。
 そして彼は王に一礼すると、柊の下に歩み寄って跪き顔を突き合わせるように囁く。
「大使殿。含むところがないというならば、親書をお渡し下され。貴方の忠誠に疑いない事はこのパリーめがウェールズ王子にもお伝え申し上げますゆえ」
「くっ……」
 こうなってしまっては渡さないわけにはいかない。
 選択をあやまったかと歯噛みしながら、柊は懐から親書を取り出しパリーに預けた。
 かたじけない、と囁きつつパリーは親書を手に再びジェームズ王の下に戻り、恭しくそれを差し出す。
 王は軽く頷くと花押を切り親書を読み始めた。
 痛いほどの沈黙の中ジェームズ王は黙々とアンリエッタの手紙を読み続ける。
 そして最後まで眼を通した後、老王は皺を深めて軽く笑った。
「……若いな」
 言ってジェームズ王は親書を閉じるとパリーに手渡し、玉座に腰を深く埋めて大きく溜息を吐いた。
 パリーが親書を柊へと返却するまでの間彼は何事かを思案するかのように瞑目し、再び溜息をついてからようやくといった様子で跪く柊達に向かって口を開く。
「あいわかった。仔細はウェールズに任せるゆえ、あれが戻るまでこの城で留まるがよかろう。もはや陥落寸前の城ゆえ寛げぬやもしれぬが」
「……。ありがとうございます」
 叩頭する柊にジェームズ王は一つ頷くと、軽く手を振って謁見終了の意を示した。


 ※ ※ ※


 謁見を終えて御前を辞した柊とタバサは用意された部屋へと案内された。
 部屋に入るや否や柊は酷く疲れた様子でベッドへふらふらと歩を進め倒れこむ。
「あ゛ーー、きっつ……」
 あの手の畏まった場は柊のもっとも苦手とする所である。
 はっきりいってこれならクリーチャーの群れに放り込まれた方がいくらかマシというものだ。
「フォローくらい入れてくれたっていいじゃねえかよ……」
 言いながら柊は恨みがましげに椅子に座ったタバサをねめつける。
 最初パリー達は柊達に個室を用意しようとしていたのが、柊はそれを固辞してマチルダを含めた三人を相部屋にしてもらったのだ。
 状況的に言ってそんな贅沢を享受したくはないし、柊もタバサも相部屋というところを気兼ねする性格でもない。
 マチルダには何の相談もしていないが、彼女もおそらく気にはしないだろう。
 ともあれ、柊の非難の視線を浴びたタバサはしかし全く悪びれもしなかった。
 彼女は窓から見える城内中庭を眺めながらボソリと呟いた。
「……私はただの付き添い。王の御前で許しもなく口を挟むなんてできるはずがない」
「……」
 ぐうの音もでない正論を返されて柊はベッドに突っ伏した。
 お互いに会話もなく、動きもないしばらくの静寂が続く。
 やがて柊は何かを思い出したかのようにベッドから身を起こし、頭をかいた。



123 :ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2011/07/14(木) 02:06:56.08 ID:UJqJkm5Z
 

「一応連絡しとくか」
 懐から0-Phoneを取り出してエリスに電話をかける。
 ……が、反応がなかった。
 呼び出し音が続いているので電源を切っている訳ではなさそうだが、彼女は電話に出なかった。
 コールを続けながら一応ディスプレイで時間を確認してみる。
 正確な時刻による区分はないものの、この時間帯なら大体学院は昼休みだったはずだ。
 まあエリスにはメイド達の仕事の手伝いがあるので、それが忙しいのかもしれない。
 柊はふうと溜息をつくと呼出を止め、タバサに顔を向ける。
「とりあえずロングビル先生呼んでくるわ」
 柊がその名を呼んだのはニューカッスル城に赴く前、当のマチルダから自分の名は出さないように言い含められていたためである。
 この部屋には柊とタバサしかいないのだがどこに耳があるかわからないし、そもそも学院で物別れになるまではその名で呼んでいたので柊としてはそちらの方が呼びやすかった。
「私もいく。シルフィードが心配」
「ここは一応味方の陣内だぜ?」
「あの子が何かしでかさないか心配」
「ああ、そう」
 嘆息交じりに言って柊が立ち上がりかけたその時、手持ち無沙汰に握っていた0-Phoneが振動し始めた。
 こちらから電話をかけたことに気付いたのだろう。
 柊はすぐにボタンを押して語りかける。
「おう、エリ――」

『死ね!!!!!』

 柊の耳を貫き、少し離れていたタバサにまで聞こえるほどの大絶叫が轟いた。
 言うまでもなく、ルイズの怒号である。
 そしてその一言だけで通信が切れた。
 二人はしばしの間時間が止まったかのように固まり、やがて柊が改めて電話をかける。
 エリスの0-Phoneの電源が切られていた。
「異世界人のくせしてケータイを使いこなしてんじゃねえよ……!?」
 ベッドに自分の0-Phoneを叩きつけながら柊は呻き、そしてがっくりと肩を落とした。
 怒っている事は予想できていたが、想像以上のキレっぷりだった。
 何故エリスの0-Phoneをルイズが持っているのかはわからないが、とにかくもうこちらから連絡を取ることはできないようだ。
「仕方ねえ。とりあえずやることだけはやっとこう……」
 嘆息交じりに柊は呟くのだった。


 ※ ※ ※




124 :ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2011/07/14(木) 02:09:06.27 ID:UJqJkm5Z
 

 ルイズ達を乗せたフネ――マリー・ガラント号は夜明けと同時にラ・ローシェルの港から出航し、陽が中天を頃合になってアルビオン大陸を臨む空域へと辿り着いていた。
 しかしそこで神と始祖がそろってうたた寝でもしてしまったのだろうか、運悪く空賊に出くわしてしまったのだ。
 所詮しがない商船でしかないマリー・ガラント号がそれなりの武装を携えた空賊船に抗えることができようもなく、それに乗ったルイズ達もあえなく捕まってしまった。
「……どうにかできなかったの?」
 空賊船の船室に押し込められたルイズが、同じく捕らえられたワルドに呟いた。
 現在でこそ杖を取り上げられて無力化されてしまっているが、空賊が襲ってきた時点で完調だったはずの彼が遅れを取るとは思えなかった。
 しかし当のワルドは壁に背を預けたまま軽く肩を竦めた。
「こちらの戦力は事実上僕だけで、向こうにはメイジが複数いたからね。できなかった、とは言わないが、やれば少なからず犠牲が出ていただろう。
 度合いによっては、賊を退けてもフネが飛ばない恐れもあった」
 そう言われては反論することができず、ルイズは溜息をつく事しかできなかった。
「あ、あの。これからどうなるんでしょう」
 エリスが不安げに尋ねると再びワルドが答える。
「おそらく荷を根こそぎ奪われた後、港か接岸できる岸で放逐といった所か……かの『凶鳥』とやらに出くわさなかっただけまだマシ、と言うべきかもしれないな」
「そんな……」
 尋ねたエリスは勿論、それを共に聞いていたルイズの顔にも不安の影が滲む。
 そんな時、船室の扉が音を立てて開いた。
 エリスの表情に警戒が浮かび、ルイズは不安を押し殺すように歯を噛んで目線を険しくした。
 そしてワルドもまた眼を細めて僅かに壁から身を離す。
 入ってきたのは痩せぎすの空賊だった。
 彼は三者を順繰りに眺めやった後、廊下にいるのだろう仲間に何事かを呟く仕草をした後ワルドに向かって言った。
「そこの伊達男はもう少し下がってもらおうか」
「あいにく、婦女子を置いて引くような浅ましい生き方はした事がないのでね」
 眼光を鋭くして言い放つワルドに、空賊は軽く笑う。
「安心しな、今のところは話をするだけさ。俺もこれ以上近づかねえ」
「……ワルド」
 それでも動こうとしないワルドを見やって、ルイズは彼に声をかけた。
 すると彼はいささか不満そうに嘆息すると、ルイズ達を挟んで空賊の男と反対の位置にまで引き下がる。
 それを見届けると男は少しだけ緊張を解いてからさて、と切り出した。
「お前さんがた、アルビオンに何の用だ?」
「旅行よ」
「トリステインの貴族様がこのご時勢のアルビオンに旅行? 何を観光するつもりだ?」
「あんたに言う必要はないわ」
 不快を隠そうともせずに吐き捨てたルイズを見て、男は軽く肩を竦めた。
 そして男は僅かに眉根を寄せて、再び切り出す。
「あんたらの乗ってたフネは貴族派相手の商船だったようだが、あんたらも貴族派なのかい?」
「……だったらどうだっていうのよ」
「俺たちにとっちゃどっちも『お客さん』だが、どっちかによって扱いが変わる。貴族派ならその辺の港で下ろしてそれで終わりだが、王党派だってんならもう少し同行してもらう事になるな」
「貴族派に売るつもり? 下賎な空賊の考えそうな事ね」
「商人がモノを売るのと同じさ。この場合情報屋の方が近いかもしれんがね。正しく"生きた情報"って奴だ」
 言って男がくぐもった笑い声を上げると、ルイズは険しかった表情を更に歪め、拳を握る。
 一方で憤懣やる方ないルイズを傍で見ていたエリスは、内心ではほんの僅かな希望を感じていた。
 ここで形だけでも貴族派と偽っておけば、追及もそれなりにはあるだろうがどうにかごまかし解放されることもできる。
 ……のだが、それはやはり『僅かな希望』でしかなかった。
 何故なら、
「――冗談じゃないわ! 誰が貴族派なものですか!」



125 :ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2011/07/14(木) 02:10:44.85 ID:UJqJkm5Z
 

(……やっぱり)
 ルイズがまず間違いなくこう反応することは一ヶ月ほどの付き合いでも十分すぎるほど予測できた。
 助けを求めるようにワルドに眼を向けたが、彼はどこか満足そうに笑みを浮かべて軽く頷くのみ。
 思わず嘆息を漏らしてしまったエリスに気付く事もなく、ルイズは今にも掴みかからん勢いで空賊の男に向かって一歩を踏み出した。
 そして彼女はいかにも尊大な態度で腕を組み、男に宣言する。
「わたしはさるお方からアルビオン王政府に対して任を賜ったいわば大使なのよ。大使としての扱いを要ぅっきゅうん!?」
「!?」
 台詞の途中でいきなりひっくり返った声を上げたルイズに、その場にいた全員がぎょっと眼を剥く。
 ルイズは僅かに身体を震わせ、まるで何かに耐えるようにスカートをぎゅっと握り締めて身をよじった。
「ル、ルイズ?」
「ルイズさん……?」
「お、おい。どうした? 大丈夫か?」
「なァ――んくっ、なんでも……ッ、ないわよ……!」
 三人が怪訝な表情で見つめる中、ルイズは僅かに頬を紅潮させ歯を食いしばりながら呻いた。
「とにかく、そういう事なんだから……んッ、態度を改めなさいよね……っつぅ……」
「そ、そうか。よくわからんがまあいい。とにかくお前等、ただじゃすまないぜ」
 どことなく気を殺がれた様子で空賊の男はそう漏らし、首を傾げながら部屋を出て行った。
 男が部屋から姿を消し扉が閉まるのと同時、ルイズはその場に崩れ落ちて突っ伏した。
「ルイズ、どうしたんだ?」
 ワルドが彼女の傍まで近づいて尋ねるが、ルイズはそれには答えず顔を伏せたままわなわなと震えている。
 心配そうにエリスが屈みこみ様子を見ようとしたが、唐突にルイズはばっと跳ね起きた。
 持ち上がった彼女の表情を見てエリスは背中に冷たいものが走った。
 彼女の顔に浮かんでいたのは紛う事なく憤怒の顔だったからだ。
 ルイズは素早く懐から0-Phoneを取り出し、エリスも驚くほどに流暢な仕草で操作し始める。
 呆気に取られる二人をよそにルイズはこの0-Phoneに唯一繋がる相手――柊を呼び出した。

『おう、エリ――』
「死ね!!!!!」

 フネが揺れたと錯覚するほどの大絶叫でそう吐き捨てた後、ルイズは速攻で電源を切り0-Phoneを壁に向かって思い切り投げつける。
 派手な音を立てて0-Phoneが壁にぶつかり床に転がった。
「あぁーっ!? な、なんてことするんですかぁ!?」
 エリスは顔を青くして駆け出した。
 しかしルイズはそれを無視して再び床に突っ伏すと、頭をかきむしったりガンガンと床を殴り始める。
「こっ、ここ、殺す! あの男、殺してやるわ! よくも、よくもわたしに、わたしにあんな恥を!! し、しかも平民!! 空賊なんかの前でえぇぇえ!!!」
 彼女は叫びながら服が汚れるのも構わず床をごろごろと転がってのたうち回る。
 一方エリスは拾い上げた0-Phoneを大事そうに抱え動作を確認した。
 月衣に入れておく場合が多いとはいえ、仮にも侵魔と闘うウィザード達が常備する機器だけに特に壊れた様子はない。
 と、そこでエリスはルイズのこれまでの一連の行動の原因に気付いた。
 0-Phoneを見てみるとルイズが柊にかけるより前に、柊の方から着信があったのだ。
 バイブ設定にしてあったので着信音はならなかったが、ルイズの懐に入れていたそれがいきなり震えだしたのでびっくりしてしまったのだろう。
 まあともかく、紆余曲折があったとはいえようやく0-Phoneを取り戻すことができた。
 早速エリスは柊に連絡を取ろうとしたが、
「やめておいた方がいいと思うよ」
 ルイズの事情を知りえないワルドがどこか困った顔をしながらも、エリスにそう言った。
「今ヒイラギとやらと話そうとしたら、ルイズがどうなってしまうかわからないからな」
「うっ……」
 確かにここで当の柊と接触したらそれこそ今度は0-Phoneを窓から投げ捨てそうだ(はめ殺しだが破壊しかねない)。
 そんな事をやってしまいそうなことも、やはりエリスにはわかってしまった。
 少しだけ逡巡した後、エリスは深く溜息を吐いて0-Phoneをポケットに仕舞い込むのだった。



126 :ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2011/07/14(木) 02:11:58.45 ID:UJqJkm5Z
今回は以上。へっへっへ、貴族のお嬢様にはバイブの刺激が強すぎたようだな(嘘は言ってない)
原作ではめったに見られない柊の敬語が満載。違和感も満載。でも使わざるを得ない状況だしなあ・・・
ともかく次回でようやく合流です


127 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/14(木) 05:31:51.48 ID:P1tzin7W
投下乙

>>114
ギーシュいないと、ニューカッスルからの脱出法も考えにゃならんしね。

128 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/14(木) 09:19:52.93 ID:3B0DQaiE
俺の場合はギーシュを投入することで不足しがちな「少年分」を補充してるって感じ。

129 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/14(木) 09:20:25.93 ID:QS0ulm58
夜闇の人乙

130 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/14(木) 13:25:14.73 ID:cUvWrupa
夜闇の人乙です!
やだこのルイズ可愛い……
これからも倫理とか板の規制とかと戦い続けて頂きたいw

131 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/14(木) 20:12:14.00 ID:YCSWeAg9
もし小林オペラが召喚されたら

132 : 忍法帖【Lv=26,xxxPT】 ゼロのペルソナ:2011/07/14(木) 20:27:55.33 ID:vtNMcDpL
前スレ見てて気付いた。
>>597
×彼女の使い魔は、エルフは人間を倒せなかった。
○彼女の使い魔は、人間はエルフを倒せなかった。

なんてミスを……!
自分は推敲と言いつつ文章構成自体を変えることがあるからこんなことが起こるんでしょうね、たぶん

そんなこんなんで第16章魔術師前編投下します

133 :ゼロのペルソナ 第16章 魔術師 前編:2011/07/14(木) 20:29:57.63 ID:vtNMcDpL
魔術師 意味……出発・空回り

自分の名前を呼ぶ声が聞こえた。
彼女に名前を呼ばれるのは初めてなんじゃないだろうか?
今までずっと一緒にいて名前を呼ばれたことがないってかえってすごいんじゃねえのかな。
いや、それはともかく名前を呼ばれるっていうのは良いものだと思う。なんかこう、親しげな感じで。
だから名前を呼ぶなら楽しげとまではいかなくても気楽にでも呼んで欲しい。
それなのに、なぜそんなに自分の名前を呼ぶ声がそんなに寂しげなのであろう?
初めて名前を呼ぶんだ、そんなのっておかしいだろ?
暗闇の中で自分を呼ぶ声がする。
「……スケ……ヨースケ……」
聞き間違いなどではない。自分は呼ばれているのだ。そうであるならば寝ているヒマなどない。
「タバサ!」
主の名を叫び、陽介は目を覚ました。
しかし視界の中に名を呼んだ少女は見えず、映るものは荒れ果てた寝室と自分を呆然と見守る年老いた男の人だけだ。
「ってアレ?」
自分の小さな主がいると思ったら初老の男性が代わりにいる。
思わず頭の上に疑問符でも浮かべてしまいそうなほど事情がわからない。
「だ、大丈夫ですか、ヨースケさま?」
どうやら名前を呼んでいたのは枯れのようだ。
陽介は長く眠ったあとのようにしこりの残る頭で、その人物をタバサの実家の使用人だと思い出した。
「えっとたしか、ペルスランさんでしたっけ?」
「そうでございます。お許しください、私は奥さまを守ることもせず、お嬢さまやあなたがエルフと相対したときも隠し部屋に隠れていたのです」
もはや屋敷の唯一の住人となった使用人の話を聞きながら陽介は事情を思い出しいく。
倒れるタバサの隣に金髪の男が立っていたこと、そいつに自身の攻撃が反射されて気絶してしまったこと。


134 :ゼロのペルソナ 第16章 魔術師 前編:2011/07/14(木) 20:31:58.40 ID:vtNMcDpL
「タバサは……あの金髪野郎はどこに?」
「わかりません、行ってしまいました……」
あの男がどこに行ったのかこの家の執事が知っているはずがない。
当たり前だよなと陽介は頬をかいた。
頭が冴えを取り戻してくるに連れ、自分の迂闊さも思い出されてくる。
相手がどのような耐性を持っているのかわからないうちに物理スキルを使うとは、なんて間抜けなことをしてしまったのであろう。
陽介が戦っていたシャドウたちはある属性に対して弱点を持っているものもいれば吸収して体力にするもの、
そっくりそのまま反射する能力を持っていたりしたものだ。
あの頃ならどんな耐性を持っているか分からない敵には反射されても無効化出来る疾風魔法か、
物理耐性を持つか調べるために武器で攻撃をしてそれから大技をしかけたはずだ。
一瞬の油断が、一回のミスが取り返しの着かないことになると、かつての冒険で骨身に染みたはずであったのに。
この世界には攻撃を反射したり吸収したりするものがいないとでも思っていたのであろうか。
自分は全くと言っていいほどこの世界のことを知らないというのに。
「しょうがありません。相手がエルフでは……」
「さっきも言ってたっスけどエルフ?」
エルフと言われてみれば、たしかにちょうど自分の世界で見たゲームや漫画のエルフによく似ていた気がする。
魔法の世界なので(それ以上に状況が状況だったので)気にしなかったが、耳も長かったし、金髪だった。
金髪がエルフの条件だったからよく知らないが、自分の見たゲームや漫画だとだいたいそうだった気がする。だが、それがなんだというのだろう。
しかし目の前の老人はよっぽどのことらしく、たいそう驚いたというふうに目を開いた。
「エルフを知らないのですか!口に出すのも恐ろしい者たちですよ……」
老いた体を怯えるように震わしている。
この世界だとエルフっていうのはこわいもんなんだな。と、それだけ陽介は理解した、
でもやっぱりそれは何の言い訳にもならない。
一番の問題は敵の強さより戦いのセオリーを無視した自分だ。
そのためにタバサは連れ去られてしまった。
二人の間に沈黙が流れたときに屋敷の外で馬のひづめの音が聞こえ、それはちょうど屋敷の前で止まったようであった。
ペルスランはまたガリアの回し者かと怯えたが、陽介は違うと確信していた。
窓辺に近づいてその姿を見る。
「そうだよな、一人で悩んだってしゃーねーよな。やっぱ頼るべきは仲間だよな」
窓から広がる風景の中に完二、クマ、ルイズ、キュルケが馬を止めている姿があった。


135 :ゼロのペルソナ 第16章 魔術師 前編:2011/07/14(木) 20:34:27.92 ID:vtNMcDpL
ガリア王国の首都、ヴェルサルテイル宮殿。
壮麗な宮殿の中でひときわ異彩を誇る、青のレンガで作られたグラン・トロワの一室に二人の人物がテーブルについていた。
一人はこの宮殿の主、つまりこの国の主であるガリア王ジョゼフである。
そしてもう一人は人間界で忌み嫌われるエルフである。
それは人間の国の王宮にいるのは最も不似合いな種族の一つであったであろう。
だが、ジョゼフは先祖来の仇敵がいるとは思えないほどくつろいでいた。
「我が姪をなんなく捕まえるとは、いやはやお前たちの先住の魔法とはたいしたものだ」
この部屋にはもう一人の人物がいた。イスに座らせられもせずに床に転がっている少女だ。
メガネをかけ青い髪を持つジョゼフ王の姪だ。タバサはビダーシャルの先住魔法で深い眠りについている。
上座から気楽に話しかけるジョゼフに対して、エルフのビダーシャル郷は苦々しい顔をしている。
「このようなことに精霊の力を使いたくはなかったがな。こんな雑用に何か意味があるのか?」
「おや、お前は余の部下になったのであろう?ならば余の言うことに従っておればよいのではないか?」
ビダーシャルの顔は屈辱でさらに歪む。
彼はジョゼフの言うとおり部下になったが、それはエルフとガリア間での密約のために必要だったからであり、決して進んでなったわけではない。
ジョゼフは声を上げて笑った。
「はっはっは!冗談だ!そう怖い顔をするな」
冗談と言われても、そうですかと愛想笑いするほど目の前の男にビダーシャルは好感を持っていなかったようだ。
黙って自分の一時的な主を睨みつけるように見ている。
剣呑な空気を放つエルフに構わずジョゼフは語り始める。
「なんの意味があるかと言ったな?これは余の弟の唯一の子だからな」
これと言ったとき、ジョゼフはタバサに向かってあごをしゃくってみせた。
「これからこれが生きていれば不都合なことが起こる。それを防ぐのが一つ目だ」
ビダーシャルはそれだけでの説明で全てを理解できるほどジョゼフに腹の内を語られているわけではないが、ある程度予想はつく。
それにどうせ質問しても跳ね除けるであろう。
「二つ目はこれの仲間が水のルビーを所有している」
ビダーシャルの眉がピクリと動いた。聞かされていなかった話だ。
「仲の良い友人らしくてな。無愛想な娘だと思っていたがそれでも余などよりよっぽどちゃんとした友人付き合いをしているらしい。
その娘たちがこれを奪還しに来るかもしれぬ」
「友人とは子供であろう?それが一国相手にわざわざ奪い返しに来るものなのか?」
ビダーシャルは呆れたという感情を隠さない。
「公算は低いであろうな」
ジョゼフはあっさりとビダーシャルの言葉を容れる。それから言葉を続ける。
「だがもし来るならルビーはこれで三つ揃うことになる。アルビオンの反乱軍から奪った風のルビーを加えてな」
「所詮、来なければ意味がないことだ」
「いや、もう一つあるな。お前が失敗した時だ」
ジョゼフが思いついたように言った。ビダーシャルはその程度の言葉は意に介さないというように澄ましている。
それはビダーシャルが魔法使いに負けるなどとは思っていない証拠である。まして相手が未熟な子供となればなおさらである。
「もし手に入れることができなければ次はどうする気だ?ジョゼフ王よ」
「ふん。そうだな、戦争でも仕掛けるさ」
まるで狩猟にでも出かけるとでも言うような気軽さで言い放った。
ビダーシャルも不意を打った戦争宣言に動揺を隠すことが出来ず思わずガリア王をじっと見る。
しかし当の本人はまるで自分がなんら特別なことを言ったというつもりはないらしい。
もはや話すことはないといった様子で手をひらひらとさせて退出を要求してくる。
おとなしく従いながら去り際に一言残す。
「忘れるな。シャイターンの門を必ず開いてもらうぞ」
ジョゼフはわかったわかったと適当に頷く。手は合いも変わらず犬を追い払うような仕草をしている。

136 :ゼロのペルソナ 第16章 魔術師 前編:2011/07/14(木) 20:36:31.84 ID:vtNMcDpL
エルフが去って、閉じられた部屋にはジョゼフとタバサだけになった。
「ふん。来るかだと?来るに決まっている。あれは、あれらはおれの敵なのだ。おれにはわかる」
それからジョゼフの顔は暗いものから一点して慈悲を含んだものになる。
彼は床に倒れ付したタバサの傍に膝をついて、片手を眠る姪の頬に優しく添えた。
「口元が母に似ているな……、シャルロット。あのようになってさえ、お前の母は美しい。
美しい母に感謝しろ。お前が飲むはずだった水魔法の薬を変わりにあおいだ母を……」
眠る姪に話しかけたあとは、彼は弟に語り始めた。姪の姿に彼は弟の姿を重ね見る。
「シャルル。おれはもっと大きな世界をこの手のひらにのせて遊んでやる。
あらゆる力と欲望を利用して、人の美徳と理想に唾を吐きかけてやる。
お前を個の手にかけたときより心が痛む日まで……、おれは世界を慰みものにして、蔑んでやる」
そのときドアが勢いよく開いて人が入ってきた。ガリア王女イザベラ、ジョゼフの娘だ。
「父上!!」
弟との対話を邪魔され、ジョゼフは不快で顔をゆがめた。
イザベラは父より先に床に転がっている従妹を見て言った。
「シャルロット……。父上、シャルロットを捉えてどうしようと言うのですか?」
「お前に話す必要はない」
ジョゼフは面倒くさそうに答えた。
「エルフの薬でシャルロットの心まで奪うつもりですか?」
「そうだ」
話す必要がないといいながらあっさりと教えた。不快な会話が早く終わればそれでいい。
「シャルロットは任務を果たして来ましたし、これからもそうでしょう。それに彼女の母はすでに心を奪われています」
だから心を奪う必要はないと言外に強く含ませている。
ジョゼフはそれを理解したが、まともな会話を娘とするつもりはなかった。
「だからどうしたというのだ。おれがそうすると決めたのだ。お前が口を挟むことではない。早く出て行け」
ジョゼフの言葉で顔を蒼白にしながらもイザベラは動かない。
衛兵につれだされたいのか。と言うといかにも不本意という様子でイザベラは退出した。
なまじっか自分と似たものだから会話すると不快感が走ってしょうがない娘だった。
だが、今の様子は今までとは違っていた。彼女はシャルロットを妬み、そねみ、嫌っていたはずだ。
だが、先ほどの行動はどういうつもりであろう。
弟を愛し、そして憎んだ自分とは違い、自分と似ていた娘は憎んでいた従妹を愛するようになったのであろうか。
だからといってジョゼフの不快感は弱まることはなかった。


137 :ゼロのペルソナ 第16章 魔術師 前編:2011/07/14(木) 20:38:32.65 ID:vtNMcDpL
                            サハラ
ガリア国土の東の端、つまりエルフたちの住む砂漠を臨む土地にアーハンブラ城がある。
それはもともとエルフが建てたものであるが、人がそれを奪い、また奪い返されを繰り返し現在ガリアの所有となっている。
といってもアーハンブラ城は城砦の小ささから数百年前に軍事的価値が低いとされて奪い合いも同じ年月行われていない。
その城の一室でタバサは目を覚ました。
彼女は首都リュティスを挟んでアーハンブラ城から反対に位置するラグドリアン湖の畔にある屋敷からリュティスを経由して連れてこられたのだ。
もちろん、深い眠りに就いていた彼女は一度憎き伯父王と引き合わされていたことなど知らない。
それまでエルフの先住魔法で深い眠りについていたタバサは現状確認を始めた。
最初は夢だと思った。
なにしろ自分の着るものから部屋の調度にいたるまで全て豪奢という言葉でも足りるかわからないほどお金のかかったものばかりであったからだ。
タバサも王族の一員であるからそれを判断できるの。しかしそれでもかつての公女時代でさえこれほど価値のあるものは自分の周りにはなかった。
彼女がそう思ったのは無理のないことだ。その部屋はジョゼフが決して少なくない出費で改築したアーハンブラ城の中でも、最賓室なのだ。
もちろんそんな事情を彼女が知るはずもなく、現実だと理解したのは彼女にかけられた言葉によってだった。
「目覚めたか?」
声のするほうに顔を向ける。視線の先でエルフが扉近くのソファに腰かけていた。
彼女を倒したエルフである。手に書物があるので、タバサが目を覚ますまで本を読んでいたであろう。
タバサは目の前に現れた自分の知る限りの最大の危険に身構えるが、手にも、また見える限りに杖がないことに気付き、構えを解く。
杖があってさえ完敗したのだ。杖がなければ抵抗らしい抵抗などできるはずもない。
そう考えるとタバサは不思議と落ち着いてきた。目の前のエルフに敵対行動もできないとなり、落ち着いて彼女は質問をする。
「あなたは何者?」
「“サハラ”のビダーシャル」
「ここはどこ?」
「アーハンブラ城だ」
タバサはその名を知っていたので、寝ている間に自分はガリアを横断させられたことを理解した。
「母をどこにやったの?」
「隣の部屋だ」
そう言いながらビダーシャルは自分が座っている近くの扉ではない、もう一つの扉を見た。
タバサはその扉に駆け寄る。エルフはその行動に何もいわなかった。
彼女のいた部屋に比べるとその部屋はずいぶんと簡素なものだった。
その殺風景な中に置かれたベッドの上にタバサの母は横たえられていた。どうやら眠っているらしい。
部屋の隅の寝台には彼女がいつも抱いている人形が置かれている。
それは現在ベッドで横たわっている女性が娘のシャルロットに買い与えたものだ。
最初はタバサと名づけられ、のちに彼女が錯乱してからは娘と錯覚しシャルロットと呼ばれている。
人形と名前が入れ替わった少女は扉近くに立っているエルフを憎々しげに睨み付ける。
「暴れるのでな、寝ていただいている」
透き通るような声でタバサの視線に答えた。


138 :ゼロのペルソナ 第16章 魔術師 前編:2011/07/14(木) 20:40:33.82 ID:vtNMcDpL
「わたしたちをどうするつもり?」
ビダーシャルは宝石のような瞳にわずかな哀れみの光を宿した。
「その答えは二つある」
自分と母の処遇が違うことを知った。
「母をどうするの?」
まず自分にとって、より重要度の高いほうを先に質問する。
「どうもせぬ。我はただ、“守れ”と命令されただけだ」
「わたしは?」
ビダーシャルはわずか逡巡してから、先ほどと同じ調子で答えた。
「水の精霊の力で心を失ってもらう。その後はお前の母と同じだ」
タバサは自分を母と同じにすると言っていると理解した。つまり自分を狂わせるのだ、かつて母にしたようにして。
「今?」
「特殊な薬でな。調合には時間がかかる。それまではせいぜい残された時間を楽しむがよい」
「あなたたちが母を狂わせたあの薬を作ったの?」
ビダーシャルは頷いた。
「あれほどの持続性を持った薬は、お前たちでは調合できぬ。
さて、お前には気の毒をするが、我も囚われのようなものでな。これも“大いなる意思”の思し召しと思って、諦めるのだな」
それからタバサは外の様子を調べようと窓辺に近寄ろうとして、はっとした。
「わたしの使い魔は?」
自分を助けるために倒れた使い魔の姿が見えなかった。
「使い魔とはあの妙な力を使った男のことか?あの男なら捨て置いた。
私はお前を連れてこいと命令されただけで使い魔も連れてこいとは言われていないからな」
タバサは自分の使い魔がとりあえず助かったらしいことにほっとした。
それから窓に近寄り、外の光景を見る。本丸から飛び出したエントランスに兵士がいる。
どうやらこの城に自分を逃さないように兵が置かれているようだ。
杖もない自分では母を連れて脱出など出来ないであろう。
視界に移るものから意識を外し、回想する。
彼女はガリア王の命令でルイズを誘拐する前にその手紙を机の上に置いたままにした。
いつもの自分なら他の人間の目に触れぬように燃やしてしまうだろうに、燃やさなかった。
なぜそんなことをしたのか、自分ではあの時分かっていなかった。
仮に尋ねられていたなら急いでいたからとでも答えただろうが、そうではない。
簡単な話だ、自分は自分の使い魔に気付いて欲しかったのだ。
どうしようもない困難を前に、避けられない苦難を前に自分は使い魔に助けて欲しかった。
結果が彼のエルフに敗北した姿だった。
望むべきでないことを望むべきではない。自分は薬で心を失ってしまうのだ。
だがそれも母とずっと一緒に居られるなら悪いものではないのではないか。
だから、使い魔には自分を助けるなど思って欲しくない。
もう自分の大切なものが傷つくのを見るのはごめんだった。

139 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/14(木) 20:46:00.02 ID:i+PEqnxW
支援

140 :ゼロのペルソナ 第16章 魔術師 前編:2011/07/14(木) 20:46:49.17 ID:vtNMcDpL
とーかーしゅーりょー(投下終了)。
>>139
支援ありがとうです

昔の見たりすると同じ主語をづらづら書いてて頭が痛くなりそうだ文章書いてるなあと思ったりする若気の至り。
つっても三ヶ月前だけど。
訂正しようかとも思ったけど昔のは、昔のまま晒し上げにしておくことに。あれも自分の作品だし、何よりめんど(ry
実際、そろそろ終盤だからと書き溜めしておいた残りの奴見直したら書き直したいところがいっぱいで、そっちに手間取りそー。
くっそ昔の俺(三ヶ月前)は何を考えてこんなの書いたんだと思いつつも、ここまで来てエタるのも消化不良なので頑張ります

141 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/14(木) 20:55:30.91 ID:i+PEqnxW
>>140
投下乙
直したくなるのは成長の証ってばっちゃが言ってた!

142 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/14(木) 21:02:07.36 ID:9xbXk/pE
夜闇の人、乙っす
思えば炎砦の頃は(親しみも敬意も無かったけど)「アンゼロットさん」だったんだよなあ……

143 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/14(木) 21:03:14.09 ID:P1tzin7W
投下乙
黒歴史に負けず頑張ってくだされ

144 : 忍法帖【Lv=12,xxxPT】 :2011/07/14(木) 22:07:51.92 ID:5WOeI8d7
乙ですー

145 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/15(金) 00:09:21.46 ID:Lt5/z6nq
乙でした。こんなに早くアーハンブラ編までこれるとは、執筆速度が速くてうらやましい

146 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/15(金) 14:02:24.94 ID:vjH7pEjO
前スレラストからだけど、タバサとイザベラって初期と後期じゃ人格交換したみたいに
人物像がガラッと入れ代わってるんだな
しかしダメ女タバサや真面目人間イザベラはどうもしっくりこない

147 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/15(金) 16:53:44.96 ID:J6Cnjexd
はじめ人間ルイズ

148 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/15(金) 16:59:22.61 ID:RQ/Ltzkt
ここでループ先を間違えてハルケにほむほむ来襲

149 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/15(金) 18:06:01.23 ID:HgrHBB/m
いや、ルイス召喚だな。ガンダムOO2期の

150 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/15(金) 18:53:45.43 ID:Y9KOMvCi
ルイス!ルイス!ルイスぅうわぁああああん!ちわちわほむほむ!
月詠から葉月を召喚。しもべ扱いされるルイズ

151 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/15(金) 18:59:36.46 ID:C60RQPfS
イザベラはラスボス
ジョゼットが死んで虚無に覚醒する
圧倒的パワーと全能感に酔い、呑まれて、凶悪な精神がよみがえってしまう


152 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/15(金) 20:24:22.96 ID:MbiYaqXY
小ネタでまどマギの魔法少女5人がそれぞれ召喚された場合を考えたけど、
ハルケギニアってまどマギ世界以上にエントロピーがめちゃくちゃなのがネックだった

153 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/15(金) 21:46:28.65 ID:KzsXPlXG
るろうに剣心から比古師匠を召喚。
アルビオン潜入の依頼に対して
「なんで俺がそんな面倒なことをしなきゃならねえんだよ
 お前らだけで行けばいいだろ・・・。」

154 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/15(金) 21:49:47.95 ID:RQ/Ltzkt
ほむほむが来ても現代の強力な重火器が調達できず詰まね?

155 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/15(金) 22:17:46.40 ID:TQdNgeAA
http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/popwin/message_yamaguchinoboru/images/message.jpg
癌ってマジだったのか……

156 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/15(金) 22:23:11.04 ID:UsaLWwo3
嘘って言ってくれよおおおおおおおおおおお
嘘だろおおおおおおおおおおおお


157 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/15(金) 22:23:54.79 ID:4VOw9zum
ちょっとブラックジャック召喚してくる


ビィトの人といい漫画家は病気になると中々復帰できないからなぁ…

158 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/15(金) 22:38:17.06 ID:LiBKjuSq
仮面ライダーwから左翔太郎を召喚
序盤は生身で対応、宝物庫でガイアドライバーを見つけて仮面ライダージョーカーに
アルビオンでの対ワルド戦までにティファニアに召喚されたフィリップと合流してWに変身

ちなみにジョゼフ1世が井坂深紅郎ことウェザー・ドーパント
聖エイジス32世が加頭順ことユートピア・ドーパントを召喚    


159 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/15(金) 22:45:43.74 ID:NEuCA6Nj
末期癌で助かったら奇跡らしいな。

160 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/15(金) 22:48:12.43 ID:C60RQPfS
どっかに水の精霊石おちてねーかな・・・はぁ・・・

161 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/15(金) 22:52:56.56 ID:uZr5T/N+
>>155
2月に完結宣言が出たのはこういうことだったのか・・・
何とか持ちこたえてもらいたいな

162 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/15(金) 23:11:08.95 ID:ZAvxuYF8
>>157
ブラックジャックを召喚したらカトレアも治せるのかな?

163 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/15(金) 23:12:58.12 ID:4VOw9zum
>>162
外傷とか腫瘍とかの類じゃないから無理じゃない?

164 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/15(金) 23:13:36.43 ID:C60RQPfS
原因が心臓の奇形だったからBJ大勝利なSSなら読んだ


165 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/15(金) 23:20:13.54 ID:NEuCA6Nj
なんていうSS?

166 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/15(金) 23:25:27.52 ID:dXTFXtOk
今年は田中実さんも亡くなってがっくり来てたところにノボル先生も危険なのか
原作者追悼記念なんか書きたくないぞ

167 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/15(金) 23:33:53.47 ID:DCHoHRty
無駄に引き伸ばしてこのオチかよ
さっさと残りを書くか駄目ならプロットを他に引継ぎしとけ

168 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/15(金) 23:37:06.18 ID:JYsHdy9B
>>167
何も確かめず場所も弁えずに吼える輩は無様ね
プロット関連はしっかりしてる宣言すらしてるし、騒ぐなら見合った場所でやっといで

169 :萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2011/07/15(金) 23:39:21.74 ID:yN2F34f6
こんばんは。
なにやら大変なことになってますが、一ファンとして快癒を願わずにはいられません。

さて、進路クリアなら23:45ごろより第49話を投下します。

170 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/15(金) 23:39:23.08 ID:DCHoHRty
だったらさっさと書いてくれってだけだよ
さんざん伸ばして未完とか誰得すぎる

171 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/15(金) 23:43:40.88 ID:XD/FcoEv
さっさと書ける状態じゃ無いのに、さっさと書けとかバカなの?アホなの?
まあ、バカだからこんな事書けるのだろうけど。

172 :萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2011/07/15(金) 23:45:02.19 ID:yN2F34f6
それではいきます。

 どこまでも抜けるような青空の中、二機の『竜の羽衣』と鋼の乙女が飛ぶ。
 飛行高度は二千メイル。今までとは違い、トリステイン空軍にも、
陸軍にも、何ら遠慮することはない。
 高度を上げないのは、ルイズが乗っているからだ。専門の訓練を受け、
日常的に鍛えている少女たちとは違い、また鋼の乙女ふがくに抱かれて
飛んだときとも違い、高度差による気温の低下と大気圧の低下は、ルイズには
あまり良いものではなかった。それに加えて触っても動作しないようには
されていても後付けの操縦桿とフットペダルなどがある後席の圧迫感は、
慣れないルイズにはあまり居心地の良いものではない。

「それにしても、マミの髪型は前の方が絶対良かったよ」
『それがね、本来銃士隊に入隊したら髪を切らないといけないの。
ただ例外があって、上官の許可を得ればこうやってお下げにしたり
三つ編みにすることで伸ばすことができるの』
「アニエス姉さんらしいなぁ……。ふふっ。アニエス姉さんも、髪を
伸ばしたらいいのに。
 でも、『許可』って、そう簡単に取れるものなの?」
『ああ、それ?訓練弾装填済みのマスケット銃を十挺ほど用意させて
もらって、うちのエミリー小隊長と一対一の勝負して勝ったわよ。
そういう条件だったから』
「あはは……マミらしいや。昔っから銃の扱いうまかったしね。
『魔弾の舞踏』っとか」
『ちょ、ちょっとシエスタ!そんなこと今思い出さなくてもいいじゃない!』
「あはは」
 二機の『竜の羽衣』、複座零戦と震電を操るシエスタとマミの会話が弾む。
ルイズはシエスタがここまで楽しそうに会話をしているところを見たことがない。
レシーバーを通じてルイズにも二人の会話は聞こえているが、それが突然
聞いたこともないものに変わる。
『……ところでシエスタ』
「……何?突然」
 マミがトリステイン訛りの『日本語』で話しかけてきたのに、シエスタは
合わせる。
『あなた、キョウコやサヤカがまだ生きていた頃、夢の中で白い変な
生き物が出てくるってよく言っていたわね。その夢、今でも見る?』
「ああ、それ?うーん……そう言われてみれば今は見なくなったかな?
わたしも大人になった、ってことかな?あはは」
 シエスタのやや困惑した答えを聞いて、マミは安堵する。
『そう。それならいいの。ごめんなさいね。変なこと聞いて』
「二人とも何話しているのよ!?」
 意味の分からない言葉のやりとりに業を煮やしたルイズが割り込んでくる。
そこにふがくも入ってきた。
『何って、日本語で話していただけじゃない。ちょっと訛ってるけど』
「『あ』」
 ふがくのその言葉に、シエスタとマミは同時に、しまった、という声を出す。
任されているのか管制の気配がないあかぎだけでなく、このふがくも
大日本帝国の鋼の乙女。当然日本語は理解できるということを二人は
失念していた。
 それを聞いて、ルイズは疎外感を禁じ得ない。自分だけが理解できない
世界というものが、これほど寂しいものだとは思わなかった。

(ふがくが召喚されたばかりの時って、こんな感じだったのかな……)

 ルイズはその言葉を飲み込んだ。二人はもう日本語で話すことはなく、
聞き慣れたハルケギニア公用語のガリア語で話している。それが自分への
配慮だということは聞くまでもなかった。




173 :萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2011/07/15(金) 23:46:33.24 ID:yN2F34f6
 ルイズがそんな感情を抱くよりしばし時をさかのぼり――あかぎは
タルブの村の墓場の森にいた。
「さあ、出ていらっしゃい」
 両腕の飛行甲板を広げ、戦闘態勢を取るあかぎ。相手に影響を与えない
程度に展開した電探の網が、そこに隠れる誰かを捉える。いや、あかぎには
その『誰か』の一人は分かっていた。しかし、そこにいる理由を考慮すると、
それを否定したかったのはあかぎ自身だったのかもしれない。
「きゅ、きゅいぃ〜」
 歴戦の軍人の放つ容赦のない気配に気圧された相手の一人が、堪えきれずに
声を出す。それで諦めたのか、離れた場所の茂みに隠れていた影が二つ、
あかぎの前に姿を現した。
「あなたは……タバサちゃんだったわね。そっちの子は初めて見る顔……かしら?」
 そう静かに言うあかぎ。その視線はタバサを捉えて離さない。笑顔の
下に隠された、押しつぶされそうな重圧感に、タバサは耐える。
「どういうことか説明してもらえるかしら?」
「…………」
 あかぎの言葉にタバサは無言で返す。そして、杖を構えた。その態度に、
あかぎは小さく溜息をつく。
「……そう。それが答え、ね。残念だわ。それなら、ちょぉっとお灸を
据えてから改めて聞くことにしましょうか」
 そう言ったあかぎの飛行甲板の昇降機が激しく動き出し、艦載機――
濃緑色の翼をきらめかせる戦闘機の精霊が次々と発艦する。それを見た
シルフィードが悲鳴に近い声を上げた。
「きゅいっ!?お姉さま!み、見たこともない精霊なのね!
それも、かなりの強さなのね!」
(『お姉さま』?確かに、タバサちゃんと似たところもあるけれど……
この感じは……?)
 シルフィードが韻竜だと知らないあかぎはその言葉に敏感に反応した。
そのわずかな隙を逃さずタバサは呪文を唱える。
「ラグーズ・ウォータル・イス・イーサ・ウィンデ」
 瞬く間に何十もの氷の矢が出現し、あかぎに向かって放たれる。
タバサの二つ名『雪風』を象徴するトライアングル・スペル『氷の矢』(ウィンディ・アイシクル)。
今まで幾度となく死の淵からタバサを生還に導いた必殺の一撃は、
狙い過たずあかぎに迫る。
「くっ!」
 あかぎは左腕を一振りし、飛行甲板に装備された連装機銃群で迎撃する。
高角砲までは使わなかったが、ハルケギニアの常識の埒外の弾幕は
氷の矢をすべて破壊するだけでなく、タバサとシルフィードの脇をすり抜け
後ろの木々をなぎ倒す。自分たちに一発も当たらなかったのは幸運と
言うほかない。一歩も動けなかったタバサの腋を冷たいものが、そして
太ももを嫌な感触の生ぬるいものが伝った。
「きゅ……きゅいぃぃ……」
(動けなかった……。いや、違う。『動かなかった』から、助かった……?)
 あまりのことに脳がオーバーヒートして硬直していたシルフィードが
へたり込み、タバサは唇を噛む。情けをかけられたと思ったからだ。
実際、戦闘が始まってから、あかぎは一歩も動いていない。
それがタバサのプライドをいたく刺激する。


174 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/15(金) 23:47:47.43 ID:Tiis9Ycw
支援

175 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/15(金) 23:48:03.82 ID:4VOw9zum
C

176 :萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2011/07/15(金) 23:48:05.56 ID:yN2F34f6
「ふう。危ない危ない。空母の対空砲火を抜くには、もうちょっと
足りなかったわね。
 もう一度聞くわ。どうしてあなたたちがまだここにいるのか、それを
教えて」
「……あなたにこんなに簡単に見つかったのは予想外。どうしてかは
分からないけれど。でも、わたしも、果たさなければならない使命が
あるから」
「そう。なら仕方ないわね。……みんな、お願いね」
 あかぎのその言葉に応えるように、先程発艦した攻撃隊が舞い降りて
掃射を開始する。下草が爆ぜ、木々の幹がえぐられる中、タバサと
シルフィードは避け、伏せ、転がって攻撃を必至に躱した。途中で
タバサの眼鏡がどこかに吹き飛んだが、そんなことに構っている余裕など、
二人にはなかった。
(呪文を唱える隙が……ない)
 這いつくばり、爆ぜる下草の青臭いにおいが鼻をつく中、タバサは
己の失策を悟った。あかぎの両腕の巨大な盾から精霊が飛び出した時点で、
もう自分たちの敗北は決定的だったのだと。あれを飛び立たせては
いけなかった。森の中という地の利すら無視した全方位からの攻撃に
さらされ、よしんば攻撃魔法が完成したとして、あの両腕の盾に並ぶ
放列の弾幕は脅威という言葉すら生ぬるい。事実、自分たちはあかぎを
一歩も動かすことができずにいる。しかも、まだ左脚の脚甲に装備された
六門の砲は戦闘開始から沈黙したまま。全力を出していない相手に
翻弄される自分が情けなく、口惜しかった。
(これが、鋼の乙女の実力……)
 タバサはニューカッスルで起こったことを知らない。
もし知っていたならば、鋼の乙女との戦闘は全力で避けただろう。
無様に地面を転がって、このまま死んでしまうのか――そう思ったとき、
シルフィードの悲鳴が上がった。
「きゅいぃぃぃ!」
 あかぎの艦載機に腕を撃ち抜かれ、吹き飛ばされるように樹にぶつかる
シルフィード。あかぎが本当に全力で殺す気だったなら、その程度どころか
今頃吹き飛ばされてなくなっていたはずの右腕は、まだつながったまま
鮮血を吹き出す。そのはずみで彼女の姿を欺いていた『変化』の魔法が解ける。
 気を失い、竜の姿に戻ったシルフィードを見て、あかぎは目を丸くした。
「あらあら〜。さっきの子は、あなただったの〜?」
 驚くあかぎ。だが、攻撃の手は休めない。攻撃隊の掃射は続き、
やがて地面を転がるタバサは何か硬いものにぶつかった。


177 :萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2011/07/15(金) 23:49:32.13 ID:yN2F34f6
「…………!」
 タバサは上を見た。眼鏡なしでもぎりぎり焦点が合うその視線の先、
そこには……笑顔のまま左腕の飛行甲板を自分に向けるあかぎの姿。
目の前に突きつけられた、鉄と木で構成された飛行甲板に描かれた直線を
組み合わせた模様と甲板最後部の着艦標識である赤白のストライプ模様、
そして自分に向けられた両舷合わせて六基の連装高角砲の鈍い輝きが、
タバサの心をわしづかみにする。
「チェックメイト、ね」
「…………どうして…………」
「気づかなかった?あのまま避け続けたら私のところに転がり込むように
誘導していたのよ。
 あなたはずいぶんと戦いに慣れているようだけど、こういう防戦一方、
っていう戦いの経験はなかったみたいね」
 冗談じゃない、とタバサは内心思った。防戦一方どころではない。
まるで難攻不落の要塞に一人で突っ込めと命じられたようなものだ。
こんな、魔法一つ唱える暇すら与えられない全方位からの攻撃など、
よほどの間抜けが不用心に敵の罠のど真ん中にでも入り込まない限り
あるわけない。しかも、その先にはこれだ。どうにか避けられていたのは
そこに向かうように道を空けられていただけで、自分はまんまと罠に
嵌められ、絡め取られた。
 ここまでの戦闘が繰り広げられているのに銃士隊が現れないのも、
あかぎがあらかじめ手を回していたのは間違いない。
その事実が、とにかく悔しく、情けなかった。
「さて、もう一度聞くわね。さっき使命って言ったわね。どういうことか
説明してもらえるかしら?」
 高角砲を向けたまま、あかぎはタバサを見下ろす。その顔には柔和な笑み。
だが、タバサには彼女が纏う雰囲気がまるで裁きの女神のように思えた。
 このまま理由を話したら……間違いなく、あかぎは自分を銃士隊に
引き渡すだろう。それか、このまま引き金を引かれるか。それ以前に
理由を話せるわけもない。シルフィードは気を失ったままで、自分は
杖こそ手放していないが地面に転がったまま起き上がることもできず、
ふがくの機関短銃以上の威力を持つ武器を向けられている。あかぎの
言うとおり、チェックメイトそのものの状況だが、それでもまだ諦める
気にはなれなかった。
 杖を持つ手に力を込める。小さく、素早く唱える呪文――それは
『エア・ニードル』の魔法。タバサが不利な体勢から鋭く固めた空気を
纏った杖を振り上げるのと、あかぎがそれに反応して高角砲を撃つのは
ほぼ同時だった。




178 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/15(金) 23:49:55.18 ID:dXTFXtOk
支援します
フォースゲートオープン

179 :萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2011/07/15(金) 23:51:01.65 ID:yN2F34f6
 重い砲声が轟く――ただし、空に向かって。これには想像した以上に
大きくなってきた騒ぎに森の外で待機していた銃士隊も突入しようとしたが、
アニエスとエミリーに制止された。
「待て、ペリーヌ!総員現状のまま待機だ!」
「今のはあかぎさんの高角砲だよ。さっきから聞こえてたあかぎさんの
艦載機の銃撃音といい、これって……?」
「わからん。だが、本当に大丈夫なのか?」
 アニエスがエミリーに問いかける。この距離でかろうじて中の音まで
聞き分けられるのは、重戦車型鋼の乙女であるエミリーだけだ。
あかぎが電探を使用している可能性もあり、不用意に近づくと死者が
出かねないと言うことで、アニエスも対応に苦慮していた。
「いったい、中で何が起こっているんですの?わたくしも、あの方には
子供の頃によくお世話してもらったことがありますけれど……こんなのって!?」
 銃士隊第四小隊長であるペリーヌも、困惑を隠しきれない。そもそも
アンリエッタ姫の命令で部隊をまとめて王都トリスタニアへ移動するための
準備を進めるはずが、墓場の森で木が倒れるどころか外からでも分かるくらいの
激しい銃撃音が聞こえる有様では、そんなものは吹き飛んでしまっていた。
「さあな。だが、あの人が全力を出したら、普通の人間は近づくことも
できなくなる。お前だって、良くて失明、下手すれば焼き人間、には
なりたくないだろう?」
「う……それは、そうですけれど……」
 アニエスにそう言われると、ペリーヌも黙るしかない。
「いざとなったら私が行く。だから、もう少し様子を見ようよ」
 エミリーがそう言うと、アニエスも、彼女が鋼の乙女だとは知らない
ペリーヌも、引き下がらざるを得なかった。




180 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/15(金) 23:52:24.15 ID:DCHoHRty
>>171
だったら代替の方法でも考えるのが当たり前

181 :萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2011/07/15(金) 23:52:31.89 ID:yN2F34f6
 タバサの杖はあかぎに届かず、あかぎの左腕は上に跳ね上げられていた。
二人の間に割って入った影――それは、白い士官用海軍シャツに茶色い
航空袴姿の武雄だった。
「…………!?」
「……武雄さん?」
 かがんだ姿勢でタバサの杖を右手で握り、あかぎの左腕を左肘で
跳ね上げる武雄。現世に存在してはならないその身であるからこそ、
二人の間に割って入ることができた。武雄はやれやれ、という顔をすると、
唇を尖らせる。
「ったく。おちおち寝てもいられねぇ。
人が寝てる側で派手にやらかしやがって。何やってるんだよ、あかぎ」
「だ、だぁってぇ〜」
「だってもヘチマもねぇよ。ったく。子供相手に向きになってどうする」
 武雄に叱られ視線を泳がすあかぎ。一方で子供扱いされたタバサも
不満をあらわにした。
「……子供じゃない」
「あ?子供じゃなきゃ阿呆だ。相手の実力も推し量れないで突っ込むなんざ、
阿呆のするこった。
 いいか、あかぎが本気だったらな、そもそもお前さんら相手するくらいじゃ
弾の一発撃つ必要なんざないんだ。電探の出力を上げるだけで、二人とも
今頃こんがりほどよく焼けたローストチキンなんだよ。
 そればかりじゃねえ。お前さんの相棒が喰らった一撃な、あかぎが本気で
殺す気だったら今頃腕に穴が開くどころか、良くて腕一本、下手すりゃ
全身血煙になって吹き飛んでるはずだったんだぞ。
死なないようにわざわざ相手してくれただけでも助かったと思え。このバカ」
 杖を握りしめたままタバサにそう言った武雄の視線は冗談を言って
いるものではなかった。だが、その言葉がタバサのプライドをさらに
傷つけた。

(じゃあ何?こっちが杖を向けた瞬間に焼き殺せるだけの手段があったのに、
わざわざ力の差を見せつけた?おまけにこっちが死なない程度に手を抜いて?
 それに『デュェンタン』?何?その聞いたこともない代物は?
 第一、何?人のことを阿呆とかバカとか、おまけにロースト『チキン』って。
わたしが臆病者だって言いたいわけ?このじいさまは……)

 言い返せないだけに心に澱がたまるタバサ。杖から『エア・ニードル』の
魔法も解け、それを見た武雄がようやく杖から手を離した。


182 :萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2011/07/15(金) 23:54:01.67 ID:yN2F34f6
 タバサが戦闘の意志を見せなくなったことで、武雄は立ち上がり
あかぎの横に並ぶ。それを受けて、あかぎはタバサと視線を合わせるように
かがみ込んだ。
「さて、お話ししてくれるかな?」
「…………」
 タバサはあかぎと視線を合わせない。その視線の先には――未だ目覚めない
シルフィードがいる。
 タバサはゆっくりと立ち上がると、泥と草にまみれた服と髪を払って
シルフィードの元に歩み寄る。気を失っているだけだと確かめて、
ようやく安堵の溜息を一つついた。
「……治してやったらどうだ?」
「それはあの子の真意を確かめてからね。シエスタちゃんやふがくちゃんに
とって悪いことをしているなら……」
 その様子を見ていた武雄がぼそりと言うと、あかぎは目を閉じたまま
そう返す。それを聞いて、武雄は「おお怖」と肩をすくませた。
「って言いたいところだけど、お話しするにはちょっと場所を変えた方が
良さそうね……今回はサービスよ」
 電探で森の入り口に銃士隊が集結していることを知っていたあかぎは
唇に人差し指を寄せると『癒しの抱擁』を発動させる。
タバサやシルフィード、そして森の外で様子をうかがっている銃士隊や
村人まで緑の輝きに包み込んだ後で、あかぎはくるりときびすを返した。
タバサにとっては二度目の輝き。今度は敵として戦ったのに、傷どころか
人に見られたら恥ずかしい衣服のシミや汚れまで消したあかぎの背中を、
タバサはぼやけた視線で見つめる。
「……きゅ……きゅぃ……」
「あなた、もう一度人間の姿になっておいてね。それができたら
私についてきて」
 背を向けたままシルフィードに言うあかぎ。事情が飲み込めないが、
先程までの戦闘で恐怖心を植え付けられたシルフィードは、こくこくと
頷くと『変化』の先住魔法を使い再び人の姿を纏った。




183 :萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2011/07/15(金) 23:55:31.67 ID:yN2F34f6
 森から人影が現れたとき、その場には緊張が走った。
あかぎは突入体勢のまま待機していたアニエスたちの前まで来ると、
にっこりと微笑んでみせる。
「ごめんなさいね。ちょっと派手にやり過ぎちゃった」
「いや……あれは……派手と言うには……」
 あかぎにそう言われて困惑するアニエス。
だが、森からタバサとシルフィードが現れると、目の色が変わる。
「あなたは……ミス・タバサ?それにそちらは?」
「ああ。あの子たち、忘れ物を取りに戻ってきたところを、私が暴れたのに
巻き込んじゃったのよ。お詫びも兼ねて、少しうちで休んでいってもらうわね」
「い、いや……しかし……」
「私がそう言っているの、信用できないのかしら〜?」
 あかぎは笑っている。しかし、その雰囲気はその笑みとは対照的だ。
思わず一歩後ずさったアニエス。それを肯定と受け取ったあかぎは、
タバサとシルフィードを連れて自分の家に向かった。
「……どうして何も言わなかったのですか?」
「笑いたければ笑え。だがなペリーヌ。わたしは……いくらなんでも
千二百万リーブルを超える鉄(くろがね)の海の女王にたてつく蛮勇は
もはや持ち合わせていない」
 そう言うアニエスの顔には苦渋の色がありありと見える。思い出したく
ないことを思い出したかのようなその顔に、ペリーヌは思わず声を上げた。
「はぁ!?」
「私は隊長を支持するよ。誰だって死にたくはないよね」
「どういう意味ですのそれ……」
 何のことか分からないペリーヌの横で、うんうんとアニエスの言葉に
賛同するエミリー。それを見て、ますますペリーヌは混乱したのだった。




184 :萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2011/07/15(金) 23:57:31.72 ID:yN2F34f6
「さあ、どうぞ」
 シエスタの家に案内されたタバサとシルフィード。食堂のテーブルを
囲むのは、あかぎ。だが、シエスタの母は、湯気の立つ『アメユー』を
四つ、テーブルに置いた。
「ありがとう、まどかちゃん」
「あかぎおばあちゃん、わたしももう大きな子供がいる年ですから……」
 シエスタの母はそう言うが、あかぎは静かに微笑む。
「あら。あなたも、環(たまき)ちゃんも、乃理(のり)ちゃんも、ほむらちゃんも、
み〜んな私にとっては大切な孫よ〜。たとえ血はつながっていなくてもね」
「……」
 タバサはその光景に懐かしさとうらやましさがない交ぜになった。
祖父母が生きていた頃――それはまだ両親がまだいつまでも一緒にいてくれると
思えていた幸せな時間。幼い頃、優しくなでてくれた祖父母の手のぬくもりは
今でも覚えている。そして……それはもう還らない時間で、それを思い出したとき、
胸の奥がちくりと痛んだ。
「……あらあら。どうしたのかしら〜?」
 いつの間にかあかぎが自分に向き合っていた。シエスタの母はすでに
この場におらず、シルフィードは熱い『アメユー』に四苦八苦していた。
「……変わった名前。不思議な響きがする」
 タバサはとっさに話題を変えた。あかぎもそれを理解しながら話に乗る。
「そうね〜。まどかちゃんたちまでは、武雄さんと私が名前をつけたの。
でも、シエスタちゃんが生まれたとき、もういいだろうって、武雄さんが
言ったから、それからは若い人たちに任せちゃっているわね。
 ね、武雄さん」
 あかぎがそう言って視線を隣に移すと、そこにはさっき森で出会ったままの
格好の武雄が座っていた。いつの間に――とタバサは目を見開く。
 そんなタバサの前に、武雄は布にくるんだ何かを置く。
それは――タバサがあかぎとの戦闘中にどこかに飛ばした眼鏡だった。
「とりあえず歪んではなさそうだったが、念の為あとで職人に見て
もらった方がいいな」
「……ありがとう……」
 タバサは眼鏡を受け取り、かけてみる。いつもの視界が戻ってくる。
それを見て、武雄はひとつ頷いて見せた。
 だが……テーブルの『アメユー』を一口含んだとき、武雄の表情が曇る。
「……才人の野郎、俺がいねぇとすぐ原料ケチりやがって。ルーリーも
何やってたんだ」
「今年は大麦が不良だったんですって。これでも一番良いものを出して
もらったわよ」
 あかぎがそう言ってシエスタの祖父を擁護する。だが、武雄の怒りは
収まらない。
「ダメだ。こんなもの、うちの沽券に関わる」
「……おいしいのに、ダメなの?」
 それを聞いてタバサも『アメユー』を一口飲んで、素直な感想を口にした。
そのタバサに、武雄は頭を下げる。
「すまない。ダメなんだ。これじゃ水飴に深みがない。
次は本物を出せるよう、俺からもきつく言い聞かせておく」
「……次?」
 思わずタバサは聞き返す。その顔に、武雄がにかりと笑って見せた。


185 :萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2011/07/16(土) 00:00:04.97 ID:cZ/uiadk
「……最初からそのつもりだったんだろう?あかぎ」
「そ〜ね〜。事情がありそうだけど、私には悪い子には見えないから〜」
 そう言って笑い合う二人。二人が振りまく温かい空気と、温かい
『アメユー』が、凍ったタバサの心を溶かしていく。
「話してもらえないかしら?どうしてこういうことをしたのか。
 そうそう。安心して。私たち以外の誰もあなたの話を盗み聞きして
いるなんてことはないわ。それは保証するから」
「それも『デュェンタン』の力?」
「ええ。信用できないかしら?」
 タバサは首を横に振る。そうして、ぽつりぽつりと語り始めた。
「……わたしの本当の名前はタバサじゃない。
本当の名前は、シャルロット・エレーヌ・オルレアン」
「オルレアンって……まさか、あなた」
 記憶の中にある家名に、あかぎが目を丸くする。その言葉に、タバサは
頷いた。
「父はガリア王ジョゼフ一世の王弟、オルレアン公シャルル。
 でも、父は伯父に暗殺され、母も、伯父が開いた宴でわたしの代わりに
エルフの毒をあおって心を狂わされた。家名は不名誉と傷つけられ、
そして、わたしは従姉の配下の騎士となって、いつ死んでもおかしくない
任務をこなし続けてきた。いつかきっと、父の無念を晴らし、母を元に
戻せる日が来ると信じて」
「なんてこった……こんな子供に」
 武雄がテーブルを叩く。その行動に一番驚いたのはタバサ本人だ。
「……どうして?あなたには何も関係がないことなのに」
「ああ。確かによそ様の家の話だ。だがな、子を持つ親なら今の話を
聞いて頭に来ないわけがないんだよ」
「こう言うと親の傲慢に聞こえるかもしれないけれど、子供ってね、
親の貯金箱だと思うの。いっぱいいっぱい愛情を溜め込んで、少しくらい
振られてもびくともしないくらいにしてあげたいの。
 それに、あなたのお母様があなたに代わって毒をあおった理由も
よく分かるわ。
親ってね、結局はそういうものなのよ。我が身がどうなろうとも、子供だけは
守りたいって。
 おかしな話よね。私は子供が産めないのに、育てさせてもらっただけなのにね」
「…………」
 タバサには目の前の二人の話がまるで別世界のように聞こえた。
赤の他人のことなのに、まるで自分のことのように怒り、悲しめる二人が
信じられなかった。彼らの国では、それが普通のことなのだろうか、と。
だから、話せたのかもしれない。
「……私の使命は二つ。
一つはこの村に潜入調査に入って行方不明になった騎士を捜すこと。
そして、もう一つは、この村で開発されている新型銃を奪取し、可能ならば
その製造施設を破壊すること」
「きゅいっ!?お姉さま、そこまで言ってもいいの!?」
 タバサの言葉にシルフィードが目を丸くした。だが……
「実に順当な命令だ。貴様は死ね、ってな」
「一つ目はもう達成したわね。だけど……」
 武雄が腕を組んで得心したように頷き、あかぎも目を閉じてタバサに
答えを促す。電探で探知されていたとは知らないタバサはやっぱり
見られていたのか、とあきらめにも似た気持ちになった。


186 :萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2011/07/16(土) 00:01:35.38 ID:cZ/uiadk
「二つ目の使命は失敗。あなたが本気だったら、今頃わたしたちは
ぼろ屑のようになって森に屍をさらしているところ」
「あら〜?私が本気だったらぼろ屑なんて。欠片一つも残す気はないわよ〜。
血煙くらいは許してあげるけど〜」
 目を閉じたまま、あかぎは『アメユー』を一口飲む。その、どこぞの
悪魔の双子ですかと言いたくなるような楽しげに物騒な言葉に
シルフィードが縮み上がった。それを見て、武雄が呆れたように言った。
「おいおい。あんまり子供をいじめるなよ」
「あら。失礼ね。教育しているだけじゃない。まぁ、本当なら実戦で
使用されたって情報すら流したくないし。冗談半分本気半分、ってところ
かしらね」
「…………。わたしは新型銃について、何も見なかった」
 タバサは『アメユー』を一息で飲んで、あかぎと真っ正面から向き合った。
状況から言ってタバサを監視している者がいるはずで、そこから情報が
流れるだろうが、あかぎも武雄もそれについては言及しないでおいた。
「そうしてもらえるとこっちも助かるわね。
 何かお礼がしたいところだけど……残念ながら先代のルイ一三世陛下の
頃ならまだお話しできたんだけれど、今のジョゼフ一世陛下とは直接の
おつきあいがないの。
 ネフテスのテュリーク様に事情を話せばそっちの方から手を回して
もらえるかもしれないけれど、問題はガリア王国の通行査証を出して
もらえるか、ね」
 あかぎがそう言って溜息を一つつく。いきなりとんでもないことを
言い出したあかぎにタバサは言葉も出ない。だが、武雄はゆっくりと
頭を振った。
「このご時世だ。期待はできないだろうな。俺はもうこの村から動くことが
できないし、ルーリーももういい年だ。
国境警備も厳しくなっているだろうし昔みたいに川伝いってのも難しいだろうな」
「この村から動けない……?」
 怪訝に思ったタバサが素直に問うと、武雄はまるで風景に溶け込むように
その姿を薄め――また元に戻った。
「ま、こういうことだ。シエスタやアニエスから聞いただろ?
俺はもう五年前に死んでるよ。日本人はヴァルハラに迎えられないみたいでな」
「幽霊(ファントーム)……」
 タバサはそうつぶやくと、その場に固まった。その様子にシルフィードが
わたわたと慌て出す。
「お、お姉さま、気をしっかり持つのねー!」
「なあ、ひょっとして……」
 その様子に、武雄はあかぎと向き合った。
「ダメだったみたいね〜。今日はうちに泊まっていってもらいましょうか〜」
 そう言って、あかぎは楽しそうに微笑んだ。


187 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/16(土) 00:05:11.49 ID:dXTFXtOk
「よーし、新兵器ゴールデンホークでふがくを支援するんだ!」(さすがに元ネタわかる人いないわな)

188 :萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2011/07/16(土) 00:05:22.78 ID:yN2F34f6
以上です。
タバサがお化けが怖くないって誰が言ったんですか?ということで、
本作品ではタバサはお化け怖いままです。
あとあかぎが排水量を500万リーブルほどさば読んでますけど、
これは洋上模型連合艦隊コレクション特別編の取説の排水量からだったりします。
ひょっとして改装前のをそのまま書いた?って感じですけど(苦笑

あかぎ対タバサ戦はイメージとしては東方とか式神とかになってしまいました。
まぁ生きてて良かったね、ということで。

次回も早めにお目にかかれるよう頑張ります。


189 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/16(土) 00:14:03.41 ID:HmxRny7K
萌の人乙



ひふみん召喚

ひふみん「棋士です」
ルイズ「騎士なの!?(こんなおじいちゃんなのに!?)」
ひふみん「いえ、騎士でもありますが本業は棋士です」
ルイズ「えっ?」

190 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/16(土) 00:22:16.16 ID:M8P2Qhb8
萌え萌えの人乙です。
艦船模型は1/250大和はじめ30隻くらい作りました。
数年前発売された51サンチ搭載超大和型や懸賞で当たったジパングのみらいなどが宝物です
ではこれからじっくり読ませていただきます

191 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/16(土) 02:13:15.39 ID:ceLQ7Wcj
>タバサがお化けが怖くないって誰が言ったんですか?

MF文庫J・ヤマグチノボル著「タバサの冒険3巻」P139、6行目あたりかな。

ともあれ乙。

192 : 忍法帖【Lv=13,xxxPT】 :2011/07/16(土) 11:49:00.07 ID:MFFw6qHn
投下の皆さん乙です―

193 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/16(土) 12:56:20.53 ID:i8eiyD7n
吉報を持つぞノボルン
とりあえずしえん

194 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/16(土) 17:04:41.74 ID:+iZunT9D
萌え萌えさん 乙!
そして がんばれヤマグチノボル!!

自分も五年程前 大腸の末期がん(肝臓転移あり)
「手術しなければ余命半年 でもウチの病院じゃ助かるかどうか…」(家族が告知されたそうです)
と言われましたが 転院し手術をうけて まだ生きてます。(抗がん剤治療は継続中)
医療技術は日進月歩してますし、>>155を見る限り イイ先生・イイ病院に出会えたようですから
きっと大丈夫!!!

195 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/16(土) 17:40:53.04 ID:vCx8R30a
↓ヤマグチノボルがルイズに召喚されました

196 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/16(土) 19:10:34.13 ID:RglGt+sd
ノボル「ルイズちゃん……君を助けに来た!」
ルイズ「いや寝てろよ。」

197 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/16(土) 20:55:43.43 ID:SHvscI0p
サイトの中の人はどう考えてもノボル
つまり原作でおk

198 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/16(土) 21:26:41.71 ID:QDsUOMWx
敢えて治療でなくアンドバリの指輪を…と思った私マジ外道

199 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/16(土) 23:15:36.52 ID:rS8NhzlX
ここで敢えてヤマグチノボルがルイズを召喚


200 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/16(土) 23:37:14.22 ID:+iZunT9D
実はノボルの癌は 誰かの呪いの魔法で、召喚されたルイズのディスペルで消滅!
…だったら イイなぁ。

201 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/16(土) 23:40:34.09 ID:QCJDpo+y
>>198
下手したら続きが読めなくなるぞ。
アレで動かされたヤツらが創作活動できると断言されてないし、
偽りの命では何も生み出せないって相場が決まってるじゃないか。

でもアンドバリの指輪の力なら(モノにもよるけど)治療行為もできそうじゃね?

202 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/16(土) 23:58:10.00 ID:2iLuN0OP
>>201
死体操作が生体操作の一種と拡大解釈すればガン細胞だけを排除…とか?

203 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/17(日) 00:33:39.37 ID:9o1NusMt
エスパー魔美でテレポートを応用して、ガン細胞だけを体外にテレポートさせるというのがあったが

まあともかく、完治を祈る。最近は若くして亡くなる人が多すぎる

204 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/17(日) 02:10:11.31 ID:mfF+8BdQ
癌…か

怖いねぇ

205 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/17(日) 03:37:31.66 ID:OO0xm5qR
今敏監督も最近癌で亡くなったからな……
最近こういうの多い気がする

206 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/17(日) 07:22:49.19 ID:ar8x3QHD
エタってるSS作家よ今こそ復活の時だ

207 : 忍法帖【Lv=27,xxxPT】 ゼロのペルソナ:2011/07/17(日) 08:03:47.83 ID:hGFeDKIn
颯爽復活!ゼロのペルソナの作者!さあ、今から投下の始まりだ!

208 :ゼロのペルソナ 第16章 魔術師 後編:2011/07/17(日) 08:05:52.33 ID:hGFeDKIn
タバサがアーハンブラ城に監禁されてから数日が経った。
出歩くことは当然許されない彼女の日課になったのは、母に『名も無き勇者』の本を読み聞かせることだ。
それはハルケギニアに広く親しまれている英雄譚である。
これと言った原点がないため、筋書きや登場人物が大きく違うものが多数存在する。
特に特徴的なのが、主人公であるはずの主人公が定まっていないことである。
平民であることもあれば、メイジであったり、青年の戦士であったり、平凡な少年であったり、人ですらないものも少なくないという。
まさしくタイトルどおり『名も無き英雄』である。主人公が違えば別の物語として認識されそうなものだが、共通点として3種の怪物と戦うことであろう。
そして一般的なものではそれらを倒して囚われの少女を救い出すことである。
『名も無き勇者』はタバサがよく母に読んでもらった本である。
幼いころ、むずかるタバサを寝かしつけるために枕元でよく本を読んでもらった。今とちょうど逆の立場で。
こうして本を読み聞かせているのは、そうしていると母が暴れないからだ。
母は人形のシャルロットがないと暴れ始めるのだが、なぜかこの本を読んでいるとなくても落ち着くようだ。
それに気付いて以来タバサは母に本を読み聞かせている。
エルフの心を狂わせる薬が完成するまでだが、それでも今までの暗い任務をこなしてきた日々よりもずっと有意義な時間に思えた。
母に読み聞かせながらタバサは昔を思い出していた。自分は昔この本を読みながら憧れた。
勇者にではない。助けられる少女に憧れた。楽しいながらも、退屈な日常から連れ出してくれる勇者を待ちわびた。
タバサは奇妙な感覚を覚えずには居られない。かつて憧れたものに自分はなっている。憧れの囚われの少女に。
違うのは自分を助けるものはいない、いや、いてはならないことだ。
それでも彼女の頭の中に使い魔の姿が思い浮かぶ。彼だって例外ではない。彼はエルフに敗れたではないか。
それでも……と本を読み、空想が得意な少女は仮定の話を想像してしまう。
もし自分を助け出してくれれば彼は勇者なのであろうか?
調子が良くて、力はあるはずなのにどことなく頼りない使い魔の姿を思い浮かべてタバサは心の中で苦笑した。
彼は勇者というがらではない。なんというか、そういうかっこいいものは似合わない気がする。
失礼なことを考えてると思う。しかし、使い魔のことを考えると心が暖かくなってきた。


209 :ゼロのペルソナ 第16章 魔術師 後編:2011/07/17(日) 08:08:02.67 ID:hGFeDKIn
その時扉が開いて、タバサと母だけの部屋にエルフが入って来る。
しかしタバサは突然の来訪者に構わず読み聞かせを続ける。
この数日間もそうだった。母との大切な時間をジャマされるつもりはない。
ビダーシャルは少し言いにくそうにしていたが、すぐに喋り始めた。
「薬の準備がじきに出来る。すぐにというわけではないが、もう長くはないだろう」
長くはないという言葉には主語に自分がつくことは言われなくとも分かった。
最後の正気でいられる時間を慮ったからなのかは知らないがそれだけ言うと彼はすぐに去っていった。
とうとう時が来たことを知る。もう自分が正気でいられる時間は長くないのだ。
だが、何も恐れることはない。これからはずっと母と一緒にいられるのだ。だから何も悪いことではない。
そう自分に言い聞かせながら本を読み続ける。
『名も無き勇者』を読んで、終ったら、また初めから読んでを繰り返す。それがもう何週目なのかわからなくなったとき、なにやら騒がしいことに気付く。
それでも読み聞かせを続けていたが、喧騒は大きくなり母は怯えてベッドの中にもぐりこんでしまった。
タバサは窓から外を見た。月が出ているとはいえ、もうすでに夜も更けている。
そのため見通しは悪いものの、松明がところどころあるため兵たちの様子が見える。なにやらいざこざが起きているらしい。
よく見てみると、他の兵士に殴りかかっている者も居れば、ぼーっとしているもの、なにかバラ撒いている者もいる。
その光景にタバサは既視感を覚え、すぐに思い出した。これはかつてアルビオンへ行く前にラ・ロシェールで襲撃を受けた際に見た光景に似ている。
その時、敵は味方を襲い所持金を撒いていた。そしてその状況を作り出したのは陽介であった。
彼が来ている。そう確信する。
急いで廊下へ出る扉に駆け寄るが、やはりロックの魔法がかけられていて出ることが出来ない。
タバサの手には杖がなく、杖がなければ北花壇騎士団として恐れられたタバサも扉一つ開けられない無力な少女でしかない。
きっと彼は自分を助けに来たのであろう。なぜ助けに来たのだろう。彼だってエルフに敗れたというのに。
焦燥に駆られながらも、心にかかる重石が軽くなったことに彼女は気付かないでいる。

210 :ゼロのペルソナ 第16章 魔術師 後編:2011/07/17(日) 08:10:05.47 ID:hGFeDKIn
アーハンブラ城が建つ丘の麓は活気のある町がある。それは初めは小さな宿泊所だったのだが、交易所になり現在まで発展してきたのだ。
もともとエルフに築かれたアーハンブラ城は幾何学的な模様が刻まれていて、双月が輝くときには人々の視線を集める美しい幻想的な城となる。
時刻は深夜。魅入られたわけでもないのに、その城を見つめる5人の集団がいた。陽介たちである。
「混乱しているわね」
キュルケはアーハンブラ城を観察していた。城内を1000以上の兵が暴れまわっている。
城に詰めていた兵たち以上の数の兵が暴れまわっているのだからこれ以上混乱しようがないほどであろう。
今、神秘的な城を襲っているのは陽介のテンタラフーとそしてルイズのイリュージョンだった。
イリュージョンとは本物に近い幻覚を作り出す“虚無”魔法だという。つまりルイズは虚無魔法の使い手というこただ。
本人がそう言い、デルフリンガーや完二や陽介が言ったため、信じてはいたつもりだ。そうでなければ親友を救うために連れてきたりはしない。
それでもやはり頭で信じるのと、見るのとでは違う。
「まさか虚無が、ルイズがねえ……」
同じく城の様子を窺っていた陽介が指示を出した。
「よし、んじゃ突撃すんぞ。あのエルフを見たら……わかってんな?」
全員が頷いた。
5つの影が混乱する城の中へと入っていく。


211 :ゼロのペルソナ 第16章 魔術師 後編:2011/07/17(日) 08:12:36.84 ID:hGFeDKIn
ガリア王の姪に飲ませるための薬が完成したとき、ビダーシャルは外が騒がしくなっていることに気付いた。
窓の外を覗くと多くの兵がなにやら暴れまわっているようであった。
彼はアーハンブラの城の土地と契約を交わしたので城内のことが感じられるが、ガリア兵300のほかになにやら妙な存在を放つものが現れた。
なにやら存在しているのかしていないのか判然とせず、しいて言うなら存在感のある霞のようなものであった。
ビダーシャルが今まで感知したことのないものに困惑していると次は別の5つの存在が城内に侵入してきた。
それらは間違いなく実体のあるものだった。その足取りは速く、なにかしらの目的があるのがわかる。
間違いなくシャルロット親子の奪還であろう。他にこの城に侵入する価値のあるものなどない。
どうやらガリア王の言ったとおりの展開になったことをビダーシャルは認めた。
そしてビダーシャルは自己の任務を全うするため部屋を出た。歩きながら5人の侵入者は途中で3組に分かれたことを察知する。
おそらくあの親子がどこに監禁しているのか知らないのであろう三方向別々の方向へ向かっている。
しかし3組に分かれたうち一人になったものは――おそらく偶然であろうが――監禁している場所へとかなり近いルートをとっている。最初に狙う標的をそれに定める。
ビダーシャルが幾つかの階段を下りて、廊下を歩んでいった。ビダーシャルの警備すべき対象と侵入者の奪還対象に向かう道合で男に出会う。
それは人の身でありながら使い魔と名乗った男であった。
「また貴様か。何の用があってここに来た」
尋ねられたほうは臨戦態勢で答えた。
「わかってんだろ?タバサを返せ」
「それは出来ない相談だな。早く去るといい。エルフは戦いを好まない。もし貴様がこのまま引き下がるなら何もしない」
「はい、そうですか。って引き下がれるわけねーだろが」
シャルロットに陽介と呼ばれた男はビダーシャルの申し出を跳ね除けた。
「交渉は決裂だな」
「当たり前だ。ペルソナ!」
陽介の背後に青いキャンドルに火をともしたような外見のなにかが現れた。
それはビダーシャルの目には亜人のように見えた。前回のときもそうであったが、おそらくあれは目の前の男の力なのであろう。
博覧強記なエルフであるビダーシャルもそれがなにかは知らなかったが、ただ自分の敵足り得ないことは前回の攻撃でわかった。
突然現れたそれは力をビダーシャルに向け放つ。光弾がビダーシャルに当たるが傷一つない。
次はビダーシャルの反撃の番だった。
「意思に潜む精霊の力よ。我は古き盟約に基づき命令する。礫となりて我に仇なす敵を討て」
ビダーシャルの周りの城が、城を作る石がめくりあがり空中で爆発して陽介へと飛んで行く。
その標的となった男は石の散弾をよく避けた。しかし全てはかわしきれず、いくらか石の散弾を喰らう。
「吠えろ!スサノオ!」
ダメージを受けつつも目の前の敵は再び炎の亜人のようなものを呼び出した。
ビダーシャルはこの城の全ての“精霊の力”と契約している。どのような攻撃も彼を傷つけることはかなわない。
無駄なことを。
しかし、そう思ったビダーシャルの体は疾風の刃で斬りつけられた。


212 :ゼロのペルソナ 第16章 魔術師 後編:2011/07/17(日) 08:14:49.03 ID:hGFeDKIn
「よし!」
陽介は疾風呪文ガルが通用したのを見てガッツポーズをとる。
エルフに攻撃が通じたの理由は最初にエルフに放った魔法がその答えとなる。
疾風ガードキル、ガードキルは敵のある一つの属性耐性を完全に打ち消すものだ。
陽介が疾風ガードキルを持っているように、クマは氷結ガードキル、完二は電撃ガードキルを持っている。
デルフンリガーに優れた使い手のエルフはあらゆる耐性を持っていると聞いて、二人に授けた秘策もこれだ。
疾風ガードキルはエルフの反射のうち疾風への反射を消滅させ、風の刃の通り道を作ったのだ。
その結果、魔法使いにどんな魔物よりも恐れられ、陽介を一度は退けたエルフは陽介に膝をついている。
「貴様……いったい何を……?」
そういった事情を知らないエルフは膝をついて息を切らしながらそう言った。
「教えてやってもいいけど、その前にタバサがどこにいるか教えてもらうぜ。あいつは今どこにいんだ?」
しかし、その質問に答えようとする様子はない。膝をついている男に近寄ろうとする。
しかし傷ついたエルフが指輪を触ったかと思うと彼の体が糸で操られた人形のように浮かぶ。
それから陽介を襲うためにつぶてとなったために穴が開いた壁から、浮かんだ体は飛んでいった。
しばらくポカンとして見つめていたが、自分のすべきことを思い出し、駆け出した。


213 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/17(日) 08:15:36.87 ID:ar8x3QHD
支援

214 :ゼロのペルソナ 第16章 魔術師 後編:2011/07/17(日) 08:21:01.04 ID:hGFeDKIn
突然爆発音のようにも聞こえる激しい音が聞こえてきた。
タバサは戦いの始まりを感じとる。
まさかビダーシャルが?そして戦っている相手は?
彼女は情報が欲しくて扉に耳をくっつける。それが囚われの彼女に出来る唯一のことだ。
爆発音は再び聞こえてくることなかった。じっと耳を扉につけてしばらく経って別の音が聞こえてきた。
それは足音だった。
風系統の使い手として鍛えられた耳を持つタバサの耳はそれを認識する。
エルフのものでも、兵隊のものでもない。
この世界のものではない足音。
ルイズの使い魔でも、キュルケの使い魔でもない。
珍しい靴の形。見たことも聞いたこともない、柔らかい足音の響く靴。
「タバサ!どこだタバサ!」
自分の使い魔の声、足音、彼の音。
「ヨースケ……」
タバサの喉からか細い音がもれる。
彼女を探す人物は気付かずにまだ彼女の名前を叫んでいる。
「ヨースケ!」
タバサは大声で自分の使い魔の名を呼んだ。自分でもこんな声が出るのかと驚くほどだった。
「タバサ!?どこだ、どこにいんだ?」
足音が近づく。
「ここ、助けて!」
タバサは自分の使い魔に助けを求めた。ドンドンとタバサは扉を叩いた。
足音はタバサのいる扉越しに立つ。
「待ってろよ、ぶっ壊すから離れてろ!ペルソナ!」
言われたとおりタバサは扉から離れる。
扉が強い衝撃を受けて真ん中から折れ曲がりながら吹き飛んでいく。
自分と母だけがいた部屋を、自分と母だけがいた世界を仕切っている扉が壊される。
扉の向こうに見えるのは、黒い服、首にぶら下げたよくわからないもの、そして茶色い髪。
彼が部屋に入って来るよりも早く、彼女は扉を、壊された扉を飛び出す。
「タバサ、無事か……うお!」
タバサは陽介に抱きついた。
そして子供の頃のように泣いた。忘れていた安堵の涙を流した。

おとぎ話のように捕らえられた少女。
少女を牢獄から連れ出したのは勇者ではなく彼女の使い魔だった。

215 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/17(日) 08:22:54.60 ID:ar8x3QHD
もう一回

216 :ゼロのペルソナ 第16章 魔術師 後編:2011/07/17(日) 08:26:52.15 ID:hGFeDKIn
TOKA SHURYO !!
ID:ar8x3QHDさん支援ありがとうございます


この作品って設定自体はほぼゼロ魔からで、キャラの考え方だとかあたりはP4を意識してるんですよね。
でもゼロ魔だけでなくP4にしたって基本的に助けてもらうのに能動的に本人が動いたりはしませんでした。
そういう意味では今回ヤバイくらい自分の趣味全開です


まあ、何にしても能動的に助けてもらうのってステキなことだと思います
――初代トランスフォーマーのスパイクのキレ芸を見ながら

217 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/17(日) 08:54:51.99 ID:XxL9c3DI

季節的になんかP4やりたくなってきた

218 : 忍法帖【Lv=22,xxxPT】 :2011/07/17(日) 09:58:25.71 ID:9+G2Mkrh
レベル確認

219 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/17(日) 10:32:30.61 ID:xArHfk3j
やべ、涙腺がっ!
しかもいいところで終わりやがる・・・

萌え萌えの人もペルソナの人も乙です!


220 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/17(日) 10:52:16.48 ID:aU4ImrBj
秋にはアニメも始まるし、今が旬だな。

221 :ウルトラ5番目の使い魔  ◆213pT8BiCc :2011/07/17(日) 11:42:09.22 ID:cpgN3SJz
皆さんこんにちは、萌え萌えの人、ペルソナの人、乙でした。
ウルトラ5番目の使い魔、51話投稿開始します。、例によって10分後にはじめますのでよろしくお願いいたします。

222 :ウルトラ5番目の使い魔 51話 (1/13) ◆213pT8BiCc :2011/07/17(日) 11:52:29.05 ID:cpgN3SJz
 第五十一話
 タバサの最後の冒険・ジョゼフからの挑戦状
 
 超古代植物 ギジェラ 登場!
 
 
 深夜……ガリア王国の象徴である壮麗なヴェルサルテイル宮殿も、すべての公務が終了した今は、警護の兵士以外の気配がない。
 だがその謁見の間において、国王ジョゼフは思いがけない客人をもてなしていた。
「で、ロマリアの特命大使どのが、このガリアの無能王にどんなご用件かね?」
 ジョゼフは尊大さを貼り付けた笑みを浮かべて、段下にひざまずいているロマリアの使者を見下ろした。
 ここにいるのは玉座にどっかりと腰を下ろしたジョゼフと、時刻の無礼を無視してやってきた特命大使の二人のみで、
人払いした室内は兵士の一人もいない。大使を迎えるにはあまりにもふさわしくない態度だが、ジョゼフは気にも
止めていなかった。本来ならばこんな時間、いかに特命大使であろうと叩き出すところだ。それで受ける不名誉や
悪評などは、もともと無能王と呼ばれている自分にとっては痛くも痒くもない。
 ただ、今回やってきたこの男に対しては、それに加えてせっかくの楽しみに水を差されたことも合わせても、例外とするに
値するだけの興味をジョゼフは抱いていた。
 床に片膝をついた姿勢のまま、特命大使は答える。
「無能王とは、謙遜が過ぎるというもの」
「謙遜などではない。事実国民も、議会も、役人も、貴族も、この私を"無能"と呼んでさげすんでいる。内政をさせれば
国が傾き、外交をさせれば国を売り渡すと唾棄している。城の奥でひとり遊びをさせておけばよいのだと、みなで口裏を
合わせたように言い合っている」
「ですが、あなた様はご立派に王を務められていらっしゃる。幼少のみぎりから、その知力は天賦のものと噂されてきた
ジョゼフ一世陛下。ハルケギニア最大の王国の頂点を、凡人が勤め上げられるはずはありますまい」
 非常に特命大使はジョゼフは持ち上げた。もしも、ジョゼフが本当に愚王であったなら、ここでいい気になっておだてに
乗ったであろう。しかし、ジョゼフは眉をわずかに動かしもせずに言う。
「それは、余の体に流れる血のためにすぎん。始祖の作った王国を受け継ぐものは、始祖の血を受け継ぐ王家のもので
なければならんと、馬鹿正直に代々受け継がれてきた伝統がな。余は、たまたまその血を受け継いで生まれてきて、
そして最終的にたまたま余しか後継者がいなくなったというだけのことだ」
 言葉は自嘲的に、表情はせせら笑うようにジョゼフは言う。気の弱い者であれば、そのアンバランスさから発せられる
不気味さに身震いしたであろう。しかし彼は、先程ジョゼフが自分のおだてになんの反応も見せなかったのを仕返すように、
端正な顔立ちに一切の変化を見せなかった。
「それは、始祖の血が陛下を選んだということでありましょう。始祖ブリミルの偉大なる意思は、六千年を経た現在も連綿と
生き続けております。陛下が陛下でいらっしゃるのも、すべては神と始祖のご意思によるもの。何人にそれを否定する資格がありましょうか」
 こいつ……と、ジョゼフは内心で苦笑した。トリステインやゲルマニアがたまに送ってくるでくの棒であったら、つまらない
世辞で機嫌をとり、少しおどしをかけてやれば愛想笑いを引きつらせるものだが、どうやらものが違うようだ。
 若いくせに、かなりの場数を踏んでいると読んで間違いあるまいと、ジョゼフは特命大使を吟味するように見下ろす。

223 :ウルトラ5番目の使い魔 51話 (2/13) ◆213pT8BiCc :2011/07/17(日) 11:54:12.99 ID:cpgN3SJz
 ともかく、第一印象は”美しい”と、ほぼ万民が口をそろえるような美少年である。見事な金髪と、絵画から抜け出てきた
ような整った顔立ち。それだけではなく、シャンデリアの明かりを受けて、それ以上に輝く彼の瞳は、左側はとび色だが、
右は逆にサファイアを削りだしたような碧眼であった。左右で瞳の色が違う、月目と呼ばれる特異な眼色が印象を強くする。
 しかし、年恰好は成熟してはおらずに、およそ十七か八、もっと若いかもしれない。その残った幼さが、逆に飛びぬけた
美少年の度合いをさらに増させている。
 だが、見てくれなどは些細な問題である。男の顔で虜になるのは小娘だけで充分で、ジョゼフが知りたいのは白磁器のような
皮膚の向こう側にある、黒いものだった。
「ほほお、つまり余は神に選ばれてこの世に生を受けてきたというのか。それは身に余る光栄だな。しかしまた、
そんなことを伝えにこんな時間にわざわざご足労くれたのかな? あいにくと、もう寝ようと思っていたから頭が
ぼんやりしてなあ。ありがたいお話もいまいち頭に入りそうもない。そろそろ目の覚めるような話をいただきたい」
「これはご失礼をば、では少し古いお話をお聞かせしましょう。ご存知のとおり、ハルケギニアの三つの王家の開祖は
始祖ブリミルの三人の子からなり、あとひとり始祖の弟子がロマリアを作り、それが六千年間連綿と受け継がれて、
現代までいたります。そして、始祖は三人の子と弟子に四つの秘宝と、四つの指輪を遺産として残しました」
「それがどうした? 各王家に伝わる四つの秘宝と四系統の指輪、そんなものハルケギニアの民なら誰でも知っている。
我がガリアには、始祖の香炉と土のルビーが伝わっているな。なんなら、見せてくれようか?」
 そう言うと、ジョゼフは指にはめた指輪を手のひらを振って見せてやった。
「はい、それぞまさしく土のルビー。この世に二つとない宝です」
「だからどうした? さらに眠くなってきたぞ」
「申し訳ございません。ですが、前置きは必要ですのでお許しください……それら秘宝には、始祖の血と意志が込められて
いるとロマリアでは言われておりました。そして、最近になって……とある予言が発掘されたのです」
「ほう、言ってみろ」
 ジョゼフは興味を持ったふうを装った。
「始祖の力は強大でありました。彼はその力を四つに分け、四つの秘宝と指輪に託しました。また、力を受け継ぐものも
それぞれの血筋に四人としたのであります。その上で、始祖はこう告げました。『四の秘宝、四の指輪、四の使い魔、
四の担い手、四つの四が揃いしとき、我の虚無は目覚めん』と」
 それは、才人たちが虚無の祈祷書やデルフリンガーから聞いたものと、ほぼ同じ内容のものであった。
 ジョゼフは、内心は平静ではあるが表情には関心を持ち始めたような動きを、意識的に筋肉に命じた。虚無に関する
大まかな知識はとうに持っている。彼はしばらく、特命大使に合わせて虚無の講義を受けたが次第に飽きてきた。
「なるほど、さすが数千年来始祖の研究をしてきたロマリアの方だ。始祖のしもべのひとりとして、大いに勉強になる。だが、
そなたは余の信仰心を試すために来たのかな?」
 これ以上もったいぶるなら帰れと、言外に言っていた。事実、シェフィールドに用意させたゲームの時間がせまっているし、
さっさと切り上げたい。おもしろい話が聞けるかもと思ったが、ジョゼフは子供のころから坊主の説教は嫌いであった。
 すると、ジョゼフの不機嫌を悟ったように、特命大使は一礼すると表情を改めた。
「教皇陛下のお考えはこうです。虚無の力は、四分の一に分かれていてもなお強大であり、野放しにしておくわけには
まいりません。そこで、虚無の担い手を見つけ出し次第、我が国に伝えていただきたいのです」

224 :ウルトラ5番目の使い魔 51話 (3/13) ◆213pT8BiCc :2011/07/17(日) 11:55:36.22 ID:cpgN3SJz
「ほう。さすがは平和と愛を象徴するロマリアの教皇陛下、ご懸命でいらっしゃるな。しかし、それを知っていかがなさる
おつもりであるのかな?」
「ご安心ください。我が国には野心のかけらもございません。ただ、真の意味で始祖の御心に添いたい……その一心のみにございます」
「始祖の御心か。すまぬが、この無知な子羊にわかりやすく伝授していただけるかな」
「我らロマリアは、聖地を回復する。それ以外になにも考えてはおりませぬ」
 ジョゼフは目を細めて特命大使を見た。聖地を回復する以外に何も考えていないということは、民の平和や生命のこともか?
そう尋ねたい思いでむずがゆくなってくる。と同時に、彼は特命大使に自分に似たなにかと、自分とはまったく違うなにかを
感じ取った。
 例えるなら、人間という枠組みから踏み出してしまった者の発する生理的な違和感。ジョゼフは自分自身もまともでは
ないと思っているが、こいつもどこか正気のまま狂っているようなそんな感じがする。ただ、単なる狂信者というには何かが
違っている。その何かはわからないが……
「ふむ、始祖のしもべとしては協力せざるを得ないであろうな。しかし、余も民草の血税をもって政を為す立場。始祖の御心に
添うために政をないがしろにしては始祖も悲しまれることだろう。教皇陛下にはおわかりいただけるものと思うが」
「おっしゃるとおりでございます。そこで、ロマリアからは見返りとして陛下の欲するものをご提供いたそうと考えております」
「ほお……それはなにかな?」
 瞳に本物の興味の光を宿してジョゼフは尋ねた。
「陛下の御心の空白をお埋めするお楽しみのための、ゲームのイベントを提供しようかと考えております」
「ほう? 余のゲーム、それはなんのことかな?」
「おとぼけにならずとも、教皇陛下はすべてをご存知でいらっしゃいます。かの、レコン・キスタの成立に何者の後ろ盾が
あったのかも、当初よりつかんでおりました。そして、陛下が今なにを求めているのかも、その上で我らは陛下のお味方に
なろうとしているのです」
「ふ、そこまで知っているのならば、そろそろつまらぬ腹の探り合いはやめるとするか。確かに、余にとってはガリアは
おろかハルケギニアがどうなろうと知ったことではない。世界なぞ、せいぜい暇つぶしのためのおもちゃ箱くらいにしか
思っておらん。そんな余に、聖なる神のしもべが手を差し伸べてくれるというのかね?」
「はい、それだからこそ我らは陛下を友としたいのです」
 王としては言ってはいけない言葉を平然と口にするジョゼフに、大使は動じたふうもない。さらに、試すようなジョゼフの
視線に、彼は形のよい口元にわずかな歪みを作って見せた。
「我らロマリアは数千年間じっと待っていたのです。聖地を取り戻すために必要となる、真の神の使途を。陛下こそ、
我らの願い続けてきたその人、代わりはおりませぬ」
「解せんな。余の欲を刺激して懐柔しようにも、なぜ余でなければならん? 始祖の御心とやらに従うのならば、トリステインの
小娘やアルビオンの小僧のほうが操りやすかろう。奴らは信仰心の一言においても余とは比較にならんだろう。おそらく、
使命感に燃えて虚無を探すに違いあるまい。言ってみよ」

225 :ウルトラ5番目の使い魔 51話 (4/13) ◆213pT8BiCc :2011/07/17(日) 11:56:59.72 ID:cpgN3SJz
「彼のものたちはいけません。聖戦においては、エルフと我らのあいだに多くの血が流れるでしょうが、彼らはそれに
耐えられますまい。おじけずき、虚無を隠そうとするやもしれません。その点、陛下ならば聖戦のための些細な犠牲など
お気になさらないでしょう」
「まあな」
 なるほど、こいつは狂っているなとジョゼフは思った。目的のためなら手段を選ばず、というやからか。かつてエルフに
大敗したときの記憶から、あきらめられかけてきた聖地奪還を再開しようとする身の程知らずはかつてからいたが、
こいつらは虚無というおもちゃを見つけてはしゃぎたくなったというわけか。
「そういうことならば、余も協力を惜しむつもりはない。虚無でこの世界がよりおもしろいゲーム盤になるというならば、
断る理由はなにもないからな」
「感謝いたします。教皇陛下もきっとお喜びいただくことでしょう」
 深々と頭を下げる大使を、ジョゼフは余もすばらしい友を持ててよかったとねぎらった。しかし、声色や表情とは裏腹に、
視線は大使を冷ややかに見下ろしている。
 
 なにかがひっかかる……ジョゼフはそう感じていた。
 
 単に聖地奪回に狂奔する、愚かな狂信者ならばこちらが利用して楽しむ方法もあるだろう。聖戦に加担することに
なるのも別にかまわない。ビダーシャルとはすでに手が切れてしまっているし、奴からほしいものはだいたい手に入れた。
 ただ、本当に単純に聖地奪回だけが目的なのか? こいつの顔は、いわゆる人たらしの顔だ。人間とは浅はかな
生き物であるから、毒草でも花を見れば美しいという。金髪に月目、象牙細工のような顔立ち、花に例えるにしても
適当な花が見つからないほど美しい容姿を持つこの少年は、それでまだなにかとてつもない毒を隠しているのではないか?
 また、こいつの後ろのロマリアも、本当に重要なことはまだ隠しているだろう。
 物的証拠はない。ただ、話が自分に都合がよすぎるのも事実だ。奴らが破滅するのを眺めて退屈しのぎをするのも
一興だが、パートナーのヘマで自分までゲームオーバーになっては様にならない。
 ジョゼフは一計を案じた。
「教皇陛下には、私が喜んでいたと伝えてもらいたい」
「必ずや。それで、まずは陛下にお願いしたきことがあるのですが」
「おっと待たれよ。ことはそう焦るものではない。余としても、友の頼みは聞いてやりたいとは思っているだが、いかんせん
不信心であった余は神への奉仕の仕方にうとい。そこでだ、聖なる神の戦士であるそなたらに、神の威光を余に教えて
もらいたいのだ」
「それは、具体的にはどのように?」
「なに、余は単純な男だからな。説教などを聴いても眠くなるだけで頭に入らん。見せて欲しいのだ、"奇跡"を」
「奇跡、でございますか?」
「そうだ。坊主どもは常日頃から神の奇跡を高らかに歌い上げておる。まして、ロマリアはブリミル教の総本山。さぞや
人知を超えた奇跡の御業を持っているに違いない。そのような奇跡を目の当たりにすれば、きっと余にも不動の
信仰心が芽生えるに違いない!」

226 :ウルトラ5番目の使い魔 51話 (5/13) ◆213pT8BiCc :2011/07/17(日) 11:58:22.34 ID:cpgN3SJz
 大仰に身振りを交えて言い放ったジョゼフは、内心で人が悪い笑みを浮かべた。
 さて、漠然と奇跡と申し付けてやったが、こいつはどうする? 無理難題を押し付けることなら自慢ではないが慣れている。
くだらないことだが、こういうことは娘に受け継がれていると自覚もしている。もっとも、イザベラが押し付ける無理難題は
一つ残らずシャルロットにつぶされてしまっているが、こいつにシャルロットほどの器量があるか? ないならば、自分の
ゲームの相手としては不適当、ただ覗きが得意なだけのネズミに過ぎない。
「わかりました。それでは、陛下に我々の持つ奇跡の一つをご覧にいれることにしましょう」
「ほお、それは光栄だ。して、どのような奇跡なのかな?」
「それは秘密です。あらかじめ教えては驚きが半減いたしますからね。それに、ここは狭いので少々準備させていただきたいのですが」
「奇跡に準備が必要なのか? それは初耳だな」
「いじわるを申されます。虚無の呪文も、その強力さと引き換えに長い詠唱時間を必要とするといいます。ましてや奇跡とも
なれば、些少の時間はいただきませんと」
「まあよかろう。それで、いかほど必要としたいのかな?」
「なにせ、神の気まぐれもありますので未知数と。それでもさしてお待たせはしませんので、陛下は現在のゲームの続きを
なさっていてください。終わる頃に、こちらからお知らせいたします」
 そう言うと彼は立ち上がり、一礼して退出しようとした。その背中へ向かって、ジョゼフは呼び止めた。
「待ちたまえ」
「ご心配めされずとも、私は逃げませんよ。なんなら、ご自慢の花壇騎士の方々を見張りにつけられてもけっこうです」
「いやいや、余はそんなに疑り深くはないよ。それよりも、肝心なことを聞き忘れていたことに気づいてな」
「はて、私はなにか語り忘れたことがありましたかな?」
 首をかしげる大使に、ジョゼフはそうではないというように手のひらを振り、口元に笑みを浮かべた。
「名前だよ。聞いたかもしれんが、寝不足ぎみだったおかげで覚えてなくてね。すまぬが、もう一度聞かせてくれぬか?」
 すると大使は人懐っこい笑みを浮かべると、歌うように答えた。
「ジュリオ・チェザーレ……そうお呼びください」
 それを最後に、彼はかろやかな足取りで去っていった。
 残ったジョゼフは、こみあげる笑いをこらえながら独語した。
「くっくく……ジュリオ・チェザーレか。偽名にしても、もう少しひかえめなほうがよいと思うがね。いや、古代のロマリアの大王の
名を拝借するとは、なかなか大胆不敵。少しは期待してもいいかな」
 ユーモアと度胸のあるやつは嫌いではない。ジョゼフは笑いをかみ殺すと、シェフィールドを待たせてある寝室へと向かった。
 時計を見ると、話していた時間は十分ほどか。長話をしていたように思われたが、意外と短かったのはふざけた名前の
大使の話術が長けていたからか。いずれにしても、寝室へ急ぐ足は自然と速くなる。
 
「待たせたな。どうだ? 具合のほうは」
「お待ちしておりました。ちょうど、今が一番よい時期でございます」
 シェフィールドが王の椅子の前に遠見の鏡をすえると、ジョゼフはどっかと椅子に腰掛けて足を組んだ。

227 :ウルトラ5番目の使い魔 51話 (6/13) ◆213pT8BiCc :2011/07/17(日) 12:00:06.23 ID:cpgN3SJz
 鏡には、美しい森林の中にたたずむ立派な屋敷が鮮明に映し出されている。それは過去、王位継承にもっとも近しいと
言われたオルレアン公・シャルルの邸宅であった場所。三年前までは、彼を慕う大勢の貴族で賑わい、彼の家族が庭で
遊んで、ジョゼフも少なからぬ数訪問した思い出のある風景だ。
 しかし現在は、王家の紋章には不名誉印が刻まれ、訪れるものもほぼ絶えた時代の忘れ物のような寂しい場所である。
「懐かしい風景だな。この庭で、シャルルと乗馬の腕を競ったのも遠い思い出のようだ」
 感傷に浸るように、ジョゼフは目を閉じてつぶやいた。けれど、次に目を開いたときには、その瞳は残忍な光であふれていた。
 両手を広げて、ジョゼフは抱き寄せるようなしぐさをとる。まるでいとおしいものにするように、しかし心の内では抱きしめた
ものが締め上げられて苦しむ声を聞きたいと狂奔しながら。
「ふははは! ようやくやってきたかお前の家へ。シャルロットよ、待ちかねたぞ!」
 屋敷の庭に降り立った一頭の青い竜、その背から下りてきた青い髪の少女に、ジョゼフの視線は釘付けとなる。
 あの日、任務に失敗したときからジョゼフはタバサがもはや二度と自分のもとへは戻るまいと思ってきた。当然だ、飼い主の
命令に反した犬がどういう目に合うかは子供でもわかる。そして、仲間を手にかけろと命じた自分に、シャルロットがもはや
従うはずがないとジョゼフも理解している。
 だからこそ、首輪が外れてしまった犬は早めに処分しなければならない。しかも、ただ始末するだけではもったいない。
一思いにするのではなく、じっくりと楽しまなくてはかいがない。
「よくぞ来たな。余からのゲームの招待、受け取ってくれたようでうれしいぞ。くくっ、といっても来さざるをえんだろうな。
なにせ、勝利の報酬はお前の母親の命だ」
 鏡に映るタバサに話しかけるようにジョゼフは独語した。
 タバサが才人たちの元から去って少し後、ジョゼフはタバサにゲームへの招待状を送っていた。そこに記されていた内容は。
 
『シャルロット・エレーヌ・シュヴァリエ・ド・パルテル。右の者のシュヴァリエの称号と身分を剥奪する。追って書き。上記の
者の生母、旧オルレアン公爵夫人の身柄を王権により拘束する。保釈金交渉の権利を認めるゆえ、上記の者は、
一週間以内に旧オルレアン公邸に出頭せよ』
 
 これを代筆したのはシェフィールドだが、読んだとたんジョゼフも失笑してしまった。体裁は整えているものの、かいつまめば
『母の命が惜しかったら、お前の家に来い』の一言で済む内容の薄さだ。当然、タバサもそんなことは百も承知で、罠が
あるのを覚悟してやってくるだろう。
 ただ、ジョゼフは本心でうれしかった。自分とは逆に、外面は凍りつかせていても、人としての心を強く持ち続けている
あの娘が、仲間を失った衝撃から自決もせずによく来てくれた。よく見れば、シャルロットと並んで赤毛の娘の姿も見える。
シャルロットが仲間の元から姿を消してからは、チャリジャの相手と奴の置き土産に夢中になっていて目を離していたが、
恐らくその間にあの娘がシャルロットになにかしたのだろう。
「よい仲間を持ったようだな。誰からも嫌われる余と違い、その人望はシャルル譲りかな……まあ、死出の道連れが
多いほうが、お前も寂しくなくていいだろう」

228 :ウルトラ5番目の使い魔 51話 (7/13) ◆213pT8BiCc :2011/07/17(日) 12:01:09.36 ID:cpgN3SJz
 ゲームに不確定要素は大歓迎だと、ジョゼフはキュルケの存在を意にも介さない。
 それにしても、母親を餌に娘をおびき出すという容赦のない仕打ちを実行するには、シェフィールドでもなければ到底従いようもない。
 彼らには良心が欠落しているのだろうか? いや、善悪以前のところ、人間としてなくてはならない何かが彼らにはないに違いない。
 庭を歩き、旧オルレアン公邸の門に向かうタバサとキュルケを、ジョゼフとシェフィールドは楽しそうに眺める。
「ジョゼフさま、いよいよゲームのはじまりでございますわね」
「ああ、シャルロットよ。お前の武勇談が今日で終わってしまうのは残念だが、まあ、仕方がないことだ。しかし、感謝して
もらいたいな。本来ならば即座に処分するところ、これまで存分に働いてくれた恩がある。もしもこのゲームにお前が勝てば、
母とお前は自由にしてやろう」
「ジョゼフさま、しかしそれでは飢えた竜を庭に放すようなもの。よろしいのですか?」
「かまわぬ。なにも叔父らしいことをしてこなかった余からの、せめてもの侘びだ。希望の一つも持たせてやるのが筋と
いうものだろう。なにより、リスクのないゲームほどつまらないものはない。それでは余が楽しめないではないか」
「なるほど……御意に」
 納得したシェフィールドは、ジョゼフのかたわらに控えて、テーブルの上のグラスにワインを注ぐ。ジョゼフはそのワインを
手に取り、高らかに掲げ上げた。
「シャルロットよ。お前の無事を祈って乾杯しようではないか。これがお前と余の最後のゲームだ。楽しませてくれよ!」
 ぐっと赤色の液体を喉に流し込むのと同時に、屋敷の門が開かれた。
 
 
 旧オルレアン公邸、タバサの家はしんと静まり返り、屋敷には一部屋たりとも灯の気配はない。
 ぎいと、年代を重ねた扉が開く音がし、屋敷の入り口が地獄の門のように口を開ける。
「真っ暗ね」
 邸内に一歩足を踏み入れたキュルケが、月光も届かない廊下の先を見てつぶやいた。
 以前来たときは、老執事のペルスランに迎えられた屋敷が、今では何十年も人を寄せ付けなかった幽霊屋敷のように変わり果てている。
 ペルスランや、ほかの使用人たちはどこへ行ったのだろうか。まさか、ジョゼフの使者がここに来たときにもろともに?
 不吉な予感に、老執事の誠実で温厚な人柄を覚えていたキュルケは、ぎゅっと手に持った杖を握り締めた。
 しかし、一瞬ためらいを見せたキュルケとは違い、タバサは邸内へと静かに足を進めていく。
「タバサ! 待って、罠があるかもしれないわよ」
 けれども、タバサは振り返りもせずに進んでいく。その恐れを知らない足取りに、キュルケは自身のおびえを笑い飛ばすようにつぶやいた。
「そうね。戦うって、決めたんですものね。待ってよ、わたしを置いていかないで!」
 走ってタバサと並んだキュルケは、頭一つ以上小さいタバサの髪の毛をぐしゃぐしゃとかき回してもてあそんだ。

229 :ウルトラ5番目の使い魔 51話 (8/13) ◆213pT8BiCc :2011/07/17(日) 12:02:05.56 ID:cpgN3SJz
 だが、タバサに嫌がるそぶりはまったく見せずに、むしろ自分からキュルケの手に合わせて頭を動かしているようにも見える。
なによりも、その瞳はまっすぐと前を見据えて揺るがずに、才人たちの元から逃げたときの弱弱しさは微塵も残っていない。
 あの視線の鋭さは……目を離したわずかな時間になにがあった? 邸内に仕掛けられたマジックアイテムを通して覗き見、
ジョゼフやシェフィールドがいぶかしんでいるのをタバサは知るよしもない。しかし、生半可な覚悟でここに来ているわけでは
ないのは確かだ。生家といえど、今やここは敵地、なにが待ちうけているかわからず、しかも今度は本気で殺しにきているのが
明白な罠の中に飛び込んでくるのは、自殺志願者か大バカか、でなければ罠など眼中にない鬼しかない。
 そのどれに値するのかをジョゼフが確信したのは、屋敷の中央の吹き抜けのホールに踏み入れたときだった。
 ホールに面した扉が一斉に開き、一階と二階のすべての扉と通路の奥から矢が射掛けられてきた。矢玉の数は少なく
見積もっても二百を超え、ホールの中央に立つ二人の四方から隙間無く撃ちかけられてくるそれを回避する術はない。
 しかしタバサの反応は、沈着かつ冷静だった。軽く杖を振るだけで、彼女の周囲の空気に含まれる水分が凝結し、ガラスの
壁のような氷の防御壁が築かれる。矢は薄く張られた氷の壁を射抜くも貫通しきれず、氷を串刺しにし尽くすと、役目を
終えた氷の壁ごとホールのカーペットに舞い散った。
「やるぅ」
「次、鉄くずが五十ほど」
 口笛を吹きながら賞賛するキュルケに、タバサはじっと前を見据えながら言った。
 矢が飛んできた扉や通路から、今度は剣や槍を持ち、全身を鎧で固めた騎士が飛び出してきた。しかし、目には
眼球の代わりに不気味に明滅する光が宿っており、それが人間でないのがわかる。
「ガーゴイルね」
 キュルケがつまらなそうに言う。意思を吹き込まれた魔法人形・ガーゴイル。人間以上の身体能力と、傷ついても
ひるまずに、死を恐れないそれは、ときにメイジ以上の強さを発揮する。特に金属製のガーゴイルは、よほどの高熱を
浴びせなければ倒せないので、火のメイジにとっては厄介な相手だ。
 しかしタバサが代わろうかとするのを制して、キュルケは優雅に杖を振った。
「わたしだって、あなたたちといっしょに色々冒険してきたのよ。まあ、あなたは精神力を温存してなさいって」
 軽口を叩いて呪文を唱えたキュルケは、タバサを小脇に抱えると『フライ』を唱えた。ふわりと二人の体が宙に浮き上がり、
四方から襲ってきていたガーゴイルたちは、彼女たちの足の下で団子状態になる。ガーゴイルは自動で動くが、人間の
ような細やかな動きや、なにより他者に配慮して動くことができないので、互いの武器がからまりあって身動きが
とれなくなってしまった。
 離れたところに飛びのいたキュルケは、彼らの頭上に向けて『ファイヤーボール』を放つ。ただし、直接ガーゴイルを
狙うのではなく、その頭上の豪奢なシャンデリアの鎖を根元から焼き切る。

230 :ウルトラ5番目の使い魔 51話 (9/13) ◆213pT8BiCc :2011/07/17(日) 12:03:30.30 ID:cpgN3SJz
 するとどうなるか、落下してきた五百キロはあるシャンデリアの下敷きになり、ガーゴイルの軍団はあっさりと生き埋めになってしまった。
「いっちょあがりね。どうタバサ? わたしの手並みのほどは」
「邪道。火の本質は破壊と情熱じゃなかったの?」
「そうよ。でも、不調法な出迎えに本気出してやったら悔しいじゃない。あ、シャンデリア壊しちゃってごめんね」
 思い出したように謝るキュルケに、タバサはやれやれと視線をずらした。ガーゴイルたちは、シャンデリアの下敷きに
なったくらいでは壊れはせずにうごめいているが、間接部にガラスの破片でも混ざったのか立ち上がってくるものはない。
 タバサは、シャンデリアは別に惜しくないものの、キュルケらしくもないからめ手に、自分の影響を自覚せざるを得なかった。
朱に交われば赤くなるというが、まあやりかたは彼女らしい豪快さではある。
「キュルケも……変わった」
「ん? まあね。ちょっと悔しいけど、タバサはわたしより強いじゃない。真正面から挑んで勝てなくても、知恵を使えば
案外あっさりいけるって。なんか、肩はってたのがつまらなくなってきてね」
 からからと笑うキュルケは、タバサの肩をぽんと叩いて、「んじゃ、あのガラクタが起きてくる前にちゃっちゃと
先行きましょうか」とうながした。タバサもうなずいて、二人はガーゴイルたちに背を向けると、屋敷の奥へと続く廊下を
歩き始めた。
 もはやガーゴイルなど眼中にもない。豪胆というよりも、不敵と呼んでいい二人の少女の戦いぶりに、ジョゼフは
鏡の向こうから拍手を送っていた。
「いやいや見事、あのガーゴイル軍団をあんなにあっさりといなしてのけるとは、我が姪ながら鼻が高い。ミューズよ、
あのガーゴイルは確かメイジ殺しと呼ばれた戦士たちの動きを写し取った特製であったそうだが、あいさつ代わりにも
ならなかったな」
「面目次第もありません。数の多さがかえってあだになってしまいましたようです。しかし、弁解をお許しいただけるなら
シャルロットさまの詠唱の素早さと防御魔法の威力を見るに、すでにクラスはスクウェアに相当するものに上がっているものと
思われます」
 恐縮して、シェフィールドは頭を垂れた。しかし、ジョゼフはガーゴイルの敗退などは意にも介していない。
「まったく、シャルルのやつもあの世で鼻が高かろう。それに、ガーゴイルを仕留めた赤毛の娘も、あの状況でよくも平然と
策をろうせたものだ」
「わたくしが調べましたところ、ゲルマニアのフォン・ツェルプストー家の令嬢にあるようです。クラスは火系統のトライアングル
とのことですが」
「ふふ、場合が場合なら花壇騎士の隊長にでも招きたいところだな。東や西のぼんくらどもより、よほどものになるだろう。
これはまた、予想に反しておもしろくなってきた……しかし、この先はメイジのクラスなどは役に立たんぞ。さあて、
シャルロットよ、その先だ。その先に母はいるぞ、ふふふ……はーっはっはっは!」

231 :ウルトラ5番目の使い魔 51話 (10/13) ◆213pT8BiCc :2011/07/17(日) 12:05:36.09 ID:cpgN3SJz
 含み笑いから高笑いに変わるなか、鏡の中でタバサが母の居室の前に立ち、ドアノブに手をかけた。
 
「行く」
 ドアノブをひねったタバサの前で、扉はあっさりと二人を中へと招き入れた。
 明かりのない室内には、大窓から月光が差し込んでおり、見渡すのに不便はなかった。
 中の風景は以前と何も変わっていなかった。見慣れたベッドと小机が、そのままの形で置かれている。
 室内に人影はなく、タバサの母はベッドの上に変わらぬ形で寝かされていた。
「母さま」
 ベッドに駆け寄ったタバサは、すぐに母の様子を確かめた。呼びかけても返事はなく、静かに寝息を立て続けている
ところを見ると、薬かなにかで深く眠らされているらしい。念のためにディテクトマジックで調べてみるが、特に魔法を
かけられているわけでもなさそうだ。
「タバサ、お母さんの様子は?」
「大丈夫、眠らされているだけみたい……よかった」
 ほっとした様子のタバサに、キュルケもほおの筋肉を緩ませた。しかし眼光は鋭いままで、部屋の中を油断なく見渡している。
 しかし、あっけなさすぎると、キュルケは内心でいぶかしんでいた。ここに来るまでは、腕利きの傭兵メイジでも大勢で
待ち構えているかもと用心していたのだが、待ち構えていたのはガーゴイルだけとは少なすぎないか?
 仮にもタバサは北花壇騎士の一員、しかも三年ものあいだ、特に実行が困難と思われる任務ばかりを選んで
押し付けられていたために、その実力のほどは敵も重々承知しているはずだ。もし自分がジョゼフの立場なら、可能な
限りの戦力を結集して襲わせるだろう。
 もしかして、あのガーゴイルの攻撃だけで勝てると思っていたのか? 確かに、あれだけの数のガーゴイルに一斉に
襲い掛かられたら、並の使い手では反応もできずに惨殺されてしまうだろう。以前の自分でも、パニックに陥ったあげくに
血まみれの死体にされるのが関の山だ。
 だが、相手はタバサなのだ。仮に自分がいなくても確実にガーゴイルを退けることはできたに違いない。
 ならば、こんなに防備が薄いのはなぜか? タバサの母にこれといって仕掛けが施されている様子もない。考えられる
策は、病気の母親という足手まといをあえて渡し、戦力を削ぐことにあるのかもしれない。
 だったら、ともかく長居は無用だ。窓の外を見ると、待機していたシルフィードがうれしそうに旋回しているのが見える。
罠が待っているならば、敵が次の手を打つ前に引き上げるに限る。屋敷内を危険を冒して戻らなくても、窓を破って
シルフィードに乗り、速度を活かしてトリステインまで逃げ込めば敵も派手な手は打てまい。
「タバサ、ジョゼフがなにを企んでるか知らないけど、ここはお母さんを連れて逃げましょう」
 タバサは無言でうなづき、シルフィードを呼ぶと同時に母の体に『レビテーション』をかけて浮かせた。
 窓わくを破って、シルフィードが室内に飛び込んでくる。ガラスの破片が飛び散って、少々乱暴だがこの際言っていられない。
 
 ただ、ジョゼフと直接会ったことのないキュルケは想像できず、母の無事を確認して感情が高ぶっていたタバサは
失念していた。ジョゼフには、"常識"というものが通用しないことを。

232 :ウルトラ5番目の使い魔 51話 (11/13) ◆213pT8BiCc :2011/07/17(日) 12:06:26.24 ID:cpgN3SJz
 そして、彼女たちは知らなかった。簡単すぎるほどに目的を達成できた今の状況が、先日にアーハンブラ城でティファニアを
見つけたときのルイズたちと非常に似ているということに。
 
「タバサ、急いで」
「うん」
 タバサは母をシルフィードの背に乗せると、自分も飛び乗った。キュルケはその隙に奇襲を受けないか、注意深くあたりを
警戒して、二人が乗ったのを確認すると、よしとうなずいた。
「いいわね。じゃあわたしも乗るわよ」
「待って、ベッドの隅の、あの人形をとって」
 キュルケはタバサの指差した先に、シンプルな形の女の子の人形が置いてあるのを見つけた。タバサの母が、運命が
狂い出す前に我が娘に買い与えた人形だ。その人形に、娘は”タバサ”と名づけた。しかし、心身喪失薬を飲まされて
心が狂った今では、母はその人形をシャルロットだと思い込み、シャルロットはタバサと名乗っている。
 ある意味では、母と娘をつなぐかぼそい糸ともいえる人形を、キュルケは駆け寄って半瞬だけ見つめると手を伸ばした。
「ボロボロね。きっと、三年間ずっとこれを誰にも触れさせずに守り通したのね」
 正気を奪われてなお、母の愛のなんと強いことだろうか。キュルケは、その壮絶なまでの意志の強さに畏怖さえ覚えた。
 人形を抱え込み、もう必要なものはないかと確認する。と、そのときであった。枕元の小机の花瓶に生けられている
花がキュルケの目に止まった。
”見慣れない花ね。こんな種類、あったかしら?”
 黄色い大きな花弁を持つその花に、キュルケの目は釘付けになった。生けられている一輪の花、ただそれだけの
はずなのに、個性の薄い室内で、その花だけが月光を浴びて強烈な印象を見るものの脳に送り込んでくる。
「キュルケ、どうしたの?」
「あ、うん。ちょっとね」
 呼びかけてくるタバサの声に、キュルケははっと我に返った。
 そうだ、今は花に見とれているときではなかった。しかし、なぜか気になってしまう。キュルケも女性である。花の種類に
関しては並々ならぬ知識があり、ボーイフレンドから贈られてくる花の花言葉を当てるときなどに役立ててきたが、頭の中の
どんな図鑑にもその花の名前はなかった。
 無意識に、手が花に伸びる。花瓶から引き抜いて間近で見る花は、大きな花弁の中央が不思議なオレンジ色に
染まっており、覗き込みたくなる欲求が湧いてくる。
「キュルケ、急いで」
 タバサが呼んでいる。早く行かないと……でも、ちょっとくらいなら。
 意識の底にうったえかけてくる何かに誘われるように、キュルケは花に顔を寄せた。刹那、世界が黄色く染まる。
「キュルケ……? キュルケ!」

233 :ウルトラ5番目の使い魔 51話 (12/13) ◆213pT8BiCc :2011/07/17(日) 12:07:42.35 ID:cpgN3SJz
 どさり、と鈍い音がして床に倒れこんだキュルケに、タバサの悲鳴が重なる。
 慌てて駆け寄り、助け起こす。まさか、なにか毒でも盛られたのではあるまいか。
 しかし、抱き起こしたキュルケの表情は、毒を盛られたのとはまるで正反対に、心地よい形で歪んでいた。
「あははは、もーう、アランもクリックも慌てちゃだめよ。みんなまとめて相手してあ・げ・るから」
「キ、キュルケ?」
 目をつぶったまま、男を誘うような猫なで声をあげているキュルケに、タバサはとまどった。
 揺すっても、顔を叩いてもキュルケは目覚めない。これは尋常ではないとタバサは焦り始める。何かしらの魔法を
かけられるか、強力な幻覚剤を投与でもされない限り、こんなことにはならないはずだ。
 だが、いったいいつ薬を盛られた? 見ていた限り、キュルケに何者かが近づいた気配はなかった。キュルケの
周りにあったものといえば……
「この……花」
 タバサはキュルケのかたわらに落ちている、変わった品種の花を睨み付けた。この花が毒草で、キュルケはこれの
毒花粉にやられてしまったに違いない。
 憎しみを込めて花を見下ろし、『発火』の魔法で焼いてしまおうと杖を向ける。
 それが、引き金であった。突然屋敷が激しい揺れに見舞われ、残った窓ガラスが細かく砕けて降りかかってくる。
「きゃっ! おねえさま!」
「シルフィード! お母さまを守って」
 刃物の雨と同じガラスの驟雨から、タバサはキュルケと自分を『エア・シールド』で、シルフィードはタバサの母を
翼で隠して守りきった。
 しかし、ジョゼフの用意した本当の罠が始動するのはここからであった。
 窓の外に見える庭から、大木のような芽が飛び出して、みるみるうちに膨れ上がっていった。そしてそれが、葉を生やし、
とげのついた触手のようなつるを伸ばし、とてつもなく巨大なつぼみを生やしたとき、タバサは月光をさえぎって立つ
それを見て、思わずつぶやいていた。
「巨大な……植物!?」
 全高、目測で五十メイル超。ラ・ロシュールの世界樹とはさすがに比較にならないが、屋敷を軽く見下ろしてくる威容は
普通の樹木のそれではない。植物なのに、まるで動物のように触手状のつるを揺らめかせているさまは、なんという
禍々しい姿なのか。
 タバサは、これは明らかに自然のものではなく、何者かが意図的に庭の地中に仕掛けたものだと悟った。
「いけない! シルフィード、飛んで! 早く」
 罠にはまった。そう気づいて叫んだときには、すでに遅かった。
 メキメキと音を立てて巨大植物のつぼみが開く。五枚の黄色い毒々しい花弁があらわになり、その中央から、
くちばしのような口が突き出してくる。その先端が自分たちを向いたとき、タバサは防御の魔法を唱えようとした。
しかし、夢遊状態のキュルケの手が当たって杖を取り落としてしまう。慌てて杖に手を伸ばすが、そのとき巨大植物の
口から黄色い花粉が、霞のように吹きかけられてきた。

234 :ウルトラ5番目の使い魔 51話 (13/13) ◆213pT8BiCc :2011/07/17(日) 12:08:32.52 ID:cpgN3SJz
「しまっ……」
 黄色い雲の中に飛び込んでしまったように、タバサたちは花粉の中に飲み込まれてしまう。口と鼻を押さえるも
間に合わずに、体内に侵入してきた花粉が急速にタバサから意識を刈り取っていった。
 
 じゅうたんの上に倒れこむタバサ。シルフィードもよろめいて昏倒し、気持ちよさそうに寝息を立て始める。
 その様子を眺めていたジョゼフは、愉快そうに笑いながら、チャリジャが去り際に残していったカタログの説明文を思い返していた。
 
『これは、かつて地球という星に生息していたギジェラという植物を、遺伝情報からクローニング再生したものです。これの
花粉が生物に与える効能は、強力な幻覚作用で心地よい夢の世界にいざなって、二度と帰ってきたくないほどの
快楽におぼれさせます。ただし、あくまでもデッドコピーですので、オリジナルの持っていたような惑星すべてに影響を
及ぼすことはできずに、せいぜい自身の半径数キロに幼体の花を咲かせることができるくらいです。けれど、オリジナルは
夜間は活動が鈍りましたが、これは夜間でも能力は変わりません。きれいな花を咲かせますので、大切な人への
贈り物にでもどうぞ』
 
 まったく、なにが贈り物にどうぞだ。説明の内容の半分は意味不明だったが、花束にするにしても、眠られては見られないではないか。
「さてシャルロットよ。余からの夢の世界の贈り物を存分に楽しむといい。どんな夢を見るかは知らぬが、果たして、
帰ってこれるかな?」
 
 続く

235 :ウルトラ5番目の使い魔 あとがき ◆213pT8BiCc :2011/07/17(日) 12:11:32.58 ID:cpgN3SJz
今日は以上です。
原作では10巻冒頭でビダーシャルとの対戦する場面の変形版で、アーハンブラ編とは前後が逆転しましたがお楽しみいただけたでしょうか。
ギジェラはティガ本編では倒されましたが、エンド時に枯れた花が出ましたし、ゴルザもダイナで再生されましたので復活可能だとしました。
では、ヤプール編は少々休憩して、タバサの冒険編に突入します。

ヤマグチノボル先生の手術は8月だそうですが、成功するよう切に願っています。まだまだ書きたい話はあるので、原作と並行して
スッキリと書き上げたいです。なによりも、これまですばらしいファンタジー世界を送ってきてくれた方が早死にするなど理不尽です。

では、また来週。

236 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/17(日) 13:26:36.03 ID:9XzCX2C+
投下乙

これは良い花だ

237 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/17(日) 13:36:47.81 ID:Yfrr9WDV
ウルトラ乙

238 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/17(日) 14:10:32.85 ID:PqjDTOnn
>>85
空気が地球と同じ組成と仮定すると可能だよ
ウル・カーノ(勇ましい火)
分子運動を励起

2CO2+cal→2CO+O2

2CO+O2→2CO2+cal↑
つまり分子運動を励起して、一瞬でも高熱化すると二酸化炭素が一酸化炭素と酸素に遊離すっから、それが更に結合して炎が発生
そこから
N2+2O2+cal→2NO2-+cal↑

2NO2-+O2+cal→2NO3-+cal↑
高熱下での硝酸反応が叩き出せて熱量抽出が出来る
後は燃焼可能な素材に、接触させれば桶
つまり、ルーンのウル(勇ましい)は、分子運動の励起を指している

自分のSSから考察ネタを引っ張ってみた
これ位のネタバレは、まぁ良いかな

239 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/17(日) 14:13:01.39 ID:hCuy/oIH
それで一瞬で1000度以上の火の玉に達するの?

240 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/17(日) 14:17:27.73 ID:PqjDTOnn
>>239
二酸化炭素を遊離させる時点で、瞬間温度は6000℃以上です
後はメイジの技量次第

241 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/17(日) 14:35:16.09 ID:ar8x3QHD
ルイズが田嶋陽子を召喚しました

242 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/17(日) 14:44:46.32 ID:foHKaLqS
あれは伝説の癌ダールブのルーン

243 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/17(日) 15:27:14.59 ID:Op58qLXo
ウル乙

この作品での南夕子ってどんな感じなのかな?
北斗が異世界に行ったのも気付かすかね

244 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/17(日) 18:53:58.14 ID:F2KlbXbp
ガンダーロボのルーン

245 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/17(日) 19:39:02.35 ID:Z121BCdk
>>239
一兆度の火の玉だってあるんだから

246 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/17(日) 22:01:14.37 ID:9XzCX2C+
>>245
ゼットン火球は色んな意味で違うだろ

247 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/17(日) 22:04:48.55 ID:x7tOShGK
>>245
でも窓ガラスを割るだけでしたよねゼットンさん

248 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/17(日) 22:17:47.45 ID:j6ZyISnI
>>247
科特隊本部は頑丈だから
ちなみにベロクロンの火炎は一億度

249 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/17(日) 22:18:26.40 ID:30flIaOW
でも、俺のルイズに対する熱い想いには敵わない

250 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/17(日) 22:23:35.53 ID:cZVO/XVg
窓ガラス割ったのは別の技だとか
とはいえ一兆度の方も大した効果は与えてないけど

251 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/17(日) 22:23:38.10 ID:6TuQDXf9
ウルトラマンのスペシウムは十万度でしかないんだけどな
タロウやゾフィーを苦しめまくったバードンの火炎がベロクロンのより弱いとは絶対思えんが四万度だし
あの世界では温度と威力の間にはあまり関係がないのかも知れん

252 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/17(日) 22:27:34.38 ID:AL+4OvnP
あ、そういえば今日は1966年にウルトラマンの放送が始まった記念すべき日だった
45年前の今日は少年時代のダイゴやアスカや我夢がカレー食べながらテレビにかじりついてたのか

253 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/17(日) 22:43:58.97 ID:lI2PMfpw
ゼットン「俺の炎は本当は一兆μ度だ。知ってるかウルトラマン。テレビでも単位間違えることはあるんだぜ!まいったかワハハ!」


254 :null:2011/07/17(日) 22:54:34.33 ID:gOtf/ome
ウル魔でゼットンてもう登場したっけ?

255 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/17(日) 22:55:10.10 ID:hX4C+M14
気合いの入っていないといくら1兆度でも超弱いし、気合い入れた4万度は超強いんだよ!
きっと!

256 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/17(日) 22:58:53.25 ID:ZX1t/bms
ぶっちゃけ適当に設定作ってるd(ry

257 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/17(日) 23:18:37.95 ID:r+R4N+LS
常温の戦車砲とプラズマ化した拳銃弾と考えるんだ

どうやっても前者が強い

258 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 00:18:06.38 ID:1070k+TR
忍法帳またリセットか?

259 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 00:20:34.45 ID:3Z/Egx0L


在特会VS京都腐警&朝鮮総連

【腐食】京都府警による犯罪的取り調べの実態!【腐敗】
http://www.youtube.com/watch?v=P4wDGdamr_A&feature=related

京都府警の北原氏による恐怖のカミングアウト
「俺は腐ってる」「一部の警察官も腐ってる」その他意味不明な言動を繰り返し異様な取り調べを繰り広げています。
長時間になりますが全編ご覧ください。違法取調べの生々しい貴重な録音です。
警察と北朝鮮との癒着も疑われます。


その後抗議に行くもカメラを執拗に拒否し姿を見せない北原氏!
http://www.youtube.com/watch?v=yRPcgQIACHc&feature=related

差別利権の町、京都と北朝鮮の闇を見逃すな!




260 : 忍法帖【Lv=14,xxxPT】 :2011/07/18(月) 00:31:51.19 ID:RoZI6eeB
何?

261 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 01:24:23.72 ID:BU39tu67
>>259
そう……(無関心)

262 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 02:00:55.19 ID:cyiXQWgd
霧亥召喚が多くの作品のように、後に続いてその他大勢が沸くとして

@霧亥 +重力子放射線射出装置
Aサナカン +じゅ(ry
Bレベル9SGユニット +受容体
C上位駆除系 +受容体
D裾野 結 +なんでも切れる剣
E造換塔
F珪素生物
G別世界線のシボ

まだAまでか
こいつらの世界なら癌なんて、寒い日のくしゃみ以下なんだろうな

263 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 02:10:08.23 ID:VaHAnVfb
>>254
確かまだ
てかゼットンは光線使いのAには天敵だからおいそれと出せないんだろうな

264 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 02:27:28.57 ID:32zxEFeJ
上位SG・駆除系もゼットンもダメだ惑星規模でやばい

劇中描写だけとっても、前者は確実に終わる

265 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 07:31:13.38 ID:DHrIwDpn
何故かドリフターズの妖怪首おいてけ(島津豊久)チックなアニエスさんとか頭に浮かんでしまった私。
地下道を逃げるヤツの前に立ちはだかって「首、置いてけ」と…

266 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 08:41:30.70 ID:tVFgf4WX
>>265
ついでに信長さんと与一も呼んでハルケギニアで国獲りしてもらおうぜ

267 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 12:43:49.49 ID:UQEvT0m/
「首、置いてけ」
「その心臓、貰い受ける」
「目だ、耳だ、鼻!」

他にあったらよろしく(えー

268 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 12:58:52.27 ID:220OmReA
「その命、神に返しなさい」
「お前の魂、いただくよ!」

こう言う方向性か?

269 : 忍法帖【Lv=23,xxxPT】 :2011/07/18(月) 13:21:40.99 ID:6FDauX3z
んで台詞集めてどうすんの?

270 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 15:41:18.79 ID:lTnHbbVT
格ゲに多そうだね。
「君の死に場所はここだ!」とか「極彩と散れ」とか

271 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 15:43:38.24 ID:A/wbrl21
よんでも問題ない怪獣……

よし! カ〜レンジャーからダップを召喚しよう!?
「ぼくと契約して○○○○○になってよダップ」

272 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 16:44:48.41 ID:+cH7xKGZ
安全な怪獣なら電王からモモタロスたち召喚したらどうなるかな?
良太郎も召喚したらラブコメ展開も可能だけどイマジン4体だけ召喚したらパニックになりそう
ルイズが憑依されて釘宮ボイスが関ボイスになったり遊佐ボイスになったりするのは違和感だらけだけどな


273 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 17:08:16.49 ID:wLG0uRIa
釘宮ボイスキャラを可能な限りかき集めてまとめて召喚させようぜ!

274 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 17:12:57.12 ID:wLG0uRIa
>>262
でも治療者なんか居ないんだろ・・・わかってる、もういいんだ・・・

275 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 17:19:20.21 ID:jwUDVDge
ルイズになでしこジャパンが召喚されました

276 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 17:21:21.44 ID:KfRMTZJr
タバサって何であんな冷めてるんだろうな
家庭環境で何かあったのかとか気になる
15歳でであんな読書に没頭してる時点で何か家庭に不満があるんだろう
援交とかに手を出さないか心配

277 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 17:24:06.28 ID:D+Unh75b
>>272
イマジン4体だけなら小ネタの方であったぞ。
ついでに良太郎こみもあったはず。

278 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 17:53:02.54 ID:vaW4mDQl
首置いてけでメカゴジラを連想した俺は昭和世代

279 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 18:09:51.18 ID:ObxUJ400
>>273
ガンダム抜きで召喚しないとプロローグで学院と他のくぎゅーが全滅してしまう
ガンダム抜きで召喚してもトラブルが絶えないだろうが

いやいっそのことスローネドライだけがDNA認証じゃなくて声紋認証だったことにしてルイズに乗っ取らせて・・・

280 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 18:41:53.12 ID:5PW8c8b5
某錬金術師の弟はリビングメイル扱いなんだろうなやっぱり

281 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 18:54:20.93 ID:Ww/0SaQW
カミュ辺りがリンチされそうだ

……いろいろデカいし

282 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 19:54:51.87 ID:kmitz7ls
>>281
最悪ムツミに変われば……


アルルゥ、カミュ、ユズハ、ムックル、ガチャタラをルイズに召喚させたら…とか考えたけどうたわれ本編的に無理か
テファにハクオロ召還とかも思ったけど気づけばテファがフォーク装備してて断念

283 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 20:06:03.82 ID:HN04vXrh
そういや、シャナ召喚って読んだ事ないな
封絶使ったらほぼ無敵になるから使いにくいのかな

284 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 20:50:24.97 ID:2Krfv6AM
間違いなくゼロ魔のストーリーを知ってる、下手したらこの手のスレの存在も知ってるかもしれないナギ召喚
持参したねんどろいどルイズを見たルイズの反応やいかに

285 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 20:50:50.55 ID:fcYKdGuj
>272
いやそれそのツンデレなてらそまさんとか凄く読みたいかも!?

286 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 20:51:42.87 ID:DXVUtDXh
シャナは強いんだけど、強さが伝わってこない
サイヤ人編以降のクリリンみたいな感じ

287 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 20:52:14.75 ID:k4cB/Yue
>>283
あれね、正確に言ったらあの世界の存在しか対象にしてないから、ハルケ側には効かない可能性が大きいんだぜ。
むしろ、効いたら動ける奴がほとんど居ないし、効かなくても圧倒的な戦闘力差でハルケ蹂躙になる。
作者のさじ加減次第とはいえ、難しいものだ。

288 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 20:54:02.91 ID:Ww/0SaQW
>>283
考えてはみたがフーケが狙うアイテムとかタルブに置く物とかが思いつかずに断念した俺

289 :連投スマン:2011/07/18(月) 21:00:09.57 ID:Ww/0SaQW
ついでにデルフリンガーがいらない子になる

290 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 21:15:08.88 ID:D4NhTLwR
シャナ VS スクエアメイジでもシャナ圧倒になるんかな

291 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 21:22:39.41 ID:B/j4NaVB
封絶を使用不可能にしないと即死でしょ

292 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 21:28:30.79 ID:W4AJSLz1
そこはそれ、メイジは封絶の中でも動ける程度で良いでしょ

293 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 21:32:57.77 ID:F/LS4RCX
封絶使うとザ・ワールド状態になるから
使わない orハルケでは使えないとしてだね
シャナって対炎は強いけど他の魔法に関しては
耐性ないのか弱いのか良く分からん

294 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 22:07:30.01 ID:jcbTZZ4O
エキストラ無力化能力の扱いは難しいな

295 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 22:21:23.47 ID:x7DTJnQ/
>>290
なるよ
シャナは未完成時点の最大火力で、街一個灰に出来るから
真紅や紅蓮なんか、ハルケの個人じゃ太刀打ち出来ねぇよ
エルフのカウンターでかろうじてかな?
断罪使ったら、偏在使っても直ぐにバレる
しかも、疲労もするしダメージ負うとは言っても、フレイムヘイズはエネルギーが無尽蔵で24時間活動可能で、不意討ち大好きw
しかも、人間の枠を越えた怪力と快足持ち
長期戦になったら、疲労した所襲われてアボン

296 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 22:23:25.51 ID:220OmReA
>>283
ぶっちゃけ性格面でのルイズとの相性が明らかに悪いからな。
どっちも良くも悪くも我が強いし、特に初期は双方ともに性格面でのフォローをしてくれるキャラがいないから
どうしても喧嘩別れになって終了になる可能性が非常に高い。
つーか、シャナにとってはフレイムヘイズとしての使命の方が重要なのは明白だしね。

更に言えば、いきなり見た事もない場所に飛ばされたかと思ったら、周りには見た事もない生物を連れた連中が
沢山いるという状況を考えると、最悪ルイズ達を徒か何かと勘違いする恐れもある。
まあ、そいつは即最悪の方向に進んじまうけどな。


297 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 22:34:57.82 ID:x7DTJnQ/
>>296
徒と誤認→封絶→全員止まる→一応爆殺→アラストールが誤認指摘→再生→てへっ
こんな感じですね?

298 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 22:43:23.66 ID:jwUDVDge
そんでtake2をやる訳か

299 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 23:24:37.51 ID:agiaY1xh
フレイムヘイズが、徒の存在を掴んだか自分に危害が加えられたのでもなければ、事件等あってもルイズの言うこと聞くとは思えん。
その意味では坂井を召喚した方がまだ話が作りやすいだろ。

300 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 23:50:22.24 ID:OjcYHXxy
ヴィルヘルミナだったらルイズが頑張ってる姿に
シャナを思い浮かべて力になってくれそう

301 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/18(月) 23:53:44.45 ID:qn01LJ/G
単純に才人の代わりにシャナが呼ばれたって展開じゃ難しいな
シャナは初期はかなり浮世離れしててかつ非情なとこあるし、
徒との戦闘中裕二やほかのメンバーごとまとめて呼ばれて召喚された場で戦闘続行、ルイズだけは虚無のため封絶の中を目撃
徒の何体かは倒すが千変とかに逃げられてしまう
逃げた徒を世界に関わらず追おうとするが仲間たちのハルケでの生活のためシャナもしぶしぶルイズのとこに滞在
その後は徒を追いながらゼロ魔のイベントもこなしていくとか

302 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 00:08:34.50 ID:11JdK9yC
あ、肝心なことに気づいた。ハルケギニアにメロンパンはあるのか?

303 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 00:17:04.05 ID:I0tsqFRR
パン自体はあるけど、メロンパンってのは日本人が開発したものだから間違いなく存在しない。

304 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 00:17:27.20 ID:qc3hPWRe
メロンパンは日本で考案されたもんだし、ハルケにはないだろ。
ただし、タルブは別。

305 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 00:26:22.64 ID:Qq22x/FO
メロンパイならアルビオンにあるけど

306 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 02:09:33.78 ID:11JdK9yC
メロンパンがないんじゃ神楽から酢昆布を取り上げるようなもんだぞ

307 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 02:25:26.68 ID:nnQDwe9d
それは怪獣ではなく怪人であります

308 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 02:28:18.02 ID:nnQDwe9d
リロってなかった

309 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 10:42:14.47 ID:tmm90L8V
釘宮キャラでまともそうなのはサモンナイト3からアリーゼとか? 本編終了後や番外編時だったらしっかりしてるから動かしやすそうな気はする

310 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 10:43:52.50 ID:aed43Py1
銀魂の神楽でも十分無双できる気がするな
実際夜兎の血が覚醒したらゼロ魔の世界じゃ誰も止められそうにないし
でもゼロ魔の世界には酢昆布とかがないから常に機嫌が悪くてギーシュあたりに八つ当たりしそう
あと神楽の下ネタにツッコミを入れられる人間が居るかもあるな

311 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 11:00:32.48 ID:j2iju30a
一番真面目にストーリー追っかけてくれそうなのはエルリック弟だろうなぁ

312 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 11:05:19.66 ID:Qq22x/FO
大河ちゃん召喚

313 :ゼロと魔王:2011/07/19(火) 11:07:42.48 ID:WoUR+QbG
どうもお久しぶりです。
だれもいないようであれば5分後ぐらいに投稿したいと思います

314 :ゼロと魔王:2011/07/19(火) 11:13:11.58 ID:WoUR+QbG
ゼロと魔王 第6話 聖剣杯



ラハールとギーシュの決闘の後、普通に授業が始まったのだが。
その授業の最中にルイズが錬金を失敗して教室をめちゃくちゃにしたので、今はラハールとルイズとギーシュとで片付けをしていた。

「普通錬金でこんなことになるものかね」
「なったんだから仕方ないでしょう」
「だからってオレ様までなぜこんな事をせねばならんのだ・・・」

ものすごく嫌そうなラハールだったが、しぶしぶと言った感じで片付けている。
ちなみにギーシュは普通に教室から出ようとしたところを、ラハールに捕まって一緒に片付けさせられている。

「まったく、朝は決闘で負け、今度は教室の後片付けか・・・」
「負けたのはあんたが悪いんでしょうが」
「グッ!痛い所を・・・」
「なんでもいいから手を動かせ、そろそろ腹が減ったぞ」

そろそろ昼になる頃なので、ルイズもギーシュも腹が減っているのは同じだった。
黙々と作業をして、なんとか昼ごろには片付けは終わった。

「やれやれ、ようやく終わった」
「ご苦労様、さあご飯を食べに行きましょう」
「ようやく飯か・・・」
「えぇ、あんたにもご飯・・・あ!」
「ん?何だ?」
「あんたのご飯を頼むの忘れてた・・・」
「何だと!?」
「し、仕方無いでしょう!昨日からいろいろあったんだから」
「だったら、オレ様はどうすればいいのだ!?」
「だ、大丈夫よ、私のをわけてあげるから」
「だが、食べる場所はどうするのだね?」
「・・・」

その辺も考えていなかったルイズは、少なからず焦った。
まさか、ラハールを床で食べさせるなんて言った日にはどうなるかわかったものではない。
下手をすれば、食堂で暴れ出す・・・なんて事になった場合、それで責任を取らされるのは間違いなくルイズである。

「そうよ!あんたの席に・・・」
「馬鹿を言うんじゃない!?なぜ僕が!?」
「あんた負けたんでしょう?」
「却下だ!座らせたいのなら君の席を譲ればいいだろう!」
「なんで私が譲らないといけないのよ?」
「君の使い魔だろう!」
「私の言う事なんてラハールは聞かないわよ?」
「どうでもいいが、結局オレ様の飯はどうなるのだ?」

かなり冷静に見えるが、あきらかにブチギレる一歩手前のラハールが言う。
さすが魔王、力を制限されていてもかなりの迫力である。

「・・・!?そうだわ!」
「何かいい案でも浮かんだのかね!?」
「厨房に頼んでそこで食べさせてもらいましょう」
「それはいい案だな!」

これはいい考えだとルイズは思った。


315 :ゼロと魔王:2011/07/19(火) 11:17:24.36 ID:WoUR+QbG
少なくともこれで、食事と食べる場所は確保したのだから。
当のラハールは厨房と聞いたあたりでいやな顔をしたような気がするが、気のせいだろう。

「それじゃあ、さっそく行くわよ」

そう言って歩き出したルイズに付いて行くラハールとギーシュであった。



移動の最中に、ギーシュは近々ある行事の事を思い出して聞いてみた。

「そういえば君たちは聖剣杯には出るのかね?」
「聖剣杯?なんだそれは?」

聖剣杯と聞いて、主人と使い魔の反応は別々だ、主人の方は嫌そうと言った感じで、使い魔の方は気になると言った感じだ。

「聖剣杯と言うのは、オスマン氏が学院長になってから始まった行事で、学院が所有している聖剣エクスカリバーを巡って生徒同士が戦う行事の事さ」

どんどん説明をしていくギーシュ。
どんどんいやな顔をしていくルイズ。
どんどん興味がわいてきたラハール。

「ちなみに、今日から聖剣杯の準備のために半日授業さ、その間に使い魔と仲良くなるもよし、訓練をしてすこしでも自分を磨くのものよしといった具合さ」

エクスカリバーと聞いた瞬間、使い魔の方も嫌そうになったのはここだけの話である。

「まあ巡って、と言っても。聖剣がもらえるわけではないけどね」
「それが妥当であろうな・・・」

ラハールがなぜこんな事を言ったのかは理由があり、持ち主を選ぶエクスカリバーであるが、持ち主以外が使っても普通に使う分には何も問題がなかったりするからである。
使用者の力をいくらか強化するおまけ付で・・・

「出場資格なんかは簡単で、使い魔を持っているという事だけ。しかも今回はアンリエッタ姫殿下が来られるとあって、3年生もかなり出るとか」

ルイズが嫌そうなのは、アンリエッタが来るからである。
幼少のころからの親友であるアンリエッタが来る以上、出場して無様な姿を見せるわけにはいかない、と言うより見せたくないと思っている。
だから、出るつもりはない・・・はずだったのだが・・・

「ほ〜う、面白そうだな。おいルイズ!オレ様たちも出場するぞ」
「え!?」
「いいんじゃないかい?ルイズはともかく、ラハールがいればその辺の生徒には負けないだろうし、案外いい結果を出せるかもしれないじゃないか?」
「そうかもしれないけど・・・」
「なら決まりだな、それなら出場するぞ」

実を言うと、ラハールがこれに出ると言ったのには2つ理由がある。
その1つは単純に面白そうなのと、こっちが一番重要なのだが、自分がどれくらいの強さなのか把握するためである。
この世界で戦ったギーシュは一番最低ランク、つまりその上がいるのであれば戦って、自分が今どれくらいなのかを知っておこうという訳である。
もっとも、どんな奴が出てきても負けるつもりはないラハールであるが。
だが、それはラハールの都合であり、ルイズとしては絶対に絶対に出たくないと言うのが正直なところだ。



316 :ゼロと魔王:2011/07/19(火) 11:17:58.97 ID:WoUR+QbG
「でも、私は嫌よ!そんな野蛮なもの、出たくもないし見たくもない」
「野蛮って・・・君、それでは見に来る姫殿下まで野蛮と言っているようなものだぞ?」
「へ!?いや私はそんなつもりじゃあ・・・」

なんでもいいから逃げる口実にと、言った言葉だったがアンリエッタを野蛮だと言うつもりは全然ない。

「もしかして君、こわ・・・グフッ!」

ギーシュが言おうとした事を、回し蹴りを腹に叩き込んで黙らせる。

「何を・・・する・・・」
「別に私は怖いわけじゃないのよ!ただ、出ても仕方ないと思っているから言ってるのよ!」
「あぁ、勝てないか、グハッ!」

追撃にボディーブローを叩き込んでおく。

「言っておくが、お前に拒否権はないぞ?」
「何でよ!?」
「オレ様を勝手に召喚したのだ、それぐらいは聞いてもらわないとやってられんからな」

召喚した手前、そう言われるとあまり強く出られない。
いっその事、力の制限を解いて勝手に帰ってもらおうかとも思ったが、それをしたら何か負けた気がするためその案は却下した。

「わ、分かったわよ・・・出ればいいんでしょ」
「決まりだな。そういえば、お前はそれに出るのか?」

なんとかルイズの攻撃から復帰したギーシュに聞くラハール。

「僕かい?当然さ!何せアンリエッタ姫殿下が見に来られるんだ!出場していい成績を残してみたまえ!姫殿下にいい印象が残るかもしれないからな!」

かなり力説しているギーシュだが、それはないなとラハールは思った。

「お前では、一回戦目を勝てればいい方だろ?」
「グッ!失礼な事を言うね・・・」
「お前に勝ったオレ様が言うのだから間違いないだろ?」
「相手が2年生なら・・・」
「オレ様か3年にでも当たったら間違いなく負けるなお前」
「・・・出るのやめようかな」

ギーシュの心が折れた瞬間であった。



その後、厨房に行きマルトー親父と名乗るおっさんに何故か、尊敬されてしまったラハールは、昼を食べる事が出来た。

「・・・なんだあのヴェスヴィオみたいに暑苦しい奴は」

厨房から出てきたラハールは少しげっそりしていた。

「しかし、あの授業の時に発動しかけた魔法・・・何か別の力が働いていたみたいだったが・・・」

これが魔法に詳しいエトナかフロンならばもう少し分かったのだろうが、ラハールの専門は破壊だとか吹っ飛ばすなどといった攻撃魔法専門である。

「まあ、わからん物は仕方がないな」



317 :ゼロと魔王:2011/07/19(火) 11:19:04.71 ID:WoUR+QbG
これがフロンならば少しは調べる気になったのだろうが、ラハールはどうでもいい事は調べる気にはならない。
まあ、調べてもおそらくわからなかっただろうが・・・

「さて、これからどうするか・・・あいつらに合流するか、それとも少しどこかで昼寝でもする、カッ!」

殺気を感じたラハールは、剣を引き抜きどこから飛んできたかわからない氷の矢を斬った。

「・・・なんだ?」

気配を探るが、どうやらもう近くにはいないようだ。

「オレ様を殺すのに氷の矢一本とは舐めてくれるな。これなら、シャスの罠の方が何倍も危険だぞ」

何か観点が違うような気がするが、悪魔とはそういうものである。
いつ、誰が、どこで自分が狙われているのかわからない。
だからそれぐらいにしか思わないのかもしれない。

「・・・部屋に帰って寝るとするか」

そう言って、ルイズの部屋に帰って行くラハールであった。



ここは、学生寮のタバサと呼ばれる女子生徒の部屋。
今この部屋には2人の人間がいる。
1人はこの部屋の主、タバサ。
もう1人はフードをかぶった女である。

「・・・あれでよかったの?」

さっきの氷の矢はタバサがやったものらしい。

「えぇ、あの程度で死んでは主が楽しめないから」

どうやら、タバサに命令してやらせたのはこの女みたいだ。

「・・・用はもう終わった?」
「つれない事を言うのね。でも、もう1つ命令があるわ」
「それは?」
「簡単な事よ。本当に簡単な事」

その後、タバサが聖剣杯に正式に出場届を出したという。


318 :ゼロと魔王:2011/07/19(火) 11:21:30.23 ID:WoUR+QbG
以上で今回は終了です。
リアルの方が忙しかったのでかなり遅れてすみませんでした。
まだまだリアルの方が忙しいので次の投稿も遅れるかもしれません。
まあ、待ってる人なんて少ないでしょうが・・・

319 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 12:02:34.40 ID:j2iju30a
投下乙
待ってるよ・・・!

320 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 13:47:32.45 ID:WsKbRn7n

何故か男塾を連想した

321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 13:55:58.98 ID:qc3hPWRe
投下乙
待ってますよ

322 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 19:19:49.41 ID:T+hc9G0p

なんか会話中のギーシュにアルマースがダブって見えるイメージ・・・

323 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 20:00:26.82 ID:mnmNbHEk
ぶっちゃけ、ゼロ魔側をあまり遵守しなければ、いくらでも面白いのって書けそうな気がするけど
ここの人たちはそういうのあまり好かないみたいだから難しいね

ゼロ魔側を遵守すると縛りがキツくて書く方が大変なだけだと思うべ
読んでる方もフラストレーション溜まりそうだし

324 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 20:08:12.27 ID:OtAaT7a7
いやいやご立派さまとかあるし暴走してても面白ければ人気は出るよ
提督なんかは賛否はあったけど投下後の盛り上がりっぷりから言っても人気はあったし
結局は文章力とか展開の面白さとか総合して決まるだけと思う

逆に遵守したって面白くないもんは面白くない

325 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 20:20:26.57 ID:WoUR+QbG
そもそも尊重ってどういう基準なんだろうね
シナリオ通りってのは違うだろうし
あれかね?どっちの作品のキャラも噛ませじゃなければいいのかね?

326 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 20:25:22.20 ID:b/EyJMmw
ご立派さまはともかく提督をその例にあげるのはどうよ
蹂躙だと受け取って嫌厭してた層もかなり居たぞ

>>323
なあ、ゼロ魔側をあまり遵守しないならゼロ魔とのクロスにする意味は、メジャーな作品とのクロスだから目につきやすいとか以外に何があるんだ?
キャラ性や雰囲気ってのはゼロ魔の設定から生えてきてると思うが

327 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 20:29:05.07 ID:IBbNSJU9
何でいきなり遵守だとか言い出して
荒れやすい話題をしようとするのかが分からない

328 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 20:30:54.36 ID:ANcJ3hQl
避難所へどうぞ

329 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 20:31:48.27 ID:T+hc9G0p
クロスで蹂躙になるのを防ぐなら
逆にクロス先の要素でゼロ魔キャラを強化しまくればいいじゃない

などと言ってみる

まぁ扱い次第じゃ強化ギーシュが超傲慢なままとか良くない結果になりかねないから
フーケやワルドがラスボス級くらいがいいか
ワルドにセラエノ断章持たせてみるとか

ふとギーシュがテッカマンになったけど結局ギーシュでしたってなSSの存在を思い出した
ダガーは本当はラダムテッカマンで一番の功労者なのに・・・

330 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 20:37:31.01 ID:QVABeD/5
フッ…いくらギーシュとは言えど、この至近距離からのボルテッカでは一堪りも…何ぃ!?

331 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 21:01:31.54 ID:mnmNbHEk
この話題で何で荒れると思うのかが分からんな
皆が皆、ゼロ魔大好きゼロ魔最強みたいに思っているわけじゃないんだぞ?
クロス先がゼロ魔に合わせて不当に弱体化したりしたのを見たら不快に思う人もいるだろ
そういう人を排除してまでゼロ魔至上主義を貫きたいと言うなら何も言わんが

332 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 21:03:25.21 ID:VJOGg+Mv
>>325
萌え萌えさんとか順序変えてるけど結構イベントは原作準拠だよね。
ウルトラさんとかも。

わけがわからないよ

333 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 21:19:21.57 ID:OtAaT7a7
>>326
でも面白いと絶賛する層も同じくらいいた>提督
そうやって派閥ができて論争になるくらいの作品は人気があると言えるさ
つまらないものは反応すらこないからね…

とはいえSF系作品とのクロスの難しさを実感させてくれた作品でもあるな
発達しすぎた科学は魔法みたいなもんって言う言葉があるだけに
宇宙を航行するような世界とクロスさせたときに
うっかりするとハルケギニア側の魔法が意味をなさなくなるよね
かといって人間一人だけ読んだってサイトの場合とさほど変わらないことになっちゃうし
他のジャンルの作品から呼ぶのに比べて難しいとは思う

実はマクロスFとのクロス書けないかなと考えたことはある
でも上記の理由から自分で書くのは諦めた
劇場版後編のクイーンとフォールド直後のアルト呼ぶとか
バジュラの幼生とか考えては見たんだけどね〜

前者は最後はアルトを戻さなきゃいかん
=マクロス世界とつながるか、マクロス世界の銀河の星のひとつがハルケギニアにするか
=提督の二番煎じになりそう、であきらめ
バジュラ幼生は幼生のうちはいいんだけど成長後チートすぎるので諦めた
小ネタにするにもやっぱりモンハンのグラとかの二番煎じに…

334 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 21:25:17.44 ID:y4ezmMxd
なんで荒れそうかって
『ぶっちゃけ、ゼロ魔側をあまり遵守しなければいくらでも面白いのって書けそうな気がする』
なんて戯言言ってるからだろ
そういう事は『ゼロ魔を遵守してないけど面白い』SSを書いてから言えっつー話

つか避難所でやれ

335 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 21:25:49.01 ID:04VNWi0h
ゼロ魔はアニメしか見てないって人もいると思うけど
アニメを元にSS書くと大抵原作が云々言い出す人が多い。

個人的にどっちか読む or 見てればいいと思うけどなぁ

336 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 21:28:47.63 ID:OtAaT7a7
避難所でやるまでもなく結論は出ているような
「遵守してるかどうかは元より大した問題ではない、要は出来」

337 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 21:29:08.08 ID:mYeJhJoq
>>331
なんで至上主義とか言い出すのかがわからんが
「ゼロ魔側をあまり遵守しなければ」ってことはクロス先は遵守するってことだろ?
対等に扱う気がないっていってんだからそのクロス先「だけ」が好きな人以外は楽しめないでしょ

338 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 21:32:40.85 ID:mnmNbHEk
戯れ言も糞も、ゼロ魔キャラより明らかに強いキャラを
あーだこーだ理由付けてゼロ魔キャラに負けさせてゼロ魔TUEEEEしてる作品が面白いか?
このスレ、そんな作品ばかりじゃん

そんな無理から勝たせる為に苦労するよりも、ゼロ魔側を遵守しない方が楽じゃんって話なんだが

339 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 21:33:54.95 ID:rn5hYE2B
原作といえばノボルの病状について追加情報はないかな

340 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 21:36:10.43 ID:/TAVpb3E
とりあえず誰かお前がそう思うんならryのAAでも貼っといてやれ

341 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 21:39:49.07 ID:OtAaT7a7
>>338
文句言う前にまとめサイトで色々読んできなさい…
君の言うゼロ魔TUEEEに当てはまらない作品も沢山あるからさ
とりあえず完結済み作品のご立派とか提督とか
小ネタの「いっぱい食べたら大きくなった」とか他にも多量にあるぞ

というかゼロ魔TUEEEの作品ってそんなにあったかしら?

342 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 21:42:16.34 ID:MQ7+EeVY
提督は荒らした騒動があったから特に有名になっただけで
それ以前は別段特別目だって抜きん出た存在でもなく並みの上ぐらいの人気で、他にもっと人気がある作品が大量に有った訳だが

343 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 21:49:24.42 ID:DGs/ntgv
「遵守」の意味を俺だけ勘違いしてるのかと思って辞書引いた

344 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 21:53:31.83 ID:j2iju30a
よく分からんが・・・落ち着きたまえ^^

345 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 21:59:23.01 ID:WoUR+QbG
個人的にはおもしろければそれでいいんだけどな
まあ、大前提としてどっちも尊守はしたほうが角はたたないだろうけど

346 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 22:01:09.96 ID:SqLIe2w2
つか提督は作者が蹂躙だとわかってて書いたって言うこのスレの黒歴史じゃん。

347 : 忍法帖【Lv=24,xxxPT】 :2011/07/19(火) 22:03:34.05 ID:fKJpXPQe
そんなくだらないことよりもおっぱおについてかたらないか?

348 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 22:04:42.17 ID:WX46cg/g
ギーシュが勝てそうで召喚したらおもしろそうなやつ……

もうワスピーターでいいんじゃね?

349 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 22:06:18.28 ID:T+hc9G0p
とっくに出たレスだとは思うが
巨乳を召喚して
ルイズの周りを巨乳だらけにして
コンプレックスを増大させて虚無力アップ

とりあえずパッと思い浮かんだのはミヅキ立花(エンジェルブレイドorグラヴィオン)

350 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 22:09:50.38 ID:dtEUiwPP
バリならエクスカイザーだろう

351 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 22:12:14.69 ID:OtAaT7a7
でも作品としての出来は良かったよ>提督
作者の意図がどうあれ重要なのは作品の出来だろう
それに両世界共存のハッピーエンドで終わってたのに蹂躙というのは大げさに思える

と、ググってるうちにうっかりヘイト系見ちゃった者としては思う…orz

352 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 22:12:41.22 ID:J0IWoKKJ
「ゼロ魔SSを語るスレ」の方で、クロスものが話題に上ると
>>338と同じ論法で 「つまんね〜」と散々に貶し、「クロススレから出てくんな!」と言うヤツがいるけど
ひょっとして 本人?

それとも にじファンの「がろうでん」センセ〜ですか?

どっちでもいいから、巣にお帰りください。

353 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 22:13:14.74 ID:tOHcRUqc
>>349
巨乳巨乳言ってるからその後の虚無が虚乳に見えた
まあそれでも意味は通るんで別にいいかと思った

354 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 22:18:46.71 ID:OtAaT7a7
くっリロードが遅かったか

ギーシュが勝てそうな奴?
PSOののラッピーとか(かといって死なないのでちょうどいい)

355 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 22:19:02.96 ID:ZkMMg7Rm
>>352
黙ってNGにしとけ

356 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 22:19:06.16 ID:I0tsqFRR
とりあえず、

「そこまで言うなら自分で書け」

と言っておく。

357 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 22:25:18.33 ID:yq8NvSjm
>>335
アニメは原作レイプ三つあげよって言われたら真っ先に思い出す出来だもの……

>>338
だから、そう言うのは他所でやれってば

358 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 22:27:29.19 ID:hUx9ZwaD
>>353
俺のアイスコーヒー返せwwwwwwwwwwww

359 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 22:30:31.25 ID:yq8NvSjm
>>333
>かといって人間一人だけ読んだってサイトの場合とさほど変わらないことになっちゃうし
最初のわずかな差異から、物語が進むにつれて原作から離れて行く過程がクロスものの楽しみだと思う

360 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 22:31:52.59 ID:yq8NvSjm
>>353
でも、ルイズは虚乳じゃないんだぜ? 周りがでか過ぎるだけさ。

361 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 22:49:00.00 ID:J0IWoKKJ
>>333
マクロスFなら クラン・クラン召喚でも面白いんじゃね?
巨人で召喚するか、それとも子供姿か。
マイクローン装置をどうするか。学院の宝物庫?タルブ村?ロマリア?
ルイズの失敗魔法を浴びると 巨人化したり小さくなったりするとかの独自設定にしてもいいし。
生身の巨人が出てくる話って見かけたこと無いんで、書き手の腕次第で色々出来そう。

362 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 22:51:21.83 ID:SCvnUW+2
>>323
そこまで変えたいんなら世界設定やら摘んでオリとして書いたら?
わざわざゼロ魔でやらなくていい気がするんだけど

363 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 22:53:51.72 ID:RECCOgte
>>360
えっ

364 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 22:56:14.57 ID:OtAaT7a7
>>359
それは分かる、分かるんだが
SF系だとキャラ自体は普通の人間なことが多いから難しいかなと。
個性の強い奴だったら面白いんだけど常識人だと特に難しいと思う
マクロス系だったら7のバサラ呼んだ小ネタあったが、あんくらい個性的なら差異も書きやすそうなんだけどね

マクロスFキャラで試しに考えてみた

アルト:紳士的に守ってはくれそうだがイベントの差別化はどーしたもんか
せめてEXギアつきで飛べるようにしてやりたいとこ…
シェリル:ルイズと衝突しそう。そしてキュルケとの関係みたいな感じで仲良くなるか
ランカ:ルイズと案外いい関係築きそうな?何気に腕力あるので普通にガンダもできそう。
ミハエル:召喚した瞬間エルフ呼ばわりか?女好き繋がりでギーシュと絡ませたい
クラン:召喚した瞬間(ry)戦闘向きなので順当にガンダとして活躍するか?

…あれ、案外面白い変化を見せそうな気がしてきたので前言撤回w

365 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 22:57:10.83 ID:hUx9ZwaD
Wとゼロ魔で書こうとしてますが、作者はこうしなきゃいけないみたいなルールってありますか?
もしありましたら教えてください


366 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 22:58:48.52 ID:WX46cg/g
エレ姉の方がトップちいさいんだっけ?

クギュで巨乳かー
マイライブラリーにはないなー

367 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 23:00:14.91 ID:hUx9ZwaD
>>366
くぎゅで巨乳?シャドウりせでおk

368 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 23:01:19.94 ID:j2iju30a
>>365
1.作品タイトルとコテを付ける
2.投下する時は数分前に宣言
3.終了時も宣言
4.規制を食らったら避難所で報告
5.作品の序盤は様子見読者が多い為、反応が少なくても泣かない
(アルビオンくらいまで頑張ればファンも付くだろう
6.謙虚に振舞えッ

369 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 23:01:31.19 ID:WoUR+QbG
>>366
クギュの声で巨乳と言えば、うたわれるもののカミュがいるじゃないか

370 :使い魔のW/メイジと探偵 ◆up56zIKAoE :2011/07/19(火) 23:06:34.61 ID:hUx9ZwaD
こんな風で大丈夫ですかね?

それじゃ早速、23:15に投稿開始します……まあ、呼び出される以前からなのでプロローグになりますが

371 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 23:11:30.06 ID:SnxIpsPm
一応支援

372 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 23:13:32.79 ID:j2iju30a
>>370
やるじゃない

因みに規制食らった時の避難所報告も

1.今回の投下をこれで終わらせる(という宣言の代理レスをお願いする)
2.避難所で投下を続けて誰かに代理で転載してもらう

の2パターンがあるから好きなほうを選ぶべし。代理有志が不在でも泣かない

373 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 23:13:47.97 ID:y4ezmMxd
>>365
>>368に追加するなら
「一度書き始めたら責任を持って書き切る」
あんまり守ってる人居ないけど

374 :使い魔のW/メイジと探偵 ◆up56zIKAoE :2011/07/19(火) 23:18:15.47 ID:hUx9ZwaD
>>371
支援ありがとうございます

>>372
いろいろとありがとうございます!

>>373
頑張らせていただきます!


では、次から投下開始します

375 :使い魔のW/メイジと探偵 ◆up56zIKAoE :2011/07/19(火) 23:22:23.82 ID:hUx9ZwaD


―――プロローグ――



2012年3月○日
ここは風都、幾つもの風車が立ち並ぶ風の吹く町。町の象徴である『風都タワー』には、一年前に起きたとある事件で壊された一際大きい風車が取り付けられており、今は完全に修復されゆっくりと回転している。



そんな風都タワーからそう離れていないある廃工場にて、見た目の状況からは二人の……しかし、実際には『三人』の戦士が牛のような姿をした怪人と戦っていた。

彼らはこの町を守るヒーロー、『仮面ライダー』である。

牛の怪人は2対1では分が悪いとばかりに逃げ出そうとする。

「この牛野郎、待ちやがれ!」

黄緑の右半身に黒い左半身、そして透明の中央を持った赤い目の仮面ライダーの左側から、怪人を呼び止める声がし、そのまま追いかける。

「翔太朗、奴のメモリは秀でたスピードとパワーが特徴の『バッファロー』だ。このまま走って追うのは得策じゃない!」

「ならば俺の出番か……!」

次いで右半身から左半身に向けて、別な声が注意を促す。そこに赤い仮面ライダー『仮面ライダーアクセル』が、バイクのスロットルのような形をしたベルトのバックルを外すし、両手で持つ。

「ふんッ!」

376 :使い魔のW/メイジと探偵 ◆up56zIKAoE :2011/07/19(火) 23:25:46.55 ID:hUx9ZwaD

アクセルがバックルを掴んだまま飛び上がると――――アクセルは瞬く間に変形し、その姿を赤いバイクへと変える。『仮面ライダーアクセル バイクフォーム』である。

「二人とも、乗れ!あのドーパントに追いつけなくなるぞ!」

見れば牛の怪人『バッファロードーパント』は高速で直進し、三人との距離をグングンと広げていく。
三色の仮面ライダーは小さく頷いてからバイクとなったアクセルに飛び移り、バックルを一度中央へと寄せるようにたたむ。


アクセルは一気に加速する。そのスピードはドーパントのそれを大きく上回っており、広がっていた距離が嘘のように縮まっていく。

「くっそう、仮面ライダーめ……うおおおおぉぉぉ!!」

ドーパントはこちらを一瞥し、距離が縮められていることを確認するや否や、最早逃げるのは不可能と判断して反転してこちらへと突っ込んでくる。
しかし、それは大きなミスだった。三色のライダーがたたんでいたバックルを再度広げる。



377 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 23:27:14.62 ID:j2iju30a
支援

378 :使い魔のW/メイジと探偵 ◆up56zIKAoE :2011/07/19(火) 23:27:54.84 ID:hUx9ZwaD

『エクストリーム!マキシマムドライブ!』

「「ダブルエクストリーム!!」」

ベルトから機械音声が流れると同時に膨大なエネルギーが三色のライダーの足に集約し、同時に飛び上がる。アクセルに乗っていたことによって助走は必要のないものとなっていた。

「「はあああぁぁぁぁっ!!」」

「う……ぐおおおおおお!!」

三色ライダーのキックをまともに食らい、ドーパントは無残に爆散する。爆発による土煙が無くなった頃には、一人の男性が気絶している隣に『B』と書かれたUSBメモリの様な物『ガイアメモリ』が砕けて転がっていた。




「……左、フィリップ、俺はこいつを署に連行してくる…所長によろしく言っておいてくれ。」

「ああ、分かった……財団Xのこともある、しっかり尋問してくれ、照井 竜。」

379 :使い魔のW/メイジと探偵 ◆up56zIKAoE :2011/07/19(火) 23:30:02.94 ID:hUx9ZwaD

アクセルは変身を解き、二人に別れを告げると男に手錠をかけてどこかへと連れて行ってしまう。おそらく警察署に向かったのだろう。
仮面ライダーアクセルに変身する男『照井 竜』は風都署の刑事である。その伝手で様々な情報も提供してくれているのだ。

「……なあ相棒、このメモリ……出ドコはやっぱりいつかの…」

「ああ、非公式の販売グループ…その可能性は極めて高いだろう。」

右側からする声に落ち込むように俯く三色のライダー。気休めにとメモリへ手を伸ばし――――伸ばした先に巨大な鏡のようなものが現れる。


「うおっ!なんだこれ!」

一度伸ばした手は止まらず、情けない声を上げながら急に現れた鏡に指先が触れる。
しかし驚くのはそこからだった。鏡はライダーを飲み込もうと触れた指先からその腕を飲み込みだした。

380 :使い魔のW/メイジと探偵 ◆up56zIKAoE :2011/07/19(火) 23:32:07.30 ID:hUx9ZwaD

「な、なんじゃこりゃあぁぁ!!?」

「しょ、翔太朗、落ち着くんだ!」

「落ち着いてられっかあぁぁ!腕が!うでがぁぁぁ!!」


左側が錯乱しながらジタバタしている内に、体の半分が飲み込まれてしまう。

「……だめだ、エクストリームでの無効化が間に合わない!」

「うおおおおぉぉ!!?」

突如、ライダーを飲み込もうとする力が強くなり、程なくして鏡の中へと全身を飲み込まれてしまった。


最後には鏡のみが残り、その鏡も消えようとするが―――

――――――ギャオオオォォォ

小さな白い何かが不気味な雄叫びを上げてその中へと飛び込む。
次こそ鏡は完全に消え失せてしまった。



次の日、風都では二つの事件が同時に起こる。

仮面ライダーが一人と探偵が二人、この町から消えてしまった。

381 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 23:34:42.75 ID:fVikhfH3
ダブルのSS!?
私聞いてない!!




嫌いじゃないわ!!

382 :代理:2011/07/19(火) 23:44:55.16 ID:WTtEAPYY
418 名前:使い魔のW/メイジと探偵 ◆up56zIKAoE[sage] 投稿日:2011/07/19(火) 23:42:32 ID:RaL7nGHw
さるくらったので、こちらにレスします。どなたか代理をお願いします。

以上で本日の投下を終了します。

明日か明後日には1話を投下したいと思っています




383 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 23:50:59.70 ID:I0tsqFRR
乙。

それと忍法帖には気をつけろ。

384 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 23:52:29.60 ID:j2iju30a
ふふっ さっそく だいりいらいをつかっているな
そうやって ひとびとのこえ に みみをかたむけるのだ

投下乙

385 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/19(火) 23:59:34.92 ID:fVikhfH3
アクシデントの無い初投下など、スパイスの効かない料理だよ

Nobody's Perfect
乙です


386 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 00:01:10.78 ID:yeuaXuRc
ところで、バッファローのメモリってもしかしてUSBとかけてんのか。

387 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 00:14:54.66 ID:W1Nsr9mM
こいつ・・・かなりの切れ者

388 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 00:19:15.01 ID:n3r+JyAK
思ったけど、ダブルの片割れだけが召喚された場合

変身はできるのだろうか

389 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 00:35:12.00 ID:QTA6zxRp
そこに気づくとは…やはり天才か

390 :使い魔のW/メイジと探偵 ◆up56zIKAoE :2011/07/20(水) 00:38:47.66 ID:yobQxU0F
テスト

391 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 01:03:47.66 ID:elyAl4nM
Wは絵はかなり前からあったけどとうとうssがやってきたか

392 :NEVER〜新たなる戦いinハルケギニア:2011/07/20(水) 02:44:11.53 ID:yTHSC/Kc
皆様、お久しぶりです。
先日、仮面ライダーエターナルを視聴して、ようやく執筆を再開した旨を報告させて頂きました。

その中で、以前書いた奴をエターナルの設定などに準じて手直ししたので
仕切り直しの意味も含めて、再度投稿させて頂きます。
まとめWikiにも掲載されてないし、別にいいよね?
答えは聞いてない!(作品違う!)

え、では改めまして、仮面ライダーWより大道克己を召喚。
NEVER〜新たなる戦いinハルケギニア(タイトルも微妙に改題)

2:45より投下させて頂きます。

393 :NEVER〜新たなる戦いinハルケギニア 第1話:2011/07/20(水) 02:46:01.12 ID:yTHSC/Kc
ひやっとした地面の感触。
肌にチクチクと刺さる草の感触。

(………………何だ?)

感触。

死んだ人間。
それも本当の意味で死んだ人間には味わうことが出来ないもの。

(どういう……ことだ?)

すぐに浮かび上がる疑問。

(生きて……いるのか俺は?)

それを証明するかのように、克己は全身で大地の感触を得ていた。

(……俺は奴らにやられ、そして死んだ筈だ)

崩落していく風都タワーの中、仮面ライダーWの蹴りが自らを貫いていったことを今この時も覚えている。
死ぬことを知らない筈の肉体は崩壊し、そして消滅した。
あの時、風都の仮面ライダーより与えられた『死』は完全なるもの。
そう、自分はあの時、本当の意味で死んだのだ。

それはこの身に受けた彼だからこそ。
一度死んだことがある彼だからこそ分かる。

それが何故、今こうして『生きて』いるのだろうか?



克己が最初に死んだのは、子供の頃である。

克己は子供の頃、心臓が弱く病弱であった。
だが、その頃の彼は母親思いの心優しい少年でもあった。

ある日、克己の心臓移植が決まった。
手術が成功すれば、もう病院へ通わなくても済む。
大好きな母親へ迷惑を掛けなくて済むと、彼はその日を待ち望んでいた。

そして、手術が決まった日、克己は珍しく外出していた。

394 :NEVER〜新たなる戦いinハルケギニア 第1話:2011/07/20(水) 02:47:16.80 ID:yTHSC/Kc
コピペミスった、間違えた(汗)
もう一度投稿し直します。

2:48くらいに改めて。

395 :NEVER〜新たなる戦いinハルケギニア 第1話:2011/07/20(水) 02:48:27.41 ID:yTHSC/Kc
「ハァァァァ!!」
「ぐわぁ!……こ、これが!?……そうか、これがぁ!!」
「そう、これが……『死』だ。大道克己」
「……久し振りだな、死ぬのは。ハハハハ!ハハハハ……うわぁあああ!!」

破壊され落下していく風都タワー。
そこで大道克己は二度目の死を迎えた。
仮面ライダーWの手によって。

それは完全なる死。
大道克己という存在をこの世から消すもの。

……その筈であった。
だが……。



(………………!?)

ひやっとした地面の感触。
肌にチクチクと刺さる草の感触。

(………………何だ?)

感触。

死んだ人間。
それも本当の意味で死んだ人間には味わうことが出来ないもの。

(どういう……ことだ?)

すぐに浮かび上がる疑問。

(生きて……いるのか俺は?)

それを証明するかのように、克己は全身で大地の感触を得ていた。

(……俺は奴らにやられ、そして死んだ筈だ)

崩落していく風都タワーの中、仮面ライダーWの蹴りが自らを貫いていったことを今この時も覚えている。
死ぬことを知らない筈の肉体は崩壊し、そして消滅した。
あの時、風都の仮面ライダーより与えられた『死』は完全なるもの。
そう、自分はあの時、本当の意味で死んだのだ。

それはこの身に受けた彼だからこそ。
一度死んだことがある彼だからこそ分かる。

それが何故、今こうして『生きて』いるのだろうか?



克己が最初に死んだのは、子供の頃である。

克己は子供の頃、心臓が弱く病弱であった。
だが、その頃の彼は母親思いの心優しい少年でもあった。

ある日、克己の心臓移植が決まった。
手術が成功すれば、もう病院へ通わなくても済む。

396 :NEVER〜新たなる戦いinハルケギニア 第1話:2011/07/20(水) 02:50:12.80 ID:yTHSC/Kc
大好きな母親へ迷惑を掛けなくて済むと、彼はその日を待ち望んでいた。

そして、手術が決まった日、克己は珍しく外出していた。
それは、母親へオルゴールを買う為であった。
音楽が大好きだった彼は、母親の為にピアノで演奏した曲をオルゴールとしてプレゼントしようと思ったのである。
ところが、その道中に彼は轢き逃げに遭い、そのまま事故死してしまう。

これが大道克己の最初の『死』であった。

その後、克己は彼の母親である大道マリアが当時研究していた科学技術により蘇生することとなる。
生ける屍、『NEVER』として……。

『NEVER』とは『NECRO OVER』……死を超えるものの略称で、化学薬品とクローニングを駆使した『死亡確定固体復環術』によって蘇生した死人のことであり、また克己たちが所属する部隊の名称でもある。
『NEVER』になると、身体能力は生前の数倍にも増幅され、また不死身とも思えるほどの強靭な肉体を得ること出来る。
そして部隊である『NEVER』は、メンバーが戦闘のプロフェッショナルによって構成されている。
前述の効果に加え、それぞれが元々超人的な戦闘能力を持っている為、『NEVER』は正に無敵の部隊であった。

そんな一見無敵にも見える『NEVER』ではあるが、不死身とも思えるほどの強靭な肉体にも、限度というものは存在する。
それを超えるような攻撃を受ければ、当然肉体は崩壊してしまう。
克己が二度目に死んだ、あの時のように。

また、彼らは死人であるが故に、定期的に特殊酵素を打たなければ、その肉体は元の死体へと戻ってしまう。
つまり、長期戦にはあまり向いてはいないのだ。
そして『NEVER』として生き続けていると、生前の記憶や人間性は次第に失われていき、やがて消えてしまう。
擬似的に生きているだけなので、その脳も段々と朽ちていってしまうからである。
全てを無くせば最早人間ではなく、文字通り生ける屍と化す。

そのように悲しい宿命を背負っているのが『NEVER』である。
克己は『NEVER』であり、そして全てを失っていた。

そう、あの時までは……。



克己は手始めに自らの指を動かしてみる。
すると僅かではあるが、指が自分の意図した通りに動いていることを感じた。

(……動く)

自身の肉体を意のままに操れることが分かると、克己は徐々に動かす指を増やしていった。
指の次は手首、手首の次は肘、と動かす箇所を変えて、肉体の動作に問題が無いかを次々と確認していく。
今のところ、何も問題は無いみたいだ。

「……アンタ、ダレ?」

(……!?)

突然、ノイズのような声が克己の耳に入って来た。
誰かの声が聞こえてくるなど微塵にも思っておらず、克己は驚きを隠せなかった。
声の主を探そうとしても、目の前は相変わらず何も見えぬ闇のままである。

(……そう言えば、目を瞑っていたのだったな)

克己はゆっくりと目を開く。
すると、途端に日の光が差し込み、その眩しさに再び目を閉ざしてしまった。
闇に慣れきっていたこの目には、やわらかな日の光さえ強過ぎる刺激なのだろう。
まるで光が自分を拒んでいるみたいで、克己は少しだけ苛立ちを覚えた。
それに抗うかのように強引に瞬きを繰り返して光に目を慣らしていくと、最初はぼんやりとしていた視界も段々ハッキリしていくのが分かる。

397 :NEVER〜新たなる戦いinハルケギニア 第1話:2011/07/20(水) 02:51:14.78 ID:yTHSC/Kc
そうして、眩しさを感じなくなるくらいまで目を慣らすと、すぐ目の前で唖然とした表情をしているピンク色の髪の少女が見えた。

(さっきの声は……こいつか?)

少女の視線は先程から克己の方へ向けられている。
克己がゆっくりと体を起こすと、それを見て少女はビクッと身を強張らせた。
今まで倒れていた人間が突然起き上がろうとしているのだ、驚くのも無理は無いだろう。
すると、再び誰かの声が克己の耳に入って来る。

「おい、ゼロのルイズが平民を召喚したぞ!!」

その言葉と同時に多くの笑い声が聞こえて来る。
嘲るかのような不快な笑い声。
克己は目だけを動かして周りの状況を探ってみると、先程の少女と同じような格好をした少年や少女たちが次々と目に入って来る。
更に周囲を確認すると、どうも自分は何処かの建物の中庭みたいなところにいるらしいということが分かった。
克己はすぐに身構える。

(囲まれている……か)

自分を取り囲んでいるのが例え少年少女だろうと、克己は警戒を一切怠ろうとはしなかった。
相手を見た目で判断するのが、戦いにおいて一番愚かしいことだと知っていたからである。

(……不快な視線だな)

連中の視線は自分へ注がれており、その目にはまるで新しい実験道具を見つけたマッドサイエンティストのような下卑たものを克己は感じていた。
どう贔屓目に見ても、連中が自分の味方とは思えない。

(こいつら……あいつと同じ感じがするな)

連中を見て、克己はとある少女のことを思い浮かべていた。

克己はかつて、傭兵として仲間と共に某国のテロリストたちと戦ったことがあった。
それ自体は克己たちの日常にとって、特に珍しいことではない。
ただの仕事であり、己の存在を世界中に刻み付けるための儀式のようなものでもある。
そこで克己たちは、強力な超能力を使う一人の少女と出会った。
彼女はドクター・プロスペクトの実験の下、戦うことだけを目的とした超能力兵士の一人だったのだ。

周囲の連中からは、その少女と同じような感じを克己は感じていた。
見た目はただの子供だが、底知れぬ何かを隠し持っているような、そんな雰囲気を。

(それに……)

克己が別の方向へ視線を向けると、そこには一人の中年の男が立っていた。
頭頂部は禿げ上がり、古ぼけた眼鏡を掛けた、一見冴えない男。
周りがガキと言っていい程の少年や少女ばかりなので、男の存在はその中で明らかに浮いている。
だが、克己はその男から見た目とは別のものを感じていた。

(……臭うな)

どんなに隠していても、男から漂って来る血や火薬の『臭い』。
それは、正に戦場の『臭い』であった。
克己にとって馴染み深く、最早そこから去ることも出来ないであろう『臭い』。

間違いなく、この中年の男は兵士……それもかなりの手練のものであろう。
そして、数多くの人間をその手で殺している。
男の見た目や佇まいからはそれを感じさせないようにしているが、同じ種類の人間である克己にはすぐにそれが分かった。
更に男にも周りの連中と同じ得体の知れない何かを感じる。
どちらにしろ、ただの中年の男ではないということは分かった。

398 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 02:52:50.93 ID:yk2Z0CgY
しぇん

399 :NEVER〜新たなる戦いinハルケギニア 第1話:2011/07/20(水) 02:53:30.64 ID:yTHSC/Kc
克己がそんな風に男を見ていると、男の方も克己のことを探るようにじっと見ている。

(……あの男、俺を見ているのか?)

どうやら男も同様に克己から戦場の『臭い』を感じ取ったようである。
戦場での経験や兵士としての本能が男に克己の危険性を察知させたのであろう。

(……………………)

克己もすぐに男を警戒する。
この中では、まず間違いなくあの男が一番強い。
もしも戦闘になった場合、真っ先に始末すべきはあの男だ。
克己は他の連中に見えないように服の中へ手を入れた。

(……無い、か)

T2ガイアメモリとロストドライバー。
この2つは何処にも無かった。
更に服の中を探っていくと、隠しナイフがあることは確認出来た。
それと同時に何時でも抜けるよう柄を握り締める。

(まあ、仕方あるまい。何せ、派手にやられたからな。ナイフがあっただけマシと考えるか)

克己はすぐに戦闘態勢に入ろうとする。
その途端に全身から違和感を覚えた。

(………………!?)

一言で言うなら、重い。
克己の意思に対して、体が瞬時に反応してくれないのだ。
思考に肉体が追いついて来ない。
そういった感じであった。

(目覚めたばかりで、まだ本調子ではない……といったところか)

ただ体を動かすだけなら問題は無かったが、戦闘ともなれば通常以上に体を動かす必要が生じる。
今の克己の肉体は、どうもまだ戦闘が可能となるまでに調子を取り戻せていないようであった。
そんな不十分な状態で、更にナイフ一本だけでは、この男と戦うのに心許ない。
また、戦闘になれば男以外に周りの得体の知れない連中も相手にしなくてはならなくなるだろう。
そうなれば、自身が『NEVER』であることを考慮しても、やはりリスクの方が高い。

男も克己と同じように何やら隠し持っているようで、こちらが不審な動きをしたらすぐにでもそれを抜くぞ。
とでも言いたげにこちらを睨み付けている。

(……チッ!)

克己は舌打ちした。
自分の身に何が起きたのかも、自分を取り巻いている今のこの状況も全く分からない。
だが、そんなことよりも周りを敵に囲まれていることの方が克己にとって大事であった。
戦闘になれば、こちらが圧倒的に不利。
最悪、嬲り殺しにされてもおかしくはないだろう。

そこまで考えて、克己は不敵に笑った。

(フッ……何を恐れているんだ俺は?……死か?再び死ぬのが恐いのか?ハッ!既に死んでいるのに、これ以上死ねるか!)

それは別に強がりでも何でもなく、純然たる事実である。

400 :NEVER〜新たなる戦いinハルケギニア 第1話:2011/07/20(水) 02:56:39.89 ID:yTHSC/Kc
克己は既に死人……そう、『NEVER』なのである。

(それに、この中に俺を殺しきれるような奴はいまい。……あの男ですらな!)

克己がキッと男を睨み付けると、男も身構える。
ここにいる連中が全員襲ってくるなら、一人残らず返り討ちにしてやればいいだけだ。
例えこの身が朽ちたとしても、最後まで抗い続けてやる。
克己はそう思い、ナイフを握る手を強める。
そう、それが克己の『生き』方であった。
もっとも、死んでいる彼にとっては適切な言葉では無いのだが。

(……とは言え、一度体勢を立て直す必要はあるな)

現在のコンディションのまま相手をしても、全員を殺しきることは恐らく出来ないであろう。
仮に殺せたとしても、周りの建物を見る限り、ここにいる連中は全体のほんの一部なのは明白。
戦闘を行えば、敵の増員は必至であった。
いくら克己でも、数の暴力に対抗するには限度がある。
おまけに今の自分は本調子では無いのだ。
最悪無駄死にに終わりかねない。
克己はそれだけは避けたいと考えていた。
死ぬのが怖いわけではないが、何故今自分がこうして動いているのか、それさえも分からぬまま死ぬのは嫌だった。

(……さて、どうしたものか?)

一番良いのは、ここから脱出すること。
状況を打開し、連中を振り切ることが先決であった。
幸い、ここの建物は何処かの収監施設とかでは無いらしく、壁一つを見ても脱出は容易そうであった。
連中さえ振り切れれば、この建物から逃げることはそれ程難しくはないであろう。
そんな風に克己が考えていると、先程の少女が中年の男へ走り寄って来た。

「ミスタ・コルベール!召喚のやり直しをお願いします!」

よく通る大きな声で少女はそう言った。
言葉の意味は分からないが、少女がこの場の空気を全く読めていないことは克己にも分かった。
少女は更に続ける。

「平民を使い魔にするなんて、前例がありません!」
「ミス・ヴァリエール!」

コルベールと呼ばれたその男が声を張り上げた。
そして、こちらを警戒したまま少女を諌め始める。
何を話しているのか、克己にはさっぱり理解出来ない。
取り敢えず、身構えながら二人の様子を遠巻きに伺っていた。
やがて二人の会話が終わると、しょんぼりとした様子で少女は振り返り、ぼとぼと克己の元へやって来た。
そして、少女はため息を一つ吐くと、すぐに無い胸を張ってからやけに尊大な態度で克己を睨み付けた。

「ちょっとアンタ!」

少女は上からものを言うように克己へ言葉を浴びせ掛ける。
その目は何処か怒りを帯びているようであったが、克己のことをまるで警戒しておらず、隙だらけであった。
克己はニヤリと笑う。
少女はそれに気付かずに再び口を開いた。

「感謝しなさいよね!貴族にこんなことされるなんて、普通は……」

克己は少女に皆まで言わせずにその首根っこを捕まえると、自分の元へと強引に引き寄せた。

「え?」

少女が呆気に取られて間抜けな声を上げるか上げないかの内に克己は彼女のその細い首へ自分の腕を巻きつけた。

401 :NEVER〜新たなる戦いinハルケギニア 第1話:2011/07/20(水) 02:58:55.57 ID:yTHSC/Kc
所謂スリーパーホールドの形である。
更に克己はその状態からもう片方の腕で隠しナイフを取り出し、それを少女の喉元へと突きつけると、半ば勝ち誇ったかのような笑みを浮かべて声を張り上げた。

「動くな!」

一瞬の静寂。

克己の突然の行動に周囲の連中は暫く面食らっていた。
やがて、すぐにその場は騒然となる。

状況を飲み込んだその中の数名がまるで魔法使いの振るう杖のようなものを克己へと向けた。
それで何が出来るのか克己には理解しかねたが、連中から武器を向けられていることには違いない。
すぐに克己はナイフの切っ先をぐっと少女の喉へ押し当てた。
そこに迷いや躊躇いは一切無く、少女の首から一筋の血が流れ落ちる。

「杖を下げなさい!ミス・ヴァリエールにもしものことがあったらどうする!?」

それを見るなり、コルベールと呼ばれた男が必死の形相で克己に杖を向けている連中を制した。
その鬼気迫る声に、連中も思わず杖のようなものを下げていた。
克己は笑みを浮かべたまま、少女と共にじりじりと後ろへ下がって行く。

「君!今すぐにミス・ヴァリエールを離したまえ!」

コルベールと呼ばれた男はすぐに克己に向かって言い放った。
口調こそ冷静さを保ってはいたが、その内面では怒りの炎が滾っていることを克己は感じていた。
だが、それと同時に腕の中にいる少女がこの男にとってはそれなりの価値がある存在であることも見抜く。

「ほう……こいつがそんなに大事か?」

克己がそう問い掛けると、コルベールと呼ばれた男はぎりりと音を立てて歯軋りをする。
どうやら図星らしい。
克己は再びニヤリと笑うと、少女を連れてどんどん後ろへと下がって行った。
少女は克己の腕の中でじたばたと暴れることなく大人しくしている。
しかし、その目は強い敵意を持って克己を見ていた。

「アンタ……こんなことしてタダで済むと思ってんの?」

少女はあくまで強気を崩さずに言った。
強がっているわけではなく、本気でどうにかなると思っているようだ。

「タダで済ますさ」

克己もまた不敵な笑みを崩さない。
確かに今の自分は本調子ではなく、敵に囲まれているという厳しい状況でもある。
だが、このくらいの窮地は彼の戦場ではいくらでもあった。
そして、その窮地を何度も脱して来たという自負もある。
また、彼の手には人質もいる。
状況は克己に有利に傾きつつあり、克己は半ば自身の勝利を確信していた。


……だが、克己は知らない。
ここがどういう場所なのか……いや、ここがどういう世界なのかを。


後ずさっていく克己を避けるように、周囲の連中はどんどん道を空け始めた。
克己はそれを確認すると、すぐに少女を投げ捨て、空いたスペースを走り抜ける。

「キャアッ!!」

突然拘束を解かれたことで、少女は地面に思い切り尻餅をついた。

402 :NEVER〜新たなる戦いinハルケギニア 第1話:2011/07/20(水) 03:03:21.32 ID:yTHSC/Kc
克己はそれを後目に持てる力を振り絞って、その場から走り去る。
人質を手放すのは惜しいが、この少女を連れたまま逃走するのは却って足手まといになる可能性の方が高く、得策ではない。
それに、連中を撒くだけならば単体でも何ら問題は無い。
単純な身体能力であればNEVERである自分の方が連中よりも上だし、それならば一人で行動した方が身動きが取りやすい。
克己はそう判断し、人と人の間を駆け抜けていった。

(このまま脱出する!)

「レビテーション!」

その言葉と共に克己の体が地面から浮き上がった。

「!?」

完全に宙に浮いた足は地面を踏むことは無く空回りする。
地面に手を伸ばそうとするが、尚も克己の体は上昇を止めない。
やがて、克己は空中へ貼り付けにされたような形となってしまった。

「……全く、たかが平民如きが貴族に手を上げるなんてね」

やたら気障っぽい少年がそう言いながら薔薇のようなものを手に持って克己の元へと歩いて来る。
少年はフフンと勝ち誇ったかのように笑うと、先程克己が投げ捨てた少女へ向かって言った。

「感謝したまえよ、ミス・ヴァリエール。君の使い魔はこの僕がちゃんと捕まえてあげたからね」
「フン!」

少女は不機嫌そうな顔で少年へそう返す。
どうやら克己に妙な真似を仕掛けたのはこの少年らしい。
少女は先程克己が付けた傷の部分を手で押さえながら克己の元へと向かって来る。
そして、目の前までやって来ると、憎々しげに克己を睨み付けた。

「アンタ……御主人様に向かってこんな真似しておいて……『タダで済むと思っていない』わよね?」

少女は先程克己に捕らえられていた時と同じような台詞を言った。
だが、あの時とは違い、今は克己の方が圧倒的に不利な状況である。
この状況に克己は見覚えがある。
かつて超能力兵士と戦った時に、相手の超能力で仲間が似たようなことになったのだ。

(……なるほどな、道理でこんなガキ共に連中と同じようなものを感じたわけだ。チッ、抜かった。まさかこんな真似をしてくるなんてな)

それは、克己の油断であった。
連中の危険性を察知しておきながら、本調子でないことや現状を把握出来ていないことに焦り、短絡的な行動を取ってしまった。
普段の克己ならば、まず犯さないミスである。

(フッ、久し振りに死んだから、どうも調子が狂っていやがるようだな)

克己は自嘲する。

403 :NEVER〜新たなる戦いinハルケギニア 第1話:2011/07/20(水) 03:04:23.86 ID:yTHSC/Kc
今更犯したミスを反省したところで遅い。
それならば、今この状況をどうするかを考えることにする。
依然、克己は宙に浮かされ、身動きが取れないままである。
いくら自分が『NEVER』とは言え、こうされてしまっては肉体が頑強なことを除いて普通の人間と大差ない。
どうしたものかと思案していると、続々と連中が克己の元へとやって来る。
このままならば連中に捕まってしまい、その後何をされるのか分かったものではない。
その筆頭である少女は暫く克己を睨み付けた後、先程のように一つため息を付いた。

「……まあ、いいわ。罰は後で与えるとして、『コントラクト・サーヴァント』を早く済ませるわ」

少女がそう言うと、克己の体は地面近くまで下ろされた。
手を伸ばせば、少女に届きそうである。
だが、不意をついた先程とは違って、今は手出しをすることが出来ない。
少女は克己の目の前まで顔を近付けると、何やらぶつぶつと唱え始めた。
身動きの取れない克己は、少女が何を仕掛けて来てもそれを防ぐことが出来ない。

(チッ、流石に不味いか……)

『コントラクト・サーヴァント』とやらが何だか、克己には分からない。
だが、ろくでもないことをされることだけは直感的に察する。

「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。5つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我が使い魔となせ」

少女がそう言い終えると同時に克己の額へ杖を置き、更に顔を近付ける。
そしてその唇は今、克己の唇へと重ねられようとしていた。

404 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 03:10:18.11 ID:XtwvCmZi
猿?

405 :NEVER〜新たなる戦いinハルケギニア:2011/07/20(水) 03:11:08.43 ID:yTHSC/Kc
と言ったところで1話終了です。

ようやく規制が解除されたので投下出来ました!
前回投稿した際は、もうちょい先まで話を進めていたと思いますが、
加筆に次ぐ加筆でかなりの文量になったので分け、区切りのいいところで〆ました。

少し前にも同じWネタが投下されていて、同士よ!といった感じで現在も執筆中であります。
それにしても、Vシネは良かった…。

こちらのWは大道克己が召喚されているので、まあ真っ当な展開はしないと思います。
何分、悪のライダーなので。

続きはすぐに投下出来るかと思います。
では、また。

406 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 03:37:55.70 ID:F/ILAQI5
乙でした
しかし、新人の人はできたはしから一気に投稿しようとしますが、それじゃあっというまに息切れしてしまいますよ
これまでの例からも序盤に大量投下した人はストックが切れたらエタる確率が高いです
次々に見れるより終わらずに見れるほうがありがたいので、腰をすえてじっくり発表していってはどうでしょうか

407 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 03:50:52.64 ID:W1Nsr9mM
投下乙

人にはそれぞれ得手不得手があるし
各々一番モチベを保てるやり方で続けるのが一番じゃないかな・・・

408 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 05:26:23.47 ID:5dwzpYt8
モチベ高いうちに出せるだけ出したいってのも解るけど
勢い"だけ"で書くと100%エタるからな
投下後には半日でいいから冷却期間を置いて次回投下分を改めて自分で読んでみて
死んだ人が生き返ってないか、現場に居ない人が喋ってないか、デルフがでしゃばり過ぎてないか、被召喚キャラを間違ってないか
とかのおかしな部分を見直した方が良いと思うよ

あくまで個人的見解

409 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 09:33:59.43 ID:W7tJOuD4
昨日話題に出たゼロ魔側の強化案だがどこまでなら許容範囲だろうか
例えばワルドがガチで光速戦闘可能とかギーシュのゴーレムがパンチ一発で地面に数メートルのクレーター作れるとか

410 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 09:48:25.49 ID:SRTFquf/
正直そういうのは寒い
強化もシナリオ展開の持って行き方とか呼んだ奴で代わるんだから、無理矢理検討してネタ潰ししないほうがいいだろ
俺が考えたネタと言う奴や既存ネタだと騒ぐ奴から、上手いやり方でも駄目テンプレとしてひとくくりで叩く土壌ができてしまうだけだぞ

411 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 10:09:29.66 ID:YRZ1TiAe
エターナルの方乙でした

そういえば大道サイドのA to Zの前日譚の小説が発売されてるらしいですよ

412 :機械仕掛けの使い魔:2011/07/20(水) 11:37:34.34 ID:5O/QuVZr
こんにちは、機械仕掛けの使い魔です
予約等なければ、11時50分から投下させていただきます
 
今回は本編から少々離れ、ルイズの新しい杖とクロちゃんの過去にちょっとだけ踏み込んだ、幕間1を投下します
もしかするとアルビオン編の即座の移行を望んでいる方がいらっしゃるかも知れませんが、僅かながらの寄り道にお付き合いいただければ幸いです

413 :機械仕掛けの使い魔:2011/07/20(水) 11:50:41.81 ID:5O/QuVZr
機械仕掛けの使い魔 幕間1
〜フーケとクロとミー、ルイズとキッド〜


「…やっぱり、ダメだわ…」
 呻きにも似た呟きを吐き、ルイズは自室の机に突っ伏した。太陽は顔を半分ほど隠しているが、ルイズの目の下には、くっきりとクマが刻み込まれている。
 それもそのはず、彼女はフリッグの舞踏会の翌日からかれこれ1日半ほど、一切食事も睡眠も取っていないのだ。
徹夜などとはほとんど無縁の生活だった為、これはかなり堪えている。
 机上にだらんと投げ出された右手には、真新しい杖が一振り。予備として、ルイズが自室に保管していた物である。
物自体は、フーケの手で折られた杖と全く同じだが、一体何がダメなのかと言うと…
 
「どうして、契約が成功しないのよぉ…」
 先日折られた杖に代わり、新たな杖として予備の物を取り出し、契約しようとしていたのだが、これが全くうまく行かないのだ。
「手順は、間違ってないわよね…」
 机の片隅に置いてある書物を開き、杖との契約の手順を確認するが、手違いはない。と言うか、失敗の度に何度も読み返しているのだから、手順の問題ではないはずである。


414 :機械仕掛けの使い魔:2011/07/20(水) 12:00:58.32 ID:5O/QuVZr
忍法帖Lv不足の為、本スレ投下はほぼ不可能なようなので、
以降は避難所の代理投下スレに投下させていただきます…

415 : 忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/07/20(水) 12:28:24.75 ID:6o1CeWwP
支援したいところだけど俺もレベル足りないな

416 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 12:56:29.77 ID:1ShErAkQ
>>338
>戯れ言も糞も、ゼロ魔キャラより明らかに強いキャラを
>あーだこーだ理由付けてゼロ魔キャラに負けさせてゼロ魔TUEEEEしてる作品が面白いか?

それでも霧亥なら・・・霧亥ならガギンバギンってくれる・・・!


忙しい時期とはいえエタりそうな作品がちらほらしてきて悲しいです
夏休みな感じになるのもちょっとあれだが

417 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 13:04:34.08 ID:wumWIfvN
ルイズがヒキニパ神を召喚したらどうなるのだろうか・・・・

ヒデオみたいに嘘とはったりだけで戦っていく・・・
素直にヒデオ召喚でいい気がする

418 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 13:07:29.82 ID:cAmVuzlc
>>416
好きだけど更新止まってるSSを話題にすれば作者のモチベが上がって復帰するかもしれないぜ!

419 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 14:52:39.90 ID:x3k950La
ゼロ魔を強化だの、クロス先を弱体化だのって考え自体がばかばかしいな。
どっちも元々の実力でかつ上手く魅せるのが書き手の腕の見せどころなんじゃないのか?

420 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 15:21:30.19 ID:BHANZ68K
>>419
それが理想だけどそうできない人がいるからこその取り決めなんじゃないの
確かにそれに囚われ過ぎて書き手を責めてる人はちょっと違うかと思うが
まあ少なくとも俺としては「面白いは正義」だから正直どうでもいい

421 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 15:23:37.48 ID:ksVRCQ81
昨夜のネタだけど、SFが難しいのは書くヤツが科学にうといからじゃね?
提督以前に、「亜光速で移動する物体を召喚したら周囲全て吹っ飛ぶ」なんて考えたヤツはいないだろ
「そのキャラ召喚したら」とは、SFでは「その世界と繋がる」という意味だもん
そこを考え始めたら、難しいわな

422 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 15:29:22.68 ID:wumWIfvN
まあ、強いままだと世界1つ簡単に壊せる奴とか
それを相手に戦う奴らとか召喚しても難しいわな

423 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 16:33:15.48 ID:1ShErAkQ
世界レベルなんていかずとも、地味に戦闘能力が高い程度でも、萌えだの学園生活ののりだのにまったくやさしくないだけで、ゼロ魔側は大変なことになるけれどな

>>421
>「亜光速で移動する物体を召喚したら周囲全て吹っ飛ぶ」

いや、そんな次元のもの別に考えるまでもないんじゃ・・・

424 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 16:35:50.23 ID:1ShErAkQ
まあ光速に近づいた物体の運動エネルギーの求め方もわからないのが居たりするから、SSスレでは重要なことになる、のか?

425 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 17:04:37.63 ID:zxovaw6n
考えたヤツがいないんじゃなくて、
「召喚した相手が亜光速で周囲が全て吹っ飛びました。ルイズ即死トリステイン終了のお知らせ」
じゃ普通いいところ一話完結の三流小ネタにしかならんからだろ

提督はシャイターンの門の方に捏造設定を持ち込んでそいつをうまくやったわけだが…
その門があったおかげで自分が帰還できたこととかメリットは完全にスルーしてやたらブリミルをこき下ろしていたな
デキはともかく読んでいて気分のいい作品じゃなかった

426 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 17:23:00.69 ID:XUIuaVXh
ねつ造設定を盛り込むかどうかで、光速云々の使い方は関係ないだろ阿呆

427 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 17:26:56.88 ID:5dwzpYt8
書かない=分からないなんて小学生的推論で話されてもな

つか避難所でやれっての

428 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 17:31:38.68 ID:RnUmDJV6
>>419
ウルトラ、ラスボス、黒魔、萌え萌えなんかは相手側はゼロ魔よりはるかに強力だけど物語成立してるものな

429 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 17:33:47.65 ID:3Ua+SqAy
>>425
田中芳樹自身がそんな感じの書き方(特定の対象を台詞・地の文問わずこき下ろす)するから
結構それっぽい雰囲気ではあった気がするw
気分いいかは別として。

430 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 17:38:05.93 ID:EQh6UZ/9
クロスSSだけ読み漁ってた頃に読んだら面白く感じたけど、
原作読んだあとでまた読んでみたら原作世界自体への嫌悪感がこれでもかと盛ってて見れたもんじゃなかったなぁ。

431 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 17:38:22.81 ID:XUIuaVXh
きっとこの糞スレっぷりは提督が絡んだせいだな
いつもこんな感じだった気もするが

432 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 18:31:46.19 ID:x9fVw6ZQ
一部、
「何でクロスオーバーSSスレに居るの?コイツ(ら)」
と言わざるを得ない香具師らがいるように見える罠

433 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 18:52:23.22 ID:+B4chpqZ
>>425
提督以上にゼロ魔を扱き下ろす作品なんてなろうに行けば腐るほどあるな

434 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 19:02:17.94 ID:wumWIfvN
まあ、SSを書いてない人がSSを書いてる人を全面的に批判するのはちょっと違う気がするけどね
作者自身はこれは面白いんじゃないかと思って書いているわけだから
それをとやかく言うすじあいはない
アドバイスなんかは大切だと思うけどね
そうじゃないと新しく書こうって人を潰しかねない

435 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 19:18:41.91 ID:rVNVK689
戦いとかのほうが書くのが楽なのかね
強キャラよんで日常書いたっていいんだよ

436 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 19:34:22.92 ID:wumWIfvN
>>435
日常と非日常を書き分ければいいじゃない・・・でもファンタジー世界の日常って?

437 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 19:39:15.56 ID:CQIsr8io
レモンちゃん

438 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 19:39:58.38 ID:yk2Z0CgY
魔法が関わっていてもその世界で一般的に行われることが普通に繰り返されるなら日常じゃないかな

439 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 19:44:30.62 ID:JmrnAo4K
日常?
ノートを取り戻す為にトランザムする?

440 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 19:48:17.54 ID:hTMWnuWh
>>435
古い漫画だが、らんぽうに出てきたフランケンシュタインもどき
(軍隊の攻撃すらものともしない戦闘力だが、罵倒されただけで自殺しようとするほど気が弱いw)
みたいなキャラ呼んだら面白そうだな

最初は強そうな亜人召喚したと大喜びだが、ルイズが叱る度に家出したり首くくりそうになるんで
なだめすかしたりと余計な気苦労をしょいこむ破目になるルイズとかw

441 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 19:50:18.92 ID:hfJDsw9Z
BL原稿取り返すため、
警官のみぞおちに掌底打→友達にドラゴンスクリュー→通りすがりの紳士にソバット
最後はヤギに原稿食われる

それが日常だろ

442 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 19:53:59.02 ID:xtO0yZ5a
能力自体はこのスレでも屈指のチートなのに、枯れた老人のように生きつつ
ルイズをさしおいて姉達とラブコメやってるラスボスだった使い魔は
うまく日常と非日常がかけてると思う

443 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 19:55:32.92 ID:yDJd++gR
でもまあ、読んでて

何でこいつがフーケに苦戦してんの?とか
何でこいつがワルドに負けてんの?とか思うことは少なくないな
下手するとギーシュにまで苦戦する場合もあるし

どいつもこいつもバトルに関して素人同然の才人が倒した相手だぞ?
元々が才人より強く、更にガンダールヴとかで強化されてて
何で苦戦したり負けたりすんの?ってのがどうしても付きまとう

444 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 20:08:00.15 ID:QBPHXSRe
>>443
キャラによっては能力を隠したいとかいう制約があるんだけどな

445 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 20:12:34.82 ID:w4Qa3kUx
>>443
そんなこまけぇことは、オモシロけゃどうでもよいんだよ

446 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 20:19:12.11 ID:yDJd++gR
>>444
そもそも制約付ける必要性がない
それこそ不当な弱体化って奴じゃん

447 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 20:22:52.01 ID:5dwzpYt8
だから避難所でやれっての
制約付けるも付けないも作者の勝手だろうが黙れよもう

448 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 20:26:27.60 ID:wumWIfvN
面白いは正義!と思えない人もやっぱりいるんだね
まあ、そういう人たちにとやかく言っても反対意見を言ってくるだけだから
放っておくのが一番なのかね

449 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 20:27:40.42 ID:yDJd++gR
逆の立場で考えてみろよ
ルイズが虚無を使わず、才人がガンダールヴの力を発揮せず
それで敵にフルボッコにされたら嫌だろ?

制約だのなんだの付ける奴はそれと同じことしてんだぞ

450 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 20:37:02.70 ID:m/p2SJiB
最強厨乙

451 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 20:38:07.95 ID:CQIsr8io
NGの時間

452 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 20:39:14.01 ID:C2PQGLRD
尿道結石が痛くて本来の力を発揮できません

453 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 20:45:28.67 ID:VJovEunt
昔、とある専門学校のノベルス学科にいた頃、

生徒「ここには自信あるんですけど」
先生「いや、でもこの設定はなくていいと思うよ」
生徒「でも面白ければいいんですよね?」
先生「だから面白くないって言ってるんだけど」

と、クラスメイトが自作品について先生とこんなやり取りしていたのを思い出した

454 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 20:56:35.21 ID:camllhDh
>>449
> ルイズが虚無を使わず、才人がガンダールヴの力を発揮せず
> それで敵にフルボッコにされたら嫌だろ?

話の展開次第、としか言いようが無いな
例えば、クロスじゃなくてIFの範疇になるけど、
才人が契約しなかった前提でSS書いて話として面白けりゃ
それはそれで有りだろう

まあ、本来能力まで含めてそのキャラ、な訳で、そこを改変したら
その分そのキャラをらしく書ききるのは難しくなって当然
原作なぞる為だけに適当な理由で弱体化させてる様じゃ、
考えが浅すぎて面白いもの書ける訳無いとは思うが

455 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 21:00:05.56 ID:hTMWnuWh
>>453
ゲーム会社とかで普通にありそうなやり取りだなw

456 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 21:01:26.92 ID:EQh6UZ/9
ああ、FFのイラストとかの人

457 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 21:12:38.89 ID:yDJd++gR
>>454
そうそう
結局、原作なぞりしたいが為にクロス先のキャラに無理から制限つけて
安易に釣り合いを取ろうとしてる作品が多いんだよね
それなら才人でいいじゃんって話だよ
才人ですらやろうと思えば無双出来るのに、何でクロス先のキャラは無双したらいかんのか

458 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 21:16:05.73 ID:ESoomTQe
話題がループしてる気がする

459 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 21:18:11.98 ID:5dwzpYt8
>>457
無双したいなら無双スレ行けばいいじゃない
つか避難所でやれって何度も言ってんだろうが

460 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 21:19:29.57 ID:cGJ1XjQT
ループ…


よしここはタイムスリープもので有名な……


ブラックRXを召喚しよう!

461 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 21:29:12.02 ID:kOfOCr9U
そして最後は全員集合で「ゆるざん!!」ですか。
ゼロ魔世界リンチにもほどがある。

462 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 21:33:42.95 ID:rVNVK689
ガンダールブ ショッカーヒラ隊員
ヴィンダールブ ライダー1号
ミョズニトニルン ライダー2号
リブスラ V3

こんな感じの構成で原作追いかけてほしい
多重契約はなしで

463 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 21:38:46.08 ID:5dwzpYt8
>>462
期待して待ってるぞ

464 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 21:39:27.19 ID:ESoomTQe
「RXがいては地球侵略できぬ。だが、RXが別の世界に行けば地球をクライシスのものに出来るかもしれない」

465 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 21:46:51.40 ID:KOtKfRYa
>>457
萌え萌えなんて無双したじゃん。
ニューカッスルでふがくが高度15000から高高度焼夷弾爆撃&ルーデルが
急降下爆撃。
王党派どん引き&ルイズ号泣でしかもそのあと悪魔の双子の無双もあったし。
それでもちゃんと物語は成立しているぞ。

466 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 21:48:13.96 ID:kOfOCr9U
PEACE MAKERからピート・ガブリエルを召還。

時代設定的にそこまで文明が離れていないし、
拳銃もS&Wのタイプ3なので早撃ちを除けば
魔術師に対してそこまでのアドバンテージは無い。
黒色火薬銃の世界なので、弾丸も入手が難しい。

と、思ったら0・0秒の世界+ガンダールブで
クイックドロー! 相手は死ぬ。
だった。


467 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 21:51:37.45 ID:zxovaw6n
「RXがいては俺たちが活躍できない。だが、RXが別の世界に行けばもう全部あいつ一人でいい状況から脱却できるかもしれない」

468 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 22:16:35.48 ID:GvvEo4NI
IDがw


469 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 22:17:48.85 ID:W1Nsr9mM
RXとクライシスは昭和ライダーのパワーインフレがおかしい事になってるし
先輩ライダー達じゃクライシスに勝てない気がs

470 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 22:26:32.35 ID:wumWIfvN
メタルウルフカオスからアメリカ大統領を召喚

変なの召喚して途方に暮れるルイズ
契約する前に逃げ出しゼロ魔世界で大暴れ・・・あの大統領ならやりそうでいやだ


471 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 22:31:34.97 ID:x3k950La
もう皆避難所とかまわりくどいこと言わないで、正直に失せろって言えばいいじゃない。
避難所は隔離病棟とは違うんだからさ。

472 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 22:37:21.47 ID:SRTFquf/
いや、避難所の一部は最初期から隔離病棟なんだけど

473 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 22:37:41.45 ID:cGJ1XjQT
>>469
スピリッツのZXならRXとも互角に戦えるんじゃね?

474 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 22:42:12.34 ID:W1Nsr9mM
>>473
スピリッツはBLACKとRXを登場させないって言ってる以上単純比較できないから何とも

475 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 22:45:00.94 ID:rAvMjM/r
大統領魂は小ネタにあったな


476 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 22:51:45.84 ID:eVfqzfoW
ID:mnmNbHEk
ID:yDJd++gR

何で毎晩 同じ様な文句を言いに来るのかねぇ
ここにアンタの求めるものは無いよ。
悪い事は言わねぇ、他をあたりな。

477 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 23:18:45.16 ID:SRVw8RbL
>>476
ヒュー姐さんかっこいー

478 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 23:25:07.13 ID:eAREko1O
ぶっちゃけ面白かったらなんでもいいです

479 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 23:31:09.42 ID:W1Nsr9mM
ループ村って怖くね?

480 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 23:36:58.75 ID:cWIRtfVp
涼宮ハルヒを召喚→こんな世界いやだ→やり直し→エンドレス

481 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 23:55:30.59 ID:XtwvCmZi
>>480
ストッパーたるキョン同時召喚が必須だな

482 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/20(水) 23:59:30.84 ID:M7M/lsOW
魔法の世界とかハルヒ歓喜だろ

483 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 00:06:20.98 ID:mMmRh/mT
ループもので龍騎から東條を召喚すれば生きてる間に英雄になれるかもしれん

484 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 00:56:16.35 ID:3bK5Z9kX
じゃあもういっそのこと、ほむほむを召喚しちまおうぜ。ループ10回目くらいで。

485 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 01:45:21.98 ID:gAqdEuum
五分後あたりに機械仕掛けの使い魔の代理いきます

486 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 01:49:59.45 ID:/tDd3nlR
投下代理とな!?
許せる!!!

487 :機械仕掛けの使い魔 代理:2011/07/21(木) 01:51:44.08 ID:gAqdEuum
 何がまずいのかも解らないまま、疲労と焦りが蓄積する。頭をブンブンと振り、もう一度杖に意識を集中した。
 とそこへ、散歩と昼寝に出ていたクロが帰って来た。その顔は、見るからに上機嫌である。
極上の笑みを顔に浮かべているクロは、床にメンテナンス道具を広げ、いそいそと自分の身体のメンテナンスを始めた。
「あらクロ、お帰りなさい…何だか妙に楽しそうだけど…」
「ようやく来たんだよ、ロングビルからな」
「来た? …何がよ?」
あまり回っていない頭で考えるルイズだが、思考の歯車が完全に外れてしまっている為、何の話なのか解っていない。
 
 メンテナンスの手を止めず、首だけをルイズに向けるクロ。その顔に浮かぶクマを見て溜息を1つ吐き、続けた。
「フーケとしての仕事だよ。今晩、襲いに行くんだとさ」「あぁ、なるほどね…」
 ようやく理解したようで、何度か頷くルイズ。その頷き方も、夢遊病患者のようで、妙にぎこちない。
「名前は覚えらんなかったけど、平民相手に人攫いみてーな事してるヤツらしいぜ。きっちり懲らしめてやらァ」
表情は、懲らしめると言う表現には似つかわしくないほどに満面の笑顔であった。
 
「…どこの誰かは知らないけど、天罰よね、うん…」
 まともに働かない頭を辛うじて働かせ、件の貴族に降りかかるであろうクロからの『制裁』という名の『私刑』を想像したルイズは、身震いするしかなかった。
 
    +     +     +     +     +     +
 
 ほぼ同時刻、本塔内厨房。ミーはここで、朝から今に至るまで、ずっとマルトーやシエスタたちの仕事を手伝っていた。
当初は飛び入り、かつサイボーグとは言え猫だった為、厨房の面々もどうした物か、と思案したが、いざ余り物で簡単な賄い料理を作って見せると、あっという間に厨房スタッフの一員として、暖かく迎え入れられたのだ。
 
 普段は、とても活気のある厨房である。マルトーを始め、男性コックたちの威勢のいい声が飛び交い、シエスタを筆頭とする給仕たちが慌しく動き回っている。
しかし、この日は違った。スタッフ全員の雰囲気が、異様に重いのである。
 そしてその理由は、夕食の仕込みが終わった直後に判明した。
「…シエスタ、もう準備は出来てるか?」
マルトーの問いに、無言で頷くシエスタ。明朗活発な彼女らしくない態度に、ミーは首を傾げる。
「どうしたのシエスタちゃん、どこか具合悪いの?」
足元に寄ったミーが聞くが、こちらにも無言のまま、今度は首を横に振った。
「ミーくん、シエスタはな…」
重い口を開くマルトー。
  
「何だよそれッ!? そんなバカな事があっていいの!?」
 その内容にミーは愕然とし、同時にやり場のない猛烈な怒りがこみ上げた。その怒りのまま、怒鳴り散らす。しかしスタッフは全員、暗い顔のままだ。
「俺たち平民はな、貴族の命令には逆らえねぇんだよ。貴族が白と言えば白、黒と言えば黒。俺たちだってバカな話だとは思ってるさ。だけど、どうしようもねぇんだ…」
マルトーは、力なく項垂れた。
「マルトーさん、もう迎えの方が来ていらっしゃるでしょうから、私、行ってきます…今まで、お世話になりました…」
ペコリと一礼し、厨房を去るシエスタ。その足取りは、普段の彼女からは考えられないほどに、重かった。
 
 シエスタの去った厨房に、ギギギと、酷く耳障りな金属音が響く。それはミーが、己の拳を全力で握り締める音だった。
その音にギョッとする一同だったが、長くは続かなかった。弾丸のような速度で、ミーが厨房を駆け出たからである。

488 :機械仕掛けの使い魔 代理:2011/07/21(木) 01:55:06.19 ID:gAqdEuum
    +     +     +     +     +     +
 
 ダァンッ、とルイズ私室のドアが開け放たれた。その音に驚いてドアを見やるルイズ。そこには、ガトリング砲を装着したミーがいた。
「クロ、今すぐ準備しろ!」
「ンあ? どうしたよミーくん。オメーがそんなに慌てるなんてよ」
「…あっ、また始めからやり直しだぁ…」
血相を変えて飛び込んできたミーに、さして驚いた様子もないクロと、集中を乱されて完全に契約が失敗したルイズ。
普段通りに過ぎる両名に気が削がれかけたミーだが、すぐに気を取り直し、まくし立てる。
「シエスタちゃんが、モット伯爵とかいうヤツに連れて行かれた」
「モット伯爵、モット伯爵…」「シエスタが、モット伯に…?」
簡潔に事情を説明したミーに、クロは何かを考え込み、ルイズは得心行ったという表情を浮かべた。
 
「ジュール・ド・モット伯爵ね。ある一点を除けば、悪い話は聞かない方よ」
 その一点が、かなり問題があるんだけど、と続けるルイズ。
 モット伯は、政治手腕に関しては良くもなく、悪くもなく、といった具合の貴族である。領民からはそれなりに信頼されており、普段の振る舞いについては、悪い噂も立っていない。
 しかしこれは、あくまでも『領民から』の、『日常』の評価である。モット伯は勅使として学院にしばしば訪れるのだが、その際に美しいメイドを探し、気に入れば夜伽を含めたメイドとして買うのだ。
そのメイドたちにも、当然家族はいる。手塩にかけて育てた娘を、慰み者として買われて喜ぶ親がどこにいようか。
 つまり、近隣へはほぼ秘匿されている、屋敷内での行いに関しては、そのメイドたちの家族からの評価は著しく低い。もはや悪徳貴族と言っても差し支えないのだ。
 
 ルイズの説明を聞き終えたクロは、ニヤリと笑った。
「慌てんなミーくん。オイラもそいつに用があんだよ」
「え、クロがソイツに…?」
予想外のクロの反応に、呆気に取られたミー。
「思い出したぜ。今夜のロングビルのターゲットは、そのモット伯ってヤツだ」
 
    +     +     +     +     +     +
 
 闇が空を覆い始めた頃、ルイズの部屋の扉がノックされた。
「ミス・ヴァリエール、ロングビルです。開けて下さいますか?」
どこで誰が聞いているか解らない寮塔である。さすがのロングビルも、素を出すわけにも行かず、オールド・オスマン専属秘書のロングビルの顔で、ここを訪れていた。
「あぁ、また失敗だわ…。開いてますから、どうぞ…」
契約失敗にまた沈み込んだルイズが、低い声で彼女を招き入れた。
 
 ロングビルは後ろ手にドアを閉めると、アップにしていた髪を解いてメガネを外した。あっという間に『土くれ』のフーケの登場である。
「さてクロちゃん、準備は出来たかい?」
「おぅ、後は着替えるだけだぜ」
着替え、と言う言葉に首を捻ったロングビルの前で、クロは手際よくぬいぐるみを脱ぎ捨てた。銀色のメタルボディが、蝋燭の火を鈍く反射する。
 初めて見たクロのメタルボディに目を丸くするフーケをよそに、クロは腹部ハッチから、純白の何かを取り出した。いや、よく見れば完全な純白ではない。赤や黄色の飾りのような物がくっついている。
 
「そう言えば、今回の仕事には、ミーも着いて行くって言ってるわよ」
 契約の済んでいない杖を机に置き、ルイズが向き直った。
「ミーくんもかい? そりゃ、ミーくんもクロちゃん並みに強いって話だから、あたしとしてはいいけど…」
「モット伯に、用事があるそうよ」
「ダメって言われても、噛り付いてでも一緒に行くからね!」
言いながら、ミーも腹部ハッチから何かを取り出す。こちらはベージュ色と言うか、黄土色と言うか、そんな色の何かに、黒や白の物体がくっついていた。

489 :機械仕掛けの使い魔 代理:2011/07/21(木) 01:56:25.12 ID:gAqdEuum
「アンタたち、それ何なの?」
 クロとミーが取り出した何かに、興味を引かれたルイズが尋ねた。
「言ったろ? 正体がバレねーように、ちゃんと準備するって」
手馴れた様子でその何かを身に付け始めたクロ。ミーも同様に、まるで服を着るかのように、何かを着込んでいく。そして…
「うっし、これで完璧」
 
 ルイズの部屋に、2匹の動物が現れた。1匹はニワトリ。そしてもう1匹は、シャイなワンちゃんである。
「これなら、さすがに猫には見えねーだろ」
軽く身体を動かして、具合を確認したニワトリ…もといクロは、ルイズとフーケの方を向き――青筋を立てた。
「「…………プッ」」
必死で笑いを堪えていた2人だったが、とうとう決壊した。
「あはははははははっ! な、何よその格好…!」
「こ、これは何と言うか…傑作だねぇ…くくくっ!」
両者とも、腹を抱えて笑い転げている。
「た、確かに、ちょっと変な顔かもしれないけどさ…」
部屋の隅で体育座りするシャイなワンちゃん…もとい、ミー。非常に怪しい。犬の体育座りなど、誰も見た事がないだろう。そんなミーの様子に、さらに笑いの渦に落ちるルイズとフーケだった。
 
 青筋の数を増やしたクロがガトリング砲を構えた事で、ようやく事態は収束した。しかし、ルイズとフーケの呼吸は、未だに荒い。
「と、とりあえず手順をもう一度確認するよ――」
 呼吸を整えながら、クロとミーを従えて部屋を後にするフーケ。その背中を見送ったルイズは、すぐに机に向き直り、再び杖との契約手順をなぞり始めた。
 
     +     +     +     +     +     +
 
 2つの月が見守る中、クロとフーケを乗せた荷車が、モット伯の屋敷から直線距離にして100メイルほど離れた場所に到着した。今回の馬役は、ミーである。
最高速度は時速160kmと、クロを僅かながら上回っており、数字の上でも妥当な役回りだが、それ以上に、モット伯への怒りの念が、ミーを駆り立てたのだ。
…夜目が利かないクロが荷車を引くと、途中で確実に事故を起こす、というのも理由の1つではあったが。
「そんじゃ、ちょいと暴れてくるぜ。オメーら、しっかりやれよ〜」
まるで、ちょっとそこまでパンでも買いに行くかのように、軽い口調と仕草でガトリング砲を左手に装着するクロ。続いて右手を腹部ハッチに突っ込み、デルフを引き抜いた。
「おっ、ようやく出番か。待ちくたびれたぜ、相棒!」
「わりぃわりぃ。その分しっかり使ってやっから、気合入れろよ?」
カチィンッ、といつもより高らかにデルフのハバキが鳴る。覚悟完了、のようだ。
「あたしらは裏に回るよ。着いて来な、ミーくん」「ガッテン」
 闇に紛れて、フーケとミーが行動を開始する。それを見届け、クロは駆け出した。
 
 
 …ここから先は、詳細な記述など不要だろう。
 屋敷を囲む外壁の内側は、戦場となった。ガトリング砲が、デルフが唸りを上げ、建物、芸術品、人を一切の区別なく、片っ端から吹き飛ばしていった。
屋敷内各所からの応援も、もぐら叩きのように出て来たそばから狙い撃ちされる。誰一人として、その元凶に近づく事も、魔法を撃つ事も出来なかった。
  そして、この騒ぎを引き起こした元凶たるニワトリ…クロは、終始笑みを絶やさなかった。
ケタケタと笑いながらガトリング砲を乱射し、デルフを振り回す。玄関ホールには無数の弾痕、ヒビが入り、新たな傷が付けられるたびに、ミシミシと不吉な音を発する。
  
 …後に、このメイジ、衛兵たちは、その全員が救出された。
しかし病院のベッドで目を覚ますまでの間、一様に「ニワトリが、ニワトリがぁ…」と呻く事になり、しばらくはニワトリを見た瞬間に逃げ出すほどのトラウマを植え付けられたのだが、ここで語る事ではないので割愛させていただく。

490 :機械仕掛けの使い魔 代理:2011/07/21(木) 01:57:53.82 ID:gAqdEuum
 玄関ホールでのクロの大暴れにより、屋敷各所はあっという間に手薄どころか、玄関ホール以外もぬけの殻となった。ミーとフーケは屋敷裏手の窓から侵入し、それぞれ目的を達成する為に行動を開始した。
 ガトリング砲の射撃音や、それに伴う振動の中、屋敷内を探索するミー。その聴覚センサーに、聞き慣れた声が飛び込んだ。
「この声は…シエスタちゃん!」
昼間に聞いたばかりのシエスタの声だと確信したミーは、その声が発せられた部屋のドアを開け放った。
 
 果たしてそこは、ベッドルームだった。そのベッドの脇で、普段よりも胸元が開き、丈の短いメイド服に身を包んだシエスタが、後ろから中肉中背の男に迫られている。
こんな情景を見せられて、何が行われようとしていたか解らないほど、ミーももう、初心ではない。
「な、何だ? なぜ犬がここにいるのだ?」
突然開いたドアと、そこに2本足で立っている犬に驚く男の顔面へ、額に青筋を4つほど立てたミーが跳び出した。
「何してやがんだ、この外道がぁッ!!」「はぶっ!?」
美しいフォームの回し蹴りが、男の顔面に突き刺さった。
「げ、幻覚か!? 今、犬に回し蹴り食らったような…」
盛大に噴き出す鼻血を両手で押さえながら、軽く焦点の狂った目を正常化しようと、何度も目を瞬かせる男。
 伯爵様!? と慌てて駆け寄ろうとするシエスタだったが、それをミーが制した。気付けば、左手にはガトリング砲。
当初こそ犬の正体が解らなかったが、それを見て、シエスタは犬の正体を察した。
 
 この騒ぎを聞きつけ、部屋に入って来たのは、10人前後のメイドたちだった。みな一様にシエスタと同じようなメイド服を着ている。
しかし、シエスタとは決定的に違う点が1つ。その誰もが、眼から生気が失われていたのだ。
「た、たかが犬が、私の顔を蹴るなど許されると――」
怒りを隠そうともせず、杖を片手にモット伯が立ち上がる。しかし、それを一瞥したミーは、
「オマエはちょっと黙ってろ!」「――おもぶしゅ!?」
口上を最後まで聞かずに、再びその顔へ回し蹴りを叩き込んだ。鼻血でアーチを描きながら、後ろへ倒れこむモット伯。メイド一同は、ただひたすらに困惑したような顔だ。
 
「も、もしかして…?」
 恐る恐る、と言った様子でガトリング砲を指し示すシエスタ。それにミーは、親指を立てて見せた。
「シエスタちゃん、そこの人たちと一緒に今すぐ外に逃げて。玄関ホールはアイツが暴れてるから、適当な窓からね」
部屋の中にあってまだ聞こえる発砲音と、連続して起きる振動に、シエスタも玄関ホールの状況を僅かながらも理解したようだ。
 
 幾分眼に光が戻ったメイドたちを先導し、窓から外へ脱出させたシエスタは、すぐにベッドルームに戻った。
相変わらずモット伯は鼻を押さえて尻から座り込み、シャイなワンちゃんに扮したミーは、その前に仁王立ちしている。
「シエスタちゃんも逃げて。コイツは、オレが人の道ってモンを教え込んでやる…!」
怒気に満ち満ちたミーの声に、シエスタはただ頷くしかなく、メイドたちの後を追ってベッドルームを出た。
 
「や、やめて下さい、ワンコの旦那! あ、あ゛ーーーーーーーーーっっ!!??」
 窓に片足をかけたところで、ベッドルームの方角から、モット伯の絶叫が響き渡った。恐らく、ミーによる制裁が繰り広げられているのだろう。
声から察するに、阿鼻叫喚の地獄絵図、といった様相だろうか。身震いしたシエスタは、それ以上の思考を止め、屋敷の外へと脱出を果たした。
 
 …この後、屋敷から救出されたモット伯は、旅に出た。自分が買ったメイドたちの家を一軒一軒回り、残った財産から慰謝料を手渡していったのだ。その際、彼はメイドの親たちに、こう話したという。
「犬に人の道を説かれた。今後は心を入れ替え、模範的な貴族として振舞う」
 そんな彼の姿を見た屋敷のメイジ、衛兵たちは、トラウマに悩まされながらも改めて、彼に尽くすと誓ったそうな。

491 :機械仕掛けの使い魔 代理:2011/07/21(木) 02:03:39.04 ID:gAqdEuum
 目的の財宝を入手し、壁にいつもの刻印を済ませたフーケは、外へ出て程なく、ミーと合流した。
ミーは未だ興奮冷めやらぬ様子だったが、屋敷に目をやるとサッと顔を青くして、
「急いで離れよう、ここにいると巻き込まれちゃうよ!」
と言い、彼女の腕を引っ張った。
「巻き込まれるって…何にだい?」「いいから、早く逃げなきゃ!」
 状況が飲み込めていないフーケだが、ミーの剣幕に飲まれ、共に屋敷の敷地外へと走り出した。
 
 正門側に回りこむと、人だかりが出来ている。暗くてよく見えなかったが、近づいてみると、全員が同じ服装をしているのが見て取れた。
「ミーくん、無事だったんですね!?」
その人だかりの中から、特に傷を負っているわけでもないミーを見つけたシエスタが走り寄り、抱きついた。
「ありがとうございました、あのままだったら私、伯爵様に…」
嬉しさからか、安心からか、涙まで浮かべているシエスタの頭を、ミーはよしよしと撫でた。
 
「感動の再会はいいんだけどさ、この後はどうするんだい? 手筈じゃ、クロちゃんが脱出ルートを確保するって話だったけど…」
「大丈夫。もうそろそろ、きっちり脱出ルートが作られるから」「もうすぐ?」
 ぬいぐるみを脱ぎながら、ミーは屋敷を指差した。相変わらず屋敷は全体が振動し、壁のいたる所から、パラパラと破片が崩れ落ちている。
 
 突如、轟音が辺りを支配した。猛烈な砂煙が巻き起こり、ミーたちを襲う。あまりにも唐突過ぎて、その場にいたミー以外の全員は、轟音に身を竦ませるしかなかった。
「これが、アイツ流の”脱出ルート”だよ」
もうもうと立ち込める砂煙の中、一同は見た。モット伯の屋敷が、ゆっくりと、地面に沈み込むのを。否、沈み込んでいるのではない。
 ほぼ全体と言っても過言ではないほどに、しっかりと『固定化』をかけられていたにもかかわらず、屋敷は下層から、崩壊しているのだ。
 そして、いよいよ屋根が崩れ落ちようとしたその時、屋敷から1つの影が飛び出した。
「おっ、出て来た」
正門から玄関へ続く通路の中ほどに着地した影は、悠々とした足取りでこちらへ歩いてくる。
「いやー、爽快爽快!」
と、鼻歌交じりに快哉を挙げながら。
 
「…こりゃ確かに、学院のアレが『ちょっと』になるワケだねぇ…」
 感心したような、呆れたような呟きを漏らすフーケ。この惨状を見れば、確かに学院の損壊など、『ちょっと壊れた』で済むだろう。やはり、何の弁護にもならないが。
「あっ、宝物庫のメッセージが無駄になった…」
屋敷全体の崩壊。それ即ち、宝物庫の崩壊も意味する。いつも残して帰る犯行声明が屋敷と共に崩れ去り、フーケはほんの僅かに、肩を落とした。
 
「瓦礫に埋まってりゃ、追って来れねーだろ。んじゃ、帰るとすっか」
その場にいた屋敷の者全員が生き埋めになってしまえば、追っ手など付きようがない。ニワトリのぬいぐるみを手早く脱いだクロは、腹に収めていたいつものぬいぐるみに着替えた。
「ま、待ってくださいクロちゃん!」「ンあ?」
 荷車を置いてある場所まで歩き出そうとしたクロを、シエスタが呼び止めた。
「この子たちは、どうすればいいんでしょうか…」
見れば、救助されたメイドたちは、互いに寄り添うように固まっている。それまで自分たちが働かされていた場所が、一瞬で灰燼に帰してしまったのだ。これからどうすればいいかなど、彼女たちに解るわけもない。
「んなの、決まってんだろ?」
そんな疑問を、クロとミーは軽く打ち壊す。
「元々は学院のメイドだったんだ、戻りゃいいじゃねーか。オスマンジーさんには、オイラから話付けてやっからよ」
「モットってヤツも、ボクがきっちり懲らしめたからね。もう、今までみたいな事は起きないと思うよ」
 不思議な安心感があった。顔をぱぁっと明るくするメイドたち。その脇で、フーケも苦笑していたが、どうにも悪い気はしていなかった。こういうのも悪くない、と。

492 :機械仕掛けの使い魔 代理:2011/07/21(木) 02:04:28.85 ID:gAqdEuum
    +     +     +     +     +      +
 
 その後、ミーによるピストン往復が開始された。まずはロングビルに戻ったフーケとシエスタ、それに3人ほどのメイドを乗せ、学院へと戻る。
ロングビルがいれば、学院の守衛も信用している為、メイドたちを戻すのに都合が良いからだ。
 クロは最後まで元・モット伯屋敷に残り、瓦礫から誰かが出て来ないか見張りをしていた。そして、残ったメイド4人と共に、ようやく学院の門をくぐった。
 
「そう言えばクロちゃん」
 シエスタと、明日の朝食の打ち合わせがあるというミーを先頭に使用人宿舎へ向かうメイドたちを見送りながら、ロングビルがクロに話しかけた。何やら、手元の袋をごそごそとやっている。
「さっき、あの屋敷の宝物庫で、こんな物を見つけたんだ。これももしかして、あんたのじゃないのかい?」
袋から取り出された、鈍く黒色に光るL字型の物を見て、クロはハッとした。
「コイツは…」
「こんな精巧な物、まず作れないからね。バイスとかツインキャノンみたいに、クロちゃんに関係するんじゃないかと思って持ってきたんだけど…その様子じゃ、当たりみたいだね」
「あの時、弾切れして捨てたんだけどな…」
 夜空を見上げ、クロは小さく溜息を吐いた。
    
    +     +     +     +     +     +

 クロがルイズの部屋に戻ると、彼女はまだ、杖を片手に唸っていた。どうやら、契約はまだ終わっていないらしい。
「…あら、お帰りなさい、クロ…」
「おう。…って、オメーそろそろ休めよ…。いい加減、身体壊すぜ?」
頭がグラグラしているルイズに、クロが呆れたような言葉を投げかける。
「これが終わったら、ちゃんと休むわよ…ってクロ、それ何?」
クロが手にしている何かに気付き、興味を示すルイズ。
「あぁ、コイツか?」
テーブルの上にそれを置くクロ。見た目とは裏腹にそれなりの重量があるようで、ゴトリ、と鈍い音がした。
「改造拳銃ってヤツだ。玩具の銃の中身を改造して、実弾を撃てるようにしてあんだよ」
「へぇ、これも銃なのね…」
 改造拳銃に、ルイズが触れた。その瞬間、彼女の脳内に、見たこともない映像がいくつも浮かび上がった。
「ッ!?」
反射的に手を離すルイズ。そして、自分の手と、改造拳銃を交互に見る。
「? どうしたよ?」「う、うぅん、何でもないわ…」
 
 もう一度、恐る恐る改造拳銃に触れた。今度は、何も見えない。
「…ねぇクロ、この銃、ちょっと借りてもいい?」
「そんなに気に入ったのか? 欲しけりゃくれてやるよ、そいつも弾切れだしな」
クロの許可を受け、持ち上げてみた。やはり、見た目以上に重い。だが、ルイズもどう表現すればいいのか解らないが、不思議と違和感なく手に収まるのだ。
 改造拳銃を握ったままイスに座り直すルイズ。すると、原因不明の猛烈な睡魔が彼女を襲った。抗う暇などない。そのままルイズは、眠りの世界へと落ちた。
「…ん、ルイズ?」
 何の前触れもなく机にもたれて眠りに就いたルイズに、クロは少々呆れながらも、その肩に毛布をかけ、自分も絨毯の上で丸くなった。

493 :機械仕掛けの使い魔 代理:2011/07/21(木) 02:13:07.29 ID:gAqdEuum
    +     +     +     +     +     +
 
 ルイズが目を覚ますと、同時に耳をつんざく破裂音がこだました。視界の端で鮮血が飛び散り、血まみれの猫が地面に倒れ伏す。
そして視界の正面には、ニヤニヤと笑いながら、クロから受け取ったはずの改造拳銃を掲げる、帽子をかぶった痩せ型の男が一人。傍には、同じ銃を両手に1丁ずつ持ったガタイのいい男が立っていた。
「ヒャーッハッハッハッ! 見ろよ! この猫の数!」
痩せ型の男が吼えた。
「ここなら思う存分、改造拳銃の試し撃ちが出来るぜ!」
(な、何よこいつら…!?)
 先程の猫を撃ったのは、この男だろう。圧倒的な力をもって、弱者とも言える猫を撃って狂ったように笑うその男に、ルイズは怒りと、戦慄を憶えた。これまでの人生で、こんな狂人は見た事がない。
 
 考えている間にも、男は銃を乱射し、その発砲音の数だけ、血飛沫と重傷の猫が増えていく。後先も考えずに、ルイズは男たちに立ち向かおうとした。しかし身体は全く言う事を聞かず、逆に男たちとは反対の方向へ逃げて行く。
(何で逃げてるのよ、私! って、あれ…?)
 言う事を聞かない身体に歯噛みするルイズだったが、ここである事に気付いた。やけに視界が低いのだ。走っているのは解るが、地面がすぐ下に見える。そして、視界にチラチラと見える、獣のように黒い毛が生えた腕。これでルイズはピンと来た。
(これってもしかして…クロ?)
どうやら今の自分は、クロと視界を共有しているらしい。だがその場の風景は、ルイズの見た事のない物だった。直方体の大きな建物が並び、道には用途も、ゴミかどうかも解らない物体が散乱している。一体ここは、どこなんだろう…?
 
 ルイズが現在地を考察している間に、クロは足を止めた。同じ方向に逃げているクロより大きな猫たちの波に巻き込まれ、身動きが取れなくなったのだ。
 後方では、男たちが相変わらず笑いながら、何やら叫んでいる。その声を聞きながら、ひたすらに他の猫の足元を駆け抜けるクロ。すると、
「おーい! こっちだー!」
小さなトラ猫が、クロを呼んでいた。
「よく無事だったな、えらいぞ!」
 トラ猫が差し出したしっぽを咥えると、2匹は弾丸が地面を穿つ中、走り出した。
「こっちだ! 今グレーたちが、作戦を立ててる」
 
 男たちが、逃げた猫たちを追いかけて通路を走っている。そして瓦礫だらけの広場に差し掛かったその時、傍の建物上から灰色の大柄な猫を筆頭にして、数匹の猫が彼らに襲いかかった。
腕や首筋に的確に狙いを定め、牙を突き立てる猫たち。しかし男たちも黙っているワケがなく、まずは首筋に噛み付いた灰色の猫を引き剥がすと、その身体を銃で撃ち抜いた。
「グレーーーーッ!!」
トラ猫が涙ながらに叫び、痩せ型の男に飛び掛ったが、足蹴にされて地面を数度転がり、瓦礫に叩きつけられる。
 怨嗟の声を上げながら、ボロボロになった痩せ型の男がトラ猫に銃を向けた。が、寸でのところでクロが男の手に噛み付き、銃を手放させた。勢い余って近場の瓦礫に衝突するクロ。クロの視界同様、ルイズの視界も衝撃でグラグラと揺れていた。
「やれェ!! 皆殺しだぁ!!」
 クロに噛み付かれた手から血を流しながら、痩せ型の男が力の限りに叫ぶ。ガタイのいい男は目を爛々と輝かせ、両手の銃をひたすらに撃ち続けた。
逃げ惑う猫だけでなく、すでに身体を撃たれて倒れている猫にまで弾が当たり、辺りは血の海と化しつつある。

494 :機械仕掛けの使い魔 代理:2011/07/21(木) 02:13:44.64 ID:gAqdEuum
「マタタビ…」
 疲労とダメージで身体がまともに動かないにもかかわらず、クロは上体を起こした。弾痕が穿たれた瓦礫の下で、血を流しているトラ猫…マタタビの姿が見える。クロは目的を定め、ゆっくりと這った。
「じっとしてろ…。みすみす殺されるな…」
先程撃たれた灰色の猫…グレーが掠れた声でクロを止めようとする。しかし、クロは止まらなかった。
(あれは…そっか、そういう事だったんだ)
 頭から出血しているのだろうか。真っ赤な血が右目に入り、視界を奪おうとする。だが、止まらない。クロは、力強く這いずる。
(あれは、クロの命懸けの、覚悟なんだ)
「ぎゃーっはっはっは!!」
 ガタイのいい男が、雄たけびを上げた。それと同時に、クロの手が、目的の物を掴んだ。
 
 三度、銃声が辺りに響き渡った。
 
 ――ハシよりカンタンだった

 (仲間を守る為に敵を倒す覚悟が、あの銃なんだ…)
 
 クロが放った銃弾に身体を撃ち抜かれ、2人の男はその場に崩れ落ち、絶命した。
 そして、視界が白く染まり、やがて、何も見えなくなった。

    +     +     +     +     +     +
 
「…クロッ!?」
 使い魔の名前を呼びながら目を覚ましたルイズは、即座に辺りを見回した。
見慣れた、いつもの自分の部屋だった。テーブルの足元では、クロが丸くなっていびきをかいている。
「もしかして…夢?」
夢にしては、この上なく生々しかった。ちょっと目を閉じれば、あの光景が、血の匂いが、火薬の匂いが蘇ってくる。
 しかし、あれだけの事件の最中にいたクロは、今こうして部屋の真ん中で眠っている。
ギーシュやフーケ、そしてモット伯(実際に彼を叩きのめしたのはミーだが)を歯牙にもかけないクロが、あれほどの苦戦を強いられるとも到底思えない。
 見た事のない建物や物体も加味して考えれば、恐らく自分は、クロの過去を見たのだろう。まだ赤い血の通っていた、生身の頃のクロを体験を。
 
 しかし、なぜ突然そんな夢を見たのか、と疑問に思ったルイズだが、ここでようやく、自分が右手に何かを握っている事に気付いた。
「クロの改造拳銃…?」
 クロから受け取った時よりも遥かに手に馴染み、さらに重量をほとんど感じなくなっていた為、改造拳銃を握っていた事に気付かなかったようだ。
 それにしても、先程よりも明らかに感覚が違う。それこそ、以前の自分の杖のように、まるで身体の一部であるかのような錯覚さえ受ける。
 
 ルイズは窓を開けた。朝日と共に、朝の匂いが鼻腔をくすぐる。少し清々しい気分になったルイズは、両手で銃を構え、銃口を空に向けた。精神を集中させ、空中の一点に狙いを定め――
「ファイアー・ボール!!」
大きく目を見開き、トリガーを引いた。
 
ドォォォォォンッ

 どういうワケか、改造拳銃は勢いよく跳ね上がり、ルイズの腕を上に持ち上げた。そして、彼女が狙いを定めた地点で、大きな爆発が起こった。
「うおッ!?」
その爆音に驚いて飛び上がるクロ。反射的にガトリング砲を装着し、窓の外へ向ける。
「…何だ、誰もいねーじゃねーか」
空中に爆発の残滓が見える以外、特に変わった事がないと判断したクロは、息を1つ吐いてガトリング砲を収めた。

495 :機械仕掛けの使い魔 代理:2011/07/21(木) 02:15:04.72 ID:gAqdEuum
 クロが驚いたように、ルイズもこの爆発で驚いていた。失敗魔法とは言え、本当にこの銃で、魔法を放つ事が出来たのだ。
どう見ても杖には見えない、杖を仕込んでもいない、さらには契約すら全く済んでいないこの銃で。
 しかし現に、魔法は放たれた。この銃も、あの夢を見る前とは打って変わって、以前の杖のようにルイズの身体に馴染んでいる。
「ねぇ、クロ…?」「あン?」
大きく口を開けて欠伸をしているクロに、ルイズは先程の夢の件を話そうとして…口を噤んだ。
「うぅん、やっぱり何でもない」
「何だよ、煮え切らねーな」
いぶかしむクロを、何とか笑ってごまかした。
 
 ルイズは考える。恐らくあの夢で自分は、改造拳銃を媒体として、クロの過去を追体験したのだろう。
勝手に過去を覗かれて、いい気分のする者などいるワケがない。あの夢を見たのは、自分だけの秘密にしよう。
 そしてその夢でクロの過去を追体験する事が、あの銃を杖とする契約の儀式代わりになったのではないか。
理由は想像もつかないが、現にあの銃は杖として完璧に機能した。クロとの主従の契約も、何かしらの鍵になっているのかも知れない。
 
「ごめんねクロ、やっぱり1つだけいいかしら?」
「今度は何だよ…?」
 改造拳銃を胸に抱き、ルイズは優しく語った。
「これ、ずっと大事にするからねっ」
 
 最後に、この銃は多くの猫と、2人の人間の命を奪った。だがそれ以上に、クロが仲間を守る為に使った、大切な武器なのだ。粗末に扱っていいワケがない。
 過程はどうあれ、結果としてこの銃は、ルイズの杖になった。ならば自分も、クロのように誰か大切な人の為に、この杖を使おう。
 クロが命懸けで覚悟を決めたように、私も――

496 :機械仕掛けの使い魔 代理:2011/07/21(木) 02:18:38.98 ID:gAqdEuum
以上で幕間1、終了とさせていただきます。幕間という割には、だいぶ長くなりましたが…
 
ゼロの使い魔とサイボーグクロちゃんのクロスを思い付いて、まず最初に浮かんだのは、デルフを担いだクロちゃんと、銃を構えたルイズでした。
お互いの世界の武器を交換して使う、これも私なりに、クロスというジャンルの醍醐味じゃないかなぁ、と思っています
この改造拳銃、アニメでは残虐描写回避の意味合いでしょうが、トリモチを発射する改造銃になっています
原作もアニメもクロちゃんは人を2人、このシーンで殺害しています。しかしトリモチはさすがに…と放映時は思っていましたね
 
次回も、今度はモンモランシーとケティにスポットを当てた幕間を予定しています
今回の投下はかなり期間が開きましたが、次回はそれほどかからずに投下できるかと思います
 
闘病中のヤマグチノボル先生の快気を陰ながら祈りつつ、本日はこれにて締めさせていただきます


代理以上です。作者さま、乙でした
残酷描写といえばオーサムのときなんでも溶かす液は人間だけ溶かさないご都合仕様になってましたが、なんで後半はあんなバイオレンスになったんでしょうね?
まあ後に連載再開されたときは残酷描写は大幅に減ってましたが、やっぱりクロは縁側で丸くなってるのも似合いますよね

497 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 03:24:55.73 ID:W0rxfR+p
投下乙
そして代理乙

498 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 03:28:17.76 ID:s1NsnvS0
>>217
亀レスだけどP4といったらカレー
ヨヨヨースケには是非とも「カレーは辛いか、美味いかだろ!これ、クセーんだよ!!!」
の名台詞をお願いしたいw

499 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 05:51:38.02 ID:EHjJcGKR
クロちゃん乙
面白かった

500 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 06:14:10.95 ID:VhUaQbhR
投下乙

501 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 09:24:33.92 ID:XIm2qwYX
>>498
ムドカレーか。ルイズが手料理作ってもあれに迫れるんじゃないかという気はするw

502 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 09:40:01.95 ID:3mVuIN8r
9:50から「ゼロみたいな虚無みたいな」の代理投下いきます

503 :ゼロみたいな虚無みたいな@:2011/07/21(木) 09:51:08.59 ID:3mVuIN8r
「ゼロみたいな虚無みたいな episode3」

 窓を通して木漏れ日が差し込み、小鳥の囀りがかすかに聞こえてくるルイズの自室。
「朝ですよー」
「んー……」
 朝を告げる声と頬を何かがつつく感触に、心地よく眠っていたルイズは目を覚ました。
「起きてっ♪」
 ベッドに入ってきたあぽろがそう言いつつ後方から抱きついてきた事に気付いて、ルイズは目を見開く。
「なっ、何でベッドに入ってきて起こすのよっ」
「さあっ、今日は海に行くんだから準備準備♪」
 赤面したルイズが飛び起きてそう尋ねると、あぽろはウインクしながら彼女を海へと誘った。
「海? いつよ……」
 まだ完全に眠気が取れていない気だるげな表情で尋ねたルイズにあぽろは満面の笑みで、
「うん、今日です」

「なっ、何でこんな朝早くに……」
「いっそげ、急げー♪」
 魔法学院から程近い森の中、小さな鞄片手に進むあぽろを大荷物を抱えたルイズが息を切らしつつ追っていた。
「そんなに荷物持ってくるからだよー」
「反対に海行くのにアポロの荷物の少なさは怖いわよ」
「あ!」
 茂みをかき分けたあぽろの目の前には……、
「着いたあ!」
 木々の間から見える限り青い空に青い海という、素晴らしい絶景が広がっていた。

504 :ゼロみたいな虚無みたいなA:2011/07/21(木) 09:52:18.96 ID:3mVuIN8r
「あら!」
「おはよう」
 到着したあぽろ達をスイカを抱えたキュルケ・麦わら帽子姿のロングビルが出迎え、その向こうではタバサ・シルフィードが追いかけっこをしていた。
「えっ、みんなも来てたの? ミス・ロングビルまで……」
「今日は泳げないルイズちゃんをみんなで特訓なんですっ。ちゃんと単位貰えないと、夏休み補習になっちゃう! そしたら遊びに行けなくなっちゃうでしょーっ!」
 そう力説するあぽろの脳裏には、ルイズと過ごす夏休みの楽しい日々が次々浮かんでいた。
「確かに泳げないとって思ったけど、何でプールじゃなくて海なのよ?」
「お昼はバーベキューだよ♪」
 満面の笑みを浮かべつつ、口からこぼれた唾液を手で拭うあぽろ。
「それが目的ね……」
 あぽろに呆れた視線を送りながらも、ルイズは着替えのために先程出てきた森の茂みに戻っていった。

「で、みんな泳げて私だけカナヅチなわけね」
「だよ♪ 今日はみんな先生なのですっ」
 茂みから出てきたルイズの水着は、お世辞にもスタイルがいいとは言い難い彼女にしても少々小さめで、上下共に隠すべき部分を隠すので精一杯という印象を受ける物だった。
「ところでルイズちゃん、何かいろいろはみ出そうな水着……」
「ちい姉様が送ってくれたのっ! ほっといてっ!」
 そんなルイズの水着の刺激に、あぽろは手で目を覆い隠し(指の間からしっかり見ていたが)シルフィードも赤面していた。
「まったく……(少し痩せよう……)」
 腕で胸を隠し前屈みになり、そんな決心をしつつ波打ち際に歩いていくルイズ。
 と、そんなルイズにあぽろが声をかける。
「あ、ルイズちゃん、そこじゃないの練習場所」
「え、そう?」

505 :ゼロみたいな虚無みたいなB:2011/07/21(木) 09:53:17.29 ID:3mVuIN8r
「ここ?」
「うんっ♪」
 と言ってあぽろがルイズを案内したのは、高さが20メイルはありそうな断崖絶壁の上だった。
「ルイズちゃん1人だと怖いかなと思って、あぽろがついてきました♪」
「何でいきなりスパルタなのよっ!」
「えー、死ぬか生きるかの練習じゃないと、人間いきなり泳げるようにならないよ」
「あんた意外ときついのね」
 そんなやり取りをしている間にも、あぽろはルイズの背中を軽く押した。
「きゃうっ!」
 バランスを崩しながらもどうにかこうにか踏みとどまったルイズは、後方に振り返りあぽろの首を締め上げる。
「あっんたはーっ!」
「苦しーよお」
「あうー、酷いよー」
「まだ言うのっ、謝りなさいーっ!」
 そんなやり取りをする2人の足元の岩に亀裂が入り……、
 ──ガラ
 上に乗っていた2人諸共海面に向けて落下した。
「嫌ーっ!」
 ルイズは恐怖のあまり渾身の力であぽろの体にしがみつく。
「あうっ、ルイズちゃん、そんなにくっついたらっ」

506 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 09:54:01.16 ID:x7R3GH2L
sien

507 :ゼロみたいな虚無みたいなC:2011/07/21(木) 09:54:40.48 ID:3mVuIN8r
 時間は少々遡る。
 ルイズ達が先程までいた砂浜ではシルフィードがマシュマロを刺した串片手に、
「お姉様、マシュマロ焼いてもいーい?」
「……いいけど……食べ過ぎたらごはん入らなくなる……」
「へーきなのね♪ んー、いい匂い♪」
 タバサからの忠告にも耳を傾けず、シルフィードは串焼き肉を焼いている金網でマシュマロを焼き始める。
(……可愛いな……すぐお腹いっぱいになるくせに……)
「いただきまーす♪」
 焼き色が付いて甘い匂いを漂わせるマシュマロを頬張り、シルフィードは満面の笑みを浮かべる。
「んーっ、幸せなのねー♪ 美味しいのねっ」
 ――ドッボオオンッ!
 そのシルフィードから25メイルと離れていない場所で、転落したルイズ・あぽろによって激しい水柱が上がった。
「アっ、アポロ! アポロー、どこ!? 助けて……」
 やっとの思いで海面から顔を上げ、あぽろの姿を探すルイズ。
 そのあぽろは海面で腹部を打ったのか意識が無く、そのまま海中に沈んでいった。
「この役立たずーっ!」
 そして程なくしてルイズも水面下へと沈む。

508 :ゼロみたいな虚無みたいなD:2011/07/21(木) 09:55:50.55 ID:3mVuIN8r
(どうしようっ、どうしよう……)
 あぽろを探す余裕も無く懸命に水面に浮上し、ルイズは海岸にいる一同に助けを求める。
「ぷはっ! みっ、みんなー!」
「およっ?」
 砂で人形を作っていたシルフィードがそれに気付いたものの、
「ルイズ、手振ってるのね」
「……ほんとだ……」
 楽しそうに手を振り返す一同に、涙を流しつつ怒鳴り返すルイズ。
「みんな肉にあたって苦しみなさいっ!」
 ルイズの体は再度海中に沈んだ。

509 :ゼロみたいな虚無みたいなE:2011/07/21(木) 09:57:02.50 ID:3mVuIN8r
 口元を手で抑えるという努力も虚しく、ルイズが吸い込んでいた空気は呼気として放出されていく。
(駄目……、苦しいっ。このまま死んだら、ちい姉様にサイズ嘘吐いたままになっちゃう)
 その時、ふとルイズの脳裏にあぽろの横顔が浮かんだ。
(アポロ……。読みかけの本も最後がわからないまま……、ここで死んじゃうの? って、あの馬鹿のせいで今こうなってるんじゃないっ! この馬鹿と一緒に死ぬのは嫌よ!)
 どうにかこうにか海底に沈んでいたあぽろを発見、意識の無い彼女を引っ張りながら海岸に到達したルイズ。
「はあっ、はあっ……、げほっ、げほっげほっ……(絶対生きて帰って1発殴ってやるんだからっ!)」
 そんなルイズに海岸で待っていたキュルケ達が駆け寄り、言葉をかけてくる。
「おかえりー。お肉焼けてるわよー」
「要らない……」
「これで来週の体育で合格貰えるのねー」
「うん……」
 ひと心地ついてから、ルイズは傍らに横たわっているあぽろに視線を向ける。
「(私がしがみついて海に落ちたから、アポロ溺れちゃったんだ……)あぽろ、もう大丈夫よ。起きて……ねえっ」
 ルイズはあぽろの頬を数回はたいてみたが、あぽろが意識を取り戻す気配は無い。
「アポロ溺れたの? 起きるの?」
「……うん……大丈夫……でも人工呼吸が必要かも……」
 そんなシルフィード・タバサのやり取りに、ルイズはぴくりと反応する。
(アポロ……、朝から私のためにいろいろしてくれたのに……)
『夏休み一緒に過ごそーねっ。ね♪』
 満面の笑みで夏休みを楽しみにしていたあぽろの顔が、ルイズの脳裏に浮かんだ。
(馬鹿って思ってごめん……)
「う……」
 いつしかルイズの瞳には涙が溜まり始めていた。

510 :ゼロみたいな虚無みたいなF:2011/07/21(木) 09:58:08.54 ID:3mVuIN8r
「シルフィがマッサージするのねー」
(……シルフィード……)
 ルイズの傍に座って手をわきわきさせているシルフィードに、
「待って。私がするわ」
 シルフィードに代わってあぽろの両足の間に座り込んだルイズ。そんな彼女を、
「愛なのね。シルフィ感激なのね」
「……うん……」
「愛って凄いのね」
「……うん……」
(ギャラリーうるさいわね)
 2人を見ながらそんな事を言う他の面子に少々うんざりしつつも、ルイズはあぽろに人工呼吸すべく顔を接近させる。
「アポロ……(やっ、やだ、何緊張してるのよっ。おっ、女同士なのに……)」
 顔を赤らめ目を閉じてそっと顔を近付けていく。
 あと少しで唇と唇が触れるという時、意識が無いはずのあぽろがにたりと笑みを浮かべた。
「ひゃー」
 ――ポコッ
 慌てと怒りの入り混じったルイズの一撃は、あぽろの頭部に見事なこぶを作った。
「おっ、起きてたならちゃんと言いなさいっ! みんな心配してたのにっ!」
「ちぇー、残念ー」
「何がよっ!」

511 :ゼロみたいな虚無みたいなG:2011/07/21(木) 09:59:14.78 ID:3mVuIN8r
「あーっ!」
 夕刻、帰り支度を始めようとしたあぽろが大声を上げた。
「何よっ」
「パパパ、パンツ忘れてきちゃった……」
「ええっ!?」
 驚愕の声を上げたルイズに、あぽろは涙を浮かべつつ見つめて懇願する。
「ルイズちゃんなら貸してくれるよね……? 貸してー、パンツー」
 断りきれずに貸したルイズの下着を穿いて、あぽろは嬉しそうな笑みを浮かべる。
「わーい、ルイズちゃんのパンツ〜♪ 見て見て、紐ー紐ー」
 とその時、あぽろが穿いていたルイズの下着がするりと落下してしまった。
「ありゃっ」
「よーし、ルイズちゃんみたいにお尻おっきくならないとねっ」
「脱いで帰りなさいっ!」
 ガッツポーズでやる気を見せたあぽろに、ルイズは声を荒げたのだった。

512 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 10:00:38.61 ID:3mVuIN8r
以上、代理終わります

513 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 11:06:39.26 ID:np3ISpHJ
代行スレはみんなどこを使ってるんだ

>>338
ヘイト乙って言われたり弱体化乙って言われたりクロス書きは忙しいな

514 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 11:47:08.18 ID:3mVuIN8r
>>513
新入りの人か? >>1の避難所に専用スレがある

515 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 12:12:19.06 ID:z7vlVV3w
投下&代理乙

>>513
このスレはクロスの中でも厳しい方だと思う・・・

516 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 12:33:35.50 ID:FQohzwcM
>>498 オムライスも忘れてもらっては困るぜw

517 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 12:57:39.21 ID:guOzXNWW
かなり初期からそれなりに厳しい体勢でやってる所だから仕方ないだろうさ

518 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 15:26:00.34 ID:Fo+I9YIt
昔かっこいいモット伯が出てくるSS読んだんだけど、なんだったっけ
子供に本を読んであげてる描写があった気がするが思い出せない

519 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 15:43:06.95 ID:CO6Fgl/h
>518
それジョジョの方のゼロ犬じゃなかったっけ?

520 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 15:45:09.31 ID:SANnGAqX
それ多分「バオー来訪者」のバオー犬がルイズに召喚されるやつだ。
ジョジョクロスのスレまとめにあるはず。

521 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 15:52:40.05 ID:1X18jfWl
モット伯ときくと
エロ本を読み聞かせしていたずらしようとする創造しか浮かばない・・・

522 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 16:44:13.02 ID:W0rxfR+p
見せるならともかく、読めるの?

523 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 16:54:25.08 ID:JfcRiyIw
前にIFスレあたりで幼女アニエスがモット伯に拾われたらってネタがあったな

524 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 18:21:05.05 ID:4Pnbzp9J
モット伯の手元にスケベ本召喚

・・・ワイルドアームズからなっ!!

525 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 18:59:32.04 ID:OxDy+FlS
>>522
エロパワーをあまり舐めないほうが良い

526 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 19:20:27.59 ID:4Pnbzp9J
>>522
パワーオブエロス

ティンク召喚か
魔法学院を女子校にするべく大暴れだな
いっそモンモランシーに召喚させてギーシュと死闘を繰り広げてもいいか

527 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 19:45:20.55 ID:rFfwi9j6
リードランゲージの魔法もエロパワーによって開発されたのかもしれんな

528 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 19:57:04.55 ID:3lDc32S+
>>524
モット伯がDQ3の神龍と遭遇してエロ本を授けられる展開を連想したw

529 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 21:09:58.33 ID:vZQVF2i3
モット伯ってエロいこと除いたら、別に悪人ではないよね
やたらと悪人扱いされてる気がする

530 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 21:25:09.64 ID:OxDy+FlS
モット伯は典型的な同人誌の男役だからな…

531 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 21:33:02.89 ID:CO6Fgl/h
水使いだけに、水で色々エロイことできるよね。
ウオーターベッドとかいろいろ

532 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 21:37:49.87 ID:G7yVXQbY
話題がループしている……ッ!?

よしここはループの破壊者3代目ラムネスを召喚しようぜ!

533 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 23:43:03.19 ID:3bK5Z9kX
エロいこと考えてる人間がいなくなっちまったら、人類は絶滅しちまうんだぜ。

534 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 23:55:38.67 ID:1X18jfWl
モット伯=エロ同人が本当におきないかなって思ってるようなヤツ等の夢のような存在
でOKだろ

535 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/21(木) 23:59:26.69 ID:yXb44AgM
ガリアンからジョジョを召喚!
王家の生き残りで、白い谷を率いてマーダル軍と戦った
という点がゼロ魔とシンクロすると思う。

536 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 00:15:20.45 ID:Bzg9WUzL
>>535
ブリミルが作り上げたメイジ貴族世界と言う枠組みに絶望して、全てを滅ぼそうとする 『無能王』と、
生命の活力を失い衰退する故郷に闘争精神を復活させる為 辺境の惑星を犠牲にしようとする 『征服王』の
ガチバトルなら 見てみたい。

537 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 00:22:20.72 ID:RFbnU8xb
ようし、遊戯王からエロペンギンことペンギンナイトメア、55歳を呼ぼう

538 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 00:36:10.08 ID:4AcQMNRj
マーダル陛下はガリアンの真の主人公といっても過言ではない
(最近見直してないので少し間違ってるかもしれないが)ジョジョに
「お前をそこまで強くしたのは悪の力なのだ」と言った時はシビレタ
悪の面も含めて人という存在を愛している深いお方だ

539 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 03:27:03.37 ID:D2+WPtzy
>>519-520
ありがとう、思い出せたよ

540 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 08:48:09.23 ID:yq0pvr/x
モットがエロいのはエロいけど、メイド側も立身出世の手段として合意の上で、
合意がない場合は単なる普通のメイドとして扱う。

って、どこのSSだったっけ?

あれはきれいなモットさんだと思った。


541 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 09:44:08.02 ID:3uDvoPeU
「ゼロの花嫁」モットが昔はそうだった、って話だったような

542 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 09:52:16.32 ID:HGZUWZWe
書き溜めってどこら辺の話までしといたほうがいいかな

543 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 10:59:07.05 ID:YsgFaiEg
>>542
うちの経験則からいうと最低2話、それくらいあれば後から変更しようと思っても余裕が出る

544 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 11:53:19.34 ID:kNK7FLNs
ごめん、俺最初の一話を書いた時点で衝動を抑えきれなくなって投下して、
そのまま勢いに任せてしばらく連日投下とか隔日投下とかしちゃった……。

いや、もちろん一日くらいは寝かせといたんだけどね?

545 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 11:59:19.13 ID:9VwieqYq
>>538
でも先日陛下(の中の人)は天上へと召されてしまわれた・・・・・・

OVA版の方の陛下だけど


546 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 12:07:29.86 ID:YsgFaiEg
>>544
そうか、勢いもまたいいんじゃないかな
一応うちは書き上げてからその話を投下するまでは一ヶ月くらい寝かせる期間があるけど

547 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 12:33:09.51 ID:kNK7FLNs
>>546
いやぁ、最初はそれこそ勢いで投下したけど、支援とか乙とかを貰ってるうちに嬉しくなっちゃって、
今から思うとえらいペースで書いていってなぁ。

そんな俺も、今では超スローペースで投下してます。

548 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 13:47:28.27 ID:WI7iGNFP
第一話を勢いで投下してその後はノリで書き続け、キリのいいとこまでかけたのをいい事に第二部構想あるのに第二部書かなくて一年以上ほったらかしの俺ならここに
…じ、時間ができれば

549 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 13:47:54.22 ID:JdOC/Jjf
ガリアンと言えば
アズベスの爺さんではどうなるだろうか?
ギーシュが弟子入りするだろうか。
あるいはルイズのお父さんも登場させて
「アズべスは父上(ルイズの祖父)の若い頃を彷彿とさせるな!」となるか。

550 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 13:58:01.59 ID:fWYHeYru
>>548
あれ?俺いつ書き込んだっけ?

551 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 14:03:47.68 ID:/FAvBLqI
ノリと勢いで書いて投稿したはいいが
後で読み直したら自分で自分が恥ずかしくなって
それっきり続きを書けなくなった

そんな奴、いたら手を挙げろ

552 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 16:06:36.88 ID:PeaIqH2X
もしも学院の宝物庫がメトロポリタン美術館だったらー

553 : 忍法帖【Lv=11,xxxPT】 :2011/07/22(金) 16:22:34.98 ID:OnOIHePr
>>552
天使の像に靴下方っぽ上げたり、ミイラと踊ったりした挙句、絵の中に閉じ込められるんですね。

554 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 16:38:07.76 ID:aUdxDBGW
わくわくさんを召喚という電波を受信した

555 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 17:31:38.36 ID:D2+WPtzy
こういうのは完結させてから投下が一番だな

556 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 17:31:59.35 ID:TCYtNdXH
「平民は貴族に勝てないのよ!」
「そんなときはこのセロハンテープとストローで…」

557 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 17:42:53.38 ID:Zqb6ZkKi
MagusTale Infinity 某ルート終了後の天ヶ瀬大樹という電波を受信し損ねた

558 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 18:13:15.60 ID:geJRc5d/
>>554
某女装キャラが一番に思い浮かんだが呪いがネックだし能力も使いづらい

559 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 19:18:02.38 ID:wGAoXYXf
ダイジョーブ博士を召喚


召喚された次の日
科学ノ発展ニハ犠牲ガツキモノデース

560 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 19:38:42.25 ID:3uDvoPeU
アルベルト、骨折!

561 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 19:53:00.79 ID:ztbrrXxw
「そんなことをしたら海が汚染されるぞ!!」

核かぁ・・・どう考えても最悪の事態しか引き起こさない
大隆起のほうがまだマシよね
でもハルケの人らには分からんのよね

562 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 20:07:16.52 ID:eNcHc0EC
∀ガンダムでそんな話があったな
主人公側が核ミサイルを知らずに使おうとして
敵側が「お前らそれが何なのか知ってるのか!」って焦りまくった話

563 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 20:50:13.92 ID:3E4JRTpm
>>556
ジワジワくるな

564 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 20:55:59.01 ID:ILHPF/dj
>>548
>>550
おまいら、どれの作者だ? 俺が待ち続けてるヤツかも知れん。

565 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 21:11:41.76 ID:qzBbAIqy
>>564
待ち続けてるのがあるなら避難所の方で叫んでたほうがいいんでないかね

566 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 23:10:25.87 ID:FVc/FW5h
女装した方のわくわくさんなら初期ルイズの性格のキツさにもうまく対応しそう。

567 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 23:20:12.41 ID:CvKA9RmS
オラなんだかワクワクしてきたぞ

568 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 23:51:28.00 ID:5HHy7eoa
初期ルイズなら面倒見がいいお姉さん系がよさそうだがどうだろう。

569 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 23:58:42.94 ID:KLJkLGFO
チョーさん召喚でハルケギニアのたんけん地図作成

570 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 00:18:31.99 ID:k9aR9RpA
>>568
初期ルイズとお姉さん系或はおっさん系キャラとの相性の良さは異常。

571 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 00:25:16.17 ID:DCsa+rZC
あと子供系とかも意外と悪く無いかもなんだぜ?

572 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 00:25:51.46 ID:0ONXscFM
つまり鏑木・T・虎徹は相性抜群と言う事ですか

573 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 00:30:28.27 ID:DYv0ZTJW
>>572
失った能力をガンダで補うってのは良いかもな
まぁ、オリジナルアニメだし今後どうなるのか分からんけど

574 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 00:36:01.96 ID:gvmOaHKL
>>572
但し、事ある毎に色々な物をぶち壊し、その損害賠償請求の所為でルイズの財政事情が
それはもう酷い事になりそうだけどなw


575 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 01:03:58.28 ID:k9aR9RpA
>>571
Louise and Little Familiar’s Orderなんぞは寧ろ最悪だったがなw
…例外と言やそれまでだが。

576 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 01:31:33.17 ID:oZtYHS6t
ここは基本まじめなクロスばかりで原作のセーラー服とかレモンちゃんとか噴水の全裸みたいなのはカットされてること多いからエロティック路線はどうかな

淫獣学園の御堂巫女
破壊の杖が色魔淫界がらみだったりワルドのエアカッターで服切られたりして毎度裸になるはめに
でも本人はエロ嫌いなので恥ずかしがりながらも勝って18禁にはギリギリならない

そういえば風魔法で服が切れていやーんて展開はありそうで一度も見たことないな

577 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 04:55:22.10 ID:zEqgBZvs
エロカッター、エロカッターじゃないか

578 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 05:01:15.06 ID:p+vTID17
>576
……デルフブリンガーが妖刀ジパングになるわけか。
んで、破壊の杖は女○棒の秘術か、まじ色々破壊されるな。
魔法は風とか水は超危険だし。
ブリミルは異界=色魔淫界からやってきたとかだと、
エルフのサーシャは何に泣かされてたんだ?
ガンダールブの中身がいろいろやべえ。

まさしく、記することさえばかられる使い魔だな。

579 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 06:49:00.88 ID:8QG4LubY
うろつき童子は?
わりとバトル向きだと思うけど。
まぁ声がデーモン小暮閣下の人を呼んだらエロいことになるがなw

580 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 09:32:32.20 ID:HHU0+7Tx
>>574
>但し、事ある毎に色々な物をぶち壊し、その損害賠償請求の所為でルイズの財政事情が
>それはもう酷い事になりそうだけどなw
一瞬ダイナマイト刑事の事だと思ってしまった。

581 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 11:09:02.60 ID:5kCBKkWU
>>580
萌え萌えさんの話でロレーヌとの決闘でふがくの銃で本塔穴だらけにして
その請求書が親元に向かっただけでルイズ蒼白、というのはあったな。
実際公爵代理でエレオノールが来たし。

582 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 12:02:03.74 ID:WWbX6MiH
ダイナマイト刑事…モップや柱時計や胡椒と同列に扱われる我が身に嘆くデルフとか?

583 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 12:28:45.82 ID:J1zxwtak
>>579
そういえばアダルトアニメってけっこう有名な声優が演じてることがあるんだよな
若本声の漢女を召喚したらおもしろいって何度も思ったけど書く力量がない

584 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 13:02:12.14 ID:5Z4HpeVt
どこが面白いのか理解できん俺が異端なのか

585 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 13:27:00.58 ID:6xweVUqJ
漢女あってこその恋姫無双

586 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 14:22:33.52 ID:YEN/ebHH
>>582
モップさえあれば雑魚など一網打尽w
というかモップが使い勝手良すぎる

587 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 15:43:53.66 ID:4Nf5e3C9
デッキブラシで怪物共を薙ぎ倒す猛者が掃いて捨てるほど居るからな。

588 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 16:17:43.81 ID:5AAdDJDJ
>>557
……力を完全に制御出来る神楽坂明日菜の超上位互換を呼んでどうする気だ
どう考えても無双だし、その内妹が迎えに来るからルイズに従う可能性がほぼゼロだぞ


589 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 16:49:33.59 ID:8v6P7IvK
>>586
超人の記憶を取り戻す役にも立つしな

590 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 17:23:32.73 ID:/aQpAT+R
意外に無いのが動物系、それも喋ったり、人化しないタイプの動物or魔物召喚だな
例えばトリコのテリーとかああいうの

591 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 17:34:26.79 ID:zEqgBZvs
そういうのは「○○なら××するだろうな」といったキャラクター設定が薄いものが多いので
オリキャラ呼ばわりされる危険性が付きまとう

592 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 17:55:39.04 ID:dwcxU46A
喋らない動物キャラを上手く表現するのは かなり難しいと思う。
やるなら 動物側からの一人称かな?

593 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 17:59:04.01 ID:GTYKOhST
吾輩は猫である

594 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 18:22:14.87 ID:e8mbs20R
QBでおk

595 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 18:25:20.88 ID:goD5qrMo
>>588
召喚キャラが無理にルイズに従う必要はないだろう。契約できなきゃ留年なんて原作設定はないんだし、ルイズ以外のキャラが召喚でもよし
○○だからこのキャラはだめだななんてのは想像力のない言い訳にすぎんよ

596 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 18:46:23.28 ID:AEU6Rwi7
>>592
水をかぶった、早乙女玄馬なら問題解決だな!

597 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 18:54:16.03 ID:fvJB5flr
Pちゃん呼べばアイドルさ!

ルイズなら・・・ルイズなら、獅子咆哮弾をマスターしてくれる!

598 : 忍法帖【Lv=26,xxxPT】 :2011/07/23(土) 18:58:06.38 ID:D7m8/1AC
じゃあどうすれば問題が解決できるか
問題が発生しないようなキャラクターはいるか
考え方はいろいろある

599 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 19:18:35.28 ID:3HSUUQCs
>>588
冒険活劇の主人公としては最悪の部類かも知れないけど、
学園コメディの配役としては優秀だと思うよ?
ルイズに従うことはなくても手を貸すくらいはすると思うし。

>>597
素で猛虎高飛車をつかえそうなのは気のせいか?

600 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 20:19:16.23 ID:cxR5/Hb0
カリン様は飛竜昇天破の使い手か

601 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 20:21:06.56 ID:JeqOQmFE
>>592
エリザベスを召喚しろということか

602 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 20:22:57.05 ID:PW8cgnd7
マミさんをハルケギニアに召喚してどうにか彼女のメンタル面を強化させてやれないものか

603 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 20:46:41.95 ID:gvmOaHKL
>>602
その前に召喚直後の対応如何によってはかなり困った事になる。
何せ飛び込んだ先には見た事もない生物(=学院の生徒に召喚された使い魔)が沢山いる訳だし。
そういう状況、そしてマミが常に置かれていた環境を考えると、自分が「異世界に召喚された」のではなく
「魔女の結界に入り込んだ」と判断しても何ら不思議じゃないからな。

つーか、そういう状況になったらいきなり使い魔達にぶっ放してこれでもかと言わんばかりに無双しまくった
挙句、ルイズ達に「危なかったわね」とドヤ顔で話しかける様が目に浮かぶw


604 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 20:52:27.51 ID:G1vEXtje
ルイズの声つながりでネタで
色々呼ばせるってのはどうだろう

扉に吸い込まれてしまった
幼いアルフォンスとか

泡よという間に転送鏡が現れて
影に持っていかれる前にハルケギニア入り(;´Д`)

605 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 21:28:50.98 ID:QQVZ+CeL
>>603
あー、確かにそうなりそうだ。そして、もちろんトドメは「ティロ・フィナーレ」ですね

606 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 21:43:17.36 ID:5kCBKkWU
>>605
その場合はコミック版のフルバーストでお願いしたいな
まどかいないけど

607 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 22:03:44.68 ID:8v6P7IvK
魔犬慟哭波は誰が使うのか?

608 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 22:11:55.92 ID:6tNti/AG
>>592
何故かクレヨンしんちゃんのシロなら話を作りやすい気がした。

609 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 22:36:39.56 ID:Pbs2FmSR
>>592
スヌーピーならどうだろう。
性格がかなり邪悪な原作のほうでw

610 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 22:53:11.33 ID:BH7F5z3v
動物召喚だと普通に使い魔召喚成功だから、ルイズが普通に喜んで、
部屋の寝藁に寝かせて、翌朝も普通に一緒に起きて朝飯食べて、
別に食堂でメイドの手伝いすることもなく。
だから特に事件が起こらなくなるのよね。

しゃべる犬(ソフトバンクのお父さん)とか喚んでも、
ルイズがさらに喜んで舞い上がるだけだろうし。

611 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 22:57:58.20 ID:CCiKDcQO
ピカチュウとか呼んだら猫かわいがりしそうだ

612 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 23:00:17.70 ID:FDV9knZC
普通のさえ呼べばルイズはギーシュとか以上に使い魔を溺愛しそう

613 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 23:00:33.38 ID:KHJfYMDv
最初は猫かわいがりしようとするが電気ショックを喰らわされて態度が変わる、とか
スヌーピーはたしか小ネタだかが1つあった気がする

614 : 忍法帖【Lv=15,xxxPT】 :2011/07/23(土) 23:01:20.31 ID:KHJfYMDv
ちょっとレベル確認

615 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 23:36:04.50 ID:vKdseMtI
動物・・・・・・・・・・虎を呼んでみてはどうだろう

「おいおいおい、ここはなんでこんなにネクストがいっぱいいるんだ?」

616 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 23:36:38.14 ID:I/B5h+h4
私を虎と呼ぶな!

617 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 23:43:37.73 ID:C5F3MuTv
ここは陸上生物最強の座を欲しいままにするカバを召喚してはどうだろうか?

618 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 23:46:32.20 ID:JeqOQmFE
虎というと…

音をしっかりカットして
炎も熱もシャットアウト!
僕はタイガー
しかも強くて!丈夫です!

619 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 23:47:53.37 ID:gvmOaHKL
>>617
すごい一体感を感じる(AA略

620 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 23:51:03.05 ID:LVBuK1s2
カバといえばムーミンもしくはスープーシャン

621 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 23:58:20.19 ID:ptfMm849
>>620
ムーミンて確か身長30センチしかないんだよな

622 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 00:03:10.39 ID:+JlOn0+k
>>619
マキバオーは関係ないだろ

623 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 00:20:40.64 ID:CIxLg3io
?????「わたしはカバさんになりたかった」
ルイズ「何言ってるのよ、カバなんかよりライオンの方がいいに決まってるでしょ!」
?????「知ってるかいルイズ?カバさんの牙には、小鳥が止まるんだぜ!」

624 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 00:41:45.51 ID:REFPaDFP
カバとトットは仲良しこよし カバとトットでカバトット

>>613
1回目:すごい勢いでハグして嫌がるピカチュウが電気ショック
2回目:1回目の経験で1瞬思いとどまるが、やはり可愛さに負けて思い切りハグ。十万ボルト。
3回目:過去の経験で1瞬思いとどまるが、どうしても可愛さに負けて思い切りハグ。かみなり。

625 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 00:46:58.46 ID:nZs+DkLk
>>618
なるほどザ☆ワールドのCMで良く見タワー
テラナツカシス

626 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 00:49:12.32 ID:UeIyeHN5
>>616
私をタイガーと呼ぶな!と読んでしまって萌え大戦から鋼の乙女重戦車ティーガーIフェイを召喚なんて夢想。
すでにあるふがくと違って陸戦型だし子供じゃないしそれでいて純情だし…って、
そうか、どこかで見たなと思ったら性格はアニエスに近いなw

627 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 01:01:31.88 ID:t3auZxyD
>>618
どうしようもない郷愁を感じたわw
ただ読者の大半は元ネタわからずにスルーしてしまいそうだな。

628 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 01:07:08.46 ID:xzpl3WlO
ニャンコ先生なんかどうだろう?

ひとつ人よりぺたんこで〜
ふたつ2人の悪友と〜
花のトリスタニアで〜うーでだーめーし〜

629 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 01:13:21.19 ID:GXq/b0lR
>>625
>>627
今はBSの野球中継のCMでよく流れてるぜ

630 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 01:15:32.20 ID:+JlOn0+k
遅かったな・・・言葉は不要か

631 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 02:04:52.11 ID:t4Wbbp1v
>>630
いかん! そいつには手を出すな!

632 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 04:05:39.57 ID:AZk3XudR
書いてて思ったんだけども、魔法学院の塔にただの屋根じゃない屋上ってあった?
誰か教えてください

633 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 05:36:47.37 ID:muhQE64n
このままいくと松井さんは5の2(1HR)でチームは勝利で終わりそうだ
いかに観客の拍手を強調するか記者たちの腕の見せ所だな
ヤンクスファンの松井復帰待望論みたいなお花畑記事も出るか?

634 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 05:37:30.31 ID:muhQE64n
誤爆した

635 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 06:10:07.95 ID:4snJvYLW
イチロー召喚のノリでゴジラ召喚を考えたが、実在人物なんだよなorz

636 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 07:42:38.00 ID:REFPaDFP
オバQから召喚すれば

637 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 09:10:07.54 ID:fKtCSJQV
やくみつるのマンガから呼べばいい。

638 :ウルトラ5番目の使い魔 52話 (1/11) ◆213pT8BiCc :2011/07/24(日) 11:39:50.95 ID:P113Bcak
皆さんこんにちは、毎日暑いですね。
ウルトラ5番目の使い魔、52話投稿開始します。
10分後、11:50にはじめますので、今週もよろしくお願いいたします。

639 :ウルトラ5番目の使い魔 52話 (1/11) ◆213pT8BiCc :2011/07/24(日) 11:50:50.96 ID:P113Bcak
 第五十二話
 優しすぎる悪夢
 
 超古代植物 ギジェラ 登場!
 
 
 タバサは快いまどろみの中で、夢を見始めていた。
「ここは……」
 目の前に、暖かな春の日差しとともに懐かしい景色が蘇ってくる。
 あれは、わたしの家……ラグドリアンの湖畔のオルレアン屋敷。でも、あれは今のものではない。
 何十回、何百回と歩いた家への道を、タバサは吸い寄せられるように歩いていく。
 あれは、わたしの家の門。でも、ジョゼフに汚されて、不名誉印を刻まれる前の、王家の紋章を誇らしく飾った美しい門。
 その下をくぐった先には、父が大勢の友人と毎日を談笑していたころの、美しく、華やかな雰囲気に満ちた屋敷が見えてくる。
 中庭にはテーブルが用意され、広げられた料理を前にして誰かが楽しそうに語り合っている。
「あれは、父さま、母さま!」
 眼に映った相手が、自分にとって誰よりもかけがえのない人たちだと知ったとき、タバサは迷わずにその腕の中に飛び込んでいった。
「おおシャルロット。どうしたんだい? 今日はそんなに甘えて。よしよし、いい子だ」
 優しく我が娘を抱きとめた父は、胸に顔を押し付けてくる娘の背中をなでて歓迎した。
 父さまの声だ……父さまのにおいだ……
 タバサは、遠い記憶のかなたに薄れていた懐かしい感触を存分に味わった。
 顔を離して見上げてみれば、父が優しい表情で自分を見下ろしていた。母は、そんな自分たちを眺めて明るく微笑んでいる。
「あらあら、シャルロットは本当にお父さまが大好きなのね。あなた、あまりシャルロットを甘やかさないでくださいね」
「いいじゃないか。今日はめでたい日だ、シャルロットも祝福してくれているんだろう。なあ」
 ゆっくりと、自分の長い髪の毛をなでてくれる父の手は心地いい……あれ? わたしの髪、こんなに長かったっけ? 
それに、父さま、とてもうれしそうだけど何がおめでたいのかな?
「ねえ父さま、なにがそんなにうれしいの?」
「ん? おやおやシャルロット。父さんをからかっているのかい? 今日は父さんがガリアの新しい王様に任じられた
記念すべき日じゃないか。だから父さんは、母さんとシャルロットに真っ先に知らせに帰ってきたんだよ」
「そうよシャルロット。ほんとうなら、おめでとうを言いに来る国中の貴族のお相手をしなきゃいけないところ、お父さまは
全部断っていらしたのよ。それに、今日はシャルロットの十二歳のお誕生日じゃないの」
 満面の笑みを浮かべて語る両親の言葉に、タバサはああそうだったと思い出した。
 今日は、楽しみにしていた十二歳の誕生日の日だった。この日を父と母に祝ってもらおうと、ずっと待っていた。
 テーブルの上には大好物のドラゴンケーキが乗り、ほかにも色とりどりの料理がところせましと置かれている。
 どれも、自分が好きなものばかりだ。父さまと母さまは、自分の好きなものをよく覚えていてくれたのだ。
 うれしさとおいしそうな匂いに、自然と笑みがこぼれてくる。
 ふと、母が手鏡を差し出してきて、タバサはそれを覗き込んだ。
「まあまあシャルロット、お行儀が悪いですよ。ほら、乱れたお召し物をしゃんとなさい」
 そこには、長い青い髪をした、小さな女の子が映っていた。それは、十二歳のときのタバサの姿。まだ、なにも恐れを
知らずに、幸せに満ちていたころの自分自身の姿。
 いつの間にか、幼いころの自分に戻っていたタバサは、今度は母のひざの上に抱かれた。

640 :ウルトラ5番目の使い魔 52話 (2/11) ◆213pT8BiCc :2011/07/24(日) 11:52:06.30 ID:P113Bcak
 母は朗らかな声で、歌うように本を読んでくれる。小さいころに一番好きだった『イーヴァルディの勇者』の物語だ。
本当に幼いころは、ぐずるたびにこれを読んでくれたのをうっすらと覚えている。大きくなるにつれて、ほかのものにも
興味を持ち、しだいに離れていったけれど、本を読む楽しさを教えてくれたのは確かにこの物語だ。
 内容は、勇敢な少年イーヴァルディが、槍や剣を手に様々な怪物や悪人に戦いを挑み、最後には美しいお姫さまと
結婚して幸せになる。という、単純明快な勧善懲悪ものが基本である。基本というのは、ハルケギニアでもっともポピュラーな
英雄譚であるために、人から人へ伝わる過程で改装され、主人公が女性だったり天使だったりと、数々のバリエーションが
存在するからである。
 神話や民話が伝えられる人や土地柄によって改変されていくのはよくある。ある土地では悪魔の使いが、別の土地では
神の化身といわれたり、アフターストーリーが追加されたり削られたりすることも多い。
 この、『イーヴァルディの勇者』も、原典が不明なほど昔からあるために、本来のストーリーはもう誰にもわからない。
 ただ、主人公イーヴァルディの名前と、爽快痛快な話し運びは共通しているために、世代を超えて愛されている
ロングセラー小説である。
 
”海原へこきだしたイーヴァルディと仲間たちでしたが、そこに試練が待っていました。
 突如として海が荒れ、巨大なドラゴンが水中から現れたのです。
 小山のように大きく、長い首を持つドラゴンの起こす波に、イーヴァルディたちの小さな船は木の葉のように翻弄されてしまいます。
 『おお、あれは伝説の海の悪魔、海竜ではないか! 我々をこの先には進めないつもりだな。逃げよう! イーヴァルディ』
 トビリが慌ててイーヴァルディに引き返すよう叫びました。けれどイーヴァルディは叫びます。
 『いいや、ぼくは逃げない。この海の先に行かなくては、病で苦しむみなを救える薬草は手に入らない。たとえ悪魔が
立ちふさがったって、薬を待っているみなの前に手ぶらで戻るわけにはいかないんだ!』”
 
 このストーリーも、原典にあるかどうかはわからない。ただ、そんなことは関係なく、幼いころのタバサやハルケギニアの
子供たちは、どんな凶悪な怪物にも勇敢に立ち向かっていくイーヴァルディの勇姿を思い浮かべて、胸を熱くしたのだ。
 
”イーヴァルディへ向かって、海竜は長い首を伸ばし、ナイフのような牙を振りかざして襲い掛かります。でも、彼の
新しい仲間である、人魚のエミリアはイーヴァルディを背中に乗せて、すいすいと海竜の攻撃をかわしました。
 ですが、海竜の硬いうろこは彼の剣も槍もまったく通しません。
 『勝てっこない。逃げよう』
 彼の仲間たちは叫びますが、イーヴァルディはがんとして聞きません。そのとき、エミリアが思い出したように言いました。
 『そうだわ。ひげよ、海竜はひげがなくなると戦う力がなくなってしまうのよ!』
 そうです。海竜は深い海の底で暮らしますから、あまり目がよくありません。まして、こんなにも大きく、歳をとった
ものでしたらなおさらです。その代わりに、彼らはひげで空気や水の動きを読み取って生きているのです。

641 :ウルトラ5番目の使い魔 52話 (3/11) ◆213pT8BiCc :2011/07/24(日) 11:53:03.86 ID:P113Bcak
 『ひげだな。ようし、わかった!』
 勝機を見つけたイーヴァルディは、両手でぐっと剣を握ってかまえました。けれど、大きな竜の頭はイーヴァルディの
はるかに上にあります。
 そのときでした。イーヴァルディの握った剣が、太陽のようにまぶしく輝いたのです。その神々しい輝きは、目が見えない
はずの海竜をもうろたえさせました。
 『いまだ!』
 エミリアの背から飛び上がったイーヴァルディは、剣をふるって海竜のひげを二本とも切り落としました。
 すずんと水しぶきをあげて、海竜は逃げていきました。ひげをなくして、イーヴァルディが見えなくなってしまったのです。
 海は、何事もなかったように穏やかさを取り戻しました。
 船に戻ったイーヴァルディは、水平線のかなたを指差して笑いました。
 『さあ行こう。どこまでだって、ぼくたちは行けるよ!』”
 
 この一小節も、何度も何度も読み聞かせてもらった。イーヴァルディの物語はこのほかにも幅広く、山であったり洞窟で
あったり、はたまたあの世で悪魔と戦う話さえある。それを聞くたびに、タバサはあるときはイーヴァルディ自身に、あるときは
彼に救われる囚われの姫に自分を重ねて、夢の世界の大冒険に出かけていったものだ。
 優しい両親に守られて、タバサはここも夢の世界だと知った。あんなふうに優しく微笑んでくれる両親は、今はもういない。
でも、こんなに懐かしくて気持ちのいい夢ならば、いつまでも見ていたい……
 執事のペルスランがやってきて、「お祝いにお客様がたがおいでになられました」と告げた。母が、お通ししてと答えると、
見知った人たちが軽快な足取りで姿を見せた。
 才人とルイズが現れた。ティファニアもついてきて、手には大きな花束を持っている。
 キュルケも来た。ルイズたちを追い抜いて駆けてくると、がばっと抱きしめてくる。苦しい、と思うかと思ったけどそんなことは
なかった。強くもなく弱くもなく、温もりが伝わってくる抱き方に、タバサは親友の優しさに感動し、キュルケはタバサの
耳元でそっとささやいた。
「お誕生日おめでとう。シャルロット」
「……ありがとう」
 親友に祝福してもらえている喜びに、タバサはうっすらと涙をこぼし、心の底まで暖められていくような思いを味わった。
 客はまだやってくる。ジルが大きな獣を担いで来る。ロングビルや学院の仲間たち、任務の途中で出会った人々がいる。
 イザベラも、ちょっと照れくさそうな顔でいた。シルフィードが人間の姿でやってきて、手に持っていた大量の野の花を
シャワーのようにタバサに浴びせて、タバサを花まみれにさせた。
 そして彼らは親子を囲むように並ぶと、声を合わせていっせいに唱和した。
「新ガリア王国国王シャルル一世様、即位おめでとうございます!」
 次いで万雷の拍手が鳴り響き、父は立ち上がると皆に向かって手を振って応える。

642 :ウルトラ5番目の使い魔 52話 (4/11) ◆213pT8BiCc :2011/07/24(日) 11:54:16.30 ID:P113Bcak
 いつしか、場所はヴェルサルテイル宮殿の壮麗な玉座の間に変わり、父は豪奢な王の衣装と王冠をいただいて立っている。
 母もその隣に慎ましやかに立っており、自分も可憐な衣装に身を包んで母の傍らにいた。
「シャルル一世陛下、万歳!」
「万歳!」
 居並ぶ観衆からは新国王をたたえる歓声がとどろき、父のその誇らしい姿を、タバサは母の優しい腕の中で見つめ続けた。
 ああ、幸せだ……誰もが父を、そして自分たちを祝福してくれている。
 いつしか、タバサはこれが夢の世界であることを忘れていた……
 
 幸福な寝顔を浮かべ、すやすやと眠り続ける現実のタバサ。
 しかし、その寝顔を冷ややかなまなざしで見守る男がいた。
 
「恐ろしいまでの効力だな。意志の強さでは、恐らくハルケギニアでも五人と並ぶものはいないであろう、あのシャルロットを
まるで子猫のようにしてしまうとは」
 遠見の鏡に映ったタバサの寝顔に、それを覗き込むジョゼフの歪んだ笑みが重なって不気味な陰影を作り出した。
 オルレアン公邸の庭に突如として出現した巨大な花。その花粉を浴びせられたとたんに、タバサはまるで魂を
とろけさせられたように眠りこけてしまった。
 いや、眠らされているという表現は生ぬるい。この植物の吐き出す花粉に含まれる作用は、催眠効果などという
生易しいものではなく、文字通り魂を溶かしてしまうような恐ろしい効力を持っているのだ。
「超古代植物ギジェラか。デッドコピーのこいつはせいぜい屋敷を覆うくらいしか花粉を出せんが、オリジナルはかつて
別の世界を一度滅ぼしたと、チャリジャのやつは誇らしげに説明書に書いてあったな」
「ですが、その話もうなずける威力ですわね。私が知るところ、これまでシャルロットさまはいかなる任務で、どのような
強敵と会っても、いかに傷を負っても取り乱さない強い精神力の持ち主でした。それが、いくら強力な薬とはいえ
こうもあっさりと通用するとは」
 戦慄を隠しきれていないシェフィールドに、ジョゼフは含み笑いをすると説明してやった。
「それは当然のことだ。苦痛というものは、実は耐えることはそんなに難しくないのだよ。むろん、修練や素質にもよるが、
戦いなれた者は、『痛い』ということを意識して無視できるようになる。戦闘の最中にいちいち痛がっていては、命までも
とられてしまうからな。よく罪人を自白させるために拷問を使うが、悪党になるほどどんなに痛めつけても口を割らん」
「口を割れば、死罪になることがわかるからですね」
「そうだ。死ぬことに比べれば、多少の痛みなどなんでもない。だが、痛みなど与えなくとも簡単に人を思うままに
操る方法がある。レコン・キスタの阿呆どもを見てきたお前なら、わかるだろう?」
「はっ、欲を満たしてやること。脅迫や洗脳などよりも、金貨をちらつかせ、王党派から奪った城や領地をばらまいてやれば、
簡単に貴族どもは動いてくれました」
 シェフィールドの答えに、ジョゼフは満足げにうなずいた。
「そのとおり。人間は総じて欲深い生き物だ。たまに例外がいるようだが、大抵は一皮むけば似たようなもの。ざっと
あげれば金と女と権力というところか。これを目の前にちらつかせれば、脅迫などするより簡単に人は言うことを聞くし、
忠義とか正義とかを裏切る。楽すぎてあくびが出るくらいだ」

643 :ウルトラ5番目の使い魔 52話 (5/11) ◆213pT8BiCc :2011/07/24(日) 11:55:28.81 ID:P113Bcak
 当たり前のように言うジョゼフの言葉には、一片の疑いもありはしなかった。ガリア王家の濁りきった王位継承後の
権力争いの図式や、花壇騎士の非合法な働きぶりをじかに見てきたジョゼフにとって、人間の心に巣食う欲望という
悪魔の巨大さは、もはや驚くことでもなんでもなかったのである。
「ですがジョゼフさま、世の中には金や女、権力に見向きもしない人間もおりますが?」
「それは欲望の指針がそれらにないだけだ。例えば、宮廷のすみでコソコソとはいずっているオルレアン派の残党の
騎士どもなどは、一見忠義心の塊に見えるが、見方を変えれば『簒奪者ジョゼフの排除とシャルロットの王位継承』という
執念と言い換えた欲につかれたやからに過ぎん。もしも奴らに『ジョゼフの暗殺計画』でもちらつかせてやれば、それこそ
火竜山脈のドラゴンどもを退治して来いと言っても、喜んで炭になってくるだろうよ」
「ジョゼフさま、ご冗談にしても少々……」
「心配するな。やつらは余を無能となめきっている上に、オーク鬼よりも芸のないでく人形だ。攻めてくるにしても
正々堂々乗り込んできて、首をもらうと丁寧に宣言してくれるだろう。正直、狙ってくれていると言ってくれなければ
すぐにでも忘れそうだ……さて、話がそれたが、シャルロットほど意志の強いものがどうしてやすやすと夢に堕ちたか。
簡単な話だ……あの花粉は、シャルロットが一番望んでいる夢がかなった夢を見せているのだ」
 不敵に笑ったジョゼフの目には、ゲームを優勢に進めているものが持つ独特の光があった。
 ギジェラの花粉が持つ幻覚作用の恐るべき点は、この『あらゆる夢がかなった世界』を見せてくれることにある。
どんな人間でも、心の中には秘めた願望が根付いている。ギジェラは、そんな人が普段心の奥に”理性”や”良識”などで
押さえ込んでいる願望を、ダイレクトに脳に送り込んでくるのだ。
 その威力はすさまじい。人間の欲望を夢の中でとはいえ無制限に叶えられるということは、現実へと戻る意欲を人間から
奪ってしまうということになる。
 当然のことだ。あらゆる夢が叶う世界と叶わない世界、どちらに行きたいですかと聞かれれば答えは聞かずともわかる。
 極論すれば、天国にいる者に「地獄に行きたいですか?」と尋ねるのにも等しい。実際、かつてギジェラはこのとおりの
威力を発揮して、ウルトラマンティガの守っていた地球の三千万年前の文明のほとんどの人間を虜にし、安らかな滅びへと導いている。
 苦痛にも増して、人を操るものは快楽。ジョゼフは、タバサにどんなに過酷な試練を与えたところで無駄だと判断し、
その真逆である快楽のふちに追い込み、破滅させることを狙ったのだった。
「ふふふ……シャルロットよ。いくらお前でも、その夢の世界から脱出することはできまい。そこには、父と母、お前が
欲してきたすべてがある。それを捨てて、すべてがなくなった現実に戻れるかな? そうやってそのまま、ミイラになるまで
眠り続けるか? 最後には、本物の父と母が迎えてくれる。これ以上ないほどの幸せな死に方であろうな。そうして、
干からびていくお前の顔を見続ければ、今度こそ余の心は痛むであろうか? お前の父を手にかけて、余の心に空いた
大きな穴を埋められるほどの痛みを味わえるだろうか!」
 見えない存在に向かって独語し、狂気とさえ一線も二線も隔絶したところで吼えるジョゼフの心の内は、恐らく誰にも
理解することはできないであろう。それは、シェフィールドとて例外ではなく、唯一の腹心を自認する彼女でも、ジョゼフの
心がこの世のどこにあるのかを確認したことはなかった。

644 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 11:56:27.21 ID:g7fZJOlc
支援

645 :ウルトラ5番目の使い魔 52話 (6/11) ◆213pT8BiCc :2011/07/24(日) 11:56:45.24 ID:P113Bcak
「ジョゼフさま、シャルロットさまが無事に屋敷を出られるかどうかという勝負は、どうやらジョゼフさまの勝ちのようですわね」
「うむ、今回ばかりはシャルロットも相手が悪すぎたということか。しかしこれから冬の寒気が直撃するな。ミイラといわずに
今夜中にも氷付けになるかもしれん。ふむ、氷詰めの人形として、永遠にその美しさを保たせてやるのも一興だな。なんなら、
シャルルの墓の墓石の代わりにするのもよいかもしれぬ。ミューズよ、永遠に溶けない氷の製法、お前なら知っているだろうな?」
「はっ……存じておりますが……」
 返答しながらも、ジョゼフの恐ろしい思いつきに、今回ばかりはシェフィールドも少々動揺していた。顔の知らない他人なら、
百人だろうが千人だろうが、国一つであろうが虫けら同然であるから煮るも焼くもためらいはない。しかし、血を分けた肉親を、
こうまでむごたらしく痛めつける感情は、なんなのかまったく理解できない。知をもってジョゼフに奉仕してきた彼女にとって、
理解できないということは、それだけで恐怖を感じることだった。
「どうしたミューズ? はは、心配するな。お前をあのようにしたりはせぬよ。余の心には、この退屈な世界への苛立ちと、
シャルルを失ったときに味わった痛みをもう一度という思いしかない。そうだな、シャルロットを手にかけてもなお、余の心に
変化が現れなければ、今度は世界を地獄に変えてみるのも悪くはないか。レコン・キスタでアルビオンを荒らし、人々を
苦しめたときの何百倍の血を流せば、余にも罪悪感が戻ってくるかもしれん」
 つらつらと、まるで幼い子供が親につぶした蟻の数を自慢げに報告するようなジョゼフの語り草には、本当に罪悪感のかけらもない。
 かつて、あまりにも大きなものを、自らの手で失ってしまったがゆえの、罪を感じる意識の欠如。シェフィールドがジョゼフの
ことを理解しきれない最大の理由がここにある。人は、自分が持っているものを持っていない人間のことを理解するのは難しい。
飽食の人間が空腹の苦しさを知らず、健康な人間が病人の苦しさをわからないように。
 そして、一度持っていたものを失った人間は、それを取り戻そうとする。ときには、より以上の代償を払ってでさえ……
 しかし、人にはそうした矛盾や恐怖を見てもなお、貫きたい思いもある。
「世界が消えてなくなり、無人の荒野を眺めたときに、余は後悔できるかもしれん。涙を流して打ちひしがれるかもしれん。
そのときに、見届け人となってくれる者が一人くらいいなくてはな。ミューズよ、ともに地獄を見てくれるか?」
「はい! 喜んでどこままででも」
 晴れ晴れとした声で答えたシェフィールドの心に、迷いは消えてなくなっていた。例え、地獄であろうとどこであろうと、
そばにあることを、それだけで満たされる。人が評価すれば、愚かとしかいいようがない。けれども、人間にはときにそうして
ことの正否とは関係なく、一人の誰かのために尽くしたくなることがある。シェフィールドが今抱いた感情も、そうした
もののひとつであった。
 だが、闇に身を任せる魂もあれば、光に踏みとどまらさせようとする魂もある。
 さすがにこの快楽の夢の罠からは逃れる術はあるまいと、勝利を確信したジョゼフとシェフィールドが、再び遠見の鏡を
覗き込んだときだった。完全に夢の世界に堕ちたタバサのかたわらで、死んだように眠りこけていたキュルケがうめき声を
あげて、ゆっくりと起き上がってきたのだ。

646 :ウルトラ5番目の使い魔 52話 (7/11) ◆213pT8BiCc :2011/07/24(日) 11:58:10.49 ID:P113Bcak
〔う、ううん……あれ? サミー? クリック……?〕
「ほぉ……これはこれは……まさか、自力で夢のふちから回復するとはな」
「いえ、おそらく最初に吸い込んだ花粉の量が少なかったために、効き目が切れるのが早かったのでしょう」
「なるほど、最初の不注意さがかえって身を助けたか。悪運の強い娘だ……ふふふ、どうやらまだゲームセットには
早いようだなシャルロットよ」
 ジョゼフは愉快そうに笑うと、姪たちの健闘を祈るべく高々とワイングラスを掲げて乾杯した。
 
 しかし、敵からのそんな激励があるとはつゆとも知らず、キュルケが目覚めて、辺りを確認して得た現実は最悪のものだった。
「タバサ! しっかりして! タバサ!」
「お母さま、お父さま、ドラゴンケーキももう食べられませんわ。次は、みんなとお庭で遊んできたいのですけれどいいですか?」
 いくら揺り起こして怒鳴っても、業を煮やして張り手を食わせても、タバサは目の前で父と母と話しているように、笑顔の
形をまったく変えようとしない。痛みを一切感じていない……ギジェラがタバサに花粉を浴びせるところを目撃していない
キュルケは、これは、なんらかの魔法の効力なのかといぶかしみ、ディテクトマジックをかけてみたものの、当然反応があるはずもない。
「いったいわたしが眠ってるあいだになにが!? シルフィード! あんたもいつまで踊ってるのよ!」
「きゃははは! わーいわーい! お肉がいっぱい飛び回ってるのねー。食べ放題なのねー」
 どんな光景が見えているのか、想像するまでもなくわかるところがシルフィードらしい。キュルケはそう思ったが、そうも
のんきなことを言っている場合ではない。竜の姿で部屋の中をどたばたと暴れまわるシルフィードはそれだけで危険なのだ。
 キュルケは、とりあえずタバサとタバサの母を部屋の隅に移動させると、息を整えて胸に手を当てた。
「さて、落ち着きなさいキュルケ・フォン・ツェルプトー……落ち着いて、よく考えるのよ。今の状況を」
 理解できない異常事態に、キュルケはパニックに逃げ込みそうな自分の心を叱咤して落ち着かせた。
 明らかに幻覚を見せられているタバサたちに、庭に出現している不気味な巨大植物。そして、黄色い粉が付着した
室内とタバサの体。
「これは……毒花粉」
 冷静さを取り戻せば、タバサたちの症状の原因をつきとめることは難しくなかった。しかしこの時点でキュルケはすでに
相当に運がよかったともいえる。オリジナルのギジェラの花粉であれば、防毒マスクごしでも人間を簡単に催眠状態にする
ほどの威力を持っており、微量でも絶対に目覚めることはなかっただろう。
 だがその代償としてか、オリジナルが持っていた、夜に活動が弱まるという弱点もなくなっている。それがクローニング
による突然変異なのかは不明だが、いずれにせよ夜に活動がにぶるという植物の弱点が克服されたのは、失った能力を
補おうとする一種の進化なのかもしれない。

647 :ウルトラ5番目の使い魔 52話 (8/11) ◆213pT8BiCc :2011/07/24(日) 11:59:07.23 ID:P113Bcak
 キュルケは、花粉の毒性に気づくとすぐにハンカチで鼻と口を覆ってマスク代わりにすると、暴れるタバサを無理矢理
担ぎ上げた。
「ともかく、ここから離れないと……でも、シルフィードがこの調子じゃあ」
「きゃはは! お肉の次はお魚なのね。すごいのね、いくら食べてもおなかいっぱいにならないのねーっ!」
 自分が背負って、レビテーションを使うとしても連れて行けるのはタバサと彼女の母だけで精一杯だ。しかし、室内で
シルフィードが暴れまわるものだから、危なくてとてもじゃないがドアまでたどりつけそうもない。むろん、ギジェラが
根を張っている庭を突っ切るなどは論外、どうすればいいのかとキュルケは考え、本来短気な彼女は呪文を詠唱して杖を振った。
「しょうがないわね。タバサだったら水をぶっかけたりするんでしょうけど、あいにくわたしは水系統は苦手だし……
シルフィード、ちょっと荒療治だけど我慢しなさい!」
 キュルケの杖の先から火炎がほとばしり、シルフィードの全身を包み込む。しかし、一瞬風竜ではなく火竜に見えて
しまうほどの燃えっぷりに、キュルケはちょっとやりすぎたかなとほおを引きつらせた。
「しまった。手加減はしたつもりだったんだけど」
 自分も相当に魔法のランクが上がっていたことが、手加減の度合いを狂わせてしまっていた。しかしそれでも、
シルフィードはドラゴン特有の頑強な皮膚で炎そのものには耐えている。問題は、顔のまわりを覆った炎で、これが
周辺の酸素を奪ってしまうために、さしものシルフィードも呼吸困難になって、床を転げまわって苦しんだ。
 だが、これが予想外の幸運を招くことになった。
「がぼっ、ごほごほっ! あ、あれ? お肉は? お魚は? シルフィー、どうしてこんなところにいるのね」
「シルフィード! 正気に戻ったのね!」
 なんと、息を止められて炎を吸い込んだことで、呼吸器系から神経を犯す作用を持つ花粉も同時に焼き払われていた。
 意識を取り戻したシルフィードは、戸惑うもののすぐにキュルケに怒鳴られて我に返った。
「シルフィード、話は後でするわ。とにかくわたしたちを連れてここから離れて!」
「へっ! あ、わ、わかったのね!」
 シルフィードも、とりあえず考えるより早く体を動かして飛び立とうとする。しかし、そうしたことをジョゼフが見逃すはずはなかった。
「ここでゲームを降りるのは反則だろう。ミューズよ」
「はっ」
 シェフィールドが遠見の鏡ごしに操作を加えると、その指令は即座に寝室に仕掛けられた魔法の罠に伝わった。
 一瞬のうちに窓ガラスのあった場所が鉄格子に覆われ、入って来たドアも鉄の錠で閉鎖された。
「ちっ! やっぱりそのくらいの対策は打ってあるわね。これは、わたしひとりの力では壊せないか」
 キュルケは鉄格子を触ってみて、並の鉄でないことを感じると腹いせに蹴りこんだ。ガリアは列国でも魔法道具の
開発に優れており、これもおそらくその類のトラップだろう。残念だが、今の自分の火力では鋼鉄を焼き切ることはできない。

648 :ウルトラ5番目の使い魔 52話 (9/11) ◆213pT8BiCc :2011/07/24(日) 12:00:15.33 ID:P113Bcak
「ドアも閉鎖されちゃったし、壁や天井にも恐らく細工が施されてるでしょうね。こうなったら、タバサを起こして二人の力を
合わせるしかないわ。けど……」
「はっ、そういえばおねえさま!? おねえさま、こんなときになにぐっすり寝てるのね!」
「無駄よ。わたしたちよりずっと多く薬をかがされてしまってる。ともかく、説明してあげるわ」
 シルフィードはキュルケから事情を聞き、「おねえさま!」と呼びかけるも、やはり反応はなかった。
「無理ね。今のタバサは誰が呼びかけても、ううん……例え体を切り刻まれても、死ぬまで気がつきはしないでしょう。
わたしも味わったからわかるわ。あの快楽のふちにいたら、誰の言葉も届かない」
「そ、そうよね。シルフィも……うう、まだあの花粉がほしいと思ってる。ああんっぐっ!」
 自分の腕を噛んでこらえるシルフィードも、許されるならすぐにでも花粉に飛びつきたいに違いない。ただタバサのために
必死で我慢している気持ちはキュルケにもわかる。自分だって同じなのだ。
「シルフィード、あなたも強いわね……けど、わたしたちは吸い込んだ量が少なかったのと、本心からの願望がたいした
ものじゃなかったから、かろうじて我慢できてるけど、タバサは三年ものあいだ欲望も願望も抑えに抑え、心の中に
封じ込めてきたから、それが一気に満たされたことは半端じゃないわ。しょうがないわね。危険だけど、直接タバサの
体の中から花粉を抜き出すしかないわ」
「花粉を抜くって? いったいどうするつもりなのね?」
 体内に深く浸透してしまった薬を抜くのは医者でも難しい。シルフィードができたのは、肉体が人間よりはるかに
強靭な竜だからだ。人間にやれば肺や気管が焼けて死んでしまう。
「水筒をとって、それからわたしのバッグも……よし、これなら」
 キュルケはバッグの中から、澄んだ紫色の小瓶を取り出した。
「それって、香水?」
「ええ、前にモンモランシーからもらったオリジナルの香水。ラベンダーといくつかのハーブが原料だそうだけど、この際は
関係ないわ。とりあえずこれなら、人体にそこまで害はないでしょ!」
 そう言うとキュルケは、水筒からコップに出した水に香水を全部混ぜ込むと口に含んだ。そして、なにをするつもりかと
シルフィードが問いかける暇もなく、タバサの鼻をつまむと、口移しで液体を一気にタバサの喉に流し込んだのだ。
「! んーっ!」
 呼吸を止められ、喉に強烈な刺激性を持つ液体を流し込まれたことでタバサの体が反射的にはねた。キュルケは
もがこうとするタバサを押さえつけて、液体を吐き出さないように口を押さえ続ける。
「タバサ! 苦しいだろうけど我慢して」
 息をしようと気管を開いたところに液体が入り込む。本来ならば、これは大変危険な行為である。人間の肺に水などが
入り込めば、当然呼吸ができなくなって死にいたり、免れたとしても肺炎を引き起こすことにもなりかねない。しかし、今回は
それ以上の非常事態だ。肺にたまった花粉を、より強い刺激を持つ液体で押し流して上書きするくらいの無茶をしなくては、
この効力を断ち切ることはできない。

649 :ウルトラ5番目の使い魔 52話 (10/11) ◆213pT8BiCc :2011/07/24(日) 12:01:53.72 ID:P113Bcak
 心地よい夢を見続けていたタバサは、突然の苦しさと消えていく父と母の姿を追い求めて暴れに暴れた。
「がぼっ! ごぼっ、ごほごほっ! あ、あ? お、お母さま、お父さま、どこ? どこなの!?」
「タバサ、目が覚めたのね。しっかりして、それは夢よ! この花が幻覚を見せてただけなの! 悪い夢を見てただけなのよ」
 意識を取り戻したタバサを、キュルケはゆさぶり起こした。しかし、タバサは今までのことがすべて夢だったと知ると、
かえってパニックを起こしてしまった。
「いやあ! あれは夢なんかじゃない! 悪い夢はこっちよ。花、あの花粉をもう一度かげば!」
「なに言ってるの! やめなさい。今度幻覚に落ちたら、二度と帰れなくなるわ!」
「離して! 帰るの! お父さまとお母さまのところに帰るの!」
 まるで幼児に戻ったかのように暴れ、床にたまった花粉を求めようとするタバサをキュルケは必死で抑えた。
 目を覚まさせたらなんとかなるかと思ったが、甘かった。花粉の量に関係なく、中毒の度合いが自分たちよりはるかにひどい。
あの強いタバサが見る影もなく狂わされている。キュルケは、なぜジョゼフが最後の罠にこの植物を選んだのかを明確に理解した。
「おねえさま、お願い正気に戻って!」
「ジョゼフめ。最初からタバサの心の傷を利用する気だったのね。なんて卑劣なやつなの!」
 キュルケは宮廷闘争の血で血を洗う貪欲さを知らないほど子供ではない。彼女の母国のゲルマニアにしろ、現国王の
アルブレヒト一世は、政敵を女子供にいたるまで幽閉して王座を得たことを誰でも知っている。
 が、そうしたことをふまえても、たった一人の女の子をこうまでむごたらしく痛めつける必要がどこにあるのか。
 ジョゼフへの怒りを手のひらに込めて、キュルケは思いきりタバサのほおをめがけて振り下ろした。
「しっかりなさい! あなたの見ていたのは、あなた自身が作り出した妄想と欲望の産物なの。あなたのお父さまは
もう死んで、お母さまはこれからあなたが助けるのよ」
「違う! 違うわ! お父さまは生きてるのよ。ガリアの王様になって、シャルロットとずっといっしょに暮らすのよ!」
「聞き分けのない子ね。じゃあ、これが現実だってこと教えてあげる!」
 キュルケは、暴れるタバサの目の前で叫んだ。タバサは、また殴られると思い身をかがめようとする。しかし、今度は
張り手はこずに、キュルケはタバサの背中に手を回すと、小さい体を力いっぱい抱きしめた。
「なに!? んっ!」
 タバサの顔が、息もつまるほどキュルケの体に押し付けられる。
 苦しい! と、タバサはもがこうと試みたが、ふとこの感触をどこかで感じたように思えてきた。
 どこでだろう? なにか、温かくてすごく気持ちがいい。わたしは、この感触を知っている気がする。
 気づいたときには、タバサは暴れるのをやめ、体の力を抜いてキュルケに身を任せていた。
「どう? 伝わるかしら、わたしの体温と心臓の鼓動が……これは決して夢なんかじゃないわ」
「うん……なんだろう、なにか懐かしい感じがする……そうだ……」

650 :ウルトラ5番目の使い魔 52話 (11/11) ◆213pT8BiCc :2011/07/24(日) 12:03:27.56 ID:P113Bcak
「思い出してくれたのね。そう、わたしが前にこの屋敷にやってきたとき、あなたとこうして眠ったわね。あのときもあなたは
悪夢にうなされてた……でも、あなたは自分の心で悪夢を打ち破ったのよ」
 タバサは、あのスコーピスとの戦いの前日の思い出を記憶に蘇らせた。あのとき、悪夢にうなされる自分を朝まで
抱いて守ってくれていたのはキュルケだった。目覚める前のうつろなとき、その感触を記憶していたんだった。
「あなたは、自分の力で未来を切り開いてここまで来た。でも、最後の最後ですべてを投げ出すつもり? そんなことをしたら、
これまでのわたしたちとの思い出も全部否定してしまうのと同じ。なにより、あなたの本物のお母さんも助けられない」
「……」
 タバサは無言で自分を恥じた。キュルケの言っていることはすべて本当だ。けれど、それを肯定して夢の世界を
捨て去る気にもなれない。それほどに、あの夢の世界の甘美さと、父に再び会えたという感激は大きかった。
 たとえ幻想の世界でも、もう一度あの世界に行きたい。父と母に、思い切り甘えてみたいという欲求が強くわいてくる。
もしキュルケが抱いていてくれなければ、すぐにでも花粉に飛びついてしまいそうだ。
 キュルケは、現実と幻想のはざまで葛藤するタバサが、現実から剥離しないように強く捕まえると、耳元で静かに
語りかけはじめた。
「幻想なんかに逃げなくても、あなたにはもっとすばらしい未来を手に入れられる力があるわ。思い出して、ここに来る前に
あなたとわたしでかわした誓いを……」
 
 
 続く

651 :ウルトラ5番目の使い魔 あとがき ◆213pT8BiCc :2011/07/24(日) 12:05:24.07 ID:P113Bcak
来週に続きます。>644の方、支援ありがとうございました。
今週はあまりくどくどしく主張することはありません。
内面での戦いの様子を書くのはやはり大変でした。タバサやジョゼフのような、複雑な内面を持つ人物を創造したノボル先生はすごいとあらためて思います。
では次回はいよいよクライマックスです。

652 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 13:16:32.18 ID:FKZnVqMY
動物だったら「ゴン」はどうだろう?
(いや、あれをどうやって文字だけで表現しろと言うのだ?)

653 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 13:23:02.12 ID:XlcfycFo
ゴンさん?

654 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 13:28:18.11 ID:dO/ak+vP
マッチョで怒髪天を衝く青年がパッツンパッツンな格好で出てきたらビビるな

655 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 13:32:30.08 ID:Rn8WdpTK
もういないだろうけどウルトラの人乙

656 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 13:33:02.31 ID:dlzoVFkh
来いよ 建物(がくいん)は壊したくない
と言って決闘の為ギーシュを連れ出すんですか

657 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 13:36:21.59 ID:P113Bcak
ギーシュ相手じゃオーバーキルにもほどがあるわ
ワイト相手にアーミタイルを使うようなもんだぞ

658 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 14:13:45.40 ID:GXq/b0lR
ゴンさん?

659 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 14:19:08.56 ID:jtUBnCFc
ウルトラ乙
快楽の夢とかえげつないな

660 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 15:43:54.12 ID:6J5kpA7l
>>657
ワイトなめんな



ワイトなめんな

661 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 15:51:47.43 ID:XlcfycFo
「おきゅきゅきゅきゅきゅ」と鳴くアレか

662 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 18:19:17.11 ID:rwp2c6ZQ
なんかたまに、間違えてるのに、無駄に頭に強く残って書いてしまうミスってあるかな?

・ハルゲニア  ハルケギニア○
・ブンドルネ   ブルドンネ  ○
みたいな感じで

663 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 18:27:18.69 ID:GXq/b0lR
>>662
ハルゲニアは無いな

ハルゲギニアかハルゲキニアのどっちかじゃね?

664 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 18:59:58.70 ID:FKZnVqMY
念のため
「ゴン」って恐竜みたいな謎生物が主役?の
セリフどころか効果音も擬音も一切ないヘンな漫画

665 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 19:09:16.82 ID:EaZJGB28
鉄拳3に隠れキャラで出てきた奴だっけ?
アレ、どういう繋がりがあったんだろ

666 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 19:11:25.67 ID:4snJvYLW
>>662>>663
ハルキゲニアならちょくちょく見かけるな

667 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 19:36:41.94 ID:+J2cuss1
>>664
モーニングでやってたやつか
頭突きが超強いんだよな

668 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 19:52:50.90 ID:UWg0NKeV
ギャートルズ

669 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 19:54:06.49 ID:/Gd3Vjaj
ハゲルギニア……誰がハゲや

670 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 21:14:25.47 ID:EEmRAyFF
なんかもう正解が分かんなくなってきた

671 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 21:31:37.83 ID:uUwsS6kO
>>666
カンブリアンモンスターな感じだな
俺も最初はハルキゲニアだとばかり思ってた

672 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 21:48:14.47 ID:UeIyeHN5
>>671
アノマロカリスみたいにそれまで別の化石だと思われていたものが
近い将来全然別物の一部だった、なんて明らかになるかもねアレ。
それくらい異質すぎる。

673 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 21:58:13.44 ID:0LzdjsXO
やれやれ、僕は射精した

674 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/24(日) 22:52:51.56 ID:ifZ9cXB6
おそばせながらウルトラの人乙!
そういやギジェラの花粉て脳細胞保全機能あるんだっけか。
氷漬けにして仮死状態にしたらマジで永遠に快楽の夢に溺れそうだな……

675 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/25(月) 00:01:47.86 ID:0HF/i9CR
GODHANDからジーンを呼んだらどうなるのだろうか
ギーシュ相手にゴッド☆土下座をしたりフーケにおしおきしたり
マリコルヌに毒針スペシャルかましたり偏在にハリケーンチョップ使ったり
ルイズに鞭で打たれてちょっと感じたり

676 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/25(月) 01:27:19.22 ID:Y9O5ZnhA
タイマン無敵で複数相手がとことん苦手なジーンさんは最初のギーシュ戦が鬼門すぎる…
ワルドwith偏在>ギーシュwithワルキューレ複数>フーケ>ワルド
だよな攻略難易度

677 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/25(月) 02:03:17.15 ID:Uy6sCF17
>>660
ワイトは育ててればキングの攻撃力を最大11000まで引き上げられる
はじめは凡骨だが仲間の力を借りてすさまじい成長をとげるあたりギーシュにぴったりではないか

678 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/25(月) 11:07:40.01 ID:qgYiLE+4
偏在を出す魔法使いと戦うと言えば、塔のラトリアをうろつくボーレタリア最後の希望か賢者フレーキ


でもまあ、魔術師を駆除すると言えば、聖者ウルベインの反魔法領域展開→神の怒り無限連発のコンボだけれど

679 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/25(月) 12:57:36.28 ID:OmxRCV2a
フレーキは探求の果てに黄色い老人のいる場所までは到達したんだよな
ソウルの業があの世界で通用するなら、あの連中は肉体強度込みでかなり凶悪だな

680 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/25(月) 14:37:44.29 ID:tAGnvjfJ
ソウルといえば、ジルオール関連のキャラクター召喚とかみたいな

バイアシオン大陸から旅立つ主人公とか
勇者ネメアとその付き人ダークエルフのオイフェとか

681 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/25(月) 14:55:52.89 ID:UbSzlo0h
ジルオールならユーリスでいいじゃないか
失敗魔法で爆発するし

682 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/25(月) 15:26:29.75 ID:ZEMaVe59
ユーリスは教室吹き飛ばして魔法学校追い出されてるんだよな
それを考えたらルイズのが恵まれている?

683 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/25(月) 16:28:46.94 ID:ONmYJuLV
魔法学校中退といったらブレスUのニーナもそうだよな
もっともニーナの場合は後に伝説の大魔法使いの弟子みたいな立場になってるけど
ディースは1〜4までのどの時代を召喚するかでまったく変わってくるだろうな

684 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/25(月) 17:36:54.08 ID:zZzqmCOr
ガルドラン(ボソッ

685 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/25(月) 19:04:01.84 ID:BA/cWytq
デモンズの場合、ガルもいい感じでメイジアンチになるね。
まあ、正確に言えば対魔法装備である暗銀の盾がアンチなんだけど。

686 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/25(月) 19:33:21.24 ID:oME2uiLN
>>684
ルイズの爆発魔法を華麗な奥義「勇者避け」で回避するんだな?

687 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/25(月) 19:51:21.36 ID:7R41dkCg
>>686
「勇者避け」がどんな技だか知らないが
「奥義・バカガード」
「宮本バリヤー」を思い出した


688 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/25(月) 20:14:06.32 ID:7TgrM952
ガンダールヴは基本の役目はルイズの盾だから本来攻撃力はいらないんだよな

689 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/25(月) 20:16:32.64 ID:fb61OSst
一切攻撃しない場合必要な能力糞みたいに跳ね上がるだろ
殴れない軍隊なんて糞の役にもたたん

自衛隊に武器いらないって言ってるのと似たようなもんだろ

690 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/25(月) 20:23:15.15 ID:APReQDf2
"死神の盾"の異名を持つエディ・ガーランドの出番?
太陽系警察のエリート特務官で、人間を盾にする戦術が得意な人。

小型宇宙艇 聖闘士号と一緒に召喚されるとかなりの戦力?

691 : 忍法帖【Lv=14,xxxPT】 :2011/07/25(月) 21:05:51.22 ID:6ytDyWmk
盾は殴るためのもの。

という冗句はさておき、脅威の排除の一手段として対象の無力化があるのは確かなわけで。
まあfateのサーヴァントみたいに(少なくとも最初のうちは)役に当てはまる必要はないし、
無双可能も火力抜きもアリとは思う。

692 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/25(月) 21:38:32.97 ID:lCDlqBlu
>>688
そういうときは世界樹のパラディン師匠だな
盾でも殴れるし

693 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/25(月) 21:42:29.97 ID:EkjPlthR
「盾」ならズバリ楯雁人ってやつも居るが……
でも、ヤツよりジーザスのほうが動かしやすいか

694 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/25(月) 21:52:44.03 ID:aVWI/P05
「鋼盾…鋼の盾、良い名前だ」

695 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/25(月) 22:54:32.77 ID:gPyXLA3A
オススメのPTのメイン盾がいるんだが……。

696 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/25(月) 23:04:29.73 ID:Ag/6a3t/
はいはいブロ語ブロ語
>>685
暗銀盾は魔法カット100だっけ

697 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/25(月) 23:07:33.40 ID:QUeXRpBY
キャプテン・アメリカとアルゴスの闘士とゼパ・フリンジコルトとユーキリスと大門寺朱歌の出番らしい。


【三番目はともかく後ろ二人は攻撃力が絶望的すぎる】

698 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 00:19:53.07 ID:OOzztjXG
盾と言えば戦いの挽歌

699 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 00:30:13.77 ID:zykoT0nY
完二「盾は鈍器っす」

700 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 00:34:09.78 ID:QqCG38n8
シールドバッシュは強いんだぜ。
ノックバックで城壁から落とすんだぜ。

701 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 00:43:55.62 ID:gk3RCYoO
盾といえば矛。

702 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 00:50:40.27 ID:XCu8j3yj
ここまで山田妙子なし。
空気読まずに「タルブにはゼロ戦の代わりに強盾とかどうよ」とか考えたのはナイショだ。

>>701
龍星座の聖衣を召喚とな?

703 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 01:12:57.38 ID:V8XO7dbH
「盾」…最高クラスの受け能力を持つ塔の盾を持っている塔の騎士なら…
駄目だ、でかい上に魔法に弱いから集中砲火で割とすぐに死にかねない…


704 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 01:44:50.53 ID:+EKPWe9j
城壁から落ちると言えば海馬

705 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 02:01:22.03 ID:n3B4Noaf
>>704
ありゃ脅迫だ

706 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 05:41:21.95 ID:TC1UlWfH
頑強無類の肉の楯クロコダイン

707 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 06:31:26.49 ID:yXvmcg/y
>>706
まさに肉の壁
ただ強いだけのキャラにはできないんだよな
俺とシャアはそれに気づくのに7年かかった

708 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 07:17:02.04 ID:5IjAC3Xx
>>699
端っこ引っ掴んで本当に鈍器扱いしてるからなぁ

709 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 07:31:27.16 ID:SsGH9jc7
機動隊のジュラルミン大盾は マジ凶器。
最近の ポリカーボネイトのヤツは知らんけど。

710 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 09:23:20.16 ID:Mv0MDUSI
殺傷能力を抑えていても大昔の重装歩兵が真っ青の装備が、警察や治安組織の機動隊の標準なのが現代だからな

>>703
おいおい、ソウルの業そのものに弱いってだけで、炎だろうが風だろうが水だろうが土だろうが、物理的なものをぶつけられたら完全に防御されるぞ
楯なんかなくても、まともな人間一人を即死させる程度の攻撃なんざ、余裕で受け流すし
それに他が高すぎて相対的に弱点ってだけで、あの世界の魔術への耐性も低いわけじゃない

ジリジリ間合い詰められて槍(ビーム)で突き殺されるか、楯で叩き潰される
といっても、あの人は絶対にダッシュしない主義だから、運が良ければ逃げられそうだけれど

711 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 12:19:41.53 ID:GdSV/AaT
つらぬきさんは鎧カッコイイ
デーモンの方の騎士さん達はそもそも言う事聞いてくれるんだろうかw

712 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 12:32:04.97 ID:QqCG38n8
>>711
あんなにカッコいいのに…弱いんだぜ、自分で使うと…

713 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 12:38:31.00 ID:U9X2B0Tc
実際のつらぬきや塔の鎧なんか自分では使えないだろ
黒いソウル体のみなさんはもどき装備してるが


少なくとも、生身の状態なら、ある程度はいうことも聞いてくれそうではあるな
あほみたいに強力な肉体と死んでも活動し続けるソウルを持った、デーモンとかすほどの人物を縛るのは楔でもなければ無理そうな気がするけど

714 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 12:48:30.93 ID:Mv0MDUSI
>>711
生身の状態「ボオオオオォォォォレェタアアアァァァアアアリャアアアアァァーーーー!!!!」傾向が黒いとあの親切なビヨールさんすら殴りかかってくる
ソウルに酔ったor餓えた生身の状態「」デモンズソウルを求めるどころか、下手するとそこら辺の人間のソウルすら奪い始める
黒いファントム「」黙って肉体を持った人間を片っぱしからぶち殺す。ソウル体でもぶち殺す
デーモン「」黙ってハルケギニア中の生物のソウルを吸う。認識を失った世界は拡散し、色のない霧に溶ける

ごくごく一部の人間以外は、デーモンの方の騎士たちが出てきたら、確実に亡者になってBADENDだな

715 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 13:10:30.88 ID:GdSV/AaT
>>713
城のボスで出てくる騎士達は本人が変貌したもんじゃないぞ、あれ
坑道の竜の王みたく名声あったからデーモンが形作っただけで

716 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 13:20:07.29 ID:U9X2B0Tc
ドロドロのデーモンに物真似されるほどすごいってことについてをくどくど書かないとならんのかよ

717 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 13:22:24.49 ID:Mv0MDUSI
>>715
名声じゃなくて、畏怖や恐怖だな

竜の王やタカアシ鎧蜘蛛も、単に古い恐竜かなんかの骨や、大量の蜘蛛をみた穴掘りたちの恐怖が元になってるし

718 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 13:32:18.32 ID:U9X2B0Tc
ただまあ、サイズやなんかの違いはあれ、形状やはおろか、立ち振る舞いや性格まである程度再現してるんだよな
嵐の獣たちのように、実在する生物ではあるんだろ

双剣曰わく、本物には及びつかず、偽王も戦闘力的にオーラントにギリギリ似せることしか出来てないらしいけど

719 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 14:30:26.16 ID:Vg5Q4187
古典SF「タイム・マシン」の世界から時間旅行者を召喚
再び時間旅行に出た途上で召喚された彼はハルケギニアの世界を、ありえたかもしれない地球のパラレルワールドと推測する…

720 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 17:12:01.20 ID:hbSURIqs
古典SFなら「宇宙戦争」から火星人たちを召喚

「聞いたルイズ?タルブではトライポッドを3機倒したそうよ」

721 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 17:56:09.56 ID:bzvDHN76
サンダーチャイルドですら2機しか撃破できなかったのに。
タルブにいったい何があったんだww

722 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 18:19:12.66 ID:Jg4UDm9h
>>721
佐々木さんが持ち込んだ鉄人28号でもあったんではないか

723 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 18:32:23.31 ID:SNZRNGUk
>>721
エドガーとL・Aでデモンベインが・・・


724 : 忍法帖【Lv=16,xxxPT】 :2011/07/26(火) 19:02:48.44 ID:Vg5Q4187
レベル確認

725 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 19:27:35.56 ID:bng5QYIW
>>721
タルブもどこぞの国みたいにちょくちょく怪獣に襲われていて、怪獣・宇宙人対策がしっかり出来ていたのかもな

726 : 忍法帖【Lv=27,xxxPT】 :2011/07/26(火) 19:27:44.64 ID:hnqCZ1nw
てst

727 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 20:19:00.78 ID:Jb1RqlWA
盾の話題でもアースガルズは出なかったか。
3のならサイズ的にもキャラ的にも行ける・・?

728 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 20:27:09.94 ID:eu/kXdjm
>>721
大阪では1機だ

729 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 20:37:38.46 ID:SNZRNGUk
>>727
本編後ならもれなくブルーデスティニーが付いてきますね

730 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 20:42:59.22 ID:TYhPbc3I
乾燥うどんをくわえた格好いいおっさんをテファの下にでも

731 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 21:40:26.12 ID:SNZRNGUk
>>730
ミサイルにパンチしたくらいで死ぬわけが無いと今でも思っている

つーかアースガルズ、3の・・・ね
盾とかサイズとか言うからついつい三石のほうを思い浮かべてしまったが
そういや3もかなり小さかったんだった
どうしても1か5がすぐ思い浮かぶんだよな

732 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 22:21:13.31 ID:e0vJdH/Y
>>729
ブルーディスティニーで蒼い死神が浮かんだ…
1号機があったら阿鼻叫喚だな。
2号機だったら誰に忠誠を誓うんだろう?
3号機だったら…まぁ普通だろうけど。

733 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 22:36:22.91 ID:Jb1RqlWA
>>730
あのおっさんならエルフのカウンターくらいパンチで一撃だろうなあ。
>>731
地味だけどXFのも小型だったよ!
4はゴーレムですらないけど。

734 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 23:27:13.55 ID:WJvHc3iX
火星人と聞いてテンカワアキトを思い出しのはおれくらいかね
順応性あるからハルケでもなんとかやってくだろう。そんでもってアキトへの思いからボソンジャンプでナデシコごとやってくるユリカ

735 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/26(火) 23:57:55.19 ID:n/r/tTsz
>>734
特に味覚がダメで、感情が高ぶるとボォーッと光るようなヤツを召喚してどうすんだ。

736 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 00:22:49.88 ID:mPE/AkEp
鞍馬天狗から鞍馬天狗を召喚する。
ギーシュとの決闘で華麗な剣さばきを披露する。
モット伯爵の屋敷にシエスタを取り戻すため単身で乗り込んでいく。

2008年版では元公家で父はおじの謀略により失脚させられた
という設定だったと思う。
貴族社会との対比になるだろうか。

737 :三重の異界の使い魔たち:2011/07/27(水) 02:45:15.94 ID:EbpBnf75
 お久しぶりです。よろしければ、50分から投稿します。

738 :三重の異界の使い魔たち:2011/07/27(水) 02:50:16.56 ID:EbpBnf75
〜第10話 勇気と闘いと覚醒と(中編)〜

 シエスタは廊下を駆けていた。スカートのすそを摘まみながら、学院の中を走り続ける。埃を
立てながら足を駆る、行儀悪い姿。そのはしたない様は、普段の彼女であればありえないものだ。
 それだけ、今シエスタは焦っていた。今朝から仲良くなった使い魔の少年、サイトが、貴族と
決闘することになったのだから。平民にとって、魔法を使う貴族は絶対的な存在。杖の一振りで
不可能を可能にしてしまう、別格の人種である。そんな相手に、自分と同じ平民であるサイトが
勝てるわけがない。

――なのに、サイトさんたら!
 それにもかかわらず、サイトは自分の制止を全く聞き入れなかった。なんの根拠があるのか、
大丈夫だといって聞く耳を持たなかった。
 このままでは、大変なことになってしまう。貴族と本気で戦ったら、怪我することはまず間違い
ない。否、それどころか、殺される可能性の方が高いのだ。
 それに、シエスタができることなんて何もない。シエスタもサイトと同じ平民。貴族に逆らう
ことなんて不可能なのだから。

――だけど、ムジュラさんたちなら!
 しかし、あの少年と共に召喚された者たち、サイトの使い魔仲間たちならば、話は別だ。特に、
ムジュラの仮面というあの使い魔。被った相手を魔法が使える様にしてくれるらしい彼ならば、
きっとサイトを助けてくれる。
 そう考えたからこそ、シエスタは一心不乱に走っていた。何処にいるのか判らない仮面と妖精の
コンビを、必死になって探し続ける。

「しかし、広い学院だな。本当に施設全部きっちり使っているのか?」
「ホントだね、掃除しなきゃいけないシエスタたちは大変そう」
 そうして学院中を探索すること約一刻、ようやく廊下の向こうに見知った影が2つ見えた。
「ムジュラさん! ナビィさん!」
 そちらへ向かいながらも呼び掛けると、2名はこちらに向き直ってくる。
「噂をすれば、だな」
「Hello、どうしたのシエスタ? そんなに慌てて」
 不思議そうにする両者に追いつくと、シエスタは息を切らせながら答えた。
「さ、サイトさんが……」
「サイトが?」
「どうかしたのか?」
 体ごと首を傾げる2名に、荒い息のまま叫ぶ。
「き、貴族の方と、決闘を!」
「ええっ!?」
「何やってるんだ、あいつは」

 驚くナビィと呆れるムジュラの仮面に、シエスタは縋りついた。
「ですから! ナビィさん、ムジュラさん! サイトさんを助けてあげてください!」
「うん、判った!」
「せいぜい遊ばせてもらうか」
 答えたムジュラの仮面が視線を向けると、何かの魔法を使ったのだろう、廊下の窓がひとりでに
開く。
「シエスタ、決闘は何処でやってるの!?」
「はい、ヴェストリの広場です!」
 ナビィの質問に答えると、2名の使い魔たちは互いに顔を見合わせた。
「昨日行った広場だね。急ごう、ムジュラ!」
「そうだな、行く前に終わっていてもつまらない」
 言うが早いか、ナビィが真っ先に窓から外へ飛び出していき、ムジュラの仮面もその跡を
追おうとする。その背中に、シエスタは呼び掛けた。
「待って、私も連れて行ってください!」
 サイトには今朝の洗濯や、配膳の申し出等、色々と親切にしてもらった。ムジュラの
仮面たちが助けに向かうとしても、サイトの安全を確認してからでなければ安心できない。

739 :三重の異界の使い魔たち:2011/07/27(水) 02:52:16.60 ID:EbpBnf75
「ふうん?」
 すると、ムジュラの仮面の眼に何やら意地の悪そうな光が宿った。かと思えば、シエスタの体が
俄(にわか)に浮き上がる。
「なら、ご希望に沿うようにしようか」
 面白がっている様な声音で言うムジュラの仮面に、不安が湧いてくる。その不安の通りか、
シエスタの周りに夕焼け色の靄(もや)のようなものが立ち昇りだした。その靄は、凄まじい
速さで窓の外へと伸びていく。よくよく見てみれば、その靄は動いているらしく、川の様に
外へと流れていっている。
「あ、あのう、ムジュラさん……?」
「さて、急ぐぞ」
 シエスタの不安も何処吹く風とばかりに、ムジュラの仮面自身もその靄の中に入ってくる。
「あの、どうするんですかっ!?」
「向かうだけさ、広場へとな」
 何か妖しいものの籠(こも)った声で告げられると、浮き上がった体が動くのを感じた。

「っ、きゃああぁぁ!!」
 その次の瞬間、もの凄い加速がシエスタに襲いかかる。とんでもない力に引っ張られる様な
感覚に、思わず悲鳴が飛び出していた。視界も定まらない程の高速に目が回りそうだ。
 感じたこともない速度に怯えていると、やがてそれは終わりを迎えた。
「着いたぞ」
 ムジュラの仮面の言葉が耳に届くと、シエスタの体が急に止まる。すると、周りの靄が
霧散して、シエスタの体が地面に落ちた。
「痛っ!」
 臀部(でんぶ)から落とされた痛みに小さく悲鳴を上げると、シエスタはムジュラの仮面に
抗議の眼を向ける。
「いたた、ひどいです、ムジュラさん!」
「ん? リクエストには応えているはずだが?」
 悪びれずに言うムジュラの仮面に、シエスタはサイトが彼を性悪と評していたことを思い
出した。しかし、すぐにそんな場合ではないことを思い出す。
「そうだわ、サイトさんは」
 立ち上がってみると、シエスタは周囲に学院の生徒たちが輪を作っていることに気がついた。
そして、ムジュラの仮面が着いたといった通り、ここがヴェストリの広場であることも。
――ここ、ヴェストリの広場で、しかも人垣の真ん中……ってことは!

「がはっ!」
 状況を把握した瞬間、シエスタの背後から苦し気な声が聞こえてきた。次いで、すぐ後ろの
地面に、何かが叩きつけられた様な音が響く。
「ぐ、……っそったれ……」
 慌てて振り返れば、果たしてそこには件の少年、サイトの倒れた姿があった。
「サイトさん!」
「サイト!」
 先に広場へ来ていたのだろう、ナビィと声を揃えて倒れたサイトの許へ跪く。見れば、彼は
悲惨な有様だった。顔の半分は紫色のあざに覆われて、片目が腫れの中に埋まってしまっている。
頭も打っているのか、それとも切れているのか、まだ固まっていない血の跡が目についた。
鼻からも血が滴(したた)り、荒い息をついている口の中さえも鮮血の色に染まっているのが見える。
着ているものも酷い状態だ。あちらこちらが裂けていて、そこから生々しい切り傷が覗き、青い服に
赤茶けた染みを作っている。
 傍から見て、完全な満身創痍(まんしんそうい)だった。
「サイトさん、大丈夫ですか!?」
「くっ……」
 シエスタの声が聞こえているのか、いないのか、サイトが苦しそうな声を上げる。そんな状態で
あるにもかかわらず、彼は苦悶の声と共に起き上がろうとした。
「さ、サイトさん!? 無茶しないでください!」
 慌ててそれを押しとどめようとすれば、サイトは開いている方の目でシエスタを見てくる。

740 :三重の異界の使い魔たち:2011/07/27(水) 02:54:39.49 ID:EbpBnf75
「シエスタか……かっこ悪いとこ、見せちゃったな……」
 黒髪の少年の言葉は、そんなことだった。声の感じは苦笑じみていたが、腫れた顔では表情として
表れない。
「そんなこと言ってる場合ですか! 早く手当てしないと!」
「そうだぞ、平民」
 聞こえてきた声に目を向ければ、サイトの決闘相手であるヴィリエ・ド・ロレーヌが、嘲笑の
滲んだ眼でこちらを見据えていた。
「全く、勝ち目なんて全く無いというのに、不様な真似を続けて。どうして素直に自分の無力を
受け入れないのかね?」
 傲慢な調子で、溜息を吐かれる。これほど痛めつけた相手に対し、そんな侮蔑的な言葉しか
放てないヴィリエに、シエスタは激しい嫌悪を抱いた。同時に、これだけサイトを圧倒しながらも、
自身は全く無傷だという、貴族に対する恐れの感情も。
 嫌悪と恐怖の感情で板挟みになり、動けずにいると、サイトがシエスタの手を振り切ってしまう。
「言ってろ……てめえの風が退屈なんで、眠くなっちまった、だけだよ……」
 そんな強がりを言いながら、サイトは立ち上がった。そこへ、面白がっている様な声が上がる。
「そんな様で、よくも言えたものだな」
 ムジュラの仮面だった。仮面の使い魔は、同僚である少年をじろじろと見る。
「邪気は抜けても、やはりオレもモンスターか。流血と苦悶を前にすると、胸が躍る」
 楽しそうに言うムジュラの仮面に、サイトは赤いつばを吐きながら言った。
「悪趣味な奴……」
「ヒャハハ。まあ、そう言うな。それより、早く被れ」
 オレも遊びたいんだ、と急かすムジュラの仮面に、サイトは言い放つ。

「いやだ」
「なに?」
「ええっ!?」
「サイトさん!?」
 サイトの返答に、ムジュラの仮面、ナビィ、シエスタは、三者三様に疑問の声を上げた。
「これは、俺の喧嘩だ……ムジュラは、関係ないだろ……」
 途切れ途切れに、だがはっきりと言うサイトを前に、ムジュラの仮面はその目を真っ直ぐに
見つめる。
「本当に……いいんだな?」
 念を押すムジュラの仮面に、サイトは頷く。すると、ムジュラの仮面がまた楽しそうに言った。
「ヒラガ、昨日言ったことを覚えているか?」
「ん、なんだよ……?」
 サイトが聞き返せば、何気ない調子でムジュラの仮面は答えた。
「使えない道具は、タダのゴミでしかない」
 傍で聞いていたシエスタは、その言葉にぞっとする。言葉の内容もさることながら、そんな残酷な
台詞を平気で言えるムジュラの仮面に背筋が震えた。
「その意味が判るか?」
 そんなシエスタの怯みに構うことも無く、ムジュラの仮面は続ける。
「お前の心身、あの小僧に勝つために使い、それができないというのなら、お前の命、その程度の
ゴミだったということだ」
 それは極論すぎるとシエスタは思ったが、そんなことを平然と、その上面白そうに言うムジュラの
仮面に唖然とし、言葉にならない。
 一方、その挑発めいた言葉を受けたサイトは、つまらなそうな声を出す。
「あの冗談みたいな台詞、こんな場面で使いやがって……」
「気に入らないなら、ゴミじゃないと証明するしかないな」
 見下す様な言われ方で、サイトがますます反抗心を見せた。
「ああ、してやろうじゃねーかよ……」
 その返事を受けると、ムジュラの仮面の眼が楽し気に光る。
「あの子鬼のように失望させるなよ、被り手」
 そう言うと、ムジュラの仮面は思い出したように付け加えた。

741 :三重の異界の使い魔たち:2011/07/27(水) 02:56:04.74 ID:EbpBnf75
「そういえば、ヒラガよ」
「まだ、なんかあんのか……?」
 サイトが訝しむと、ムジュラの仮面の声の質が変わる。
「お前には、オレが優しく見えるのか?」
「え……?」
「せっかく出してやった助け船を蹴られ、それを許してやるほどに、オレが優しく見えるのか?」
 その声に、今度こそシエスタは戦慄した。否、ナビィも、サイトも、一様に竦み上がっている。
ムジュラの仮面の笑い声――面白がっている様な陽気な声のはずなのに、それには全く温度が
感じられなかった。軽い調子で言われているにも関わらず、異常な程に暗いものを感じさせた。
 笑いながらも、周囲から熱を奪い、暗がりへ引き込む、妖しの声。この世ならざる音声に呑まれ、
シエスタたちは息も凍るような感覚に襲われていた。
「まあ、どうでもいいことだな」
 かと思えば、次に放たれた一言に、温度が戻る。そこで、サイトが腫れた顔に浮かんだ冷や汗を
拭った。
「ど、どうでもいいなら、聞くなよ……」
「そうだな、ヒャハハ……」
 上擦り気味の声で返すサイトに、ムジュラの仮面は意外と甲高い笑い方で応える。シエスタは、
段々と後悔の念を抱きはじめていた。助けを求める相手を、思い切り間違えたのかもしれない。

「おい、いつまで待たせるんだ?」
 そこへ、ヴィリエの苛立った声が上がる。そういえば、なんだかんだですっかり無視してしまって
いた。その間、まったく攻撃を仕掛けてこなかったのは、余裕があるのか、意外と律儀なのか。
「ああ、休憩終了だよ」
「違う」
 サイトがヴィリエに言い放った瞬間、別の声が上がった。誰の声かと思ったら、シエスタの目が
青い髪と長い杖を持った影に留まる。いつの間に来ていたのだろうか、サイトたちの主、タバサが
すぐ傍にいたのだ。
「休憩でなく、決闘が終了」
 淡々とした声で告げるタバサに、サイトが片目に反抗的な光を灯す。
「なんだよ、それ……」
「言った通りの意味。これ以上は許さない」
 言葉の通りか、タバサは鋭い瞳でサイトを見据えた。その眼差しに、直接向けられているわけでも
ないシエスタまでもが息を飲む。静かでありながら有無を言わせない迫力に、ムジュラの仮面の
時とはまた違った寒さが背筋に走った。
 一方、それを直に受けているサイトの方は、真っ向からその眼を見返している。
「まだ、決着ついてないだろ……」
「これ以上続けても無駄」
 反論するサイトではあるが、タバサは聞く耳を持たない。
「貴方はそんなぼろぼろになりながら、相手に一撃さえ入れていない。これ以上やっても、結果は
見えている」
「っ……」
 論理的に続けるタバサに、サイトは言葉を返せない様だった。そこまで言うと、タバサの雰囲気が
微妙に変わる。
「貴方はよく闘った。でも、これ以上無理したら、本当に命の保証はない」
「けどっ……!」
 尚も抗議するサイトだが、タバサは首を横に振った。
「庶子と言われたことを怒ってくれるのは嬉しい。だけど、貴方がそこまで無理することはない」
「それだけじゃねえんだよっ!」
 俄に響く、サイトの叫び。空気を震わせたその訴えに、一瞬タバサは気圧されたように見えた。

742 :三重の異界の使い魔たち:2011/07/27(水) 02:59:33.48 ID:EbpBnf75
「あんな奴に虚仮(こけ)にされたまま、自分の友達の悪口も取り消せないまま、そんなだせえ
奴のまま、終わりになんてできるかよ……!」
 拳を握りしめながらも、サイトの言葉は終わらない。
「確かに、俺はムジュラみたく、魔法使ったりできない」
 出てきたのは、弱気とも思える言葉。しかし、そこにこめられているものは弱さと正反対の
それだ。
「ナビィみたく、感覚共有ってやつも、できない」
 痛みのためか、微妙に調子が外れた声。それでも、サイトははっきりと言葉を紡いでいく。
「でも、俺にだって、意地ってもんがあんだよ……!」
 言葉と共に、サイトの瞳に火が灯った。片方しか開けられていない眼が、強い意志で燃え
上がる。
「痛めつけられようが、何されようが……、一矢も報いらんねえまま、やられっぱなしで
いられるか!」
 力強い叫び――それを真っ向から受けたタバサは、シエスタの目には動揺している様に
映った。相変わらず、立っているのがやっとにしか見えないというのに。言っていることは、
まるで子どもの駄々の様なのに。サイトから発せられる気迫は、とても大きく感じられた。

 最早、言葉でサイトが止まりそうにないことは明らかだ。タバサもそれが判っているの
だろう、どうすべきか悩んでいるように見える。例え、彼女が魔法でサイトの自由を奪ったと
しても、それで決闘相手であるヴィリエが納得するだろうか。
 そういえば、去年彼女とヴィリエが諍(いさか)いを起こしたという話を、シエスタは思い
出した。無理に中断させようとすれば、かえって話がこじれるかもしれない。
 なんともしがたい状況に、シエスタは焦燥感を募(つの)らせることしかできなかった。
それに歯がゆさを感じていると、唐突に拍手の音が聞こえてくる。
 驚いてそちらに目を向けてみれば、1人の金髪の少年がこちらに近づいてきているところ
だった。



 学院の生徒たちは、この昼の決闘騒動を、見世物の一種として捉えていた。娯楽も刺激も
少ない学院生活の中の、降って涌いたショーを楽しむ感覚で、ここに集まっていた。
 タバサとヴィリエのクラスメイト、ギーシュ・ド・グラモンもまた、その1人だ。
 彼も別段、この決闘に何か思うところがあるわけではなかった。周囲の者たちの多くとと
同様、ただの興味本位でここにいるだけだ。
 しかし、彼は他の者たちとは違う点が一点だけあった。それは、どちらかというと平民の
使い魔の方に興味を持っていたという点だ。
 とはいっても、彼は平民という存在に関心を持っているわけではない。他の貴族たちと
同程度には見下しているし、魔法が使えない下等な存在だと考えている。
 魔法が使える貴族に逆らうこともできないくせに、陰でこそこそと罵(ののし)っては、
いざメイジを目の前にすればへこへこするだけの連中。そんな誇りも何もない、つまらない
人種だというのが、ギーシュらトリステイン貴族の多くが持つ平民観だった。
 しかし、タバサの召喚した、黒髪の使い魔。あの少年は、そんな自分たちの考える平民とは
違って見えた。

743 :三重の異界の使い魔たち:2011/07/27(水) 03:02:07.20 ID:EbpBnf75
「タバサは関係ねえだろうが!」
 貴族に対して臆することも無く、自分の主を侮辱した相手を思い切り怒鳴りつける。そのことに
驚いた者は、きっとギーシュだけではなかっただろう。特にギーシュは、彼の怒り方に関心を覚えた。
女性への侮辱に対する怒り、それはギーシュも共感できることだったからだ。
 だから、フェミニストを自任するギーシュとしては、むしろ平民の使い魔の方を応援する気に
なっていた。ラインクラスの風メイジであるヴィリエが平民に負けるとは本気で思っていなかったし、
気持ちだけでも味方に立ってやろうと思ったのだ。

 そして、決闘は大多数の予想通りに展開していった。平民の使い魔はヴィリエに全く歯が立たず、
ヴィリエの繰り出す風で一方的に痛めつけられていく。風の鎚(つち)に体を打ちつけられ、風の
刃に血飛沫を上げられる。
 黒髪の少年は何度も吹き飛ばされ、何度も倒れ込んだ。その度に起き上がっては、何度も何度も
ヴィリエへと突っ込んでいく。幾度も傷つきながらも、使い魔の少年は諦めずにヴィリエに挑み
続けた。その不屈の意志を以って戦う姿に、少年に対する感情がただの興味から少し変化する。
 どれほど傷ついても、心が折れることなく戦い続ける。それは、むしろ自分たち貴族が持つべき
姿勢に思えたからだ。だからこそ、平民でありながらそれができるこの使い魔を応援する気持ちが、
ますます大きくなっていった。
「痛めつけられようが、何されようが……、一矢も報いらんねえまま、やられっぱなしで
いられるか!」
 そして、満身創痍になりながらもそんな叫びを上げる使い魔に、とうとう気紛れを起こす。

「いや、なかなか大した根性だね、使い魔君」
 拍手をしながら、ギーシュは使い魔たちの許へ歩み寄っていく。すると、件の使い魔はこちらを
じっと見据えてきた。
「誰だ、あんた……?」
「おっと、失礼。僕の名はグラモン伯爵家四男、ギーシュ・ド・グラモン」
 バラの造花をあしらった杖を振りながら、軽く自己紹介をする。すると、ヴィリエが険のある声を
投げてきた。
「ギーシュ? なんのつもりだ?」
 明らかに不愉快そうな眼が向けられてくる。
「まさか、決闘の邪魔をしようなんていうんじゃないだろうね?」
「邪魔をするだって? まさか! そんな無粋なことをするものか」
 大仰に手を広げて、否定を示す。こういうことは、多少芝居っ気が必要なものだ。
「ただ、性分というのかな。こういった多くの観衆が集まる中では、どうにも体がうずいてしまってね。
何か自分も注目を集めたくなってしまうんだよ」
 言いながらも軽くバラの香りを楽しむ仕種を取り、平民の使い魔の方へ目を向ける。
「それに、そちらの使い魔君にも少し興味が湧いてね」
「興味……?」
 訝しむ平民に、軽く頷いてみせた。
「魔法が使えない身でありながら、どこまでも貴族に立ち向かっていく。そんな平民がいることに、
何故か素直に感動してしまったようだ」
 言い終われば、ギーシュは杖を小さく振った。すると、バラの造花から花弁が1枚零れ、使い魔の
許へと飛んでいく。そして、それはギーシュの掛けた錬金の魔法で剣に変わり、黒髪の少年の傍に
突き刺さった。刃渡り70サント程のミドルソードだ。

744 :三重の異界の使い魔たち:2011/07/27(水) 03:05:00.19 ID:EbpBnf75
「判るかい? それは剣、君たち平民が僕たち貴族に抗うために生み出したものだ。本気で決闘を
するつもりなら、その青銅の刃を手にしたまえ」
 そこまで言うと、ギーシュはヴィリエに向き直った。
「失礼、ヴィリエ。横槍を入れてしまったね。けど、君だとて丸腰の平民が相手ではつまらない
だろう?」
 肩をすくめながら言えば、ヴィリエは声を上げて笑った。
「ハッハ、君も酔狂だな、ギーシュ? まあ、別に武器を与えるくらい構わないさ」
 もっとも、とヴィリエは付け加えた。
「今更そいつに勝ち目が増えるとは思えないけど?」
 ヴィリエが辛辣に言った通りか、既に使い魔の少年は限界に見える。自分で贈っておいてなんだが、
とても剣を取って闘える様な状態ではなかった。
 ギーシュはそう思ったが、一方、黒髪の少年の方は剣に手を伸ばそうとする。しかし、それは
直前で遮られた。彼の主、タバサによって。
「駄目、これを取ったら、相手はもう容赦しない」
 小さく首を振りながら告げるタバサ、その表情は、心なしかいつもの無表情と違って見えた。
そして、それを向けられた方は軽い笑みで応えている。
「言ったろ……? 俺にも、意地があるって……」
 言いながら、タバサの制止をやんわりとどけ、剣に手を伸ばす。
「そりゃ、痛いのは嫌だ……死ぬのだって嫌だ……」
 だけど、と使い魔は続けた。
「あんな奴に、負けたくねえ……勝ち目があろうと、なかろうと……」
 瞬間、その半開きの目が燃え上がる。
「下げたくねえ頭は、下げられねえっ!」
 言い放った言葉と共に、その手が剣の柄を握り締めた。

〜続く〜

745 :三重の異界の使い魔たち:2011/07/27(水) 03:06:40.78 ID:EbpBnf75
 以上、今回はここまでです。

 というわけで、才人はヴィリエにボコられてます。そして、何故かギーシュは援護役。基本的に
目立ちたがり屋キャラなので、当事者でなくても何らかの形でしゃしゃり出てきそうなので。

 そして、シエスタにも少し頑張ってもらいました。原作では逃げてしまっただけですが、この物語では
この時点でもう親しくなっているので、ほんのり活躍です。

 ムジュラの仮面は少しだけ本性を出したが、真価を見せるのはこれからということで。

 後編はもうできているので、寝て起きたら投稿します。

 次回は才人視点からスタートです。

746 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 03:41:35.97 ID:nNWyi3L1
投下乙

747 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 06:07:04.14 ID:WKsAutnJ
>>735
人修羅を悪く言うのはやめてあげて!

748 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 07:04:56.67 ID:P6VSEYPy
>>747
投下乙

エルフ相手に無双か

749 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 09:17:09.93 ID:3bd9s7xz
人間性が一切なくて、常時ぼーっと光ってる奴らのサインを召喚するのはどうだ

750 :三重の異界の使い魔たち:2011/07/27(水) 09:44:15.12 ID:EbpBnf75
 おはようございます。よければ、50分から投下を開始します。

751 :三重の異界の使い魔たち:2011/07/27(水) 09:50:52.09 ID:EbpBnf75
〜第11話 勇気と闘いと覚醒と(後編)〜

――なんだ……?
 剣を手にした途端、サイトは自身に違和感を覚えた。左手がぼんやりと温かくなってきたかと
思えば、段々と手の甲が淡い輝きを帯びていった。その輝きと同調するかのように、徐々に体から
痛みが引いて行く。否、それだけではない。苦痛と疲労で鉛の様だった体が、なんだか軽くなって
きたのだ。流石に羽が生えた様とまではいかないが、それでも普段よりもずっと楽に動けそうだ。
おまけに、よく判らない力が体の奥から湧いてきているのも感じる。
――どうなってんだ……?
 ムジュラの仮面を被った時とはまた違った力の高まりに、サイトは困惑する。しかし、それも
一瞬。
――これなら、いける!
 唐突な事態に対して切り替えの早い才人は、すぐに思考を決闘に戻した。不可思議な感覚に従う
ように体を動かし、剣を構える。剣術の心得など無い自分が、何故自然に武器を構えることが
できるのか判らなかったが、とりあえず考えるのは後回しだ。
「皆、下がっててくれ」
 タバサたちの方を一瞥し、告げる。ムジュラの仮面を除き、タバサたちから不安そうな眼が返って
くるが、才人は笑顔で言ってみせた。
「大丈夫、もう負ける気がしねえ」
 傷の痛みを感じさせない、はっきりした声だった。その声に信じる何かを感じたのか、それとも
自分の強情さに呆れ果てたのか、タバサは何も言わずに下がっていった。シエスタも、無理は
しないでとだけ告げ、後に続いていく。ムジュラの仮面は、相変わらず意地の悪そうな眼で見つめて
くると、無言でタバサたちの後を追っていった。

 一方、ナビィだけはその場にとどまっている。
「ナビィ? お前も下がってくれよ」
「いいえ」
 才人の頼みを、妖精の少女は意外なほど強い声で断った。
「いや、いいえって」
「ワタシも一緒に戦う」
 言いながらも、ナビィの青白い輝きが黄色一色に変わっていく。
「もう二度と、友達を見捨てるようなことはしたくないの」
 静かながら、凛としたものの混じった声。それに、才人は反対の意思が殺がれた。
「これは俺の喧嘩だぞ?」
「大丈夫。口は出しても、手は出さないから」
 手が出る程大きくないし、と付け加え、ナビィは笑う。
「お節介な奴」
「相棒にもよく言われたよ、何度も同じ注意するなってさ」
 顔を合わせて笑い合うと、2名はヴィリエに向かい合った。

「やっと再開か? 回復の時間稼ぎのつもりだったかな」
 鼻で笑いながら、ヴィリエは杖を構えた。
「平民らしい浅はかな姑息さだが、それでなんとかなるとも思えないがね?」
 嘲笑もそこそこに、また呪文が唱えられていく。
「あれ……サイト、Listen!」
 そこへ、ナビィの声が耳に届いた。
「ナビィ、どうした?」
「あの杖、よく見て!」
 言われ、ヴィリエの杖を注視する。そうしていると、杖の周りが陽炎のように揺らいで見えるのが
判った。
「多分、魔法で杖の周りに風が集中して、空気が濃くなってるんだよ。だから、あんな風に揺れて
見えるんだわ」
 才人にだけ聞こえる様な小声で、ナビィは説明する。
「多分、あの濃くなった空気を撃ちだして攻撃するんだと思う」
「て、ことは……」
「あの揺れた空気が無くなった瞬間が、攻撃された時ってことだよ!」
 その助言に、才人の心臓が逸りだした。つまり、あの陽炎が消えた瞬間が、回避すべきタイミングと
いうことだ。

752 :三重の異界の使い魔たち:2011/07/27(水) 09:54:21.50 ID:EbpBnf75
「避ける瞬間はワタシが教えるよ。サイトは、攻撃することに集中して!」
「よっしゃ、サンキュー!」
 一気に軽くなった胸が命じるままに、両の足に力を込める。
「じゃ、行くぜ、ナビィ!」
「OK! 1、2の……」
 地面に足を踏みしめ、駆けだす用意と心の準備を整えた。
「3!」
 そして、声を合わせて飛びだす。こちらの怪我から、ダッシュできるとは思っていなかったの
だろう。ヴィリエが、虚を衝かれた表情で杖を振った。
「Hey、サイト!」
「ああ!」
 ナビィの呼び掛けに、声だけで応じる。言われるまでも無く、あの揺らぎに気が付いた時、
それが向かってくることにも気付けたのだ。そして、それがぶつかる寸前、才人は横っ跳びで
それをかわして見せる。
「なっ!?」
 そのことに、ヴィリエは明らかに驚愕した。それが焦りを生んだのか、しゃにむに魔法を
放ってくる。
「サイト、右! その次は頭を伏せて!」
「おう!」
 しかし、そんなものは最早脅威でない。ナビィの指示に従いながら、次々とそれを回避して
いった。そして、どんどんヴィリエとの間合いを詰めていく。

「くっ、平民ごときが、調子に乗るな!」
 苛立たし気なヴィリエの言葉。次いで、ナビィの鋭い声が響く。
「Watch out! サイト、大きいのが来るよ!」
「なっ、大きいのったって!」
 危機感のこもった警告に、才人は焦った。わざわざ知らせるということは、今までの
やり方では避けきれないということだろう。しかし、今までも割とぎりぎりでかわして
いたのだ。これまでより強力な魔法など、どうよけろというのか。
 うろたえながらも走り続けていると、ナビィが叫び声を上げる。
「Hey! サイト、一旦止まって! それから、前を向いたまま剣を思い切り振りきって!」
「はっ!?」
「早くっ!」
 唐突な指示に困惑するが、他に何かすべき策があるわけでもない。半ばやけくそ気味に、
その指示に従った。
「その姿勢のまま、腕を更に後ろへやるみたいに力を入れて! それから、左足を前にして、
うんと強く踏み締めるの!」
「お、おう!」
 言われた通り、剣の切っ先を斜め後ろに向ける様な姿勢のまま、剣を持つ右手と左足に力を
込める。
「それで合図したら、左足を軸にして、思いっきり回転して!」
「か、回転?」
 才人が聞き返せば、小さな助言者は力強く頷いた。しかし、どうにもそれでどうなるのかが
判らず、才人としては混乱するよりない。
 そんな才人の様子に、ヴィリエが冷たい笑みを浮かべてきた。
「ふっ何のつもりか知らないが……」
 相変わらず嘲るような声とともに、手にした杖が上げられる。
「これで終わりだ!」
 そして、とうとうそれが振り下ろされた。瞬間、明らかにそれまでとは違う空気の流れを
感じる。

「サイト! 今だよ!」
 しかし、その一瞬前に、ナビィの合図が耳に響いた。それとともに、才人も腹を括る。最早
迷っている場合ではないのだ。それならば、ナビィの言葉に懸けるしかない。

753 :三重の異界の使い魔たち:2011/07/27(水) 09:58:13.61 ID:EbpBnf75
「うおおぉぉっ!」
 叫びながら、左足を踏み締め体を回転させた。すると、予想以上の加速感を以って、全身が
螺旋を描こうとする。
「しなった竹が、勢いよく返るみたいに」
 その速さに驚きながらも、回転に合わせて剣を振るうことは忘れない。そんな才人の動きを
見ていたナビィが、静かに呟いていた。
「溜めに溜めた力が、遠心力の中で更に強さを増す」
 それを聞きつつも旋風のごとく剣を唸らせ、才人はヴィリエの風に真っ向から挑みかかる。
「それこそ、勇者リンクの必殺剣」
 見えない突風と、青銅の渦、その両者がぶつかりあった、その瞬間――
「“回転斬り”!」
 才人の振り切った刃が、魔なる風を打ち破った。突風の残骸は2つに裂け、才人を避ける
様にして草地に軌跡を残していく。
 その光景に、多くの者が絶句していた。魔法を使えない者が、魔法を正面からねじ伏せた
事実が信じられないのだろう。それはヴィリエも同様だ。杖を振り下ろした状態のまま、呆然と
してしまっている。

 そして、そんな隙を見逃す手はない。一気に距離を詰め、剣を振りかぶる。そこで、ヴィリエは
ようやく杖を構えなおすが、最早遅い。
「でやああぁぁっ!」
 気合の叫びとともに、剣を袈裟斬りに一閃する。
 一瞬の静寂、その後に、ヴィリエの杖が2つに分かたれた。切り裂かれた先端は、そのまま
力なく地に落ちる。それが転がるまで見届けると、才人はヴィリエに切っ先を突きつけた。
「まだ、やるか?」
 問われるまで、呆然としていたヴィリエの顔が、屈辱に歪む。それでも、自分の切られた杖に
目を向けると、視線を外して呟いた。
「……参った」
 悔しそうな返答を受け、才人は高らかに剣を掲げる。その次の瞬間、広場は歓声に包まれた。
「あの平民、やるじゃないか!」
「ヴィリエが負けたぞ!」
 野次馬たちの囃(はや)したてる声を聞きながら、見知った姿が駆け寄ってくるのが見えた。
タバサ、シエスタ、ムジュラの仮面、先程はいなかったキュルケに、剣をくれたギーシュもいる。
「サイトさん!」
 最初に声を掛けてきたのは、シエスタだ。
「凄いです、サイトさん! 貴族に勝ってしまうなんて!」
 凄い凄いとはしゃぐシエスタに、キュルケが続く。
「ホントね、やるじゃないの」
「ゴミでないと、証明できたわけだな」
 ムジュラの仮面もからかうように言ってきた。それら全てに才人は心底の笑顔で応えると、
やがてタバサに目が留まる。
「タバサ、勝ったぞ」
 笑って言ってみせると、タバサは何処となく困った顔をしているように感じた。それに才人が
訝しむより早く、別の声が掛かる。

「いや、大したものだね、使い魔君」
 拍手をしながら、ギーシュが笑みを見せる。かなり整った顔立ちをしているがために、その
表情は様になっていた。
「ギーシュさんだっけ? ありがとな、あんたの剣のおかげで勝てたよ」
 軽く礼を述べると、ギーシュは苦笑する。
「いや、君は本当に貴族に気後れしないんだね。普通、貴族にそんな礼で済ます平民はいないよ」
「あ、ごめん、じゃないか、すいません」
 慌てて、謝罪の言葉を述べた。貴族への礼儀と言われても、平等主義な日本で育った才人には
ピンとこない。しかし、流石に恩を受けた相手にタメ口というのは無礼が過ぎたかもしれない。

754 :三重の異界の使い魔たち:2011/07/27(水) 10:02:07.56 ID:EbpBnf75
「いや、構わないよ。正直そこまで自然な態度を取れる存在は貴重だからね」
 一方、謝られた方は笑ってそれを許した。
「だから特別に、対等の言葉を交わすことを許そうじゃないか」
「はあ、どうも……」
 芝居がかった語り方にやや腰が引けるが、とりあえず無理に畏まった話し方はしなくていいらしい。

「んじゃ、改めて。本当にありがとうな、最後は、あの剣で助かったみたいなもんだし」
「いや、あれは君の実力だよ。正直、ここまでの結果になるとは思っていなかった」
 謙遜ではなく、本気でそう思っているらしい。
「ははっ、正確にはアドバイスのおかげだけど」
 言ってナビィを見やれば、元の色に戻ったナビィが照れたように笑った。

「ところで、使い魔君。名前を聞いてもいいかね? 決闘前に名乗っていたようだが、恥ずかし
ながら聞き逃してしまったものでね」
「ああ、平賀才人。才人って呼んでくれ」
「サイト? 珍しい名前だね?」
 段々慣れてきたリアクションに、だろうね、と返した。
「だが、気に入ったよ。僕のことも、ギーシュと呼んでくれたまえ」
 それだけ言い残すと、ギーシュは芝居っ気のある仕種でマントを翻し、颯爽とその場を去っていく。
その後ろ姿は、素直に格好良く見えた。白人を美化する日本人的感覚を抜きにしても、ギーシュは
背の高い美男子なため、気障っぽい動きも割と画になっている。
 自分より身分が低く、かつ接点もなかった自分に手を差し伸べ、その勝利を祝福してくれた貴族の
少年。そんなギーシュの姿に、才人は僅かながら憧れの念を抱いていた。
「ギーシュ様!」
 そこへ、栗色の髪をした少女が人垣から飛び出してくる。見れば、タバサやギーシュ達の黒い
マントと違い、その少女は茶色いものを羽織っている。
「け、ケティ!?」
「ギーシュ様、平民であろうと危機にある者を救わんとする優しさ、私感動いたしました!」
 頬を赤らめてギーシュを称賛する少女、ケティを前に、ギーシュは何処か焦った様子を見せる。
ギーシュの恋人なのだろうか。

「ギーシュ?」
 そこへ、また別の声が上がった。見れば、長い金髪をロールにした少女が近づいてくる。マントの
色は黒だ。
「ギーシュ? その子は誰なのかしら?」
 異様にどすの利いた声で尋ねられ、ギーシュの顔がみるみる青くなっていく。
「も、モンモランシー、これはだね……」
「ギーシュ様……」
 一方、ギーシュの傍ではケティが哀しげな声を出している。
「ギーシュ様、やはりミス・モンモランシと……」
 よろよろと、後ろに下がるケティ。少し遠くてよく見えないが、涙ぐんでいるようだ。
「やっぱり、この1年生に手を出していたのね?」
 モンモランシーと呼ばれた少女の方はといえば、憤懣(ふんまん)やるかたないといった風情で
ある。そんな彼女たちの様子に、読みたくないながらも状況が読めてしまった。要するに、ギーシュは
この少女たちに二股を掛けていたようだ。
 その2人を前にして、ギーシュはとてつもない程にうろたえていた。

755 :三重の異界の使い魔たち:2011/07/27(水) 10:06:17.40 ID:EbpBnf75
「き、君たち、どうか落ち着いておくれ! 君たちのその美しいバラの様な笑顔が曇っては、僕まで
哀しくなってしまうよ!」
 言い訳がしたいのか、気取りたいのか、どちらとも取れない言葉を吐くギーシュの顔を、2人の
少女の平手が両側から挟みこむ。ばちん、と小気味いい音が響いたかと思えば、2つの叫びが新たに
上がった。
「もう、そのお言葉は信じられませんわ! さよなら!」
「嘘つき! もう愛想が尽きたわ!」
 言うや否や、2人の少女は別々に去っていく。そして、顔面挟み込みビンタを喰らったギーシュは、
しばらく顔を押さえてのたうちまわり、やがてゆっくりと立ち上がった。
「あのレディたちは、僕というバラの存在の意味を理解していないようだ」
 そして、ビンタの跡で顔を赤くしながら、そんなことを言ってのける。

――俺、こいつに助けられたわけ……?
 疾風のごとき速さであほらしさが湧いてきて、迅雷さながらの勢いで憧れの念が瓦解していき、
流星もかくやというスピードで意識が遠のきはじめた。
「っ!?」
「サイトさん!?」
「サイトっ!?」
「Hey! 大丈夫っ!?」
「結局気絶か? 情けないな」
 そして、5通りの声を受けながら、才人はそのまま気を失うのだった。



 ヴィリエ・ド・ロレーヌは、怒りと屈辱で震えていた。
――こんなはずじゃなかった……!
 切られた杖を握りしめながら、ここに来た理由を思い出す。
 事の起こりは、平民が落としたケーキのクリームが服に飛び散ったことだ。それに文句を言った
時、その平民が雪風のタバサが召喚した使い魔であることに気が付いた。
 あの青い髪の、ふざけた名前の同級生には、去年恥をかかされたのだ。庶子だという噂が流れる
様ないかがわしい存在だというのに、風のラインクラスのメイジである自分よりも風の呪文を巧みに
操り、自分のプライドを何度も傷つけた。決闘を申し込み、逆に負かされたこともある。

 だから、あの平民に対してタバサへの鬱憤(うっぷん)をぶつけていたのだが、平民の使い魔は
萎縮するどころか、ワインをぶちまけてきた。それを契機に決闘をすることになったのだ。
 始めは全てが上手くいっていた。所詮、平民が貴族にかなうわけがない。ヴィリエの放つ“エア・
ハンマー”や“エア・カッター”に、平民の使い魔は翻弄(ほんろう)されるだけだった。ヴィリエは
このまま自分の楽勝を信じていたが、しかし、それは叶わなかった。
 同級生であるギーシュの気紛れで渡された剣を手にした瞬間、相手の平民の動きが急によくなった
のだ。自分の風を次々と避けていき、それどころか、ヴィリエが使える最強の風の攻撃呪文、
“ウインド・ブレイク”さえ打ち破った。そして、ヴィリエは敗れたのだ。常日頃見下している、
平民を相手に。

756 :三重の異界の使い魔たち:2011/07/27(水) 10:11:28.10 ID:EbpBnf75
 その信じがたい、信じたくない現実に、ヴィリエは震え続けるだけだったが、やがておもむろに
立ち上がる。
「ギーシュ!」
 そして、決闘の闖入者の名を叫びながら、そちらへと詰め寄っていった。
「ヴィリエか」
 そう返事を返すギーシュの表情は、まるで幽鬼の様に暗かった。
「君たちの決闘のおかげで、2人のレディの名誉が傷ついてしまった。どうしてくれるんだね?」
「知るか!」
 無茶苦茶な言い掛かりをつけてくるギーシュに怒鳴り返せば、ギーシュはだよねえ、と呟いて
うなだれてしまった。しかし、そんなことに構っていられない。
「そんなことより、ギーシュ! 君が渡した剣、あれは一体何だ!?」
 怒号じみたヴィリエの問いに、しかしギーシュは眉をひそめてくる。
「どういう意味かね? 君も剣を渡すことには納得したじゃないか」
「とぼけるな! あの剣を渡した途端、あの平民は強くなった! 何か魔法を掛けていたん
だろう!」
 掴み掛かる程の勢いで、一気にまくしたてた。あの剣に何か仕掛けがあり、それがあの平民を
強化させたに違いない。それ以外に、ヴィリエはあの平民の逆転劇の理由が考え付かなかったのだ。

 しかし、そこでギーシュの表情が変わる。
「ヴィリエ」
「な、なんだよ」
 鋭い声で名を呼ばれ、ヴィリエは怒りが少し冷めるのを感じた。
「僕も、相当見くびられたものだ」
 憂いを帯びた溜息。それをするギーシュからは、何か言い様のない威圧感が感じられる。先程まで
どんよりとしていた人物とは思えない。そこで、今更ながらギーシュがトリステインでも名高い
武門の家系であることを思い出した。
 そして、猛禽(もうきん)を思わせる瞳をヴィリエに向け、ギーシュは言い放つ。
「平民を強くする魔法だって? もし僕がそんなすごい魔法が使えるとしたら、何故僕が自慢しない
などと考えられるんだね!?」
「かっこつけて言う台詞じゃないだろ!」
 そして、その発言で一気に空気が弛緩した。同時に、その言葉でギーシュは無罪であることは
納得してしまう。この少年の伊達男ぶりは、学院では有名なのだ。
――それじゃあ、なんで?
 そして、ますます何故負けたのかが判らず混乱することになってしまった。

「遊び足りないなら、オレと遊ぶか?」
 頭を悩ませていると、背後から掛かった声にぞくりとする。振り返れば、タバサの召喚した
別の使い魔、不気味な仮面型のマジック・アイテムがこちらを見据えていた。
「あ、遊ぶだと?」
「ああ、気が済んでいないみたいじゃないか?」
 妙に面白そうな声で言うと、仮面はヴィリエに視線を合わせてくる。
「だが、お前は杖がもうないんだったな」
 軽くヴィリエの切られた杖を一瞥すれば、言葉が続けられた。
「じゃあ、別の遊びをしよう」
 言って、仮面は何がいいかなと考えはじめた。そのことに、ヴィリエの胸に苛立ちが生じる。
こちらの意思を無視して、何を勝手なことばかり言っているのか。しかし、それにヴィリエは
反抗することができなかった。この仮面が持つ、夕暮れ色の両眼。それに見つめられていると、
何故だか背筋が震え、声が上手く出ない。

757 :三重の異界の使い魔たち:2011/07/27(水) 10:14:04.41 ID:EbpBnf75
「かくれんぼ……か、いいな」
 奇妙な感覚に捕らわれていると、やがて仮面の方では答えが出た様だ。
「そうだ、それがいい」
 愉快そうな仮面の声で、ヴィリエの悪寒がますます酷くなる。
「か、かくれんぼだと……?」
 聞き返す声に、震えが隠せない。かくれんぼ、誰もが子どもの頃に1度は体験するだろう、他愛も
ない遊び。そのはずなのだが、ヴィリエにはそれを言葉通りに受け取ることができなかった。
 この仮面の眼が、無邪気に輝く楽し気な光と、冷たく凍える様な暗がりが同時に宿った気味の悪い
眼が、ヴィリエに額面通り捉えることを許さなかった。

「いいか……お前が隠れるんだ」
 そんなヴィリエの怯えを意に介さぬ様子で、仮面が続ける。
「隠れるっていうことは、何処にいるか判らないっていうことだ。何処にいるか判らないってことは、
いないのと変わらないっていうことだ」
 そう語り続ける内に、仮面の表面に光の筋が瞬き始めた。青白い、電流の様なものが、顔に当たる
部分で踊りだしている。
「いるのに、いないのと同じっていうことは、それは、お前が誰なのか判らないっていうことだ」
 表面を紫電が網の目の様に走る中、夕暮れ色の眼が爛々(らんらん)と輝いていた。その様子は、
まるで黄昏時に荒れ狂う落雷の群れにも似て見える。
「誰もお前が誰なのか判らないなら」
 不吉な光で顔中を染めた仮面は、それ以上に不吉な声で問い掛けてきた。
「お前は、本当にお前なのかな?」
「さ、さっきから、何を言っているんだ!?」
 奇怪に過ぎる言動に溜りかね、悲鳴のように叫び返す。
「だけど、頭隠して尻隠さずだ」
 それでも、仮面の言葉は終わらない。嘲笑にも似たその声は、冷たい愉悦の色が聞きとれた。
「顔は隠れているのに、他は隠れていないんだ。でも、顔はちゃんと隠れている。だからやっぱり
誰だか判らないんだ。それでも、いいよな」
「だ、だから、何を……」
 尚も言い返そうとするヴィリエだが、すぐにそれは弱々しく途切れる。仮面の瞳が放つ妖しさに、
心が呑まれてしまったために。

「じゃあ」
 最早口を動かすことさえできないまま、仮面の声が気味悪く響く。
「いこうか」
 その発言を受けた瞬間、ヴィリエは目の前が暗くなっていくのを感じた。気が遠のいていき、
全身から力が抜けて膝をつく。
 それからどの程度時間が経ったのか、やがて意識がはっきりしてきたヴィリエは、溜息とともに
立ち上がる。
すると、何故か周囲から悲鳴が幾つも上がっているのが聞こえた。
「一体、どうなったんだ……?」
 見れば、近くに立つギーシュも頬を赤くしたまま青ざめている。いよいよわけが判らなくなって
いると、不意に仮面が声を上げて笑った。
「ヒャハハ、なかなかユニークな姿だ」
 それだけ、言うと、さっさと仮面は主人であるタバサたちの許へ行ってしまった。見れば、
タバサはあの平民を魔法治療している様だ。あの平民を見ると再び怒りと屈辱で腹が煮えるが、
今はそれより気になることがある。

758 :三重の異界の使い魔たち:2011/07/27(水) 10:15:33.97 ID:EbpBnf75
「ギーシュ、一体どうなっているんだ? なんだか、皆僕を見て悲鳴を上げているようだけど」
「ヴぃ、ヴィリエ? 君、大丈夫なのかね?」
 ヴィリエの問いには答えず、逆にギーシュが震えながら聞いてくる。
「大丈夫かって、何が?」
 聞き返すと、ギーシュは懐からコンパクトを取りだし、鏡をヴィリエに向けてきた。男のくせに、
こんなものを持ち歩くなよ、と軽く呆れるが、すぐにそんな感情は消し飛ぶ。
「なっ!?」
 その鏡を覗き込んだ瞬間、空気が凍った様な感触がした。次いで、ギーシュからコンパクトを
引ったくり、食い入るように見つめる。
「う、嘘だ、嘘だ! こんな、こんな……!?」
 それが見間違いでないと判れば、次いで顔の感触を確かめはじめた。見えているものが信じられず、
何度も何度も触り続ける。
「う、うわああぁぁっ!」
 やがて、鏡に“映らない”自分の顔を触りながら、ヴィリエは恐怖の叫びを上げて気絶した。



「なんだ、もう失神か? 胆(きも)の小さい奴だな」
 タバサがサイトに治癒の呪文、“ヒーリング”を掛けている中、ムジュラの仮面が呆れた風に
呟く。その視線の先には、顔だけ透明人間にされたヴィリエが倒れていた。

「ムジュラ、何やってるの!」
「聞いていなかったか? ただのかくれんぼさ」
 ムジュラの仮面が事もなげに言うと、ナビィは溜息を1つつく。
「早く戻してあげなよ」
「戻すって、俺がか?」
「他に誰ができるの」
「早く戻して」
 それに、タバサも続いた。多少手遅れな感はあるが、トリステインの貴族といざこざの種を
無意味に残したくはない。その命令に、ムジュラの仮面は不承不承の体で従った。
「全く、呪って2分で解くことになるとは、最短記録だな」
 ぼやきながらもムジュラの仮面が瞳を輝かせると、ヴィリエが夕焼け色の光に包まれた。すると、
彼の透明になっていた顔が元に戻る。

「貴方も酷いことするわね」
 それを見ながらキュルケが言った。容姿に自身のある彼女だけに、顔を透明にさせる力が相当
恐ろしく見えたのだろう。軽く見やると、彼女の顔色は随分悪かった。片や、ムジュラの仮面は
心外そうに言う。
「おいおい、同僚を傷つけた相手を懲らしめてやっただけじゃないか」
 悪びれた風も無く言っているが、その眼はいかにも面白がっていて説得力がない。十中八九、
これは彼自身の趣味の結果だろう。
「ムジュラ、貴方って、邪気抜けているはずだよね?」
「邪気が抜けたといっても、モンスター的な暴力衝動が消えただけだ。オレ自身の性格にまで影響は
ない」
 ナビィの問いに笑いながら返す仮面の使い魔に、タバサはなんとなくこの仮面の本性を察した。
 この使い魔、幼稚なだけでなく相当残酷らしい。

759 :三重の異界の使い魔たち:2011/07/27(水) 10:18:05.32 ID:EbpBnf75
「で? 我らが勇敢な莫迦坊主は、どんな具合だ?」
 辛辣ながら適切な評とともにサイトの容体を尋ねられ、タバサは内心で歯噛みする。
「危険。危篤といっても差し支えない状態」
「そんな!?」
 傍で聞いていたメイドが、悲鳴じみた声を上げた。しかし、これは事実だ。ヒーリングはタバサが
2番目に得意な系統、水の呪文であるが、この呪文は秘薬と併用してこそ高い効力を持つ。呪文だけ
では、応急処置程度にしかならない。これ以上は、治療用の秘薬を取り寄せるしかないだろう。
 一方、それを聞いたムジュラの仮面は、またも呆れた声で言った。
「そんな状態で、こいつは意地を張っていたのか? 想像以上の根性を褒めていいのか、頭の悪さに
びっくりすべきか」
 正しく莫迦を見る眼でサイトを見つめるムジュラの仮面であるが、否定する者は誰もいない。一方、
ナビィは何か思いついた様に声を上げた。

「ムジュラ! 貴方ならサイトを治せない?」
 そう提案すると、ムジュラの仮面は考える様に間を置く。
「治す、ね。破壊や変異の呪いなら得意なんだが、治療となると……」
「教室を直した、あの曲は?」
 タバサが聞くと、ムジュラの仮面は頭(かぶり)を振った。
「あれは本来、魂の苦しみや汚れを癒す曲だ。ただの物なら魂がない分それ自体への修復に威力が
向くが、生き物では肉体的な傷に効果はない」
 そこまで言うと、ムジュラの仮面はタバサと視線を合わせてくる。
「それより、主がオレを被ったらどうだ?」
「私が?」
 聞き返せば、眼前の相手は頷いてくる。
「オレの魔力を掛け合わせれば、その魔法を強化できるかも知れんぞ」
 その言葉に、タバサの心が揺れた。サイトの傷は、水の秘薬を使っても簡単に治るものではない
だろう。すぐに治すことができるのなら、なるべくそうしたい。しかし、ムジュラの仮面を被るのは
色々な意味で抵抗がある。
 しばらく逡巡するものの、結局タバサはムジュラの仮面を手に取った。色々と胡散臭いのでなるべく
使いたくはなかったが、サイトがいつも平気で被っているために警戒心が緩んでもいた。
 そして、いざ被ってみると、タバサはその威力に驚く。全身に異質な魔力が満ち溢れ、自分が自分
以上の存在になった様な感覚。その心地よい力の高まりに、タバサはサイトが無抵抗でムジュラの
仮面を被れる理由を理解した。

「うーん、ヒラガ程力が引き出される感はないな。他者の力を借りようとする心が弱すぎるためか?」
 しかし、ムジュラの仮面にしてみれば自分は上手く扱えていないらしい。自分の使い魔の方が自分の
使い魔を上手に扱えるとは、変な話だった。最も、使い魔が複数いる時点で変なのだが。
「まあ、とりあえずさっきの魔法を使ってみろよ」
「イル・ウォータル・デル……」
 言われるまでも無く、既にタバサは呪文を詠唱していた。すると、想像以上の魔力の高まりに、
思わず舌が止まりそうになった。そして、それはきちんと効果として現れ、サイトの傷がみるみる
癒えていく。水のスクエアメイジにも劣らないヒーリングだ。数秒もしない内に、少年の怪我は
すっかり塞がっていた。今すぐにとはいかないまでも、直(じき)目を覚ますだろう。

 それを確認すると、タバサはムジュラの仮面を外した。それから、とりあえず先程までの出来事で
判ったことを観察ノートにつけていく。ムジュラの仮面編には「子どもじみた残酷ぶり」、「被ると
スクエアクラスの魔法が使える様になる」と、ナビィ編には「お節介な性格の模様」、「適切な
助言で戦闘補助をする」と記した。そこまで書くと、タバサは先程のナビィの台詞を思い出す。
サイトを援護する直前、彼女は「もう二度と友達を見捨てたくはない」と言っていた。もう、
ということは、彼女は以前に誰かを見捨てた経験があるのかもしれない。タバサはそれを
書こうとして、やめた。流石に、そこまで相手の事情に踏み込んだことを書いていいとは
思わないから。

760 :三重の異界の使い魔たち:2011/07/27(水) 10:20:46.73 ID:EbpBnf75
 そして、サイト編のノートを取り出し、開く。箇条書きで「好奇心が強い」から始まった幾つかの
特徴の最後には、「ニワトリにつける類の名前らしい」と書いてあった。
 ナビィの言葉で知った、サイトという聞き慣れない名前の由来。もしかすると、偽名なのかも
しれない。そうだとすると、彼にも何か本名を名乗れない事情があるのだろうか。
――私と同じように……
 それなのに、いつも明るく振る舞っている。他人を気遣える優しさを持ち、異世界に召喚されたと
いう異常事態にも笑顔を忘れないでいる。
 そう思うと、よく判らない温かさが胸に湧いてきた。それが何だかこそばゆく、タバサは誤魔化す
様にして「人の忠告を聞かない」、「猪突猛進」、「向こう見ずが過ぎる」等々、こきおろす評価を
ノートに書いていく。そして、最後に「剣術が意外に強力」と書くと、ペンを持ったまま考え込んだ。
――サイトは、私を友達って言っていた……
 サイトの叫びを思い返す。彼は、友達であるタバサの悪口を許せないと言った。勿論、決闘を
続けたのは彼自身の意地が大半だろう。それでも、決闘自体の契機は自分が侮辱されたことだった。
 そうだ。サイトは、昨日会ったばかりの自分を、それどころか、彼を故郷から切り離してしまった
自分を、友達だと言ってくれた。友達の名誉のため、自らのプライドのため、勝機のない戦いに
向かっていった。どれだけ傷ついても、決して諦めず、最後には勝利を掴んでみせた。
 その姿に、何故か頬が熱くなっていく。それから、小さく「優しく、勇敢」と付け加えた。

「ん……、くっ……」
 しばしの後、サイトが目を覚ます。その頃には、ムジュラの仮面たちを連れてきたメイドが彼を
膝枕で寝かせていた。それがなんとなく癇に障ったのは何故だろうか。
「あれ、シエスタ?」
「サイトさん! 大丈夫ですか!?」
 笑顔で問い掛けるメイドに、サイトは自分の状態を理解したらしい。顔を赤くしながら、慌てて
体を起こしていた。その初心(うぶ)な有様に、隣のキュルケが笑いを堪えている。
「えっと、俺どうしたんだ?」
「怪我で倒れられたのを、ミス・タバサが魔法で治療してくださったんですよ」
 メイドの答えに、サイトは一つ頷いた。
「そっか、ありがとなタバサ」
 サイトが頭を下げると、タバサはいい、と軽く返す。すると、ムジュラの仮面の楽し気な声が
響いた。
「主、被れ」
「どうして?」
 唐突な台詞に視線を鋭くするが、ムジュラの仮面は動じない。
「被れば判ることだ」
「何を企んでいるの?」
「それも被れば判る」
 カーテンに腕押しな態度の使い魔に、タバサは小さく首を振った。そして、終いにはやはり被る
ことになる。はっきりいってムジュラの仮面は怪しいことこの上ないが、こうまで態度があから
さまだとかえって疑う気が起きなかった。

 そして、いざ被ってみれば、すぐ耳許からムジュラの仮面の声が聞こえてくる。
「なあ、主? ヒラガのことだが」
 面白がっている様な、それでいて厳粛な様な声だった。その奇妙な声音に、思考の調子が狂うのを
感じた。
「使い魔でありながら、主の命令を無視したというのは問題じゃないのか?」
 もっともらしいムジュラの仮面の言葉に、タバサはそれを考えてみる。サイトが何か言っているが、
それは無視だ。

761 :三重の異界の使い魔たち:2011/07/27(水) 10:23:12.27 ID:EbpBnf75
「使い魔の躾も、主としての役目だろう?」
 段々声に挑発の様な色が混じってきたが、言っていることは間違っていない。
「貴族を名乗るならば、義務を怠るわけにはいかないよな?」
「確かにそう」
「なら、やるべきことは1つだ」
 いつの間にか、タバサは耳から入る声に引き込まれていた。被る時に持っていた疑念が、すっかり
影をひそめている。そして、言われていることを真剣に検討している自分がいる。それは、ムジュラの
仮面の言葉が正論であるためだった。その一方で、冷静な部分で何かがおかしいとも思う。幾ら正しい
理屈だとしても、こんな簡単にムジュラの仮面への警戒を解くものだろうか。否、そもそも本当に
正しいことを言っているのか、正しいと思い込まされているのではないか。
 今のタバサには判らなかった。とりあえず、ムジュラの仮面を被るのは控えた方がいい様だ。確かな
ことは、ただ1つ。

「言うことを聞かないニワトリには、お仕置きが必要」
 サイトに、制裁を加えることだった。少なくとも、彼の勝手な行動で心配をしたのは事実だからだ。
タバサ自身の魔力と、ムジュラの仮面の魔力が混じり合い、杖の先からどす黒いエネルギーが立ち
昇っていく。それを見ていたサイトは、見事な程に慌てだす。
「いや、だからニワトリは違うって! っつーか、落ち着いて話し合おう! ほら、そんな杖なんて
向けてこないでさ! ムジュラなんて被ってたら、可愛い顔が台無しですよー!?」
 あの決闘の勝者とは思えない程の狼狽ぶりに、ムジュラの仮面が呆れた声を上げる。
「お前も根性あるのか、ないのか、よく判らない奴だな」
「うるせーよ! ってか、お前もしかしてさっき助け舟断ったのの仕返しか!?」
 サイトが叫べば、叫ばれた側は改まった調子で話しはじめる。
「ヒラガ、オレは自分から進んで他者を傷つけようとは思わない」
 その真面目な調子のまま、ムジュラの仮面は言ってのけた。
「だが、他者の苦痛を楽しめないというわけでもない」
 そんなふざけた台詞を。そこで、サイトが雄叫びにも似た叫びを上げる。
「やっぱこいつ、性格最悪だああぁぁっ!」
 この後、彼がどうなったかは割愛するが、それがこの後3日間でサイトが話した最後の言葉であった
ことは、あえて記しておく。



 こうして、昼休みの騒動は終結した。
 ラインメイジでありながら、平民に倒されるという屈辱的な結果に陥り、更には顔面透明人間に
されたヴィリエ。
 気紛れで親切心を起こしてみれば、公衆の面前で二股が露呈し、自慢の顔をはたかれたギーシュ。
 散々痛い目を見ながら、命懸けで勝利をつかんだというのに、勝利を捧げるべきご主人様に
お仕置きをされることになった才人。
 誰が1番不幸かは、判断の難しい所である。

〜続く〜

762 :三重の異界の使い魔たち:2011/07/27(水) 10:24:42.89 ID:EbpBnf75
 以上、今回はここまでです。

 と、いうわけで、勘違いの許サイトはタバサの中でニワトリ扱いが決定しました。ルイズ以外に
召喚されたのに、怒られ方が犬扱いのままだと味気ないですので。タバサも結構お仕置きは激し
そうですし。

 「下げたくねえ頭は下げられねえ」は、サイトの台詞の中では「好きって言ったのが嘘に
なりそうな気がする」、「地球なめんな、ファンタジー」と並んで好きなものなので、前回書けて
よかった。

 今まで影薄かったナビィも、今回はやっと活躍させられました。ウインド・ブレイクの対抗策は、
最初は剣で棒高跳びしてかわすみたいな感じだったんですけど、折角ゼル伝とのクロスなので
回転斬りになりました。技自体は単純なので、サイトでもできるだろうということで。

 ルーンの描写が弱々しい理由は、次回で明かす予定です。

 次回はコルベール視点からスタートです。

763 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 10:39:20.69 ID:xVVkkWe6
toukaotu

764 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 11:40:37.32 ID:DX/5geIj
otsu!
good job!

765 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 11:50:51.11 ID:3bd9s7xz
konoresuha...ittainanigahajimarutteiunndesu

766 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 12:14:02.59 ID:5fJ1m5Nv
ニワトリといえば、ニワトリに追い出されて地球にやってきた鬼がいたな

767 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 14:48:12.11 ID:ACTH1JgB
投下乙です
結局二股バレたギーシュカワイソスw
こうなるとシルフィードの方のルーンはどうなってるんだろ?

768 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 14:53:55.77 ID:ACTH1JgB
>>734-735
TV版第一話で無人兵器に襲われてボソンジャンプする直前のアキトとアイちゃん召喚なら考えた事あるな
ルイズの使い魔しつつ、厨房でマルトーにしごかれ料理人を目指すとか

……地球側が、ボソンジャンプの最高の実験体と科学者の二人を失って
木星との戦いが泥沼化するだろうけど、あの二人が幸せならいいだろw

769 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 16:22:39.35 ID:6shsah08
まどかの杏子を召喚
寝床に毛布があるだけで喜び
飯を残す貴族は真っ先に潰しそう

770 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 16:23:17.73 ID:MUXo59O1
>>747
そういえばあの人もしばらく見てないな
息災だろうか?

771 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 16:25:18.71 ID:MUXo59O1
>>769
大食らい同士、ルイズよりタバサと相性良さそうだな

772 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 16:26:49.81 ID:ibW/jt4Y
エドガーとアランを待ってて窓から落ちて…

773 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 17:03:10.33 ID:zU6BXIEL
>>769
それ以前に良くて速攻でトンズラ、最悪の場合召喚されたのではなく魔女の結界に入り込んだと
判断していきなり攻撃もありうるけどな。
少なくとも契約までに持ち込むのは至難だと思う。


774 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 18:01:01.81 ID:fDCiAqEL
杏子はあの年なのに1人で生きてきた娘だからね。
それも窃盗などで食料を手に入れてきたのだから、気にくわないから出て行くというのも決断しやすいよね。
今までと同じ生活に戻るだけなのだから。

775 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 18:03:28.05 ID:yFu9Ko6c
さやかと出会った前と後で杏子の性格は違うぞ。

776 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 18:03:45.45 ID:yFu9Ko6c
性格というか考え方か。

777 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 18:15:59.79 ID:2e8nwUzU
>>773
>魔女の結界
その話題前にもあったけど、魔女の結界の中って狂ってるだろ
召喚やってた草原みたいに風光明媚じゃないから違うのはすぐにわかると思われる

778 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 18:19:24.24 ID:2e8nwUzU
ふと思ったが、まどマギの魔法少女の体ってデルフにとっちゃこの上なく好都合だな

779 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 19:32:29.68 ID:NcgwnmBg
カタパルトタートルを召喚してサイトを射出

780 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 20:20:02.83 ID:NFtTB+Ez
ときめきメモリアル・葉鍵SSのキャラクターの名前をメモ帳で

エーベルージュ、センチメンタルグラフティ2、初恋ばれんたいん スペシャル、Canvasのキャラクターの名前で変えながら

SSを読んだがいくつのSSは意外におもしろい

781 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 20:34:57.85 ID:P6VSEYPy
ブラスレイターからヘルマンを召喚
フーケが掻っ払いに来るのはガルム改
ルイズの髪見てアマンダを、笑われてるのを見てマレクを連想して契約
ミョズはウォルフで最後にすまゆるして退場

という電波を受信した

782 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 20:59:54.39 ID:sLICkgJ5
先週ライダーを書くって言ってたやつは結局1話でダウンか

783 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 21:02:42.67 ID:dN99TGWB
既出だろうか?
北斗の拳からラオウ召喚。
魔法学院が世紀末学院になり、アニメで表現すると
エルフェンリートのような流血作品になる。

784 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 21:10:00.55 ID:/sAzh1Y8
既に何かと契約済みとか敬愛するマスターみたいなのがいるキャラを召喚して、
無理矢理ルイズに契約、従属させられて苦悩する
みたいな話が見てみたい
ルーンの洗脳効果で元のマスターへの愛が消えていったりとかね

785 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 21:13:06.05 ID:P6VSEYPy
他人と契約済なら
デモンベインのアル・アジフがいたな

786 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 21:28:22.60 ID:z+btkRME
>>784
ジョジョクロスのペットショップでそんな描写なかったっけ。

787 : 忍法帖【Lv=28,xxxPT】 :2011/07/27(水) 21:58:52.73 ID:42sJUvra
男キャラより女キャラ召喚の方が好きだな

788 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 22:21:07.22 ID:ZGMBt0jV
>783
拳王様だと聖帝様と似たような展開になりそうだから
ここはジャキ様召喚を

789 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 22:28:19.90 ID:EF05o0qk
>>782
作者にだって都合というものがある
かく言う俺も仕事が忙しくて執筆を断念していたりする
何の作品を書いていたかは秘密

790 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 22:37:57.21 ID:xfXSiOA/
>>781
隊長も反省してるしもうゆるしてあげてもいいのでは?(ピピピ

ザーギン様とか呼んだらギーシュに容赦しなさそうで困る

791 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 22:53:52.50 ID:pJgqM98Q
>>783
ラオウがどの時期から来たかで結構違う展開になりそうだな

792 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 23:08:34.58 ID:AljSpKrq
昇天した瞬間に喚び出して、ラオウの死体を前に呆然とするルイズ

793 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 23:13:04.33 ID:XQj1dwVY
召喚した瞬間に「我が生涯に一片の悔い無し!」
究極の出落ち

794 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 23:39:56.32 ID:/e8kwK7O
ラオウ召喚は恋姫無双ネタであった。
>>793の後だったのでどこか丸くなっていて
町に出ると子供たちがたくさん寄ってきて、山のフドウみたいに
みんなの人気者だったよ。(キャラ崩壊という現象か?)

同じ展開だったら、サウザーほどは残虐にはならないと思う。
ただギーシュはぼこぼこにされるだろうが。

795 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 23:46:35.39 ID:a3aWLNf+
ラオウの息子は誰が孕むことになるか

796 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 01:17:10.51 ID:GGahBq8Y
拳王様だとカトレア位しか制御できないだろう

797 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 02:00:33.93 ID:kBRDZc2d
一応ラオウは女性には手を上げない主義だっけ

蒼天の拳の拳士郎ならゼロ戦とも相性それなりにいいかな

798 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 02:23:48.61 ID:7GJyDa//
>>797
車椅子とバネ足を乗りこなすヴィンダールヴ・呉東来!
鋼鉄のヅラを使いこなすミョズニトニルン・田学芳!

799 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 02:33:41.40 ID:EfKmVH52
>>796
カトレアってカノンの秋子さんやイカ娘の千鶴さんみたいだな。
ただ千鶴さんは普段はおっとりっぽいけど
人間離れした戦闘力とヤンデレモードがあるから
もし千鶴さんが召喚されたらギーシュとの決闘はがくぶるだ。

800 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 03:40:00.84 ID:Z+T1zojI
テファに喚ばれたらほのぼのムードに毒を抜かれたラオウ様が、手持ち無沙汰にチョップで薪割りとかやってそうだな。
勢い余って薪を載せる土台とかもぶっ壊しそうだけどw

ラオウ「ジョイヤー(バガンッ!!)」
テファんちの子供「あー!!またラオウのおっちゃんが切り株壊したー!!」
ラオウ「ぬぅ…」

801 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 05:31:22.92 ID:huF9L5Bz
>>790
/(0)(0)ヽ

802 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 06:07:50.91 ID:wtredI3N
EAT-MANのボルト・クランクを召喚。
何を食わせるかが問題だな・・・

803 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 06:32:39.05 ID:GYhVn+8p
>>802
ボルト「……完成」
デルフ「なぁ……相棒……こうやって無事外に出られんのはわかってるけどよ
     しまうんだったら、鞘に入れてくれねぇか?」

804 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 09:33:08.31 ID:PtWymPnW
ゼロ魔キャラのノリに合わされてクロス元のキャラが変に崩されるのは、正直あまり見たくない
具体的な例を挙げろと言われると難しいが、例えばデルフの件で逆さ吊りにされるシーンとか
明らかにこいつは素直に逆さ吊りされんだろってキャラが特に描写なく逆さ吊りにされてたりとかさ

805 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 10:05:42.78 ID:LQck3Xgn
確かに銀魂の沖田なんかだったら逆にルイズ達を逆さ吊りにしそうだしな

806 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 10:09:30.74 ID:Zp9PP4SY
>>784を見てクイーンズブレイドのアイリ召喚とかしたらどうなるんだろうか、とか思った

807 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 10:24:01.01 ID:qrIn9+rJ
>>801
お前は許されない、っていうかでてくんなw

808 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 11:26:10.41 ID:SoPaT5Kr
ベルフト13歳ならたとえ戦場で無双できてもベランダから逆さにつるされるけどな。

809 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 11:34:43.39 ID:dadAh1wX
ベランダに吊るされたイン何とかさん召喚と聞いて

810 : 忍法帖【Lv=17,xxxPT】 :2011/07/28(木) 12:01:02.94 ID:/BHObpCO
D&Dから召喚ならルールは3.5eがいいか
むしろPathfinder版かな

811 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 13:34:22.71 ID:AIEJYVie
>>777
つ[パトリシア]


812 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 13:37:49.85 ID:n/9cSlLt
>>811
あれがまともな空間か?w

813 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 13:40:44.45 ID:nmr2IByg
>>801
俺はもう許したよ(スースーポンポン

814 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 13:48:50.61 ID:CY//sYZT
聖鼻毛領域に突入せよ

815 :812:2011/07/28(木) 15:49:20.71 ID:AIEJYVie
あくまでも、相対的にはまともな方でしょう。相対的には。
もし杏子がパトリシアと遭遇していればですが、拡大解釈(※)の可能性もあるってことですよ。
※:召喚やってた草原を魔女の結界とみなす。生徒たちを魔女の手下だとみなす。


816 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 15:58:17.59 ID:LqXbXBFn
今までいた場所といきなり風景が一変すればそれだけでも警戒するには十分すぎると思う。
ましてや、そこに今まで見た事がない生物(=他の生徒がルイズより先に召喚した使い魔)が
複数いるのを見れば尚更。


817 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 16:05:42.35 ID:GJwyvqmi
>>800
7万戦後にボロボロになった才人を黒王号に乗った拳王様が
才人を拾い上げて連れ帰る姿が脳内に浮かんできたw
(サウザーに半殺しにされたケンシロウを救ったときみたいに)

818 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 16:25:37.43 ID:3PqkkMVw
>>816
大事なこと忘れてるぞ
鏡潜らなくちゃ風景も変わらん
もっともあの鏡はいかにも結界の入り口っぽいが

819 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 16:30:52.65 ID:A5gTwT3e
ここな二重投稿ってどう扱ってるんだろう
nosに「三重の」見つけたんだが

820 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 16:38:40.56 ID:A5gTwT3e
ここな二重投稿ってどう扱ってるんだろう
nosに「三重の」見つけたんだが

821 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 16:38:53.37 ID:6YW/ZXYN
>>819
避難所の運営議論スレで訊いた方がよくないかい?

822 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 16:55:23.61 ID:A5gTwT3e
すみません、間違えて二回書き込んでしまいました

>>821
了解

823 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 17:26:58.23 ID:Z8E+xnwm
モロボシダンがウルトラアイを盗まれた

ではなく、自身が経営してたレストランからセブンのマスクが盗まれたらしい。演技でもリアルでもセブンはよく盗まれるな

824 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 18:42:24.96 ID:qgjmOYSb
>>792
類似品のガイオウを召喚

魔法学院がリモネシアの二の舞になってやっぱり出オチ

825 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 19:14:44.12 ID:Izo5Ah4r
じゃあ俺シオニーちゃん召喚する

「帰りたい…私をリモネシアに帰してよ!」
「駄目だ」
「駄目ぇ?そんなぁ」

826 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 19:40:36.61 ID:SJMJ4rUB
北斗ネタだったら雲のジュウザはどうだろうか。
女湯に侵入して追い掛け回すとか
キュルケの誘惑イベントでルイズが来たときには既に・・・とか。

827 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 19:43:26.31 ID:gMhhN9NA
>>808
いや、あれは婆ちゃんが

ちっちゃい婆ちゃんなのに、プレッシャーの説明が山のフドウってなんなんだ

828 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 21:24:38.88 ID:qgjmOYSb
山のバーストンじゃないだけいいじゃないか

829 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 21:29:18.62 ID:XUKu86lE
>>825
なんでコマンドーっぽいんだよw

830 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 21:55:04.76 ID:trfiquJW
>>825
バンッ!

831 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 22:00:47.59 ID:/Lcu+jce
>>830
ひ・・・!

832 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 22:02:29.58 ID:32FwEj9D
ルイズとシオニーと言うと某やる夫スレが

833 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 22:07:08.82 ID:cMUMFLBM
>>825
お前が召喚したところで誰得だよw
……ここは俺に任せろ!(バリバリ

834 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 22:13:34.30 ID:All0/NTb
そういやコマンドー召喚はまだないな

835 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 22:26:19.96 ID:XUKu86lE
>>834
既に子ネタでワルドを蒸気抜きしている。忘れないことだ

836 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 22:28:26.89 ID:wZkAQsCI
来いよワルド、杖なんか捨ててかかってこい!

837 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 22:28:55.26 ID:8wIL+Vcz
男なら拳一つで勝負せんかい!

838 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 22:35:31.36 ID:All0/NTb
>>835
見てきたわ、なんでワルドがベネット役になってるの?
一体なにがあったのか教えて頂戴!

839 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 22:39:59.16 ID:P0is2u25
>>838
駄目だ

840 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 23:33:45.02 ID:bQGAIOh8
>>823
ニコニコニュースで見てきた。たぶんスチール星人の仕業だ。

841 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 00:15:20.10 ID:dRIYy+Lv
宮沢兄弟の長男を召喚


モブ生徒「うぁぁぁぁ へ・・・平民が魔法学校を練り歩いてる!」

コルベール「一方的に君は使い魔にされるんだ。悔しいだろうが仕方ないんだ」

尊鷹「お前は本当に自分がゼロだと思っているのか
    恐らく“虚無の使い手”であるために爆発魔法になってしまうと考えられる」
ルイズ「なにっ」

シエスタ「決闘はルールで禁止スよね 」

武器屋の店主「カモがネギしょってやってきたぜェ グヘヘヘヘヘヘ・・・」

フーケ「私はアルビオンに隠遁する ティファニアとともに静かに朽ち果てたい」

ボボッ(蹴り一発で遍在消滅)
ワルド「えっ」

5万人と男魂祭り。出来るさ ガンダールヴならばな

842 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 01:36:39.37 ID:aR+5TCso
>>840
スチール星人はパンダだろ
何故パンダだったんだろうか・・・・大して可愛くも無い獣なのに

843 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 02:05:49.56 ID:JE3RHiBR
>>842
エリマキトカゲとかシーモンキーとか、わけわからん生き物がブームになることってあるだろ
矢ガモを召喚……って、わかる人いないか

844 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 02:36:33.08 ID:b3l8CjaG
パンダはフツーに人気のある動物かと思ってたけどね
自分が小さい頃は少なくともそうだった覚えがあるが
今はそうでもないのか?

845 : 忍法帖【Lv=17,xxxPT】 :2011/07/29(金) 03:02:19.57 ID:b3l8CjaG
ちょっとレベルを確認

846 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 03:02:34.42 ID:RJ6jVS86
パンダは意外と凶暴だし中国が外交政策のために使ってるところもあるから、大人になってそういうこと知るとかわいくなくなってくるんだよな
だが、人面魚とかシーマンがブームになったときは、世の人間どもはいったい何考えてんだと本気で思った
 
まあキワモノはともかくとして、ルイズが喜びそうなブームキャラクターとなると
たまごっちはまだ召喚されてないよな

847 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 03:08:54.59 ID:HGUfR+Tg
むしろたまごっちよりデジヴァイスとデジモンをだな
というか新作ゲームが楽しみすぎてヤバい

848 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 03:14:59.53 ID:RJ6jVS86
デジモンの幼体をゼロ魔キャラのそれぞれが召喚したとすると

カトレアは無難にエンジェモンあたりに行きそう。タバサやキュルケもまあまあ育てるだろう。
イザベラはウィルス系でヤバい方向に行き、ルイズは……

849 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 06:12:27.47 ID:YFIqp2Am
ルイズはタネモンだな。一見グロだけどパルモンかわいいよパルモン。

850 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 08:16:33.19 ID:YPXv+OUZ
陰陽大戦記から式神ドライブを召還とか

ルイズとコゲンタの相性がえらくわるそうだが
あるいみ、理想的な使い魔ではある。

タバサがキバチヨだろうけど、ランゲツだれだろう。

851 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 09:07:19.71 ID:zhm9m7+l
>>791
ラオウが拳王になったのは核戦争で文明が崩壊したあの時代だったからってのもあるよね
地球での生涯に悔い無し状態なら平和に生きようとするだろうなぁ

852 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 09:11:35.02 ID:f+ZhSP9c
ルイズと契約を交わさない展開の作品が好き
クロスオーバーなんだからそれくらいの逸脱は欲しい

853 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 10:14:17.61 ID:fwTJyS6P
>>852
ルイズに召喚されてハルケギニアに現れた以上(つーかそれがここのスレタイでもあるし)、
一応は契約するって流れになるから、それをどう回避するかが焦点になるな。

んで、契約した場合は取りあえず原作に沿う形になるけど(まあこの辺も作者の裁量次第だが)、
契約しなかった場合はそのまま学院に残ることになるのか、それとも学院から出て行くことになるのかがまた問題。

出て行った場合、必然的にルイズおよび学院キャラにスポットが当たる割合は低くなるし、
下手するとオリキャラなんかを出さざるを得なくなるかも知れん。

854 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 10:43:24.51 ID:NvPDpWRL
オリジナルストーリーは大歓迎だが、オリキャラ続々は二次小説読んでる意味ないし勘弁してほしい

855 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 11:27:18.49 ID:xyn5LkfX
>838
ワルドがベネット役……

防具を身に着けず、ルイズに土下座し、レコンキスタとトリステインの間を20秒で4往復し、
ミョズ不在のガリア侵攻を提言してハルケギニアトラベルガイドの表紙になるのか。


 「ボクと契約してルイズの使い魔になってよ」

>841
え、宮沢家の長男って、あれじゃろ?
魔法を否定し、ルイズに殺意を抱くんじゃろ?

>843
矢を抜いてやったら帰っちゃうので、矢の刺さってないのを使い魔にするんですね。

856 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 11:47:30.79 ID:GH4hO5/j
>>850
テファが零ドライブ持ったヤクモ召還しててヤクモがルイズ達の師になったりとか?
ただヤクモは色々チートな劇薬だから扱いは注意必要なんだよな
式神皆色物だし

857 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 11:51:28.58 ID:sur/hGYq
BLEACHからマユリ召喚
グロの多いギャグ作品にしかなりそうにない

858 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 12:58:02.03 ID:WxzxC6hh
WORKING!!より小鳥遊壮太召喚
小鳥遊がルイズを2つの意味で「ちっちゃくて可愛いなv」と言う度に巻き起こす失敗魔法
同じ理由でタバサとも微妙なフラグが立つがアニエスとは「・・・これだから年増は」と陰口を叩いてボコられる

859 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 13:42:01.10 ID:MEUGkznG
>>838
言えば君が怖がる

860 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 14:46:16.45 ID:tIlL/+rn
ショッキラスを召喚
たかがフナムシとあなどることなかれ

861 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 14:53:24.67 ID:ReX8fMiH
>>858
小鳥遊の基準からすればルイズも十分年増だろう。
ルイズでOKなら山田もOKになるし

862 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 15:20:31.08 ID:nCY752qs
善吉ちゃんを召喚・・・してもサイトとそう変わらないか
ただのそこら辺にいる普通の高校生だし

863 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 15:36:10.03 ID:9N70tRH/
>>862
ヒトキチはめっちゃ強い女の子守る為に必死に鍛えてきたらしいから
「普通」の高校生とは比べ物にならないほど強いそうだよ

864 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 16:24:33.17 ID:tIlL/+rn
バトルものの漫画やアニメで”普通”の高校生なんかほぼいないだろう
お墨付きの普通の高校生ならキョンがいるけど

865 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 16:31:41.24 ID:AFF8hsu9
キョンを召喚した場合、才人のごとき愚かな真似はしなくなると思うので、ギーシュとの決闘すら発生するか疑問ではある。

866 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 17:16:03.06 ID:P1DbNI6G
キョンはハルヒとセットにしないと決闘とかならないだろうな

867 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 17:20:45.86 ID:evKSM1HM
トラブル回避しようとする時のキョンの脳内独り言を楽しむ流れに決まってんだろうが


868 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 17:26:01.56 ID:aQYHbW+B
キョンが召喚されるとルイズがDQNとセクロスしちゃうよ

869 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 17:51:07.82 ID:RkwlEDBd
目立たない灰色の男に徹するキョン…

870 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 18:00:22.81 ID:UKzBh5J2
召喚したのに気付かないほど陰の薄いキャラか……
黒子テツヤとか?

871 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 18:29:17.39 ID:x9TRHh3K
なに、気にすることは無い

872 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 18:32:44.48 ID:m1vSYgdc
ボーちゃんとか

873 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 18:33:32.68 ID:Lo9PCxLa
■■の事か

874 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 18:52:02.67 ID:x9TRHh3K
イグニション!

875 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 19:45:32.70 ID:XzatYo0v
あのスレには影の薄いキャラを召喚したと称して次のレスに単なる空白を投稿したっつー一発ネタがあったな。
ネタが分かったスレ住民には大ウケだったが。

876 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 19:48:56.86 ID:9N70tRH/
空白になるほど影が薄い・・・?どこぞの餡刻でも呼んだのだろうか

877 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 20:02:20.85 ID:X15Aw5le
池召喚か

878 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 23:06:26.53 ID:oQ9x5c/l
また鉄厨か

879 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 23:08:35.14 ID:q0mketsU
>>874
ヒョーゴさんは帰れよ

880 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/29(金) 23:49:30.17 ID:zgAfdtaa
そろそろFF8の続きこないかなぁ

881 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/30(土) 00:10:45.94 ID:Reu5W+d6
ルイズがミニラを召喚。ガバラを召喚したマリコルヌやカマキラスを召喚したギーシュのいじめに負けずに立ち向かっていき、
最後はスペゴジを呼んだキュルケと貴族の誇りをかけた決闘に向かっていく熱血青春物語

882 : 忍法帖【Lv=18,xxxPT】 :2011/07/30(土) 00:57:48.45 ID:K9Tja0KU
レベル確認

883 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/30(土) 01:14:22.24 ID:Bf4xbXug
>>881
トリステインが無くなっちゃう

884 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/30(土) 01:54:35.72 ID:UV1QWGyj
ベヨネッタを召喚…したらルイズが死にそうだな
死ななかったとしても逆に使い魔の類にされそうだ

885 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/30(土) 02:27:00.13 ID:K9Tja0KU
寝る前に投下してみようかな…
2:30頃から

886 :Never Winter Nights - Deekin in Halkeginia:2011/07/30(土) 02:30:36.11 ID:K9Tja0KU
 
――ここはトリステイン魔法学院。
 
遥か次元界の片隅に浮かぶ名も知られぬ物質界の一大陸、ハルケギニア。
この大陸では六千年前にブリミルと呼ばれる人間を祖とするメイジ達によって開かれた魔法文明が発達し、
彼らを貴族・王族とする大小いくつもの魔導制国家が繁栄している。
 
その西方に位置する歴史ある小国、魔法国家トリステインの一角に存在するこの魔法学院では、
身分の高い貴族たちに魔法をはじめ必要な各種の教育を施こしている。
ここは古い歴史を誇る由緒正しき魔法学院であり、遠方の大国からさえしばしば留学生が訪れる。
学生達は皆名門に連なる優秀な血統のメイジであり、その将来を嘱望されているのだ。
 
時にはさらに稀少で例外的な存在も見受けられる。
今、学院の外れの丘で銀の鏡面を食い入るように見つめている桃色の髪の少女などは、まさにその好例だろう。
 
彼女の名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールという。
名門貴族の三女でありながらどんな魔法を使っても正常な効果が発現せず、代わりに爆発現象を発生させるこの少女は、
魔法を使えぬ貴族という不名誉な烙印を押されてクラスメートから嘲笑の的になっているようだ。
 
今回もメイジの属性を固定し生涯の進路を決めるとも言える大切な使い魔召喚の儀式において幾度となく爆発を繰り返し…、
ようやく召喚の鏡が現れたかと思えば、そこからなかなか使い魔がやってこないという苦境に陥っているのだ。
 
「おいおい、何も出てこないぜ?」
「散々爆発させたあげくにやっと成功したかと思ったらこれかよ!」
「そりゃ、使い魔もゼロのところになんか来たくないよな!」
「時間の無駄だ、さっさと帰ろうぜ!」
 
周囲を取り巻くクラスメートたちから浴びせられる口汚い野次に唇を噛み締めながら、少女はじっと鏡を見つめ続けている。
もう、数分は経っただろうか。
 
(早く…、早く出てきなさいよ、私の使い魔…!)

887 :Never Winter Nights - Deekin in Halkeginia:2011/07/30(土) 02:32:22.22 ID:K9Tja0KU
 



 
-------------------------------------------------------------------------------
 



 
世界は変わって、ここはウォーターディープ。
 
ウォーターディープ山の影の中にあるかの“壮麗な都”ウォーターディープは、
この物質界「フォーゴトン・レルム」において最も有名な巨大都市であろう。
平時は10万人以上の市民が住み、夏季にはその数はさらに5倍にもなるといわれる。
 
この都が皆の羨望の的であり、繁栄を極めているのは故なきことではない。
ここにある天然の港は、ソード・コースト沿いにあるもののなかで最高のものである。
加えてこの都市の地下には狂える大魔道師ハラスターが支配するという、フェイルーン全土で最大のダンジョン「アンダーマウンテン」が。
ソード・コーストの内陸には人の手が加えられていない地帯が、それぞれ広がっているのだ。
 
安定した交易と産業によって豊かに潤い、多くの平凡な人々にとって住み易い都市。
ひと山当てようと考える向う見ずな者どもにとっても限りなく魅力的な都市。
様々な文化、様々な種族の人々が集まるのは当然のことだといえよう。
 
テシア人、イラスク人、チョンダス人、カリムシャン人。
エルフ、ドワーフ、ハーフリング、ハーフエルフ、ノーム、ハーフオーク…。
 
時には、もっとずっと珍しい住人も見受けられる。
今、夜の裏路地を歩んでいる小さな人影などはまさにその好例だろう。
 
両手にリュートを抱え、ポロンポロンと鳴らしながら、鼻歌を歌っている。
背中に荷物の詰まったザックとクロスボウを背負い、軽革鎧を着込み。
鋭い刃物を腰に帯びた姿からは、放浪の旅人の身であることが推測されよう。
大きさは人間の子供と同じ程度だが、皮膚は黄緑色のうろこに覆われており、鼠のしっぽのように毛のない尾が生えている。
頭はどことなくトカゲか犬のような感じで一対の小さな角が生えていて、目はわずかに赤く輝いている。

888 :Never Winter Nights - Deekin in Halkeginia:2011/07/30(土) 02:33:51.19 ID:K9Tja0KU
 
――人型をした爬虫類めいた異様な外観をしたこれは、コボルドと呼ばれる人型生物である。
弱い者いじめを好む陰湿な性癖で悪名高く、人間やエルフ、ドワーフなどの多くの種族と敵対している連中だ。
力こそ弱いが、数を頼んだり卑劣な罠を仕掛けることで多くの人々の脅威と憎しみの対象となっているのだ。
だが、この人影がきゃんきゃんと犬の鳴くような声で独り言を呟き、鼻歌を歌いながら無邪気げに歩いている姿を見て、そのような脅威を感じるものは稀であろう。
 
「♪ フンフンフ〜ン、フンフン不運〜!」
 
彼の名はディーキンという。
野蛮な種族には極めて珍しいことだが、バード――すなわち剣を振るい、音楽の魔法を使い、各地の伝承を集めて聴衆に語る放浪の詩人を生業としている。
また、コボルドの体に僅かに流れる竜の血脈を覚醒させた、竜の使徒(ドラゴン・ディサイプル)でもあるのだ。
 
かつてはネザー山脈で気まぐれな白竜に仕える気の弱いコボルドだったが、主からバードとしての手ほどきを受けることで英雄や冒険に憧れはじめた。
そしてとある事件をきっかけに知り合った「すごい英雄」である“ボス”の物語を書こうと、彼の後を追って主人の元から離れたのである。
その後は彼についてアノーラック砂漠を渡り、恐ろしい冒険を潜り抜け――最後には世界を征服しようとする悪党を討ち倒しさえしたのだ。
 
そのことで自信をつけたディーキンは、今度は英雄から離れて一人で冒険をしよう、大きな人間の街に出て書き上げた英雄譚を世間に発表してやろう…。
そう意気込んで、はるばるこのウォーターディープの街まで旅を続けてきた。
 
しかし、コボルドの一人旅はディーキンが想像していた以上に辛いものだった。
どこへいっても人々から問答無用で追いまわされ、宿はおろか納屋で寝泊まりさせてもらえればよい方で、しばしば下水の溝で夜を明かすことになった。
 
それでも辛抱強く頑張り、ようやくウォーターディープの出版社から英雄物語を出版してもらえる運びになり……、物語の評判は上々で、かなりの数が売れた。
この時ばかりはようやく苦労のかいがあったとディーキンも喜んだものだったが、出版社が彼に支払ってくれた金はほんの2〜3000gpだったのだ。
人間の街に不慣れで金の使い方もよく知らなかったために見たこともない大金に思え、しばらくは騙されていることに気がつかなかった。
不慣れなカモを騙して金を巻き上げる連中にたかられてじきに金はほとんど底をつき、ようやく不当に報酬が少なかったことに気がついたが後の祭りだった。
街の衛兵たちに事の次第を話してもみたが、薄汚いコボルドの話など誰一人まともに取り合ってはくれなかったものだった。

889 :Never Winter Nights - Deekin in Halkeginia:2011/07/30(土) 02:35:31.44 ID:K9Tja0KU
 
「あの頃は大変だったの…、酒場で歌ってもちっぽけなコボルドの歌におひねりなんてくれる人はいなかったし、
冒険でも誰も荷物持ち以外の仕事でディーキンを連れて行ってくれなかったし。
……でも、今はもうぜんぜん違うの。まったくボスのおかげなの。
 
♪ オ〜、ボスは偉大で、素晴らしい〜……」
 
路地に転がった木箱に腰かけて、月明かりに照らされながらしみじみと回想し、“ボス”を称える即興の歌を歌う。
 
そう、今は違う。
ウォーターディープのとある宿でアンダーダークへの挑戦者を募っていると聞き、何とか冒険へ連れて行ってもらおうと情報をかき集めて向かったそこで。
あの懐かしい“ボス”と再会できてから、すっかり運命が変わったのだ。
 
それからはもう、期待していた以上の冒険の日々だった。
アンダーマウンテンに挑み、さらに地下深くにあるアンダーダークに送り込まれ、最後には正真正銘の地獄までも彼とともに旅をした。
そして今では地獄の大悪魔・メフィストフェレスを倒してウォーターディープを破滅から救った英雄である彼の仲間として、皆から認められるようになったのだ。
 
その後も、ウォーターディープでの暮らしは実に充実したものだった。
今もメフィストフェレスの残した破壊から街を再建するためにボスとちょっとした冒険をこなしてきたばかり。
ささやかな宴会を終えて“ボス”と別れ、いい気分でぶらぶらと夜の街をさまよっているところだ。
 
「…ウーイ、ディーキンはちょっと酔ってるみたいなの。ニヒヒ。
 
…さて、この間の物語をいい加減にまとめないとね。
ええと、タイトルは『ホード・オブ・ジ・アンダーダーク』で決定にして……。
今度は勝手にタイトルを変えない出版社に持っていくの」
 
先日の冒険の最中に書き溜めておいたメモを背負い袋から取り出すと、月明かりの元でそれをまとめる作業に取り掛かろうとする。

890 :Never Winter Nights - Deekin in Halkeginia:2011/07/30(土) 02:36:33.33 ID:K9Tja0KU
 
(……ン、あれ? 月の光にしては何か明るいような気がするの)
 
ふと不審がって俯いていた顔を上げると…、彼の目の前には、いつの間にか銀色の鏡が姿を現していた。
 
「オ……? これは何なの?見たことがないの……」
 
いきなり鏡面に移った自分の顔と目をあわせたディーキンは、驚いてとっさに後ずさるとぱちぱちと目をしばたたいてから首を傾げた。
ためしに《魔法感知(ディテクト・マジック)》の呪文をそっと織り上げると、じっと鏡を観察してみる。
 
「…ンー…、」
 
すると、鏡面から「強力」な魔力のオーラが感知された。
 
ディーキンはふと、いつか読んだ物語の内容を思い出していた。
その話では確か、銀の鏡面は魔術師の呪文で作られる、空間を飛び越えて遥かに離れた別の地点をつなぐ召喚魔法の門だったはずだ。
この鏡は見たことのない魔法だが、そういえば冒険の最中に何度か見たその手の移送門に似ている気もする。
もしや誰かが、自分を召喚しようとしているのだろうか? 何故そうしようとしているのかは分からないが…。
 
「アー…、もしかして、これは新しい冒険に出るチャンスってやつなのかな?」
 
ディーキンは、目の前の鏡を見つめながら考えた。
この鏡はきっと、どこかの魔術師のところにつながっているのだろう。
もしかしたら「賢人」エルミンスターとか、ヴァーサのウィッチ・キングだろうか?
もしエルミンスターだったら……、彼の物語には3箇所綴り間違いがあったから、その一覧表を渡していろいろと話を聞き出してやろう。
ウィッチ・キングだったら……自分が彼からどういう風に見えるのかインタビューしてみたい。
それとも、“ボス”のようなすごい英雄の魔術師だろうか?そうしたら、新しい冒険に連れて行ってもらって、また別の物語を書けるだろうか。
 
「ウーン…、それとも、コボルドを煮込んじゃう悪い魔法使いとか、前の御主人様みたいなでっかいドラゴンかも…」
 
この鏡がどこにつながっているのかも全く分からないのに、飛び込むのは普通に考えたら馬鹿げている。
今は“ボス”とも別行動している最中なのだ。何かとんでもない事態に巻き込まれたら、一人では対処できないだろう。

891 :Never Winter Nights - Deekin in Halkeginia:2011/07/30(土) 02:38:05.93 ID:K9Tja0KU
 
「でも…」
 
ディーキンは考えた。
別に、今の生活に不満があるわけではない。
ウォーターディープではコボルドだからと見くびられることもめっきり減ったし、冒険にも不自由しない。
何よりも、優しくて頼れる“ボス”が一緒にいてくれる。
主人の気まぐれにおびえながら洞窟で暮らしていたころや、人間に追いまわされながら惨めなその日暮らしをしていたころに比べれば夢のような生活だ。
 
だけど一度、自分ひとりでどれだけ未知の場所で立派に冒険が出来るようになったか試してもみたい。
 
以前にこの街に来たばかりのころは、まるで駄目だった。
世界を救うほどの大冒険を経験して、自分は一人前になったと思っていたけれど。
“御主人様”や“ボス”と別れて一人になったら途端に自信をなくしてしまい、戦うことも魔法を使うこともろくにできずにおどおどと逃げ惑うばかりだった。
自分はすごいコボルドのバードだけど、でもやっぱり臆病でちっぽけなコボルドだったのだ。
 
アンダーダークや地獄でのものすごいの冒険を経て今では本当の自信を身につけたつもりだけれど、本当にそうなのか試してみたい。
一人で立派にやれるようになって、自分は“ボス”にとって最高の仲間なんだと胸を張って名乗りたい。
そして冒険を続けて、いつか最高のバードになって、英雄と呼ばれるようになろう。
英雄になれたら、いつか自分は部族の住む洞窟に戻って偉大な族長になる。
そうしてみんなを人間の街に連れ出そう。
コボルドを人間やエルフや、大勢の他の種族達に受け入れられる仲間にしてやろう。
 
→飛び込む
 飛び込まない

892 :Never Winter Nights - Deekin in Halkeginia:2011/07/30(土) 02:39:15.21 ID:K9Tja0KU
 
「…うーん。 よし、ディーキンは思い切って飛び込んでみるよ……。
ディーキンは、とっても勇敢なの。ディーキンはとても勇敢だよ… ディーキンは…」
 
・・・・・
 
「ええと…冒険に出かける前には準備が必要だよね… 羊皮紙とペンはたっぷり……あるみたいだね…。
ボスと冒険したばっかりだから背負い袋にはいろいろ入ってるし…。
じゃあえっと……、パンツの代えは…」
 
・・・・・
 
「……えーと、景気付けに歌を歌うの。

♪ さぁ〜お知らせを広めよぉ〜! 今日ディーキンは出発だ! ディーキンその一部になりた〜い!!
ウォーターディープ! ウォーターディィ〜プ〜……」
 
・・・・・
 
「アー……、いつまでも往生際が悪いよね」
 
一しきりうろうろと迷った後で、パンパンと顔を叩いて気合いを入れなおす。
 
「それでは、ディーキンはひとまずウォーターディープにサヨナラなの…、え〜い!」
 
ディーキンは踏ん切るように弾みをつけて駆け出し、横っ跳びにジャンプして頭から鏡の中に飛び込んでいった……。
 



 
-------------------------------------------------------------------------------
 




893 :Never Winter Nights - Deekin in Halkeginia:2011/07/30(土) 02:40:13.78 ID:K9Tja0KU
 
――もうすでに10分以上はたっただろうか。
 
しびれを切らしたルイズは召喚の鏡の方につかつかと歩み寄ろうとして…、今日の召喚の儀を取り仕切っている頭髪の薄い男性教諭(名はコルベール)に制止された。
 
「…使い魔が出てこないうちに不用意に召喚の鏡に近づきすぎてはいけません。
出てくる使い魔が非常に大型だったり、迂闊に近寄っては危険な生き物だったらどうするのですか」
「でも!いつまで待っても出てこないじゃないですか! いっそこの鏡をくぐって、私が使い魔を連れて…!」
「ミス・ヴァリエール、そんな馬鹿なことを考えてはいけません。気持ちは分かりますが落ち着いてください。
召喚の鏡はこうしてちゃんと現われ、そしてまだ消えてはいないのですから、使い魔は必ずやってきます。
時間が少々かかるのはたまにある事です、まだ見ぬあなたのパートナーを信じてもう少しここで待ってあげなさい」
 
コルベールはルイズの肩に手を置いて優しく諭すが、それを聞いた周囲の生徒達からは口汚い嘲笑や野次が飛ぶ。
 
「ミスタ、いくら待ってもゼロに使い魔なんか来るわけないですよ!」
「さっさと帰りましょう!」
 
彼らは普段からルイズのことを馬鹿にしているのに加えて、彼女以外全員とっくに使い魔の召喚を終えている。
さっさと帰って召喚したばかりの可愛い使い魔とコミュニケーションを深めたいというのに、ただ一人のせいで授業が長引いていることに苛立っているのだ。
非難の言葉を口にしないもう少し行儀のいい生徒達も、おおむね退屈そうにしている。
 
「君達、貴族ともあろうものが級友にそんないわれのない非難をしてはいけません。
退屈なのは分かりますが、もう少し………あ、ミス・ヴァリエール!」
 
クラスメートからの非難の声に顔を上げて召喚の鏡を睨んでいたルイズは、コルベールが周囲に注意を促している隙にずんずんとそちらの方に歩み寄っていた。
 
(なによなによ、今に見てなさい! すぐ鏡の向こうから凄い使い魔を引きずり出して、みんなをあっといわせて………、え?)
 
ルイズの前で、鏡が煌々とその光を増していく。
思わず駆け寄って間近で鏡をのぞきこもうとしたルイズだったが……。
 
ガツン!!!
 
「「むぎゅっ!!!」」
 
二つの声が重なる。
ルイズはいきなり鏡から勢いよく飛び出してきた亜人の頭突きを喰らって、地面にぶっ倒れる破目になったのだった――。

894 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/30(土) 02:42:34.07 ID:K9Tja0KU
投下終了

TRPGの元祖ダンジョンズ&ドラゴンズのPCゲーム「NeverWinterNights」から、
ヘンチマンの一人であるコボルドのバード・ディーキンを召喚

895 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/30(土) 03:13:28.87 ID:4/j1VUu9
投下乙

896 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/30(土) 03:46:10.32 ID:2rPiY/Rd
投下乙だがエタるに5000ペリカ賭ける

897 :NEVER〜新たなる戦いinハルケギニア:2011/07/30(土) 05:22:39.46 ID:QjpHWvxY
誰も予約が無ければ第2話を投下したいと思います!
以前投稿した奴の改訂ではあるのですが、色々忙しかったのと
直していく内に止まらなくなって、結局予定より時間が掛かってしまいました。
誠に申し訳ございません。

では、5:24くらいに投下したいと思います。


898 :NEVER〜新たなる戦いinハルケギニア 第2話:2011/07/30(土) 05:24:03.47 ID:QjpHWvxY
その時であった。

空気を切り裂くような音がピシャッと響くと、長くしなやかな何かが少女の首に巻かれる。
すると、すぐに少女の体はぐいっと強い力に引っ張られ、克己から大きく引き離された。

「ぐっ!?な、何よ!?」

少女は突然自分の身に降りかかった事態に当惑し、声を上げた。
首を絞めつけられているせいか、とても苦しそうである。
周囲の連中も何が起きたのか即座に理解出来た者はいないようでざわめきが収まらない。
あのコルベールという男でさえ、この事態には面食らっているようであった。
克己に妙な真似を仕掛けた気障な少年もキョロキョロと辺りを見回している。
次の瞬間、克己の体は自由を取り戻していた。

(動く!!)

どうやら、周囲の戸惑いに合わせて、少年の集中力が落ちたらしく術のかかりが甘くなったらしい。
その隙を見逃さずに克己はナイフを取り出し、少年へ向けて投げつけた。

「痛い!!!!」

投げたナイフは少年の右手へと深く突き刺さっていた。
あまりの痛みに少年は手にしていた薔薇をポトリと地面へ落とすと、右手を押さえながら蹲る。

「大丈夫か!?」

少年の負傷に即座に反応したのは、やはりコルベールであった。
コルベールは少年の側へ駆け寄ると、応急処置を施し始める。
それと同時に克己の体がストンと地面へ落下した。
どうやら、少年のかけた術が完全に解けたようである。
克己は器用に着地すると、先程少女を襲った何かが飛んで来た方へと視線を向けた。
すると、そこには一人の男が立っていた。

黒い短髪に顎鬚を蓄えた少々強面の顔。
均整の取れた筋肉質の体。
そして、その男の手に握られていたものは鞭であった。
男は克己の方へ視線を向けると、強面の顔から一転、ニコリと笑う。

「克己ちゃん!!」

見た目とは裏腹に甲高い声がその場に響く。

「まさか、こんなところで逢えるなんて!!やっぱりアタシたちは運命で繋がれているのね!」

まるで乙女のような台詞を言って、男は体をくねらせた。
克己はやれやれといった表情で男に声を掛けた。

「運命かどうかは知らんが、お前と逢えたのは俺にとっては幸運だった……京水」
「ま、嬉しい!!克己ちゃんの口からそんな言葉が聞けるだなんて!!」

克己の言葉に歓喜するこの男の名は、泉京水。
克己率いる傭兵部隊『NEVER』のメンバーにして、彼の片腕的存在である。

「は、離しなさいよ……!!」

二人が二、三言葉を交わしていると、少女が首に巻きついた鞭を掴みながら京水を睨み付けた。

899 :NEVER〜新たなる戦いinハルケギニア 第2話:2011/07/30(土) 05:24:58.97 ID:QjpHWvxY
それを見るなり、京水の表情はさっと変わり、目に見えて怒りが露になる。

「ま!克己ちゃんの唇を奪おうとした雌餓鬼が生意気な!!……ぶっ飛び〜!!」

そう言って、京水は少女ごと鞭を振るって見せた。
少女の体は宙を舞い、そのまま受身も取れずに地面へと叩きつけられる。

「ぐえっ!」

少女はまるで潰れたヒキガエルのような声を上げると、そのまま気を失ってしまった。

「全く!いくら克己ちゃんが魅力的だからって、油断も隙もあったもんじゃないわ!」

京水はそう吐き捨てると克己を手招きする。

「そんなことよりも克己ちゃん!こっちこっち!!」
「ああ」

克己と京水はその場からの脱出を図り、示し合わせたかのように共に駆け出す。
すると、少年の応急処置を終えたコルベールが二人の背中へ杖を向けた。

「くっ!よくもミス・ヴァリエールとミスタ・グラモンを!」

コルベールはそう言うと、空中に炎の塊を浮かび上がらせていた。

「ファイヤーボール!」

そう唱えると、炎の塊が克己たちへと向かって飛んで行く。
まともに受ければ無事では済まなさそうだ。
だが、克己と京水は瞬時の判断で二手に分かれると、それをあっさりと交わして見せた。
目標を見失った炎の塊はそのまま地面へ着弾し、高く火柱を上げる。
それを傍目で見ながら克己は軽く口笛を吹く。

(全く、おかしな技を使って来やがる)

過去に戦った超能力兵士も似たようなことをして来たが、コルベールが放ったそれは明らかに威力が異なっていた。
恐らく、これでもまだ本気を出してはいないのであろう。
やはり、今の状態のまま戦わなくて正解だったと克己は思った。

(だが、奴とは再び相見えるような気がする。そういう『運命』を感じた。……その時は地獄へと送ってやるよ)

克己はチラッとコルベールを見ると、ほくそ笑んだ。
それはまるで、新しい玩具を見つけた子供のような無邪気な笑みであった。

二人はそのまま走る速度を緩めずに建物を囲む壁へと向かった。
目の前まで壁が迫ると、克己は振り返って追っ手が来ていないかを確認する。
コルベールを含めて何人かが二人を追い掛けて来てはいたものの、二人の速さについて来れないのか大分引き離している。
二人とも『NEVER』であり、身体能力が常人を遥かに超えていたことが幸いしていた。
あのコルベールも身体能力自体はそれ程高いわけでもないらしい。
二人は素早く壁を乗り越えると、すぐに建物の外へと脱出した。
これも『NEVER』だからこそ出来る芸当である。

「しまった!!」

遥か後方からコルベールが声を上げる。
失態であった。
二人の身体能力がこれ程までに高いとは思ってもいなかったのだ。
すぐにコルベールは杖を取り出すと、何かを唱えてふわっと宙に浮いた。
そのまま壁を飛び越え、二人の姿を確認しようとする。

900 :NEVER〜新たなる戦いinハルケギニア 第2話:2011/07/30(土) 05:26:42.31 ID:QjpHWvxY
しかし、既に何処かへ身を隠したのか、二人の姿はもうそこには無かった。

「くっ!」

無念そうに呟くと、コルベールはゆっくりと地面へ降りていった。





「……どうやら撒いたみたいね」

追っ手がいないことを確認して、京水は言った。
あの建物から脱出した後、二人は物陰に身を隠しながら移動し続けていた。
やがて鬱蒼と茂る森を見つけると、一切躊躇わずにその中へと入ったのだった。
薄暗い森の中でようやく二人は一息つく。
克己は京水の肩を軽く叩いた。

「まさか、お前があそこにいたとはな……京水」
「アタシも……まさか、克己ちゃんがいるなんて思ってもみなかったわ!」

京水はとても嬉しそうな顔で克己に抱きついた。

「ああ、克己ちゃん!アタシの腕の中に克己ちゃんがいるのね!……もう二度と会えないと思っていたわ!!
「……そう言えば、お前を見たのはあの時が最後だったな。……あの後どうしたんだ?」
「……浮気はやっぱりダメね。克己ちゃん以外の男に目移りしたから、きっと罰が当たっちゃったんだわ」

そう言うと京水はばつが悪そうに舌を出した。
可愛らしい少女が行えばとてもチャーミングな行為だが、京水のような男が行うと気色悪い。
克己はそんな彼を見て、少しだけ気を緩ました。
何だかんだで克己はこの京水という男を信頼していて、嫌いでは無かったのである。
少し緊張が解れたところで、京水は仮面ライダーOOOと戦い、そして散ったことを克己へ話した。

「そうか……風都の仮面ライダーはまだいたということか」
「ええ、イケメンで強かったわ。ところで克己ちゃんはあの後どうしたの?」
「……………………」
「あ、いや、ここにいるってことは……そうよね。ごめんなさい、アタシ無神経だったわ」

途端に不機嫌になった克己に、京水は慌てふためき、そして謝罪した。

「……アタシのこと、嫌いになっちゃった?」
「フン、過ぎたことだ。元々過去なんか消えちまう俺たちだ。気になんかしていないさ」
「……有難う、克己ちゃん」
「……しかし、ここは何処だ?」

克己は再び目を覚ましてから、最初に感じた疑問を改めて口にした。

「俺たちは何故ここにいる?それよりも何故、俺たちは『生きて』いるんだ?」
「そうね。アタシは確かにあの時、死んじゃったわ。でも、今確かにここにいる……本当に不思議ね克己ちゃん」
「……まあ、いい。分からないものは仕方が無い。それならば、重要なのはこれからどうするかだ」

何故、今自分たちが『生きて』いるのか。
それは後からでも考えることが出来る。
今すべきことは、この先どうするかである。
京水も克己の意見に同調する。

「そうね、その通りだわ。……でも、ここ一体何処なのかしら?どう見ても風都じゃないのは確かだし……。あの連中の顔や建物を見る限りヨーロッパ方面みたいだけれども……」
「取り敢えず、近くの街へ行く。情報を得るにはそれが一番手っ取り早い。ある程度情報が出揃えれば、俺たちが何処にいるか大体は見当が付く筈だ」

901 :NEVER〜新たなる戦いinハルケギニア 第2話:2011/07/30(土) 05:28:17.11 ID:QjpHWvxY
「流石克己ちゃん!こういう時でも冷静なのね!」

抱きつこうとする泉京水を交わし、克己はどんどんと先へ進み出した。

「つれないのね……でも、そこが素敵!」

泉京水はまるで少女のように頬を膨らました後、ルンルン気分で克己の後をついて行った。





再び場面はトリステイン魔法学院へと戻る。
やっとのことで召喚した使い魔に襲われた挙句、逃げられてしまった少女……ルイズはようやく気絶から目を覚ましていた。

「お願いです!もう一度召喚のやり直しをさせて下さい!!」

ルイズは恥も外聞も捨ててコルベールへ懇願していた。
それが常識外れな願いだということはルイズも分かっていた。
それでも、ルイズはそう言わずにはいられなかったのだ。
しかし、コルベールの返答は非情であった。

「先程も言ったが、召喚の儀式は神聖な物だ。やり直しは私の一存では許可出来ない」
「そ、そんなあ……」

ルイズは愕然とする。

「……君が召喚したあの男の捜索は行う。見つかり次第、確保し君の元へ連れて行くことを約束する。だから、そんな無理を言わないでくれミス・ヴァリエール」
「で、でも!!」

あの使い魔が大人しく捕まるとは到底思えない。
仮に捕らえられたとしても、ルイズにはあの使い魔相手に無事契約を終える自信が無かった。

「これでこの話は終わりだ。君も酷い目に遭ったんだ。医務室へ行った後、ゆっくりと部屋で休みなさい」

コルベールはそう言って、ルイズの元から去って行った。
一人取り残されたルイズは絶望のあまりその場に膝をついた。
それから暫くした後、ルイズは医務室へは寄らずに自分の部屋へと戻って行った。

その夜、ルイズは部屋の中で布団に包まりながら、ボロボロと涙を流していた。

「どうして……どうしてこんなことに……私はただ、普通に魔法が使えればそれで良かったのに……」

王家とも関わりの深いヴァリエール公爵家の三女として生まれた彼女。
誰もが羨むような出生ではあるが、そんな彼女には唯一にして最大の悩みがある。
それは系統魔法が全く使えないということであった。

ここハルケギニアにおいて、魔法が使えるということは何よりも重要なステータスであった。
一部の例外を除き、貴族はメイジであり、メイジは貴族である。
魔法こそが貴族の証なのである。

しかし、ルイズにはそれが無かった。
ヴァリエール公爵家の三女という肩書き。
それさえもこの現実の前には風前の灯と化してしまう。
事実、彼女はこのトリステイン魔法学院において、他の生徒たちから明らかに見下されていた。

そんな苦渋を舐め続けた彼女が今日、『サモン・サーヴァント』を成功させたのだ。
それがどれ程の喜びだったかは想像するに容易い。

しかし、その喜びは束の間であった。

902 :NEVER〜新たなる戦いinハルケギニア 第2話:2011/07/30(土) 05:29:39.12 ID:QjpHWvxY
彼女に呼び出されたのは人間。
それも明らかに平民であった。

ルイズは一瞬何が起きたのか理解出来ず、頭の中が真っ白になっていた。
そして状況を飲み込むと同時に、彼女へ嘲笑と野次が飛んで来た。

ルイズはすぐに『サモン・サーヴァント』のやり直しをこの場の監督であるコルベールへと直訴した。
しかし、それは許されることは無く、仕方無しにその平民と使い魔の契約……『コントラクト・サーヴァント』を行うことを渋々了承した。
そしていざ実行しようとした矢先に、いきなりナイフを突きつけられ、挙句の果てには謎の男(?)まで現れて逃走。
契約どころか、使い魔までいなくなってしまった。

これはルイズが今まで生きて来た人生の中で最悪の出来事であった。

「どうしよう。このままじゃきっと留年。下手すると退学まで有り得るわ。そんなことになったら……」

ルイズは厳しい母親の顔を思い浮かべると、恐怖のあまり失神してしまいそうになった。

「もう嫌……私が何をしたって言うの?何でこんなことになっちゃったの?もう嫌……もう嫌よ……」

ルイズは一頻り泣くと、杖を取り出してふらふらとベッドから抜け出た。
そして、呪文を唱え始める。

「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール……」

(……どうせ留年するんだもん。もう一度『サモン・サーヴァント』やったっていいんだもん!)

「……五つの力を司るペンタゴン。我の運命に従いし強く美しく気高い我が使い魔を召喚せよ!!」

ルイズはやけくそ気味に杖を力いっぱい振った。
すると、目の前に大きな爆発が起きた。
あまりの轟音に何事かと隣の部屋から褐色の少女……キュルケが飛び起きてルイズの部屋へ入って来る。

「ちょ、一体何の音よ!?」
「うるさいツェルプストー!どうせ私は爆発しか起こせないわよ!!今だって『サモン・サーヴァント』をやったけど、また爆発よ!笑いなさいよ!!笑え!!アハハハハ!!!!」
「……ちょっとルイズ?」
「何よ!?」
「それ……」

ルイズがキュルケの指差した方を見ると、そこには人が倒れていた。
昼間に彼女が呼び出した男とは違い、黒い髪に見たことの無い服を着た少年。
ルイズは驚きのあまり声を出せなかった。

暫くすると、少年は「んん……」と声を上げ、ゆっくりと体を起こし始める。
そして、そのぼんやりと焦点の合わない目で周りを見渡した。
やがて、その視線がルイズの視線とぶつかる。

「……ここは?」
「あ、あんた!あんた誰!?」

突然話し掛けられ、頭の中がパニックになっていたルイズがようやく出せた言葉はそれであった。

903 :NEVER〜新たなる戦いinハルケギニア:2011/07/30(土) 05:33:30.11 ID:QjpHWvxY
と、こんなところで2話が終了です。
一番初めに合流するなら京水だろうなあ、って思いました。
映画やエターナルで克己が仲間の名前を読んだのは京水だけなんですよね。
それだけ信頼しているんだろうという解釈です。

映画公開時期に発表された小説は、エターナルと比べると設定が結構パラレルになっちゃってるので
設定とかそういう部分は映画かエターナルを参考にやっていきたいと思います。

では、また次回。

904 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/30(土) 07:16:48.14 ID:4/j1VUu9
投下乙。

905 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/30(土) 08:46:44.04 ID:Bf4xbXug
ディーキンてシルフィとソリが合いそう


新たに出てきたのはやはりバカ犬か?

906 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/30(土) 10:12:02.01 ID:6K2DCv+D
>>894
元ネタは知らんが、非常に納得のいく召喚シーンであった
間違っても拉致ってないよな
続きに期待

907 : 忍法帖【Lv=30,xxxPT】 :2011/07/30(土) 10:14:22.12 ID:00onAuff
>>894
同じく続きに期待
原作知らんがちょっと興味がわいた

908 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/30(土) 10:23:33.25 ID:7fRell42
エターナル乙

909 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/30(土) 10:42:54.85 ID:Ypnu80BD
ちょっくら次スレ作成に挑戦してくる
ミスったり無理ったりしたら勘弁な

910 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/30(土) 10:46:26.55 ID:Ypnu80BD
立ててきた

あの作品のキャラがルイズに召喚されました part298
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1311990285/l50

911 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/30(土) 11:09:06.93 ID:DPhMgb1d
>>894
超乙
まさかNWNからくるとは思わなかったんですごい嬉しいわ
マジで期待してる

912 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/30(土) 11:13:36.16 ID:kPHzlQrl
エターナルの人乙
某宇宙世紀なアニメも無数に作品展開されているせいで映像化されているものが公式っていうルールが出来ているので、
エターナルも映画とVシネを主な設定にして、小説は参考程度にすればいいかと

913 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/30(土) 13:10:19.75 ID:NlRbulmf
エターナル乙。

そう言えば、もうAtoZから1年になるか……。

914 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/31(日) 01:01:40.62 ID:Ql2g0zh9
埋めるか

915 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/31(日) 11:45:30.31 ID:UywJkrBu
埋めますか

10スレくらい追っかけてるけど、シナリオ改変ばっち来いと言った住人がいてびっくり。
そういう事聞くと妄想を文字として出力したくなる。

916 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/31(日) 13:51:48.85 ID:n4B/sYla
>>915
改変が無さ過ぎると本編でおkってなっちゃうからなぁ
まあ改変は多かれ少なかれ必要だと思うよ

所で○○を召喚って二行ぐらいのレス多いけど
ああいうレスで出たキャラが召喚し辛くなるのではないかと思ったりするが
そうでもないのだろうか

917 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/31(日) 13:55:29.40 ID:LEC21w+i
「埋めよう」
「埋めよう」
そういうことになった。

918 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/31(日) 13:57:40.43 ID:82riPdXa
>>916
ここは元々雑談スレだからね
誰かが、○○を召喚って振ると
別の誰かが、それ喚んだら○○だろって反応する
その流れを見てインスパイアされた誰かがSSを投下する
そういう流れ

919 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/31(日) 14:08:50.13 ID:n4B/sYla
>>918
なるほどー、そういうもんですか
乗りたい話題があったら今度からレスしてみます

920 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/31(日) 16:56:36.66 ID:osMRQPsC
埋まるかな?

501 KB
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

★スマホ版★ 掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50

read.cgi ver 05.02.02 2014/06/23 Mango Mangüé ★
FOX ★ DSO(Dynamic Shared Object)